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向山型算数に学ぶ特殊学級の授業 |
東京書籍「新編新しい数学1」2章 文字と式 p.60 生徒1名 中学校知的障害特殊学級在籍
| テープ起こし | 分 析 |
| 「 」は、教科書の記述。 ※1次式と数の乗法2−1の続き。授業開始から、約5分後の流れ。 T 長方形の周の長さを表す式、どうなりますか。 C えーっと、縦・・。 T 縦。何cm?・・1 C 3cm。【15秒】 T 3cm。 C かける。 T かける? C かけるacm。 T かけるacmは・・。(板書する。) [板書] 3×a 縦×横 C あ、違う。 T 縦×横は何を求めるんでしたか。【39秒】 T 縦×横は何を求める式でしたか。 C (聞き取れない。) T 縦×横は、面積を表します。 [板書] 3×a 縦×横→面積 【ここまで1分3秒】 C あらまあ。 T 周の長さは、何を表す・・・どういう式ですか。・・2 C 周の長さ・・・。(教科書の図で、周をなぞる。) T そう、などったところ。 C ここ。 T 式は? C 式? 3cm・・ T 3cm。(3と板書する。) C 割る・・【1分39秒】 T 割らない。 C ひく・・・ T ひく。そうだった? C たす。 T たすだね。合わせるんでしょ。 T 3、たす? C たす、acm。 【ここまで2分2秒】 T これだけでいいですか? C たす3。 T 3。 C たすa。 T たすa。 [板書] 3+a+3+a T ではこれを、計算しなさい。 C ほんとに、これ合っとったんや。 T そうです。これが、周の長さ。【2分27秒】 (C ノートに書き始める。) T ページ数すぐに書けたね。 (C 3たす、aたす・・とつぶやきながら、ノートに書く。) T 計算できたら持っていらっしゃい。【2分47秒】 【生徒が計算している間に3分たつ】 |
(1)答えを誘導するな! 余計なお世話だ! 1で、生徒の「縦。」という答えに対して、「何cm?」と、数値を言わせようとしている。完全に、答えの誘導である。生徒は、言葉の式で表そうと思っていたのだろう。まずは、生徒の答えを受け止めるべきだった。 「縦×横。」と生徒が答えてから、長方形の面積を求める公式だったことを確認できた。私が「何cm?」と返したので、生徒は間違っていると不安になってしまっただろう。 3分の中で、「そうだった?」「合わせるんでしょ・」「これだけでいいですか?」など、余計なお世話のオンパレードである。 何とかして、自分の授業計画通りに進めたいという傲慢さの表れである。 (2)生徒のつまずきを予想して問いを組み立てよ! 授業計画を立てたとき、教科書の図で、縦と横をなぞらせれば、周の長さを求める式は答えられるだろうと予想していた。しかし、生徒にとっては難しかった。 ステップが大きすぎたのである。 サークルでの模擬授業でも「難しい。」と言われた個所である。分配法則を使って1次式と数の乗法が計算できることがこの授業のねらいなら、Qは扱わなくてもいいのではないか、却って混乱しそうだとのご意見もいただいた。サークルでは、生徒のことを一番知っている私がもう一度考えてみるということになったのだが、何とかなるだろうと、修正しなかった。 それどころか、理解を助けるために、赤・青を使って長方形を板書するつもりだったのに、忘れていた。その後の説明は、生徒の教科書を私が指差したりして、とても分かりにくいものになってしまった。 TOSS石川MLで授業の報告をしたところ、「生徒が長方形の周を指でなぞったのに合わせて、先生が長さや式を言ってやればいいのではないか。」との案をいただいた。生徒は、授業中に何度か周を指でなぞっていた。なぞるのに合わせて数値を確認すれば、3+a+3+aの式を理解しやすいだろう。 Qは「次の学習(ここでは分配法則)に進むための手がかりとなる問題」である。後で2(3+a)の式を出すためには、厚目の紙テープを使って、長方形を黒板に作る方法もあった。生徒が辺を指でなぞるのに合わせて、1辺ずつ黒板にはりながら数値を確認する。そして、分配法則を使った式を導くときは、(縦+横)2組に分ける。 (3)発する言葉を選びぬけ! 2で、言葉が揺れている。きっぱりと言わないから、生徒が何をすればいいか分からなくなるのだ。 (4)生徒を誉めよ! 生徒が一生懸命に考え、答えようとしているのに、誉めていない。訳の分からない問いを出され、誉めてももらえないようでは、生徒は数学が嫌いになるだろう。もっと、生徒の頑張りを認めなくてはいけない。 |