大隈遥〜クインーS〜

新作のドラマに忙しい、長瀬はマネージャーから突然聞かされた
田島との絶交に1晩泣きはらしても足りないくらい落ち込んだ。
所詮は人気商売。アイドルのスキャンダルはご法度は今も昔も変わりなし。
春のG1が終わると長瀬のこの馬から流せの連載も終了した。
田島は相変わらずしがない団子打ちに明けくれていた。

春の勢いも途中からやや失せたコウシャクだったが、堅い馬券は確実に
ものし、美咲とも順調だ。いや順調というより単調だ。
単調な毎日に変化が欲しい時期なのかもしれない。そんな美咲の気持ちも
露知らず毎日の様にJackPotに行っては酒を飲む。

「なんか面白しれー話ないかな〜」
そうコウシャク。健が
「そういえば、高橋さん最近こないね・・・」
「そうだな・・オースミハルカとどうにかなったのかな?」
「な、わけないよな・・・はははっはっは」


高橋の思いが通じたのか、住民課の飲み会の帰りに酷く酔った大隈を
家の方向が同じというだけの理由で高橋が送ることになった。
まあ高橋なら大丈夫だろうと言う課長のお墨付きもあった。
慣れない日本酒を飲んだ大隈は腰が抜けて立てなかった。
気力はあるのだが体が言うことを聞かない状態だ。
タクシーが大隈のアパートについても大隈は歩ける状態でなかった。
しょうがなく高橋も一緒に降りて、大隈の肩を抱いてアパートまで歩く。
大隈の部屋は2階のため階段は大隈を背負って登る。
背中に当るやわらかい感触も太ももの感触も40を超えた高橋に味わえる
余裕はなく、階段を登ることで精一杯しかも酔った人間は通常より重く
階段を20段も登ったところで汗が噴出す。
何とか彼女の部屋の前まで来たときには息が上がっていた。
「ごめんなさい。高橋さん。私が酔ったばっかりに・・・」
「はぁはぁ・・いいんだよ・・・はぁはぁ・・」
そういって咳き込んだ。
「大丈夫?」
「うん。歳だな。こりゃ・・」
そういって2人はもつれ合う用に部屋に入った。
部屋に入って水を一気に飲むと2人とも息を吹きかえした。
「ありがとう高橋さん。」
そういってソファーに座っていた大隈が高橋にもたれ掛る。
「なに上司としては当たり前だよ。」
こんなところで上司面してもしょうがないのだが、高橋には
取り繕い方がわからなかった。
「大隈くん?」
そういう高橋の声も聞こえないくらいにスヤスラと彼女は眠ってしまった。
解くに解けなくなった腕枕をどうしようか考える高橋もそのまま眠っていた。
その状態で朝を迎えた二人は、微妙な関係になった。
彼女は酔った状態で体を抱かなかった高橋に絶大な信頼を寄せるようになった。
そうして仕事帰りに一杯やったり、食事したりの関係になった。

そんな高橋の状態とはつゆ知らず、健が
「こんどオースミハルカ出るらしいね」
「ああ、クイーンSか?。ファインモーションにテイエムオーシャンじゃいくら
なんでもな〜」
「斤量差が7キロなら面白でしょう?」
「ああ、机上計算なら1.4秒貰ったことになるからな。」
「調教よかったらしよ」
「見て見たいね」
「え?」
「オオスミハルカ」
「は〜」
「結局、この夏は寒くて海にも行かなかったな」
「えええ・・・」
「その弾むような馬体を・・」
「コウシャクさん。溜まってるの?」
「高橋さんは、しこたま買ううだろうな〜」
「酔っ払ってるの??ところで小倉はどうよ?」
「小倉かいな?そうかいな?エイシンスペンサーで勝負じゃ!」

すっかりよっぱらたコウシャクと健。
こんな調子で今日も夜が更ける。