相場の世界に全く足を踏み入れたことがない方々を対象として、私なりの初心者向けの相場の話を書きました。
一度相場を経験された方には常識的なものですが、初めての方には役に立つ情報があるかもしれません。
○相場は恐ろしい・・・
今から1年ちょっと前の出来事ですが、仲間を集めてささやかな新年会を開いたことがありました。
そこでの雑談で、参加していた一人の女性が株式投資を始めるという話をしていました。その会話の中にゲリースクール仲間で個人投資家のOさんもいて、私とOさんは、一様に「止めた方がいいですよ〜」と説得していました。なんでもその女性は、株式投資はおろか、投資に関して全く初めてだというのです。私は、かなり危険な臭いを感じました。酷い目に遭わなければいいのですが・・・。
(自分のことは棚に上げて言いますが)私が不思議に思うのは、会社勤めをして毎月収入があり生活も安定しているのに、なんで株式投資という、危険極まりない場に飛び込もうするのかということです。よほどお金が貯まりすぎて困ったということでしょうか。それとも株式投資は、楽をして大金が転がり込むようなイメージがあるのでしょうか。私が株式市場を含めたマーケット全般に持つイメージは、目を血走らせた敵同士が、真剣を抜いて斬り合うようなイメージです。何ら勉強もせず単にお金が儲かりそう、あるいは誰かがこの株が上がると言ったからといって株式市場に入るのは、戦闘訓練を受けない素人が、武器も持たずに戦場に出るに等しいと私は思います。
私がこうしたイメージを持つのは、私自身が株式で手痛い失敗をしたからかもしれません。私も最初の投資は株式で、きちんと勉強もせずチャート分析のようなツールを持たずに飛び込み、あっという間にン百万円の損を出しました。今にして思えば損をして当然なのですが、当時は愕然とする思いでした。
それゆえ私は、株式投資をしたもののあっという間に投資額の半分になるなんて、よくあることという体験談を含めて、その女性に話しました。でも女性の決意は固く、全然大丈夫といった感じで余裕たっぷりでした。本人の決意が固いということで、Oさんはせめてリスクを分散させようと、一度に全部買うのはなく、数回に分けて買うようにアドバイスしていました。後にその女性に聞いてみると、ちゃんと数回に分けて買ったということで、損失が一気に膨らまずその点では良かったと思います。とはいえ、その女性が株を買ったのは、リーマンショックの暴落から日経平均株価が徐々に上がってきて1万円を超えた段階で、株価がなんとなく上昇気流に乗ったようなイメージを持った時期でした。当時と比べて低迷する今の株価を見ると、その女性が落ち込んでいなければいいがと思ってしまいます。
次に私の会社時代の友人の話を紹介します。
今から30年近く前の話ですが、その友人は自転車が趣味で、私とその友人で自転車旅行をしている最中のことです。旅行の途中で、彼は定期的に、「ちょっと」と言って公衆電話で誰かに電話を掛けにいくのです(当時は携帯電話はありませんでした)。何度も電話を掛けに行くので不思議に思って私がその理由を聞いても、彼は答えずらそうで、「いや〜、ちょっとね…」と言うばかりでした。
後日、彼は話すのは気乗りしないようでしたが、その理由を聞くことができました。
なんでも商品先物市場で小豆(あずき)相場を張っていたというのです。彼が小豆を買った後に、どんどん値が下がってきて損失が膨らんできたので、旅行中でも心配で小豆の値段を聞くために、相場の仲介業者に電話を掛けていたというのです。私は絶句しました。当時私は相場を張った経験はないし、だいいち貯金ゼロで相場を張る発想もないし、全く別世界のことだったからです。彼が、楽しいはずの自転車旅行で、気もそぞろになるぐらい心を奪われるというのは、どんな世界なんだろうと思ってしまいました。
小豆の買いで損失を出した彼は、その後仲介業者から損失がこれ以上増えないように、小豆の売りを建てる(先物相場では、買い建て、売り建てと表現します)ことを勧められたそうです。これこそ仲介業者の思う壺で、仲介業者は客の売り買いの手数料が収入となります。それゆえ客が儲かろうと損をしようと関係ありません。ただ客に、できるだけ多くの売り買いをするように仕向けるのです。
私はそれまで相場を張ったことが一度もない彼が、なぜ商品相場に手を出すようになったかを聞きました。すると最初は仲介業者から電話が掛かってきて、小豆に投資すると儲かると誘ってきたそうです。最初は断ったそうですが、何度も電話が掛かってきて、電話が掛かってくるだびに新聞を見ると小豆の値段が上がっているので、これは儲かると思ってついに手を出してしまったといいます。しかし彼が手を出したときが小豆のピークで、その後どんどん値が下がってしまったそうです。
結局彼は、数十万円の損失を出して相場を閉めたそうです。
でもこれは長い目でみると、彼にとって良かったのかもしれません。相場の失敗で財産、家屋敷を取られるなんて話もありますから、数十万円の授業料を払ったと思えば安かったとさえ言えるかもしれません。楽をして儲かりそうだと手を出すと痛い目をみるという経験は、それからの彼の人生に一つの指針となったに違いありません。
○素人が損をするカラクリ
ではなぜ素人は、相場で判で押したように損をするのかという問題が浮かびます。
それは乱暴な言い方ですが、素人はカモだからです。相場には、カモが来るのを虎視眈々と狙っている人々がいます。
彼らのオーソドックスな手口を一つ紹介すると、まずある株なり商品を密かに買い集めます(俗な言い方をすると、仕手筋が玉(ぎょく)を仕込むなどといいます)。買い集めれば当然値段が上がってくるので、一般の人々の注目を集めるようになります。ここで新聞や雑誌がその話題を取り上げると、さらに注目度が高まります。ここで儲かりそうだとばかりに素人の投資家が一気に買いに走ります。するとさらに値段が釣り上がります。ここで彼らは、売りを仕掛けるのです。一般の投資家が大量に買いに走っているので、大量の玉を高値で売ることができます。これは素人の投資家の資金が彼らに奪われたと同じことです。多額の資金を手にした彼らは、一仕事終わりと言って、ウヒヒと笑って乾杯することになります。
こうした手口は、相場に入った人なら誰でも知っていることですが、相場が初めての人は、こんなことも知らずに、どんどん株なり商品を買ってしまいます。大丈夫かな、と心配したくなる気持ちも湧いてこようというものです。
