ときめき武闘伝Gメモリアル



この物語は、「ときめきメモリアル2」と「機動武闘伝Gガンダム」のパロディ小説です。
元ネタが元ネタなので、大きな心で読んでやってください。


機動武闘伝Gガンダム/(C)サンライズ、創通エージェンシー、テレビ朝日



 ―――屋上会議編―――


 卒業も間近に迫ったある日、主人公は何気なく屋上を訪れた。
 ところが、屋上に出るドアに手をかけたとき、人のいる気配がしたので、そうっとドアを開け
て、様子を見てみると、そこには、深刻そうな雰囲気での中で、何かの相談をしている光と水無
月さんの姿があった。

「――僕は出て行かないほうがよさそうだな」

 今の二人の間に入れる余地は無いだろうと、主人公はその場を後にした。
 それ自体は、正しい判断だった。
 ただ、何を話していたか、そしてこれからの展開は、多分彼の想像の遠く及ばない世界
あった……。


  ―――― * ―――――― * ――――


「……琴子……あなたの本当の気持ち、話してくれてありがとう……。でも、私、なんていったら
いいのか……」

 うなだれている琴子の肩に手をかける光。
 光は、琴子から、彼女の主人公に対する気持ちを告白されたのだ。

「……琴子……」

 言葉に詰まる光。同じ人を好きになってしまった親友に、かける言葉を必死で探しているよう
だ。

「……………………」

 黙ったままの琴子。その肩が、わなわなと震える。

「琴子……?」
「………くっ、くっ、くっ……」

 琴子の口から漏れる、薄ら笑い。

「琴子?」
「……まぁだ事の重大さが飲み込めておらんのかぁあ! このぶぁかものがぁあ!」

 大音声とともに、光をどつきたおす琴子。

「きゃあああっ!」

 倒れた光が見上げると、そこには、恐ろしい形相で光を見据える琴子の姿が!

「私たちが想う人は同じ人物……ならば!私たちは雌雄を決しなければならない!――そう!
勝負の二文字をもって!
「そんな! 琴子と戦うなんて!」
「ふっふっふっ……、恐ろしい?信じられない?……だけどこれは事実!――さあ、かかって
きなさい!」
「琴子!」
「来ないなら、こちらから行くまでよぉおっ!

 琴子の蹴りが炸裂する! 吹っ飛ぶ光に、琴子はさらに追い討ちの連打を入れる!

「うわああああ――――っ!」

 床に落ちる光と、ビシッと構えのポーズを決める琴子。

「フン、だらしのない。どうやら、あなたの彼に対する気持ちなどその程度……。そうとなればも
はや遠慮は無用……彼は私がいただくまで!」

 高らかに笑う琴子。その琴子を前にして、ついに光は立ち上がる!

「……わたしの彼への思いは誰にも負けない!たとえ琴子、あなたであろうと!」
「フッ、それでこそ我が友。……そして、今こそ決着をつけるとき!
「ならばぁ!主人公争奪戦!
「試合ィィィィィッ!」
「開始―――――――――――――――ッ!」

 二人の拳と拳がぶつかり合う!火花が飛び交い、大気が震える、壮絶な死闘が始まったの
である!




 その屋上の闘いを、別の校舎の屋上から、見守る七人の少女。

「……ついに始まったね」
「ああ、おそらくこの闘いはひびきのの告白伝説史上に残る最大の戦いになるぜ」
「うむ、かつての親友同士が、死力を尽くして雌雄を決しようとしているのだ……」
「すごい、二人の闘気がここまで伝わってくるよ」
「本当だ、ここも危ないかも……」
「でも、私たちはここを動かない!そして忘れない!これこそ、最後の主人公争奪戦だから!」
「――そう! 私たちが三年間夢に見た瞬間だから!」




「うおおおおおおお―――――っ!」
「はあああああああ――――――っ!」

 交錯する飛び蹴り!

「こうなることは、彼が茶室にいりびたっていたことから明らかだったはず!」
「それは彼が誰にでもやさしい人だから!」
「だぁかぁらぁああ、あんたはアホなのよぉおおおおっ!」

 光と琴子が、同時に、掌を繰り出す!

「しゃあああくねつっ!サンシャインフィンガァ――――――ッ!」
「暗黒のぉぉぉぉぉっ!鉄の爪ぇぇ―――――――――っ!」

 激突する、二人の光る右手!

「こ、これは………!」

 琴子の攻撃を受け止めた格好の光は、はっきりと、それを感じた。

「琴子の拳が、……泣いている! 琴子の拳から、深い悲しみを感じる!」

 とまどう光の隙をつき、琴子は光に蹴りを入れようとする。しかし、光は間一髪、それを後ろ
に跳ぶことで、かわす!

「……そうだ、人の拳というものは、人種や言葉の壁を越えておのれを表現する究極の文学
なのだと教えてくれたのはこの人だ!……なら、琴子の拳から感じるこの深い悲しみが、彼女
の本当の心……!」

 光は、琴子に呼びかける。

「琴子!……あなたは!」

 しかし、琴子は耳を貸そうとしない。

「問答ぉぉぉぉぉっ、無用!」

 強大な闘気が、琴子の体の周りを、凄まじいスピードで回転しながら、さながら繭のように包
み込む!

「ならばぁあああっ!」

 それを見た光も、同じように闘気の繭に身を包む!

