Moulton

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モールトンて何
What is this thing called Moulton?



Q:モールトンって何ですか? A:モールトンは自転車です.
以上.
これで話が終わっちゃしょうがない.それにその辺にあるお買い物自転車とはやっぱり違うわけで,それどころか小さなタイヤや前後分割式のフレーム,サスペンション(最近はMTBでも流行っているが)等,ロードレーサーやMTBとも異なる,非常に個性的なフォルムを持っている.

説明しよう.モールトンというのは英国製のハンドメイド自転車で,設計者の Dr. Alex Moulton 自身の名前をつけたものだ.もともと自動車の設計に携わっていた人で,Austin Miniのサスペンションの開発者として有名である.
このモールトン博士がオイルショックをきっかけにロードレーサータイプの自転車を手に入れたのが,ハマってしまってついには自分自身で設計までやってしまったということなのだ.特異なデザインにしても決して気をてらったわけではなく,開発者らしい非常に論理的な考察の上に成り立っている.1986年8月29日にカナダのバンクーバーで出した世界最速記録が未だに破られていないということからもモールトンのデザインの機能性の一端が理解できると思う.
一方で「生活者としての視点」も忘れてはおらず,泥よけや大きなキャリアも付けられるし,籐製のバスケットまで付けられるのだ(!).またサスペンション(モールトンにはミニと同じ原理のラバーコーンサスペンションがついている)は,段差の多い街での走りにも有効だと思う.
これらの事から「世界最速のママチャリ」という人もいたりするわけだ.
手造り生産なのと,コストより最高の走りを追及していることから,価格は80万〜100万円以上するが,英国パシュレイ社のライセンス生産による比較的安価なモデルもある.これでも20万近くするのだが,趣味の自転車としては必ずしも高すぎるという価格ではない.うそだと思うなら本屋でサイクルスポーツ系の雑誌をめくってみるとよい.

最近は折りたたみ自転車(Moulton博士自身はモールトンと折りたたみ自転車をいっしょにされることを非常に嫌っているが)や小径車(タイヤの小さな自転車)が見直されてきたことや,2000年11月にブリジストンがモールトンと共同開発の自転車を発表したこともあり,モールトンは自転車専門誌だけでなく,一般誌にも紹介されることが多くなってきた.

それではこれから,なぜ私が心配するのをやめモールトンを愛するようになったか,その謎をお話しましょう.