さて今はデリバティブ全盛の時代です。
素人の投資家から金を巻き上げるという基本姿勢は変わりませんが、今はデリバティブを絡めた手法が取られています。
吉田繁治さんの3月21日メルマガから、今ホットな話題であるギリシャを舞台として、アメリカの大手金融機関であるゴールドマン・サックスが行った詐欺(いえ・・・手法)を紹介したいと思います。
・・・<吉田繁治さんのメルマガから抜粋開始>・・・
◎ヘッジ・ファンドや英米系の銀行(代表が、悪名が高くなったゴールドマン・サックス)が行う債券や株の売買で利益を上げる方法は、
(1)最初は、目をつけたものを買って、価格を上げ、
(2)連れ買いが起こってピークに達したと見たとき、
(3)空売り、先物売り、売りオプション、あるいはCDSを仕掛けて下げることです。
連れ買いは、例えば、一般を相手にする金融雑誌やマスコミが、「**は上がる」という記事を溢れさせるときです。
この時が、相場のピークになる。投資家で言えば、個人が買いに走るようになる時期です。
事実、ゴールドマン・サックスは、ギリシア債で以下のような、犯罪的な方法をとっています。後では告発を受け、事実を認めて相手に与えた損に相当する罰金を払ったのです。
(1)最初、ギリシア国債を買う。保証保険のCDSもかけて買い、ギリシア政府の債務をオフ・バランスにし、EUには嘘の財政データを出させる。これが、債務の飛ばしです。
↓
(2)顧客である投資家(及び銀行)には、ギリシア債は、財政は健全だが金利が高く、利益があるとして売る。あるいは、ギリシア債にCDSをかけ、デフォルトのとき支払われる保証保険を、国債額面の2%程度の低い料率で買う。
↓
(3)通じている、子会社のヘッジ・ファンドに、ギリシア債を空売りさせておく。先物売り、売りオプションでも同じ効果である。
↓
(4)機会を見て、ギリシア政府の債務は、嘘であることを、マスコミにリークして暴く。自分たちも、驚いたように装う。
ギリシア債は市場で売られて下がり、金利は瞬く間に10%に向かい高騰した。
↓
(5)国債が下がると、保証保険のCDSの価値は上がる。例えば2%だったCDSの価格は、国債が下がってその金利が10%くらいになると、4倍くらいに上がる。
国債がデフォルトしてもCDS証券をもっていれば、額面の100%の回収が保証されるからです。
・・・<抜粋終了>・・・
CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)というのは、人間の生命保険のようなものです。生命保険に入るとき、若くて健康体の人なら掛ける保険金も安くすみます。でも病気で高齢の人が生命保険の入ろうとすると、高い掛け金を要求されるはずです。国債も同じで、米国債やドイツ債のように信用度が高いとCDSは安く、今やデフォルトが懸念されているスペインやイタリアの国債のCDSは上昇しています。人間の生命保険との違いは、CDS自体が市場で取り引きされる一つの金融商品となっていることです。
CDSは国債だけでなく、社債についても同様です。
一例を挙げると、2008年のリーマンショックの発端となったリーマン・ブラザースのCDSを買っていたアメリカの金融機関は、リーマンが倒産の危機に瀕することで、莫大な利益を上げることができます。しかしそのリーマンのCDSを発行していたAIGが破綻してしまっては、元も子もなくなります。アメリカ政府がリーマンを見捨てて、AIGには公的資金を投入して救ったというのは、こういうカラクリだったとすれば、とても理解しやすくなります。公的資金はアメリカ人の税金です。結果として、アメリカの金融機関が、アメリカ人が収めた税金を盗み取ったという構図です。
もちろん新聞や雑誌に載る情報がすべて、素人の一般投資家を罠にはめる目的で書かれたものというわけではありません。
そこには構造的なものがあります。それは機関投資家と言われる大口の投資家の投資手法にあります。彼らは基本的に、「予測で買って、材料で売る」というやり方をします。
一例をフランス大統領選挙で説明します(実際に機関投資家が行動したということではなく、あくまでも例です)。
EUの緊縮財政を進めるサルコジ候補と、積極的な公共投資を行い景気回復を優先するオランド候補の対立ですが、ここでオランド候補が勝つと予測するとします。オランド候補が勝つと、積極的財政でEUの金融不安が再燃し、ユーロが安くなることが懸念されます。そこでユーロの売りを仕掛けるのです。当然ながら、サルコジ候補が勝つと予想する機関投資家とのバトルが始まります。しかしオランド候補が有利というニュースが流れると、徐々にユーロが下落してゆきます。結果としてオランド候補が勝利したというニュースが流れ(材料が出て)、ここでやっと素人の一般投資家がユーロ売りに参加してくることになります。もう充分に利益が乗っているポジションを、ここでウシシと笑って閉じるわけです(ユーロの買い戻し)。
往々にして材料とは逆に相場が振れることがありますが、それは大きなポジション(投資額)をとっている機関投資家が一斉に手仕舞いをするからです。つまり機関投資家は、素人の一般投資家の一歩先を行動しているのです。報道された材料で行動する素人の一般投資家は、チャンスと思って入った相場なのに、全然思った通りに動かない相場をため息をつきながら見詰めることになります。
新聞や雑誌に載る情報が投資に役立たないもう一つの理由は、相場自体が上がったり下がったりという波動で動く性質を持っていることです。大暴落や大暴騰のように一直線で動く相場は、めったにありません。長期的に上がる場合も下がる場合も、細かい波を打ちながら移動してゆきます。それゆえ、ある相場の変動が起きて、為替や株式や商品が上がって人々の注目を集め、新聞や雑誌でそれを取り上げたときが、その波動のピークになっていることが往々にしてあります。相場が下がる場合もそうで、新聞や雑誌で暴落していると騒いだときが、大底だということがよくあります。新聞や雑誌に人を騙そうという悪意がなくても、結果としてそうした報道で行動する素人の一般投資家が損をするということが起こります。
○素人の反撃
では相場でカモにならないためにはどうすればいいでしょうか。
一つの有効な方法は、表に出てくる新聞や雑誌の情報の逆を行うことです。
