同潤会青山アパート
〜共同住宅の二つの顔〜



同潤会青山アパートは1926(大正15)年から1927(昭和2)年に竣工された.現存する同潤会アパートの中では最も早くに建てられたもの.表参道という立地条件もあり,同潤会アパートの中では最も有名だろう.「同潤会」という名前は知らなくとも,表参道のレトロアパートといえば分かる人も多いはずだ.

表通り-1表通り.今はブティックやアートギャラリー等に改装され,華やかではあるが人の生活する空間というイメージは薄い.


表通り-2賑わっているのにケバケバしい感じにならず,よい雰囲気の街になっているのは,並木の緑もあるのだろうが,歴史を経ていい具合に歳をとったこの建物によるところが大きいと思う.ホコ天を歩いていても,気持ちのよさが他の街とはどこか違う気がするのだ.


裏通り一歩裏通りに入ると顔は一変し,生活者のための空間が現れる.人もほとんど通らず,その落差に立ち入るのをためらうほどだ.
ここも古石場アパートのように,自由な増改築を行っているのがわかるだろう.


屋上屋上.壁が高いのは干した洗濯物が外から見えないようにするためだとか.この辺は景観というか見栄えに意識する思想の表われなのか,はたまた皇居への配慮なのか(大宮御所が比較的近いのだ).


表札-1 表札-2
古い表札.字体やレタリングが時代を感じさせる.


ここも建て替え計画が進行しているらしい.この建物は普通のアパートのような生活者としての顔だけではない,街の顔という側面も持っている.この二つをいかに守りながら改築を行っていくのか,期待したいものである.
(1999.05記.写真は1997.05撮影)