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日本で財政破産が起こったときの仮想風景今書店に並んでいる経済・金融の本を見ると、1000兆円もの借金を抱え込んだ日本政府に対し、近々財政破綻すると予測するものと、全然そんなことにならないと真っ向から否定する意見があります。 当HPを以前から読まれてきた訪問者の方々はご存じだと思いますが、私の立場は、日本政府の財政はもはや修復不可能(要するに借金を返すのはもう無理)で、すぐではありませんが、数年の内に日本政府は財政破綻する可能性が極めて高いと思っています。それゆえ私は、日本政府が財政破綻するか、しないかという議論に全く興味が湧かないのです。財務省が10年物国債を25年で返すといったことを言い始めているという現状を見ると、すでに予兆は現れていて、それがいつ現実化するかという点に強い関心があります。日本は破産しないと主張する意見は、太平洋戦争末期に、日本は神国だから米軍が来たら神風が吹くと言っていたのと重なってみえてしまいます。GDPの2倍を超える借金を抱えて、財政破産しなかった国が歴史上存在したのでしょうか。 もう一つ関心があるのが、財政破産のときに社会がどうなるかです。 財政破産するといった本を読んでも、ハイパーインフレになるといった程度のことしか書いてありません。今回、吉田繁治氏の記事を紹介したいと思いますが、吉田氏は日本は財政破産してもハイパーインフレは起きないと言っています。私もその可能性が高いと思います。ハイパーインフレを声高に言う識者は、センセーショナルなことを言って人々の注目を集めたいか、あまり深く考えていないのだと思います。 以前の記事『日本国破産のすすめ』でも書きましたが、政府・財務省は日本が破産したら、この世の終わりといった破滅的なことが起きるといったイメージを国民の刷り込もうとしています。これはおそらく自分達の既得権益を守りたい人々が、現体制を維持したい一心で、そうしているのだと思います。その意味では、野田政権が不退転の決意で消費税増税を行なおうとしている意味がわかります。消費税の増税は、問題を先送りにし、現体制を維持することに繋がり、国民の疲弊はいっそう進むことになると私は考えます。 まず最初に、日経電子版に載ったカイル・バス氏の意見を紹介します。 カイル・バス氏は米有力ヘッジファンド、ヘイマン・キャピタル・マネジメントの創業者とのことで、相場のプロが今の日本をどのように見ているかがわかります。記事をそのまま引用するのは禁止されているので、私がカイル・バス氏のインタビュー記事の内容を要約しました。カイル・バス氏はこれから18ヶ月以内に日本の国債バブルの崩壊が起きると予測しています。日本国債のバブル崩壊は、即日本政府の財政破綻を意味します。なぜなら国債が消化できなければ、日本政府は予算が組めないからです。 ・・・<「日経ヴェリタス」のインタビュー記事の要約開始>・・・ ○日本の構造変化 去年は震災後の原発停止で割高な液化天然ガス(LNG)の輸入が急増し、31年ぶりに貿易赤字になった。自動車や電機などの製造業は拠点をアジアに移している。2014年半ばには、経常収支でも赤字になると見ている。 日本の人口は過去3年半で290万人も減った。少子高齢化はいよいよ深刻となる。これまでは個人が銀行に預金し、銀行がそのお金を国債に投資する流れがずっと続いてきた。しかし加速する高齢化は預金の引き出しを招き、金利の低下を支えてきたこの循環は断ち切られることになるだろう。 ○日本政府の公的債務 日本の公的債務はGDPの229%と世界最悪だ。2011年度の税収はざっと41兆円で、これに対し国債費の利払いが11兆円にも達している。 政府の12年度の予算案では、社会保障費は一般会計ベースで26兆3900億円と前年度から8%減っている。一般会計の総額も90.3兆円と前年度を下回り、一見すると立派な予算案だ。しかしこれにはトリックがある。 一般会計から切り離し、『年金交付国債』なる耳慣れないものが登場している。これは基礎年金の国庫負担分2.6兆円を、将来の消費税増税で償還して穴埋めするというものである。まだこの世に存在せず、実現する保証もない増税をあてにして、交付国債を発行するなどということが許されていいのだろうか。