信濃町界隈
〜病院の街〜



信濃町というと某学会関係の建物と慶應病院くらいしか思いつかないが,ちょっと歩くとよい建物がいくつも発見される.

明泉寮全景明泉寮玄関

まず駅からほんの3分ほどの所に見られるのが上智大学明泉寮(旧犬養邸).1937(昭和12)年完成.新館の奥にあるので正門側からだと今一つ全体が見えないが,駅ビルの広場からちょうどいい具合に全体が見渡せる.
ハーフ・チンバーの美しい木造洋館だが,正門側から見ると一階部分が石積みになっているのがおもしろい(駅ビル側からは木々に被われていて一階部分は見えない).
犬養と聞いて思い出すのは総理大臣の犬養 毅だが,彼が5・15事件で殺害されたのは1932(昭和7)年のことなので少なくとも本人の住居ではない.親戚筋か全く無関係な人間か?
この建物もこの8月に取り壊されることが決定している.跡には教会関係の建物が建つらしい.
この先には旧デ・ラランデ邸も建っている.

信濃町教会外苑東通り沿いに建っているのが信濃町教会.1930(昭和5)年完成.柱のないデザイン,円アーチの窓がロマネスク様式のように見えるがどうだろう.
屋根部分の他には特に装飾もない,素朴な感じがよいと思う.

慶應医学部 予防医学教室全景慶應医学部 予防医学教室正面

慶應病院も奥の方に行くと昔ながらの建物が残っている.
まず慶應大学医学部 予防医学教室.1929(昭和4)年完成.直線模様のついた壁,玄関の車止め,バルコニーとほとんど直線だけで構成されており,とても武骨な印象を与える.
なおこの建物だけが慶應の校章をつけている.病院の一部ではなく医学部の別館だからだろうか.

北里記念医学図書館その隣はうって変わって円アーチが美しいロマネスクスタイルの医学メディアセンター(北里記念医学図書館).この建物は完成年がわかりません(慶應大学のサイトにも載ってない).昭和初期頃の建物だと思うのですが.

慶應大学病院別館そのまた隣は慶應大学病院別館.1932(昭和7)年完成.両翼の出窓がクラシカルだが,こういう公共の建物に出窓というのは珍しいのではなかろうか.
車止めに明かり取りがついているのもおもしろい.

この辺は新宿御苑や神宮外苑も近く,古い洋館を巡りながらの散歩も悪くないのではないでしょうか.
(1999年8月記.写真は1999年7月撮影)

<補記>
北里記念医学図書館は1937(昭和12)年竣工,和田順顕設計だそうだ.