乾杯!(中山金杯・京都金杯)

有馬記念で馬単、ワイドを的中したコウシャクは、そのままJackPotには向かわずに
錦糸町で途中下車した。錦糸町は金のない時に良く馬券を買いに行った町だ。
ふとあの頃が懐かしくなった。昔良く行ったスナックはこの辺にあったはずだが・・・
町並みも整いきれいになって店の名前も思い出せない。
「ふれ愛」どこにでもあるような名のスナックに入った。
店はカウンターにテーブル席が3つの小じんまりとしたスナックだった。
店は有馬で勝った客と負けた客でごった返していた。
「今一杯なのよ〜。カウンター席でもいい?」
「ああ」
そう言って座った。
「なににします?」
カウンター越しにママが声を掛ける。
「ビール。」
「はい。ビールね」
「ここはいつもこんなに混んでるのか?」
「今日は特別よ。裏にウインズがあるじゃない。あそこから流れてくるのよ。
今日は今年最後だからなおさら。」
「有馬記念だったからな。」
勝利の美酒に酔いしれる。セカンドバックには200万のJRAの帯たい付きの札束が
所狭しと詰まっている。
「ママもどうだい?」
そうビール瓶を差し出す。
「そう?じゃあ頂こうかしら。今日は勝ったの?」
「まあな」
「おめでとう」
「しかし7時前なのに凄い人だな」
「もうちょっとしたら引けるわ。競馬帰りに一杯の人が多いから」
そう言って笑う。
ドアが開き、ひとりの女の子がバタバタしながら入ってきた。
「美咲ちゃん。遅いよ〜」
そうママ。
「ごめんなさい・・・ママ」
そう言っていったん奥に消える。身を整えて美咲は出てきた。
「今日は忙しいんだから、早く来てっていたのに・・・もう」
ママは不機嫌だったがシュンとした美咲がいじらしかった。
ビールを2本飲んだところで、
「何にしますか?」
と美咲が隣に座った。
「そうだな。君がいいな。」
「はあ?そう言うお店じゃないんですけど」
「はは・・・・冗談だよ。ホワイトホースの12年もので」
「かしこまりました」
そうおどけて奥にアイスとウォーターを取りに行く。
「ごめんなさい12年はないの。普通のでいいですか?」
「ああ、いいよ」
ぎこちない手つきで美咲が水割をつくる。
「君も何か飲みなよ」
「じゃあ、カルアミルクを頂くわ」
そう言ってママにオーダーする。
「入ってどのくらい?」
「実は昨日入ったばかりなの。」
「そうか道理で・・・」
「わかる?」
「わかるよ。ぎこちないもの」
「まだ慣れなくて・・・お客さんとも何話していいかわからないし」
「そのうち慣れるさ。向き不向きもあるけど」
9時を過ぎたら人が波のように退いた。
「テーブル空きましたので、移動してください。もう客はこないみたいだから」
そうママが促した。
テーブル席に移ったら、違う子が隣に付いた。正面にはママだ。
「ママ随分若いね。幾つ?」
そう期待しないで歳を聞く。
「さあ幾つに見える?」
「う〜ん20歳くらいかな。」
「まあお上手ね」
「そんなわけないか・・」
と言って場が笑いに融ける。
隣の子が席を立ったときにママに
「美咲って子を持ち帰っていいかな?」
と言ってママの手に1万円を握らせる。
「まあ、うぶな子なんだから手荒にしちゃ駄目よ」
そう言うと席に美咲を呼ぶ。
席に戻る美咲に
「お帰り・・」
と言う。つられて美咲も
「ただいま・・」
と返事をした。
たわいのない話をした後、
「家は近いの?」
と聞く。
「うん近いよ」
「もう看板だろう?ラーメンでも食っていくか?」
「・・・・」
返事に困っている美咲にママが
「美咲ちゃんもう上がっていいよ。お客さん見送ってくれる」
そう声を掛ける。1万円が効いたようだな。
「じゃあ行こうか」
そう言ってレジに向かい、会計を済ませていると美咲がコートを持ってやってきた。
「じゃあ」そう言うと
「ありがとうございました。またいらしてくださいね」
とママがお辞儀をしながら言った。