こうした交付国債や震災復興債を合わせると、総額は50兆円に達し、財政赤字のGDP比は10%を超える。見かけをとり繕ってやりすごそうとする日本政府に、もはや何の信認もない。 ○バブル化した日本国債 過去20年間で日本の名目GDPは減り、株価はピークから8割下げ、住宅価格は7割下落した。そんななかで、唯一価値を失わなかったのが日本国債だ。長期金利は低下(価格は上昇)を続け、日本国債は最も運用成績の良い金融資産だった。 米国でも、ほぼすべての人は絶対に下がらないと信じ込んできた資産が住宅だったが、米国の住宅バブルは崩壊した。果たして日本国債の安全神話はずっと有効なのかと言われれば、答えは明らかにノーだ。 私の試算では金利が今の水準より1%上がるだけで、10兆円規模の利払い負担が増える。2%の上昇となれば、計算上日本の財政は持続不可能となり、実質的に破綻することもありえる。ギリシャがそうだったように、金利の上昇はある日突然起きるものだ。それまでは国債入札の札割れといった深刻なイベントが何も起きなかったのに、唐突に金利が上がり始め、一気に欧州危機が訪れた。人々の見方は一瞬で変わる。日本だけが例外でいられる理由はない。 私は日本の国債バブルの崩壊が、今後18ヶ月以内に起きるとにらんでいる。 ○今後の投資戦略 借金が膨れ上がった国は投資に値しない。2002年から2010年にかけて政府や民間を合計した世界の債務は年率で11%増えてきた。これに対し、世界のGDPの伸び率は平均で4%前後にとどまる。実体経済の規模に比べ、信用創造が明らかに過剰だったことがわかる。これはもう限界で、特に厳しい状況にあるのが日本や欧州、米国などの先進国である。 これからは、自立的な経済成長が可能で、金融の膨張や信用創造に頼ってこなかった国に投資すべきだ。生産性の高さや若い労働力がいる人口構成も重要な要素で、条件に合致するのはカナダやノルウェー、豪州、インドネシア、インドなどである。 我々はこれまで、中央銀行のバンカーたちが提示する世界観を受け入れるように求められてきた。まるで彼らだけが真実の箱の中身が何かを知っているかのように。その彼らは今、無制限にお金を刷り、経済の安定を何とか保とうと躍起になっている。しかし、この経済政策は限界に来ていることは明らかで、もはや国家を信用することはできない。自らの力で考え、生き残っていかなければならない時代が来ている。 ・・・<要約終了>・・・ カイル・バス氏の言うように、日本国債のバブル崩壊が18ヶ月以内に起きるかどうか、私にはわかりません。野田政権が不退転の決意で推進する消費税の増税が実現する方向性となれば、問題は少し先送りになると思われます。しかしそうだとしても、日本政府の財政破産が起きるのは、そう遠くない未来だろうと思います。はっきり年月は示せませんが、数年以内には起こるとみています。 では次に日本が財政破産したときの、シミュレーション」を紹介します。 『国家破産 これから世界で起きること ただちに日本がすべきこと』(吉田繁治著、PHP)から抜粋して紹介します。 ・・・<『国家破産 これから世界で起きること ただちに日本がすべきこと』、p351〜p362から抜粋開始>・・・ 日本で財政破産が起こったときの仮想風景 米国のノーベル賞経済学者クルーグマンは、デフレを終わらせ、日本の期待インフレ率を高めるためには、日銀が国債を買って、いくらでもマネーを刷ればいいといまも主張しています。レスター・サローも同じ主張ですが、これらは、以下の展開をみない無謀な論です。 クルーグマンのすすめで、日銀が「債券市場から国債を物価が上がるまでいくらでも買う」という姿勢を見せれば、 @債券市場では国債価格の下落を恐れたPIIGS債のように売りが殺到して金利が上がり、 A満期が来る国債も、日銀引受けを迫られるでしょう。 この結果は、どうなるか? 借換債158兆円、新規債40〜50兆円で、1年に200兆円くらいの「1万円札の発行」になる可能性もあります。200兆円が金融機関の当座預金(金利ゼロ)に貯まります。金融機関は、金利ゼロのマネーを200兆円ももてば、赤字になります。 このため、なにかで運用しようとする。国債は下落リスクがあるので買えないとなると、投資信託やヘッジ・ファンドへの預託、または金利がつく外貨預金でしょうか。企業への貸付は、リスクが高い。 こうして日銀が刷った日本円の膨大なマネーが、海外に流出します(キャピタル・フライト)。