武幸四郎のジレンマ(中山牝馬S)

弥生賞のレース終了後、騎乗を終えた騎手が足早やに、検量室へ向かう。
喧騒な雰囲気の中、検量室から戻ってきた騎手が怒鳴られていた。
「あんな乗り方をしてたらだめだ!」
優勝ジョッキーの談話を取ろうとしていた記者が一斉に振り返る。
ローマンエンパイアの調教師、古川平師が激怒していた。
「頭数も少ないから、中団から行ってくれと言っていたのに。あのペースであの位置取りはないだろう。」
そう一気にまくしたてる。
「馬主さんも怒っている。今さら騎手を代えるわけにはいかないがな・・・」
とまで口にした。
顔面蒼白で、うつむいて何もいない男の名は武幸四郎。天才ジョッキー武豊を
兄に持つ若手ジョッキーだ。兄が得意とする後方からの追い込み。
道中は兄を彷彿させる後方2番手から進み、直線だけの競馬。残り200メートルからグイグイ追い込んだが、半馬身届かず。展開のアヤだ。
極端なスローでレースは流れた。逃げた勝ち馬には楽な流れ。
ローマンには、有利な展開でなかったことは間違いない。
後半3ハロンのタイムは33秒7。ただ1頭の33秒台。
しまいの脚色は勝ち馬をも圧倒していた。
「それは分かっていたんですが…。今日はちょっと特殊な流れだったし・・・」
言葉は少なく、口を結んでしまった。
調教師が去った後、私は彼に声をかけた。
「一番強いレースをしたよ。これでエンパイアの実力がはっきりわかったと
思うよ」
彼は、うつむきかげんに
「馬の状態はだいぶ良くなっていた・・・・。今でも僕の馬が一番強いと思っている」
結果を出せなかった苛立ち、悔しさが体全身から発されている。
そして何度もこう口にした。
「何を言っても言い訳にしかなりませんから」
勝負事に言い訳は効かない。これを機に一皮剥けるだろう。
そう思って彼の肩をポンと叩き、ルームを後にした。


さて、今週も中山に来た武幸四郎。先週の教訓を生かして前で競馬ができるか?
「ティコティコは気難しい面があるので、しまいを生かす競馬したいけど・・・」
という幸四郎。先週の今週でジレンマから思い切った騎乗は出来ない可能性が強く
私は消し。◎は中山[2.2.1.0]のレディパステルから。
もっと走っていいとおもう△バイラリーナ。
そして、やはり関西馬は恐い。

◎レディパステル
○ダイヤモンドビコー
▲カリスマサンオペラ
△バイラリーナ
△ピンクプルメリア
△ショーナンバーキン

◎流し&○−▲

春風吹く中山に幸四郎の春はやって来るのか?
先週に引き続き、今週も彼の騎乗には注目したい・・・。