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食糧ビル
〜パティオのあるオフィスビル〜



永代橋の近くに食糧ビル(旧東京廻米問屋市場)がある.旧名でわかる通り,米の取引が行われた建物である.そのためか今でも食糧関係のテナントが入っている.1927(昭和2)年,渡辺虎一設計.
ここに入っているギャラリーが年末をもって休止するというので,見学に行った.

全景正面

一階の石貼りとそれより上のタイル張りのコントラストが美しい.それとアーチ.一階のアーチが並ぶ姿もいいし,アーチ型の窓やそれを取り巻く装飾もいい.
正面上部には "K" のマークが見える.「米」の K か?

パティオ回廊

入り口を抜けるとパティオがある.今でこそテナントの駐車場と化しているが,当時はここで米の取引を行ったのだそうだ.
アーチのある回廊が印象的.また二階の両端にはバルコニーが少し張り出しており,これまたいい雰囲気だ.
こうしたレトロっぽい雰囲気のせいか,ここはTVのロケで使われることも多い.

ギャラリー内部イネのレリーフ

ギャラリーになっているホール.今回は部屋そのものを見せることを狙いとしているので展示物はないのだそうだ.
左側はパネルで覆われているが,昔の写真を見るとこちら側も窓だったようだ.また壁の色も下三分の一がもっと濃い色で塗られていたらしい.
部屋の端にあるアーチには米問屋らしくイネの花のレリーフが施されている.

階段室廊下

階段室(写真左).アーチ窓の美しさが際立っている.廊下(写真右)にも所々アーチが使われ,デザイン的に気を使っているのがわかる.

こう言っては失礼だが,たかだか米問屋のビルでここまでデザイン的に凝ってみせるとは驚きである.米(=農業)が国の産業として力を持っていた時代だったのだなあと思わされた.
なおギャラリーが休止するだけで,建物がなくなるわけではないのでご安心を.このホールも今後貸し出していく予定はあるそうだ.