円の海外流出は円売り・ドル買い、またユーロ買い、元買いなので、為替市場で、円は暴落します。 円暴落の気配があれば、海外が日本にもつ債券(日本の株や国債)の312兆円は、大挙して売られます。遅れれば、円安差損の損をするからです。 (注)マンデル・フレミングモデルは、グローバル化した開放経済での、中央銀行のマネー印刷がキヤピタル・フライトによる通貨の下落をもたらすことにしかならないことを証明しています。 円債券を海外から大きく売られた日本の金利はいっそう上がって(10%以上か?)、950兆円規模の既発国債の価格と株価は、再び底なしに下がるでしょう。国債を買う日銀も、バランス・シートに埋めきれない巨大な損失をかかえます。信用を失った日銀が発行する円の価値は、下がるのです。 ・・・(中略)・・・ このとき、日経平均はジェット・コースターのように下がり、5000円以下でしょうか。$1=200円という円安(1980年代初期)に、回帰するかもしれません。輸出は、徐々に増えるでしょうが、それ以上に、輸入の資源がいまの3倍に向かって上がります。貿易は赤字になります。これが、所得増のないインフレ、つまりスタグフレーションを生みます。通貨が下がると、輸入資源と商品は即日に上がります。しかし輸出は、海外の顧客への販売なので、徐々にしか増えないのです。これが、円安のときの逆Jカーブ効果です。 1日500兆円の外為売買と、国際資本移動が想像を超えるくらい多い現代経済では、大きな政府債務をかかえた国の中央銀行がマネーを刷る政策は、無効になりやすい。円とドルの交換は、このうち50兆円です。 外為市場での通貨の売買は、国際資本移動を示すものです。筆者の記憶では、11年前の2000年では、世界の外為市場での1日での売買額は、いまの5分の1の、100兆円規模でした。いま500兆円です。通貨売買の増加は、ほぼデリバティブの増加と同じです。それも当然です。外為市場での売買は、個人のFXも、海外旅行のときのような通貨の現物交換ではなく、通貨先物(デリバティブ)だからです。 米国FRB、日銀、欧州ECBに限らず、「中央銀行が債券市場を通さず、国債の買い切りをする」と表明した目から、その通貨は売り浴びせにあって、下落します。これによって中央銀行のマネー印刷の、全部ではなくても大半が、無効化されます。FX(外為先物の売買)を実際に行っているミセス・ワタナベのだれかに尋ねれば、わかることです。 中央銀行の国債買い、つまり国家財政の破産を想定した金融の動きは、以上のようになります。是非をいわず、避けねばならない。 ・・・(中略)・・・ 一般にいえば、通貨価値の下落は、ハイパー・インフレに向かう物価の高騰です。しかし10年代の経済では、戦後にあったような、物価が10倍、100倍、300倍に上がるハイパー・インフレは起こりません。 先進国での国家財政の破産を、即、ハイパー・インフレとする多くの論は、世界の商品供給力が増え、グローバルなコンテナによる商品流通が急増したことをみない粗雑な俗論です。500兆円ものマネー(購買力)が日々、巨大に移動し、商品も高速で国境を越えるグローバル化した経済では、60年前の資本にも商品にも移動の障壁があった時代とは、根本的に異なるのです。 ●インフレの性格が異なる 新興国の工業化と、先進国での生産力余剰(日本は、20兆円の生産力の余剰があります:2010年)があって、消費者物価は上がりにくい。ハイパー・インフレになるのは、たとえば戦争で、工場、農地、商品流通が破壊され、必需の商品や食品需要を満たせないときです。 ただし、供給量に限界がある資源・エネルギー・穀物・食品等の基礎生活物資は、財政破産を起こした国にとって数倍の価格に高騰するでしょう。それらを販売する会社の売上は、基礎生活物資のインフレで増えます。その株価も、数倍に高騰するでしょう。 実効レートで計る通貨が、2分の1に下がった国の輸入物価は、2倍に上がるので、それを原因にした商品インフレは必ずありますが、ハイパー・インフレとはいえません。ハイパー・インフレは物価が10倍以上です。 わが国で国家の財政破産があったときの、消費者物価のインフレは、5〜100%と想定します。不動産も、10年後の人口が大きく減らない地域では、2倍の価格になるでしょう。