黒川の逃げ〜アイビスサマーダッシュ&札幌記念〜

「逃げろ!逃げろ!逃げまくれ〜!」
そうテレビの画面で叫ぶコウシャクと健。
画面ではオースミハルカがいいペースで逃げている。
「あのペースならバテない。開幕週で簡単に前は止まらないはずだ」
そうコウシャク。
内をぬって武豊ファインモーション。外からテイエムオーシャン。
現役最強2頭を振り切って、オースミハルカが1着でゴールイン。
「やったな〜。」
「やっちまったよ」
勝てるとまでは思っていなかった2人は顔を見合わせた。
手に持っていた馬連馬券はあっという間に100万に膨れ上がった。

その頃高橋は、大隈遥と初デートだった。
高橋の考えたデートプランはお台場かディズニーランだった。
待ち合わせた喫茶店で偶然競馬の話になり、そこでクイーンS
のオースミハルカの話になった。
彼女は一度馬券と言うものを買って見たいと言う。
そこでどうせ買うなら自分と同じ名前の馬に一票を投じて見たいと
いうのだ。
大隈に押されて、新宿のウインズに行った。
馬券の種類を一通り教え、「ファインモーション」がいかに強いか
も説明する高橋だった。
「私、1番じゃなきゃ嫌。どんなに強いか知らないけど、私頑張るわ」
そういって、馬単をオースミハルカからファインモーションへ5000円
と単勝10000円。馬連5000円の計20000円を購入した。
それにつられて高橋も同じ馬券を購入。
ただしワイド5000円複勝5000円の1万円余計に購入した。

デート費用を馬券に費やしてしまった二人は、新宿御苑で時間を潰し、再び
ウインズで競馬中継をみた。
ゴールした瞬間大隈の歓喜が悲鳴に変わった。一瞬フラット倒れ掛かったな
った大隈を高橋が支える。
気がついた、大隈が「ごめんなさい・・。興奮しちゃって・・・」
とすまなそう言う。
「大丈夫かい?」
そう大隈を気遣う高橋。
「ええ・・。競馬って面白いですね。」
そう大隈は言った。
換金した金額は、大隈は、933,000円と帯タイに一歩及ばず、
高橋は991,000円とこちらも及ばずだが、膨れ上がった札を見て喜んだ。
高橋は、某ホテルにデーナーの予約の電話を入れる。
すっかり舞い上がった大隈を連れて六本木ヒルズでショッピングした。
高橋は、彼女に服を買ってやった。彼女は前から欲しがっていたバックを購入
し、着替えてホテルに向かう。


その頃Jackpotでは、黒川、コウシャク、健、マスターと美和。
そろって祝勝パーティを開いていた。
「高橋さん、繋がらないよ・・・」
そう健が言うと
「家族サービス中だろう。ほっといてやりなよ」
そう黒川がいう。
「そうだな・・・」
そういって酒を酌み交す。
「ごっそうになるついでに、アイビスサマーダッシュの狙い馬を教えてくれよ」
そう黒川が言うと、コウシャクが
「黒川さんが聞いてくるなんて珍しいですね。面白いところで、タイキトレジャー」
「どこが面白いんだ?まあいい。健は?」
「俺は、快速娘サーガノヴェルだ」
「黒川さんは?」
そうコウシャク。
「俺は、ティエッチグレース・・・」
「ほう?3人ばらばらだね。後先やろうよ。」
「俺はやらんよ」
そう黒川。
「ついてる奴には逆らわない。ギャンブルの鉄則だ」
「逃げる黒川さん、初めて見たよ」
そう健が怪訝な顔をする。
「俺だって逃げるときもある。夜逃げ屋もやってるし・・・札幌はまた2強だな」
「ああ・・・。2強並び立たずの格言があるように紛れが生じる可能性がある。」
「2強以外の推奨は?」
「ヒマラヤンブルーでしょう。3連複は堅いけど」
そうコウシャク。
「今回も逃げ馬か?俺はユワンプラテクト」
健も続く。
「そうか?ノブレスオブリッジはどうだい?」
「まあ、悪くはないでしょう」
「ふむふむ。トニーディアマンテでいくか?」
そう黒川。
「黒川さん偉い穴ですな〜」
「先週同様、こういうレースはあまり買う気がしなくてね」
「そのための3連複でしょう?」
「まあな。でも2強からじゃ付かんな。」
「まあ4点買って3倍になりゃいいんじゃないですかね〜」
そういってコウシャクがタバコをふかす。
「今日はとことん飲みましょうや〜」
と健が割って入って、美和が氷と水の追加を持ってきた。
今日もいつものように変わりなく夜が更けてゆく・・・・。