店を出て、2つ目の角を曲がってあれ・・昔このへんにラーメン屋があったはずだけど・・
その代わりおでん屋台があった。
「ラーメンは止めておでんにするか。。」
そう言って屋台に2人で座った。
「熱燗。それから適当に・・・。」
「美咲ちゃんは?」
「私はダイコン、卵、それからガンモ」
「オヤジ、それで」
「はい。かしこまりました」
そう言って熱いよと言って熱燗を差し出す。
コップ酒で乾杯。
「温まるよ」
「うん。」
そう言うと美咲も飲んだ。
「お店って結構緊張するんだー」
「2日目じゃな。さあ」
そう言って美咲に酒を注ぐ。
「私だって好きでこんな仕事してるわけじゃないんだから」
酔っぱらってきた美咲はそうくだを巻く。
「会社が倒産しちゃって・・・」
「そうか。」
「高校出て、田舎を飛び出すようにして出て来て3年間。早かったな〜。
でもいいことなんてこれぽっちもなかったな・・・。」
「東京はなんでもある。楽しいことも一杯あっただろう」
「そりゃね。楽しいことは一杯あったさ・・・」
そう言ってカウンターに顔を付けて寝てしまった。
「じゃあお勘定」
「まいど」
勘定を済ませると、美咲を担いで美咲のアパートまで送る。
「重いからいい」
そう言う美咲は足が地に付かず歩けなかった。
「歩けないんじゃしょうがないだろう。おとなしくつかまってろ」
迷いながらも20分も歩き、コウシャクはクタクタだったが、
美咲のアパートの鍵を開け玄関に倒れこんだ。
「安い所は駅から遠いのよ・・・。しょうがないでしょう。」
そう美咲は申し訳なさそうに言った。
酔いと疲れでそのままコウシャクも寝ようとすると。
「こんなとこで寝ないでよ。」
そう言って美咲は、コウシャクを自分のベットまで引っ張り込む。
文字通り服を引っ張ってベットまで運んだ。
「ごめん思ったより重くてさ・・・。」
そう言ってベットに入り込み眠るコウシャク。
「もう私のベットに寝ないでよ」
「一緒に寝ようよ。暖かいよ」
そう言われて美咲は
「何もしないでよ・・」
と言ってベットに入ってきた。
「何もしないよ・・・いや出来そうにない・・・」
「ばか・・」
言ったとおりコウシャクは酔いと疲れで寝込んでしまった。
美咲も疲れがドット出て熟睡した。

昼前に明るさと空腹でどちらともなく目を覚ました。
そしてどちらかともなく抱き合い唇を重ねた。
まだ酒が残っていた。
舌を絡ませ合い、美咲のシャツのボタンを外す。
ピンクのブラジャーのホックを片手で外しやわらかい乳房を愛撫した。
舌で乳首を舐め転がし、やさしく揉む。
美咲はしばらくして感じ始めた・・・・。


1回戦が終わったところで、シャワーを浴びた。
「なんか取るか?」
そうコウシャクが言うと
「そうね・・・何も買ってなかった」
「じゃあ上寿司とうな重でいいかい」
「いいよ」
昼飯をたいらげて、2回戦が終わった。
日も沈み夕方になったので、2人で買い物に出かけ、夕食をともにした。
一足早いクルスマスプレゼントにネックレスをプレゼントした。
そして美咲の部屋に戻り寝付く・・・
あたかも当然のようにコウシャクは美咲の部屋にいついてしまった。
「ねえ・・何してる人なの?」
そう何度も尋ねる美咲に
「決まった仕事はしていないんだ。フリーアルバイターともチョット違うがな」
そんな曖昧な返事で濁している。
昼間はたまに自分の部屋に帰るほかは銀玉を転がしているか、美咲の部屋でTV
を見たり新聞を読んだり、だらだら過ごしている。
夜になると、JackPotに行く程度。
年末は温泉で芸者を上げて余世を忘れようかと思っていたが、
嬉しい誤算で美咲と年越しすることにした。
ディズニーランドに初詣と新年を美咲を共にしたコウシャクは、マスターの
気持ちが少しはわかるような気がした。
毎日のように肌を合わせていると美咲が自分の体の一部のように思えてくる。

さて不抜けのように怠惰な年末を送ったコウシャクの金杯予想はこうだ。
〜中山金杯〜
◎トーホウシデンから流す
○イブキガバメント
▲コスモレジェスタ
△グラスエイコウオー
△クラフトマンシップ
△エルカミーノ
△サスガ
△マイネルライツ

荒れる金杯だけに手広く流す。

〜京都金杯〜
◎モノポライザーから流す。
○メイショウラムセス
▲リキアイタイカン
△グラスワールド
△テイエムサースポー
△ローズバド
△サイドワインダー
△ダービーレグノ
△エイシンエーケン

◎○からの3連複

さて淀んだ中山の寒空に2匹目のドジョウはいるのか?







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