夢の続き(ローズS)
Jackpotでは、美和が店の金を持ち逃げしたんじゃないか?
と大騒ぎになっていた。
コウシャクは警察を呼ぼうとしたが、マスターは何かの間違いだと
いって聞かない。しかも美和に金を貸したのは健だけじゃなく、
コウッシャクと高橋までが貸していたとか。
当然マスターも貸していた。
「これは計画犯だな。」
そういって黒川がやってきた。どうしてこの男はいつも遅れて
カッコよく登場するのか?
「そうでしょう。警察に連絡しましょうよ」
そうコウシャクが息巻く。
「警察に連絡したところで金は返ってこない。しかも色々聞かれて
時間の無駄なことばかりだな」
「じゃあどうしようと・・・」
泣きそうになって健が聞く。
「探し出して、しっかり取り立てる。当然利子もつけてだ。」
「え!どうやって探すのさ〜」
そうマスターが聞く。
「俺は代行屋だ。君らが俺に依頼すればいい。顔なじみだ依頼料は
安くしておくよ・・・。」
「は〜。」
一瞬にて、場はため息に変る。
「利子分くらいは回収したのかい?」
そう黒川は聞く。
「いやなにも・・・・。」
そう健はいう。
「じゃあ依頼料は利子分と回収金の2割でどうだ」
黒川が提示すると健は頭の中で貸した5万が1万円を払えば帰ってくる。
つまり1万が5倍になると瞬時に計算し、
「乗った!黒川さんたのんますよ〜」
と手を上げた。その勢いに圧されてか、たいした額でもないコウシャクと
高橋までもが頼んでしまう始末。
ただ、マスターだけは金じゃなくて、美和ちゃんを探し出して連れてきてくれ。
とすがりついたとか。
「探し出してどうする?金返せとでもいうのか?」
「いや・・・彼女の気持ちを確かめたくて・・・」
「マスター金目当てに決まってんだろう!なにをいまさら・・」
そうコウシャクが言う。
「まあいい、これはちと高いぞ。それでもいいか?」
「黒川さん。お願いします。」
「わかった・・・・しかし家も零細でな。人手が足りん・・健どうだ」
「どうって?」
健が当惑する。以前健は黒川に憧れていた。
その時期に1日だけだが、夜逃げの仕事を手伝ったことがあった。
「やるのか?やらねいのか!」
相変わらず凄味のある声で言われるとプーの健は
「はい!」
とスットンキョな声を上げて、黒川の手伝いをすることが決まったとか。
あれから3ケ月が過ぎたが、美和の行方は一向に知れない。
入院が長引いている田島の競馬コラムもわりと好評でなに一つ変ったことがない。
マスターは相変わらずJackPotで美和の帰りを待つ。
夢をあきらめきれないマスターは夢の続きを夢見る。
思えばオークスでスマイルトゥモローの単勝馬券で美和と大儲けして、
2人はしゃぎあってた頃を懐かしむ。
美和は派手な外見とは違って繊細な面も持っているのを知っているのは、
俺だけだ。そんな自負がマスターにある。。
年甲斐もなくと人に言われるかもしれない。でも人を好きになるのに
理由はいらない。歳の差も関係ない。
美和が帰ってきたら、もう一度一緒にやって行きたい。
ローズSにスマイルの名はない。
しかしオークスで先行して3着と粘ったユウキャラット。
夏場は函館でじっくりと乗り込まれ、先週に栗東に戻った。
阪神の2000メートルは春に連勝した得意のコース。
もう一度夢を見させて、そして美和に言いたい言葉を胸の内にしまって、
◎ユウキャラットから総流しするとか。。