2008年半ばにNY原油が1バーレル147ドルの最高値をつけた時期、ゴールドマン・サックスがこれからNY原油は200ドルに向かうだろうというレポートを出しました。相場のプロである増田悦佐(ますだえつすけ)氏は、このレポートが出たとき本当に嬉しかったと言っていました。もちろん増田氏は、原油が上がるというゴールドマン・サックスのレポートの意味を“正しく”解釈しています。“上がる”というレポートが出たということでは、今後“下がる(あるいは下げる)”という意味であることをきちんと理解していたということです。事実NY原油はその後、大暴落を演じ2008年暮れには、30ドル台前半まで下がりました。
もう一つ、私の例を紹介します。
私はほんの少しですが、日本の株式を持っていました。日経平均株価が9千円前後となった時点で、将来有望そうな株をちょっとだけ買ったのです。この株は日経平均が上がろうと下がろうと売らずに、長期に保有しようと思っていました。
その平均株価が今年の1月末から3月にかけて、だいぶ上昇してきました。10100円前後に達した段階で、日本経済新聞が「平均株価は10500円を目指す」といった内容の記事をネットに掲載したのです。私は迷いました。長期に保有するつもりだったのですが、日経新聞が、わざわざ「今後、株価は下がります」と教えてくれているのです。下がるとわかているのに持っているのもなあと考え、取りあえず売ることにしました。ある程度下がった段階で、買い戻せばいいやと思ったのです。
実際のところ日経新聞の記事は“正しく”、10200円まで上げた平均株価はその後下落を続け、昨日(5月16日)には8800円近辺まで下落してきました。
こうしてみれば、表の新聞や雑誌の情報というのは、(皮肉を込めて言えば)大変役に立つものと言えそうです。
相場の世界でよく言われる格言の一つに、「当たり屋につけ、曲がり屋に向かえ」があります。相場の予想がよく当たる人にはついていき、下手な人の場合は反対の売買を行えという意味です。表に出る大手新聞や雑誌のなどのメディアは、その「曲がり屋」というのが適切なところだろうと思います。
あとカモにならない方法として、デイトレードがあります。
その日に買って、その日に売るというのであれば、その日の流れを読むということが重要になります。それゆえ新聞や雑誌が提供する材料の影響を受けにくくなります。時には秒単位での取り引きで利益を上げる手法もあり、運動神経の勝負と言われたりします。私には向いていないやり方なので、やっていませんが、こうしたデイトレーダー(その総称がミセス・ワタナベです)が、相場で大きな力を握っている事実があります。
FX市場では市場関係者の間で、「今日のミセス・ワタナベはどう動いている?」といった会話が普通になされているそうです。ここまで市場で大きな影響力を持ったということは、成功している個人投資家も多いのだろうと思います。彼らの成功の理由の一つは、新聞や雑誌の情報を鵜呑みにせず、その人独自の投資手法で行っていることだと思われます。
○気になる今後の為替相場
蛇足ですが、今後の為替相場について一言述べたいと思います。
黄金比という一風変わったチャート分析で知られる若林栄四(わかばやしえいし)氏に私は注目しているのですが、『2014年 日本再浮上』(ビジネス社)から若林氏の今後の為替予測を紹介します。
・・・<『2014年 日本再浮上』、p19〜p20から抜粋開始>・・・
その円高が、今まさに是正されようとしているのです。
私は数年前から、円相場は2012年2月に1ドル=74円の最高値をつけると予測してきました。マスコミ等でも多少話題になりましたから、ご存じの方も多いかと思います。
本書が出版される頃には、すでにその予測の当否はついているはずです。相場に絶対はありませんから、プライスまでピンポイントで的中するかどうかはわかりません。ただ、大筋としてのトレンド予測は、まず間違っていないと考えています。
そして、ひとたび天井をつけた相場は、必ず底値を探る方向に動き出します。後章で詳述しますが、2012年2月をピークとして、71年8月のニクソンショック以来続いてきた円高トレンドは終わりを告げます。以降、ドル/円相場は−−相場ですから波を描きながらですが−−円安の方向に確実に動き始めます。これはチャートに明確に表れている真実です。
・・・<抜粋終了>・・・
この文章で読んではっきりわかることは、若林氏は2012年2月をもって、円高局面は終わったという結論を出していることです。若林氏は2月に1ドル=74円という水準と言っていましたが、実際は2011年10月に75円65銭という市場最高値を付けました。時期はピンポイントで的中しませんでしたが、今年の2月をもって、1971年以降続いた円高局面は終わり、今後は円安というのが若林氏の予測です。
私は、今後は長期的にみれば円安という点では同意しますが、まだ歴史的な円高を付ける可能性があるとみています。欧州ではギリシャのユーロ離脱は秒読み段階を迎えていると言われていますし、ギリシャのユーロ離脱はその他の南欧諸国の離脱を促すものと思えます。まだまだ欧州の金融不安がこれからも世間を賑わすことを考えれば、もう一段の円高があってもおかしくありません。私はこの夏にも、若林氏の言う74円を突破し、歴史的な円高水準を見ることになるかもしれないと考えています。
ドルが安くなると金(キン)が高くなると考えがちですが、今回はどうも金も下落方向にみえます。金に関しては「投資小僧の金相場日記U」さんが、とても素晴らしいチャート分析をされていますので、お勧めします。その投資小僧さんによれば、「現時点の見方では弱気に傾きつつあります」とのことです。もちろん長期的には、金は買いというのが投資小僧さんの見方です。
とすると逆に言えば、外貨も金も近々絶好の買い場が訪れる可能性があるということです。
念のために言っておきたいのですが、これは私(本山)という素人に近い人間の勝手な予測に過ぎません。それゆえ相場がそのように動くと考えるのではなく、あくまでも一つの可能性を述べてると思っていただければと思います。私自身も予測が当たると思っていない証拠に、外貨や金の売りを仕掛けているわけではありません。今は完全なノーポジ(ノーポジション:全く相場に入っていない状態)です。もし万が一予測が当たるようなことがあれば、それは相場を張る絶好のチャンスだと思っていて、日々相場の動きを注視しているところです。
どうしよう〜、相場で全財産すってもーたニャン!