人口が1年1%以上で減る地域の不動産は、価格を維持はしても、上がることはないと予想しています。 固定金利のローンで住宅を買っている30代、40代の世代に、富の移転が起こります。変動金利のローンは、期待インフレ率に比例して金利が上がるのでダメです。他方、負債のない純金融資産をもっている50代以上世代は、預金、生命保険、年金の価値が半分に下がって、金融資産の2分の1を失うでしょう。こうした富の移転は、将来の日本のためにいいことかもしれません。高齢者世代の金融資産の維持があり続ければ、若年者の所得が、税、年金の掛け金、医療費の保険として、高齢者世帯に移転し続けるからです。 企業も、固定金利の借金で借りているところは、資産と売上上昇の恩恵を受けるでしょう。その代わり、現在、設備投資を抑えてキャッシュ・リッチになっている大企業が、損をします。ただし円安で輸出が増えるので、その点もカバーされます。財政破産の翌年くらいから、円安で日本の輸出は再び増えるように変わります。 政府部門は、財政が破産すると、400万人の公務員を100万人以上削減し、給与水準を70%におさえる削減を図らねばならなくなります。金融機関がもつ過去の国債の価格は下がりますが、新たに発行する国債の金利が、仮に5%に上がっても、借換債の利払いが年々増え、1000兆円の政府負債に対し必要な利払いが、現在の10兆円の5倍の50兆円に向かうからです。なお繰り返せば、国債金利の5%が正常な金利です。現在が異常なのです。 現在の国債の利払いは、過去15年の超低金利のため、前述のように1年で10兆円にすぎません。インフレは過去の政府債務は軽くしますが、新規債の金利が上がって、その後の国債発行の利払いを増加させます。いずれにせよ、いまの30%以上の減少(一般会計70兆円)に向かう政府財政の緊縮が必要になるのです。債券市場がそれを余儀なくさせます。これも、将来の日本にとっていいことです。 債券市場が国債を買わないこと、あるいは国債先物が売られることによる国家財政の破産は、将来の日本のために、悪いことだけではない。避けるべきは、日銀が財政破産を避ける目的で国債を買うマネーを刷り続ける量的緩和の継続から起こる、ハイパーに近いインフレです。これは、国債と金融資産の価値を紙くずにします。 ●国債残高が多すぎるためマネー印刷政策は危険になる 政府債務が950兆円ではなく、半分の500兆円ならGDPの100%であり、クルーグマンがいうマネー印刷策も、有効だったでしょう。2000年当時はまだ、国家財政破産の可能性が低かったからです。日本の現在は、異なります。クルーグマンのマネー印刷の主張は、10年遅かったといえます。 ただし、国家が、国債の利払いと償還をしない債務不履行はありません。政府は、満期がきた国債の償還の期限延長(リスケジューリング)もできるからです。金融機関へは、財務省が国債売却禁止令(行政命令)を発動するかもしれません。いずれも、この2つの非常策は、いまEU当局が、PIIGS債をもつフランスとドイツの銀行に対し、要請、いや強制していることです。 普通の時期なら、異常な策です。PIIGSのような非常時なら許容されるかもしれません。ただし、これは海外から国債先物を売るヘッジ・ファンドに、1990年の株価暴落のときのような、巨大利益を与えてしまいます。 ●国債が下落したときは金融市場の閉鎖という政策も想定できるが結果は同じ では、国債先物市場と、オプション市場も、同時に閉鎖するのか。そうすれば、外為市場で、円が大きく売られます。円はまた、暴落します。全市場閉鎖でも、下落した価格の確定の時期が、先に延びるだけで、円と国債の価値が下がることは同じです。 (注)EUが敷いている、PIIGS国債の空売り禁止は、空売り市場の閉鎖策です。 次は、貿易通貨で必要なもの以外の、通貨売買になる外為市場の閉鎖でしょうか。外貨がなかった日本では1970年代以前は、円とドルの交換は、一回の旅行につき5万円以内に制限されていました。通貨の売買は禁じられていました。ただし$1=400円の闇市場はありました。資本が順次自由化されたのは80年代からです。 (注)97年のアジア通貨危機のとき、アジア諸国は、外貨買い(自国通貨売り)を制限しました。 中国が行っている外為の売買制限は、資本の移動禁止令と、同じです。金融機関は、売れない国債をかかえ続け、膨大な含み損をかかえ続けることになります。