「超級ぅぅぅぅっ………!」
「女王ぉぉぉっ………!」
「でぇん!」
「げぇき!」
「「だぁ―――――――んっ!」」

 闘気に包まれた二人は、おのれの体を弾丸として、相手めがけて突撃する!
 真正面からぶつかり合う二人。二人を包む闘気は、一つとなり、巨大な竜巻となって、はるか
上空まで立ち上る!
 その中で、光と琴子は、激しい攻防を繰り返していた!

「あたたたたたたたたたたあああっ!」
「うおおおおおおおおおおおおおっ!」

 やがて、闘気の竜巻がその勢力を失い、霧散する。
 かなりの上空で戦っていた二人はポーズを決めて、着地する。そして、息を整え、またも対
峙する!

「ここらで決着をつけてあげるわ、光!――我らときめきメモリアルの最終奥義でっ!」
「応!のぞむぅぅぅぅぅところぉっ!」

 二人は、同時に、気合を入れる。

「はあああああああ……………たぁっ!」
「ぬあああああああ……………ふんっ!」

 二人の体が、黄金の光に包まれる!これこそ、ときめきメモリアルハイパーモード!
 ……二人は、同時に構える!

「流派、ときめきメモリアルがぁっ!」
「最終奥義ぃっ!」
「「ときめき天驚け―――――――んっ!」」

 二人が放つ強大な闘気の塊!それは、二人のちょうど中間でぶつかり合う!そして、その威
力は徐々に光のほうに押されていく!

「ふふふふ……そこまでなの光!あなたの想いはそこまでにすぎないの?それでもとき
めきメモリアルの女主人公だというのかぁぁぁぁぁっ!」
「うう………!」
「足を踏ん張り、腰を入れなさぁいっ!――そんなことでは、男をかすめとった泥棒猫の
私一人倒せないわぁああっ!」

 闘気のプレッシャーに押され、ついに光は片膝をつく!

「なぁにをしているぅ!自ら膝をつくなど、勝負を捨てたもののすることよぉおっ!――立
てぇい、立ってみせなさぁいっ!」
「う……うるさぁああい!今日こそ私は、あなたを超えるんだぁあああ!」

 光の右手が、激しく輝く!

「私のこの手が真っ赤に燃える!勝利をつかめと轟きさけぶぅ!」

 光は体勢を立て直し、一気に闘気を押し戻す!

「ときめき天驚!サァァァンシャイィィィンフィンガ――――――ッ!」
「なにぃ!?…うおおおおおおおおお――――っ!」

 闘気のかたまりが、巨大な気の手となって、琴子の体をわしづかみにする!

「ヒィィィィィィトォッ、エ――――――――ン…………」

 琴子にとどめを刺すその時、光は確かに見た。琴子が光に微笑みかけたのを。

「……これでいいわ……やっぱりあなたこそ、彼のそばにいるべき人……」
「こ…琴子ぉぉぉぉ―――――――っ!」

 琴子を捕らえた気の塊が、爆発する! 爆煙の中に、琴子との思い出が走馬灯のようによ
みがえり、たまらず光の目から、涙が飛び散る。
 煙が晴れ、ゆっくりと崩れ落ちる琴子。光は、駆け寄って、その体を支える。

「琴子、琴子、ごめんなさい、私はあなたと張り合うことしか考えられなかったというのに、結局
あなたは最後まで私のことを……」
「いいのよ、所詮私は泥棒猫……。だけどね、光……。私は、一線を超えるようなマネはしなか
った。綺麗な関係のままなのよ……」
「分かってた!そんなことは分かっていたのに!」
「ああ、あなたと出会っていなかったら、いえ、彼があなたの幼なじみでなかったら、こんなこと
には、こんなことには!」

 涙を流す琴子。
 その琴子の顔を、沈み行く夕日が赤く照らす。

「ああ……光、夕陽が綺麗ね」
「うん、綺麗だよ、琴子」
「ならば!……我ら、ときめきメモリアルは!」
「王者の風よ!」
「全身!」
「紅潮!」
「「天破侠乱!」」
「「――見よ!ひびきのは紅く燃えているぅっ!」」

 拳を握り締め、夕陽に向かって叫ぶ光と琴子。
 その琴子の腕が、がくりと落ちる。

「琴子?……琴子、琴子!
 ――琴子ぉぉぉぉぉぉ―――――っ!」

 さぱああああん、と岩を打つ波しぶき。
 カモメの悲しげな鳴き声がこだまする。
 ――水無月琴子、夕暮れに死す!……わけはない。さすがに。

「……って、いつまでやってんの、琴子! 結構重いんだから、そろそろどいてよ!」
「いいじゃない。彼のこと、譲ってあげるんだから……もうすこし、ね」

 たとえ恋敵といえども、闘い終われば、拳を交えた友と友、なのであった。



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後書き:
 いや、こないだ久しぶりにビデオで見たんです、「Gガンダム」。そして、東方不敗の死ぬお話
で、おさげをほどいた彼が琴子さんと同じ髪形だったのに気づいて、後はもう勢いで書いてし
まいました。
 この話ではこんな扱いですが、私はときメモ2のキャラクターの中でも、琴子さんは光ちゃんと
並んで、お気に入りのキャラクターです。親友と同じ人を好きになってしまう、というのは恋愛も
のの定石ですが、ここまで怒ると怖い人、かつここまでウケがとれる人というのはなかなかい
ません。光ちゃんがストレートに男心をくすぐるタイプなら、琴子さんは深い味わいのある酢コン
ブというところでしょうか。この二人のコンビがいればこその「ときメモ2」だと思っています。
 あと、続編書いたんで、ぜひ御笑読下さい。