今回は短い寸話をいくつか紹介したいと思います。
○DVD『Thrive』について
当HPの「訪問者の談話室(2)」にネットで話題となったDVD『Thrive(スライブ)』の上映会を案内する投稿がありました。
ネットで話題になっているということで、私も観てみることにしました。DVDは海外でしか買えないと勝手に思ってしまい、アメリカのショップから購入したのですが、あとで日本のアマゾンで買えたことを知りました。ただ今は円高なので、アマゾンよりはほんのちょっと安く買えたようです。
「Thrive」とは繁栄するという意味らしいのですが、内容は極少数の金融エリートが世界を裏で操り、世界支配の陰謀を企ててきたのを暴露するというものです。私は正直なところ、DVDを観る前はあまり期待していませんでした。通常の流通ネットに乗って販売されているこうした陰謀を暴くといったDVDは、どうせ真実を隠す意図で人々に偽情報を流すディスインフォメーションの類だろうと思っていたからです。
しかしDVDで観て、私は非常に驚くことになりました。
私は、世界の政治、軍事、金融などを裏で操る権力について追求しているジャーナリストの(元フォーブスのアジア太平洋支局長だった)ベンジャミン・フルフォードさんに注目しています。これまで当HPでもベンジャミンさんの記事を度々紹介してきました。DVD「Thrive」は、そのベンジャミンさんの言っていることと極めて酷似していたのです。まず私が思ったのは、DVD「Thrive」は人々を欺く目的で作られたディスインフォメーションの類ではなく、もっと深い意図を持って作られたものだろうということです。
このDVDですが、アメリカの世界最大の一般消費財メーカーであるP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)社の子息が作ったものだと紹介されています。その子息が、(個人的に)長年の疑問を追及していくうちに世界の裏の権力の存在を知り、それを告発したものという設定になっています。
私は表向きのこうした設定に、大いに疑問を感じています。
その理由は2つあります。
一つは、大手メディアでは真実を報道しない現状で、一個人が裏の権力の多岐に渡る工作について、ここまで詳細で正確な情報を知りえるものなのかということです。しかしながら、このDVDを作った製作者自身がその一味と繋がっているとしたら、それは可能かもしれません。
さらにDVDを観てもらえばわかりますが、映画としての完成度は相当なものです。CG(コンピューター・グラフィックス)をふんだんに駆使した見事な映像が展開されます。このCGだけでも相当な制作費が掛かっているはずです。全体として莫大な制作費が掛かっていると思われるのですが、いくら大企業の子息とはいえ、個人レベルでできることとは思えないものがあるのです。
私が疑問を感じるもう一つの理由は、このDVDにデイビッド・アイク氏が証言者として出演していることです。デイビッド・アイク氏は、権力のトップにいる人間がレプティリアン(ヒト型爬虫類)に変身するといったことや、悪魔儀式で人間の子供を生贄にするといったことを本に書いている人です。私はデイビッド・アイク氏を、こうした恐ろしい話で人々に恐怖を与える役目を負った人物ではないかと疑っています。つまりアイク氏は、その一味に雇われている人間ではないかということです。このDVDにはそのデイビッド・アイク氏が登場しているのですから、私はいよいよ怪しいと思ってしまいます。
では、私の疑念が的を得ているとしたら、どうしてこのDVD「Thrive」は発売されたのかです。このDVDで英語だけでなく、スペイン語、フランス語、日本語、中国語でも観れるようになっています。これだけみても製作者側の気合の入れ方は半端ではありません。製作者はこのDVDを世界中に広めようとする意図があるのは確かです。
私の想像ですが、このDVDを一般の人々に広く浸透させることで、なにか政治的なメリットがあったに違いありません。それが何か今はわかりません。何かメリットがなければお金と手間暇をかけて、こうしたものを作るはずがないからです。そして、製作者側は、こうした事実が世界の一般庶民に知られても大丈夫と考えていることは間違いないと思います。すでに我々のオペレーションは完成したという自信の表れでしょうか。しかし私には、なぜそうした自信を持てるのか謎なのですが。
このDVD「Thrive」の内容は、ベンジャミンさんが言っていることと酷似していると書きました。しかしベンジャミンさんの認識と大きく違っていることがあります。それはベンジャミンさんは、闇の権力者は崩壊過程にあると言っているからです。ベンジャミンさんによると、こうした闇グループは、以前はまとまっていたが、今は内部分裂が始まってグループ同士でさかんに争っているといいます。それゆえ昔は考えられなかったような政治や金融のスキャンダルが、表のニュースを賑わしているといいます。もちろん大手マスコミは本当のことを言いませんが、真実は裏の権力者同士の熾烈な争いの結果が表面化したものだといいます。
私はDVD「Thrive」の製作者側の自信とは裏腹に、これが一般公開されたことで、製作者側の権力の崩壊が加速されるのではないかと思っています(「Thrive」(繁栄する)は、表向きは目覚めた人類が繁栄するという意味だろうと思いますが、実は製作者側(裏の権力者側)が繁栄するのだという意味を込めて付けられた題名かもしれません)。
世界の裏の権力構造に興味を持たれた訪問者の方々に、お勧めのDVDです。実に良い出来栄えだと思います。
○『闇の終焉の地球元年』に出てくる興味深い話
日月神示(ひつきしんじ)の研究家の中矢伸一さんと、ベンジャミン・フルフォードさんの対談本『闇の終焉の地球元年』を読んでいたら、興味深い話が載っていたので紹介したいと思います。
まず中矢さんが友人から聞いた、UFOに関する話です。
中矢さんの友人が米軍の基地内でメールボーイをしていた時に、墜落したUFOを掘り出す処理をさせられたという話です。アメリカで墜落したUFOというと私達はロズウェル事件を思い出してしまいますが、米軍内ではこうしたUFO墜落事件はしょっちゅうあったというのです。特にアメリカが地上で核実験を行っているときは、UFOは影響を大きく受けるらしく頻発していたといいます。
・・・<『闇の終焉の地球元年』、p226〜p228から抜粋開始>・・・
中矢:
ただし、はっきりとこの次元で体験したという例もあるんですよ。私の友人ですが、1979年頃にアメリカに行って、米軍のある空軍基地内で郵便を配るメールボーイをしていたんです。メールボーイだから軍の中の色々なところに顔を出して郵便物を配っていたわけ。すると、ある晩、深夜の2時くらいにサイレンが鳴り始めて、緊急の出動命令がかかったとのこと。