それでも、「やむをえざる政策」とされ、非常時の国会で、金融の非常事態法が通るかもしれません。銀行に現金を求めた取付けが起こると、商取引と生活費以外の、1日での現金引き出しは、制限される可能性もあります。 以上はいずれも、アジア通貨危機(97年)のときインドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ、韓国政府がとった策に似ています。翌98年は、ロシア国債のデフォルトでした。99年は、ブラジル危機でした。いままで、こうしたことは日本とは無縁と思われていました。 欧州もいま、この危機にあります。米国もです。どこが早いかの違いです。金融危機(信用恐慌)は、90年代以降、世界ではしょっちゅう起こっています。国家財政では、いつの時代も「今回は違う」という論が多い。しかし、その後の事実では、今回も同じだったのです(『国家は破綻する:金融危機の800年』邦訳2011年3月:カーメン・M・ラインハート、ケネス・S・ロゴフ) 国家財政の破産は、官僚組織(国家+地方+独立行政法人:400万人)の財政破産(支払い資金の不足)です。この世の終わりではない。公務員は給料が減らされ、定員が削減され、年金と公的医療費、および社会福祉費が減って、増税に向かう変化です。これは選択肢ではない。いまのPIIGSのように、そうせざるをえないのです。 通貨下落と金利上昇で、民間経済には、大きな影響をおよぼします。国債の、事実上のデフォルトがあると、国民の金融資産は価値を減らします。世帯の金融資産1500兆円のうち、950兆円は政府債務になっているからです。金利の上昇があると、何回も示したように、国債価値が下落します。それが金融資産の価値下落に直結します。Aさんの金融資産=Bさんの負債だからです。 戦争とは違い、信用危機・恐慌は、工場、店舗、オフィス、ホテル、レストラン、インフラ設備、国土と自然、そして人材と技術は残ります。街の外見は変わらない。海辺の街を一瞬で瓦礫にした悪夢のような、人々の命を根こそぎ奪う津波ではない。大震災と原発問題を経験した日本人にとって、これ以上にこわいものはない。3.11にくらべれば、たかがお金です。国家財政破産があっても、悲観しないことです。 以上のような、風景として描いた国家破産に類することを経験したのは、アジアでもこの十数年で、数多い。いずれも、まず通貨が下落してそのあと数年で輸出が増え、立ち直っています。97年のアジア通貨危機で、ウォンが崩壊した韓国はその典型です。 通貨、国債、金融資産の大きな下落後も(金額は同じでも実質価値の低下です)、その後の世界と経済がある。先進国10億人には、これまで無縁とされてきたことです。そのため、イマジーネーションが湧かない。われわれは、可能性が、3カ月サイクルの時間を追って、高くなっている「そのとき」を想定しておかねばならない。 ・・・<抜粋終了>・・・ 本山です。 補足すると、文中に出てきたミセス・ワタナベというのは、渡辺さんという個人を指すものではありません。FX(外国為替証拠金取引)をやったことのある人なら知っていることですが、日本のFXを行なう個人投資家の総称です。主婦がFXをやっているというイメージが広がったので、こうした呼び名がついたのだと思います。 さらに補足すると上記の引用文の中で、中略とした部分に日本の世代別の金融資産から負債を引いた純金融資産の表がありました。以下です。 ・20代以下... +66万円(ローン負債285万円) ・30代 ... −45万円(ローン負債754万円) ・40代 ... +223万円(ローン負債935万円) ・50代 ... +1127万円(ローン負債602万円) ・60代 ... +2127万円(ローン負債252万円) ・70代 ... +2401万円(ローン負債115万円) 日本政府の破産は、深刻な金融資産の減価をもたらします。その痛手を被るのは、この表からわかるように40代から上の世代です。しかし40代から下の世代には恩恵をもたらします。吉田氏は、これを世代間で富の移転と言っています。40代以下の若い世代に富が移ることは、経済活性化という面からはプラスになるに違いありません。 (2012年2月8日) |
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