すると、彼のいるところにも軍用トラックに乗ってきた関係者が来て「お前も来い」と言われて、そのままトラックに乗せられたそう。それも、その軍用トラックが、幅5メートル以上もあるものすごく大きいトラックだった。どこに、何しに行くのかも分からない。質問してはいけないんだそうです。ただ彼らはそのときに、「いいものを見せてやる」みたいなことを言っていたらしいです。そして、30分から1時間くらいの間、砂漠の中を走り続けたら、前方に球場の照明みたいな、ライトアップされた現場が見えてきたと。車から見ると、地面に大きな円盤状のものが、なんだかUFOに見えるようなものが斜めに突き刺さっていたらしいの。するとその場所で降ろされて、スコップを渡されてここを掘れとのこと。彼は、その物体が何だか聞いたそうなんですが、「見れば、分かるだろう」みたいなことを言われたとか。
確かにその頃は、アメリカは国内での核実験をたくさんやっていたのですが、地上で核実験をやると、UFOに影響を与えるらしく、こうした墜落事件はしょっちゅうあったそうです。だから、この時の軍関係者も、スクランブルがかかって「ああ、またか」という感じだったそうです。実際、軍関係者はよく回収作業をしていたとか。それで、私の友人も掘るのを手伝わされて、UFOの機体を触ったりもしたらしくて。その時は、掘り起こした機体を上からクレーンで吊り上げて、トラックに載せて回収するという作業をしたそうです。そして、なんとそのときに、彼はエイリアンと思われる遺体を見たと。頭が大きくて、目も大きくて、手の指が異様に長いタイプの……。
編:
それは、グレイのような。
中矢:
そうかもしれない。驚いた彼が、「これは、何ですか」と聞いてみたら、軍の人間からは「これはロボットだ」と言われたと。他には、パイロットと思われる人間らしき遺体が横たわっているのも見たんだって。その人はもう死んでいたらしいのですが、エイリアン風ではなくて、言ってみれば、私たちと同じ人間のような外見だったと。日本人だと言われればそうも思える感じの人だったと。まあ、それがどこから来て墜落したのかまでは、彼は知る由もなかったわけですが……。ちなみに、その後、彼は空軍の仕事を辞める前に誓約書を書かされて。25年間だったかな、軍内で見聞きしてきたものを一切しゃべらないというサインをさせられたそう。
・・・<抜粋終了>・・・
次に紹介するのはベンジャミン・フルフォードさんの不思議な体験です。
日月神示に「石屋(イシヤ)」と出てくるのがフリーメーソンとのことで、神示では石屋が悪だからといって攻め滅ぼしてはならず、「石屋を改心さすのぞ」と言っているとのことです。その役目をベンジャミン・フルフォードさんが担っていると思われるエピソードがあったので紹介します。
・・・<『闇の終焉の地球元年』、p249〜p251から抜粋開始>・・・
ベンジャミン:
あと、僕が体験した不思議な話なんだけどね、一人のユダヤ人のモサド(管理人注)の知り合いがいて、彼は、いつも色々なパスポート、色んな国の通貨を持ち歩いて、クレジットカードや携帯を持たないようなやつ。そんな彼が、僕がこういう活動をしているのを知って、圧力をかけていたわけ。彼こそ、まさにイシヤの代理のような人間だね。
あるとき彼と一緒に井草八幡宮の境内の近くを歩いていたら、いきなり、カラスが小さい蛇を攻撃している光景に遭遇したわけ。すると、彼がその中に入っていき、蛇を助けたの。僕は、何でカラスと蛇のけんかに割り込むんだと言ったんだけれど、彼は「これは子供の蛇だから助けなきゃ」と。そして、その蛇を見ると、ケガをして内臓が2〜3ヵ所飛び出ていた。よくよく見ると、頭が三角だから毒蛇みたいなので「それ、毒蛇じゃない?」と言ったら、「それでも、子供の蛇だからかわいそう」と家に連れて帰ってケガを治してあげて、虫を食べさせたりして元気にした後、再び神社に戻したわけ。
その後、ある日、また彼と一緒に井の頭公園にいてベンチで話をしていたの。するとカラスがまた来て、僕の顔に糞を落としたわけ。そのときは、蛇を助けさせたからカラスに怒られたんじゃないかっていう解釈をした。そしてまた別の目に、井の頭公園を歩いていてカラスが僕の前に下りてくると、口にくわえていた蛇を地面に置いていった。それは、1年前に助けられた蛇の1年後ぐらいの大きさのものだった。その蛇は、どこかへ行ってしまったけれどね。これは、要するに、蛇を神社に連れて行けという意味ではないかと思った。なぜならば、悪魔教を信じるイシヤのシンボルは蛇じゃない? 他にも、彼らにまつわるシンボルとしてあげられるのは、十字架の周りを蛇が渦巻いている像だったり、ドルの札の「$」のシンボルは、もともとは二つの蛇が戦っている姿を形にしたものだしね。だからこれは、蛇を神社に連れて行け、つまり、悪いことをやっていた欧米人を神社に囲い込め、正しい神に導け、という意味ではないかと。そういう不思議なエピソードがあった。
あとは、同じ彼の家の前で犬の糞みたいなものを見つけたことがあったんだけれど、それは糞じゃなかった。実際に、黒い訳の分からないもので、その中になんとダイヤモンドの石が入っていたの。しかも、0.88カラットの立派なダイヤが……。
中矢:
それは、蛇の恩返しじゃない(笑)?
ベンジャミン:
分からないけど、本当の話。この一連のことで僕が思ったのは、これはユダヤ人に対する神のメッセージではないかと。要するに、時にはダイヤ、ある時は糞が来ると。でも、いずれにしても、生命につながるものを選べば、あなたたちの民族が生き残ると。時にはダイヤがあれば物質的に豊かになるけれど、ある時は糞の方が大地の肥料になって生命がつながると。ダイヤでは食べて行けないときもある。究極、ダイヤは食えないから。人生には、糞が必要なときもあれば、ダイヤが必要なときもある、というメッセージ。
中矢:
読みが深いね。でも、内臓を戻してあげたりなんて、モサドの人はスパイとか、すごく怖いことをしていそうなのに、やさしいんだね。
・・・<抜粋終了>・・・
(管理人注)
文中にモサドと出てきますが、モサドとはイスラエルの諜報機関のことです。アメリカのCIA,イギリスのMI6などがそれに相当します。その優秀性は世界トップレベルという話もあります。
○農薬、肥料、除草剤を一切使っていない自然栽培のお米
私事ですが、今年の冬に引っ越しをした際に膝を痛めてしまいました。
新居はエレベーターのない3階で、重い荷物を階段で運んで足腰にきてしまったようです。今年は、日本中を旅しようと思っていたのですが、膝を痛めてしまったので、今は安静にしている状態です。千さんのお爺ちゃんセッションで膝の治り具合を聞いたときに、お爺ちゃんから、「今年は(日本中に)出かけるのだから、体力をつけないとな」と言われてしまいました。
私は体力をつけるということで、スポーツとかジョギングをすることばかり考えていたのですが、中矢伸一さんの『日月神示 完全ガイド&ナビゲーション』(徳間書店)を読んでいて、体力をつけることイコール、スポーツではないという記述に出会いました。いかに運動するかという問題の前に、食事をどうするかといったことが一番大事なことだと気付いたのです。
これから紹介する記述ですが、私は最初に読んだとき頭をガンとやられた気分でした。
体力をつけることイコール、食事の問題だと初めて知りました。
・・・<『日月神示 完全ガイド&ナビゲーション』、p298〜p299から抜粋開始>・・・
菜食のほうが肉食よりもはるかに力が出る
前出の『食養ということ』に、菜食と体力の関係について面白い実験例が紹介されている。
明治初年に来目し、日本の医学教育に功績があり、ベルツ水を発明したドイツ人医師のベルツ博士が行った、「車夫の走力実験」である。
この実験では、22歳と25歳の、2人の車夫が選ばれ、ベルツ本人が人力車に乗り込み、車を引かせてみた。
2人にはまったく同一の飲食物が与えられた。最初に与えられた食べ物は、白米、イモ、大麦、粟といったもので、脂肪とタンパク質は少ないが、デンプンの量はかなり多いものであった。
この条件で、体重80キロのベルツを毎日40キロ、3週間にわたって引かせ、3週間後に2人の体重を計ったところ、一人は増減がなく、一人は半ポンド増えていた。
そこで今度は二人に牛肉を与え、デンプン類を減らした状態で、引かせてみた。すると、2人は3日後には非常に疲れ、走れないから肉を減らしてほしいというので、前の食べ物に戻したところ、すぐに元気になった。試験後の体重は、一人が変わりなく、一人は半ポンド減っていた。
また、ベルツは東京から日光まで、110キロの道程を旅行したが、この時は午後6時に東京を出発し、午前8時に日光に到着した。所要時間は14時間であり、途中、馬を6度替えている。同じ日に、人力車で東京から日光に着いた人があったが、この車夫はたった一人で、110キロを10時間で引いており、摂っていた食べ物は主に植物性のものだったという。
このことからベツツは、国民の栄養を論ずる時には、このような方法で行うべきだと力説している。
同書ではまた、アメリカの大学で行われた「肉食と耐久力」に関する実験結果も紹介している。
肉食をしている者と肉をまったく食べない者とで、体力テストをしてみた。
「腕を支える力」については、肉食者15人のうち、15分以上両腕を伸ばしていることのできた者は2人しかおらず、肉を食べない者は、32人のうち23人までそれができた。30分に達した者は肉食者では一人もいなかったが、肉を食べない者は15人がこれに成功しただけでなく、そのうちの9人は1時間、一人は3時間を突破した。
スクワット(膝の屈伸運動)のテストでは、肉食者の中で300回以上できた者は少なく、ろくに歩けないくらいにももが疲れたが、肉を食べない者の中には1800回もやり、この実験が終わっても疲れを見せずにやり続け、ある者は2400回、一人は何と5000回にまで達したという。
さらに特筆すべきことは、この実験で被験者として選ばれた「肉を食べない者」たちは、特別な運動の訓練も受けていない一般人であったのに対し、肉食者は全員が運動を専門としている人たちであったことである。これ一つをとっても、肉食が耐久力をつける源ではないことが、ハッキリとわかるだろう。
・・・<抜粋終了>・・・
体力をつけるために肉を食べるということは、今の日本人の一般的な常識となっています。多くの日本人は肉を食べると、“精”がつくという感覚を持っています。しかし言われてみれば、肉を食べることで、どのくらい体力がついたかということを、数値化したものを見た記憶がありません。ただ漠然と肉を食べれば体力がつくというイメージを持ってしまっています。これは牛乳や卵にも言えることで、乳製品や卵は健康に良いという漠然としたイメージを持っています。
中矢伸一さんは、次のように語っています(同書、p285より抜粋)。
「肉、卵、牛乳などの動物性タンパク奨励は、健康のためなどというのは真っ赤な偽りで、じつはアメリカの飼料穀物会社による周到な利潤追求戦略であったことは、昭和57年3月16日に放映されたNHKの特集番組でも報告されている。つまり、家畜飼料の市場を一手に握り、動物性タンパクは人間にとって絶対必要なものだと煽(あお)ることにより、経済を独占しようという計画である(参考:『自然医学』昭和57年5月号)」
私(本山)は理科系の人間なので、実験結果を極めて重視する性癖があります。
百の言葉よりも、一つの実験結果の方が私には説得力があって、ドイツ人医師ベルツ氏の実験に大いに納得してしまいました。
さてでは植物性のものとなりますが、やはり主食は穀物となるようです。
それも精製したものではなく、やはり玄米が一番良さそうです。
・・・<『日月神示 完全ガイド&ナビゲーション』、p282〜p283から抜粋開始>・・・
古来からの菜食主義で日本に病気はなかった
肉食を否定すると、もう一つ必ず指摘されるのが、栄養のバランスである。植物性のものばかり食べていると、栄養のバランスが崩れ、体をこわすというのである。
しかし、これは先にも述べたように、栄養学の面から言っても、まったく根拠がない。菜食をしているとエネルギー不足になり、力が出ないというのも、医学的データからしても、歴史的事実からしても、見当はずれの妄言である。
日本の歴史を振り返ればわかるように、古来われわれ日本人は、ほぼ菜食を旨(むね)として来た。その頃は現代より病気の数はずっと少なく、健康体のまま天寿をまっとうする人は確実に多かったはずだ。
戦国時代、数十キロの鎧や兜を身にまとい、何十日も不眠不休の極限状態で戦することを可能としたのは何であったか。彼らの食べていたものは、今と比べれば考えられないほど質素なものである。植物性のものばかりでは力が出ないなどと言う人は、こうした事実を少しでも、考えたことがあるのだろうか。
徳川家康は麦飯を好んで食べていたし、米は食べても玄米であったという。大坂の陣では玄米を食っていたと当時の書物にある。また豊臣秀吉は高野山で玄米の割ガユを食べ、加藤清正は玄米食を家憲(かけん)に定めたそうである。徳川秀忠が池田光政をもてなした時の料理は、蕪汁(かぶらじる)と干魚(ほしざかな)だけであったという記録もあり、(参考:『生命現象と環境』『食養ということ』)、一般の武士や庶民に至ってはさらに質素であったことは想像にかたくない。
奈良時代には玄米二食が一般に普及しており、農民の間では雑穀類も食べていたようだが、これは平安、鎌倉の時代になっても変わることはなかった。
このように、日本では、伝統的に穀菜食を中心とした食生活であったわけだが、古代の日本人が穀菜食であったことは、「異端文書」あるいは「偽書」としての扱いを受けている、いわゆる「古史古伝」の中に記されている。
『秀真伝(ほつまつたえ)』には、「常食とすべきものは田畑の作物である」だとか、「間違っても四ッ足の肉を食べてはならない」などと示されているし、その他、『上記(うえつふみ)』、『竹内(たけのうち)文書』、『カタカムナ』などにも、日本では超古代の昔から肉食を忌み嫌い、穀類や野菜を食べていたという記録が残されている。
また、日本最古の官撰経典(かんせんきょうてん)とも評される『先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)』(『旧事紀(くじき)』)には、
「食の道は穀食が善く、肉食は善からず。穀は正食に能(よ)く、純食にも堪(よ)く、肉は従食(おかず)にしても純食に堪(たえ)られず。其(そ)は、克(よ)く能(たと)ると不能(たえられざる)こと、能(ききめ)と毒とに分かつなり」
などと、肉食を戒め、穀菜食をすすめる記述がある。
日本の正史研究からは外された文献ではあるが、それらに共通して穀菜食の有効性がハッキリと説かれていることは、留意すべきである。
・・・<抜粋終了>・・・
日本で米を精製して白米にして食べるようになったのは江戸時代からなので、戦国時代は玄米だったのは当たり前ですが、たしかに戦国の世の過酷な戦闘を玄米が支えたことは間違いありません。戦国時代に足軽として駆り出され、平時には農作業を行っていた人々にとって、お米は贅沢品で普段は稗(ひえ)や粟(あわ)といった雑穀を食べていたようです。しかしいったん戦闘に駆り出されると、お米(玄米)だけは、腹いっぱい食べることができて、それが戦争に出る役得だったといいます。当時は今に比べれば、全然オカズが少ない食事で、後は味噌を携行するぐらいだったそうです。それだけに何日間も不眠不休の極限状態で戦闘する体力を玄米が支えてきたと言えるわけで、玄米パワーは凄いのだと改めて思います。
以前私は、玄米にチャレンジしたことがありましたが、やっぱりお腹を壊す傾向があり、止めてしまいました。原因ははっきりしていて、白米に比べて堅い玄米を良く噛まずに飲み込んでしまうことです。これは生まれたときから白米ばかり食べてきたから、仕方ない面があります。でも玄米を食べると決めた以上、気合を入れて噛むしかなさそうです。
その玄米ですが、以前当HPで紹介した木村秋則さんの農薬、肥料、除草剤をいっさい使わない自然栽培法で栽培されたお米がネットで入手可能です。木村秋則さんと提携してグローバルフィールドという会社がソラベル(Solabel)というブランドで販売しています。
グローバルフィールドのサイトを見ると、青森県産の野菜などの注文も受け付けていますが、無農薬、無肥料と銘打っていないので、たぶん木村秋則さんの自然栽培ではないのだろうと思います。自然栽培のものは、ソラベルというブランドで売っているようです。玄米、白米の他に、大豆、小麦粉なども売っています。私は試しに玄米と白米の3kgパックを買ってみたのですが、普通にスーパーで売っている値段と変わらないので、ちょっと驚きました。自然栽培のものは手間が掛かるので、普通のものより2〜3倍の値段だろうと勝手に思っていたからです。玄米、白米とも3kgパックで1575円です。ちなみに私の近くスーパーでは、石川県産コシヒカリが3kgで1680円、山形県産ササニシキが3kg1480円でした。もちろん郵送料が掛かりますが、普通のお米と同じ値段で売られていることに感心してしまいました。参考までに、玄米5kg購入のサイトはこちらです。
ちなみに無農薬、無肥料、無除草剤なので、これを食べると免疫力が上がるだろうと思って、千さんのお爺ちゃんセッションで聞いてみました。すると免疫力はアップするし、花粉症の症状もさらに軽減するとのことです。
玄米で体力をつけるだけでなく、免疫力をアップさせたい方にお勧めしたいと思います。
玄米もいいが、桜も旨い!
先日テレビを観ていたら、南雲吉則さんという方の若返り健康法が紹介されていました。
私はダイエットには興味があまりないのですが、若返りという言葉には惹かれるものがあります。特に南雲さんは、現在56歳とのことですが、テレビで紹介されていたように、たしかにそれより20歳は若く見えます。
以下は、ネットで探した南雲さんの写真です。

当HPを昔から訪問されていた方はご存じだと思いますが、当HPでの私のキャッチフレーズは、“地位も金も名誉も無い、ただのうれぶれおじさん”です。地位や金や名誉が無いのはしかたないですが、うらぶれているのはいただけないと自分でも思っていました。それだけに南雲さんの姿を見て、かなりショックを受けました。私より年上なのに、私より全然若く見えるからです。さっそく南雲さんの著書を数冊取り寄せて、読んでみることにしたのです。それでわかったのは、南雲さんは(乳癌などの)癌手術を行う医者であると同時に、国際アンチエイジング医学会会長を務めるアンチエイジングの専門家でもあるということです。
ところで以前NHKで動物実験で食事の量を減らしたら、寿命が延びたという番組をやっていました。その寿命を延ばす遺伝子が発見され、サーチュイン遺伝子と名付けられたという内容だったと記憶しています。そしてそのサーチュイン遺伝子を活性化する物質も発見され、それがレスベラトロールという名だったと思います。番組では、海外ではすでにレスベラトロールを含んだサプリメントが発売され、寿命を延ばそうと飲んでいる人もいると紹介されていました。
私は、こりゃあいいと思ってネットでなんとかレスベラトロールのサプリメントが購入できないか探してみました。でも見つかりませんでした。千さんのお爺ちゃんセッションで、なんとか入手する方法はないかと聞いてみたのですが、難しいという答えでした。当時はNHKで放送された直後だったので、国内でレスベラトロールを扱っている業者はなかったのだと思います(ただし今はレスベラトロールで検索してもらえばわかりますが、普通にサプリメントが買えます)。
それで私はサーチュイン遺伝子を活性化するレスベラトロールを諦めたのですが、南雲さんの本を読んでいて、そのサーチュイン遺伝子に再度出会えました。南雲さんは、サプリメントを飲まなくても、空腹によってサーチュイン遺伝子を活性化する方法を説いています。もちろんNHKの番組でも飢餓がサーチュイン遺伝子を活性化すると言っていたのですが、動物実験ではエサを4割も減らしたというのですから、私達の日常生活でそれをやるのは難しいのではないかと思っていました。
ところが南雲さんは、1日に1食しか食べないというのです。そして10年以上も続けて、健康になっただけでなく、見た目で非常に若返ってしまったといいます。体重はピーク時に77kgあったものが、現在は15kg減量して62kgだそうです。見事に自分で実践してみせたところが説得力があります。たしかにダイエット教室に行って、そこのインストラクターがビヤ樽みたいな体型だったら、説得力ゼロです。糖尿病の治療にいった病院の医者が糖尿病だったら、診てもらう気力がなくなります。自分で実践し、結果を出しているところが素晴らしいと思います。
以下は私が理解した南雲式若返り健康法の肝と言われるもの列記したものです。
・腹六分目の食事(南雲さんは1日に夕食の1食のみです)
・早寝早起き(午後10時〜午前2時の4時間は就寝しているとき、成長ホルモンが分泌されるそうです)
・ごぼう茶
・ウォーキング(南雲さんは激しい運動は、かえって寿命を縮めると言っています)
南雲さんは学者だけあって、本を読んでいると実に様々な話が出てきます。
一度に紹介するには量が多すぎるので、今回は『「空腹」が人を健康にする』(サンマーク出版)から、空腹がいかに人を健康にして寿命を延ばすかという話を紹介したいと思います。
お腹がグーッとなるメカニズムから、空腹がダイエットになるだけでなく、様々な効果があるという話です。例えば、肌を美しくして体臭をなくす。若ハゲや薄毛に効果があり、さらに抗癌効果や脳を若返らせる効果まであるといいます。
・・・<『「空腹」が人を健康にする』、p110〜p120から抜粋開始>・・・
お腹が鳴る秘密と効能
それでは、ここでお腹がすくとどうして「グーッ」と鳴るのか、その秘密と効能を解明しましょう。
(1)一日一食を始めた最初の反応は「モチリン」
妊娠して「つわり」のときに、どうして吐き気をもよおすのかご存じでしょうか。
口はあらゆるものを栄養として取り込むのが仕事です。多少腐っていても、アクを含んでいても、食べられるものは何でも飲み込んでしまいます。
ふだんはそれでよいのですが、妊娠中はお腹に大切な赤ちゃんがいます。赤ちゃんは無抵抗で、もし毒が入ってきたら死産になったり、奇形になったり、大きな問題を起こします。そのため、妊娠中は毒やバイ菌のような外敵に対して過剰に反応するのです。ごはんや魚がちょっと生臭いだけでも、お腹の赤ちゃんを守るために吐き気が起こるのです。
ふだんのあなたの胃腸はというと、「腹減った、飯食わせろ!」といつも訴えています。食事が流れてこないと、それに気づかないあなたに空腹のサインを送るのです。
ヒトを始め、あらゆる哺乳動物の小腸の入り口には、食べ物を待ちかまえているセンサーがあります。あなたが一日一食を始めていつまでたっても食事が流れてこないと、小腸はあせって「モチリン」という消化ホルモンを出します。このホルモンは胃を収縮させることによって、まだ胃の中に残っているかも知れない食べ物を小腸に送り込ませようとします。これを「空腹期収縮」といって、お腹グーグーの正体なのです。
(2)腹ぺこホルモン「グレリン」の登場
さて、モチリンで胃を絞り出しても、何も食べ物が流れてこなければ、次は何をしたらいいでしょう。そうです。食事をさせなければいけません。
そこで、空腹に気づいた胃袋から「グレリン」というホルモンが出ます。グレリンの語源は英語の「grow」つまり「成長」です。グレリンは空腹によって刺激された胃粘膜から分泌され、脳の視床下部に働いて食欲を出させるのが仕事です。そして同時に脳の下垂体に働き、成長ホルモンを分泌させます。
成長ホルモンは、またの名を「若返りホルモン」といいます。つまりお腹がすいて胃がグーグーいっているとき、若返りホルモンによってあなたはどんどん魅力的になっているのです。
お腹が鳴ってもあわてて食事しないで、しばし成長ホルモンによる若返り効果を楽しみましょう。
(3)体中の遺伝子の修復が始まる
お腹がグーッと鳴っているときは、さらにすばらしい生命力が湧いています。それが「サーチェイン遺伝子」です。前述したように、あらゆる動物実験で食事の量を4割減らしたら1.5倍長生きしたという、通称「延命遺伝子」、またの名を「長寿遺伝子」といいます。
しかし、この遺伝子が効果を発揮するには、ある条件が必要でした。それが「空腹」。腹ぺこでお腹がグーッと鳴らない限り、この遺伝子は働かないので、ふだんは宝のもち腐れ状態なのです。
一日一食で、お腹をグーッと鳴らしましょう。すると、体中の遺伝子をこのサーチュイン遺伝子がみるみるスキャンしてくれて、傷ついているところをどんどん修復してくれるのです。
老化も癌も、遺伝子の異常が原因といわれています。一日一食で若返りや癌予防が可能だということにもなるのです。
(4)超善玉ホルモンが脂肪を燃焼させる
お腹がすいているのに、それでも食事が入ってこないと、体はどう反応するのでしょうか?
そうです。お腹の中に蓄えていた内臓脂肪を分解して栄養に変えようとします。
内臓脂肪はそもそも冬眠のために蓄えた非常用の燃料ですから、よほどのことがない限り燃焼はしません。どんなに運動しても、優先的に使われるのは筋肉内のグリコーゲンという糖ばかりですから、スポーツのあとは低血糖になってお腹がすいて食べてしまう。すると、インスリンが分泌されて、逆に内臓脂肪を蓄えてしまう。という具合に、メタボスパイラルにはまってしまうのです。
一日一食ならば、否応もなくお腹は減ります。内臓脂肪は燃焼します。ウエストがくびれることは間違いありません。
しかもそのときに脂肪細胞から奇跡のホルモンが分泌されます。それが「アディポネクチン」です。前に脂肪が燃焼するときはススが出る、そのススが血管の内皮細胞を傷つけて動脈硬化を起こす、と説明しました。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。脂肪の中から動脈硬化を予防して血管の中を掃除してくれるホルモンが出ていることがわかったのです。それが「アディポネクチン」です。
このホルモンがどんなに頑張ってくれても、あなたがどんどん食べて内臓脂肪を増やしてしまったら、「これ以上働いてもしょうがないや」と、頑張るのをやめてしまいます。ですから、太っている人ではアディポネクテンはあまり働かず、ますます太ってしまうのです。
でも、あなたが一日一食でやせてくると、アデイポネクチンはどんどん活性化します。体中の血管を掃除して、あなたを若返らせてくれるのです。
一食を食べたときから「やせホルモン」が出る
さて、内臓脂肪を燃やしても、栄養が足りなかったらどうしますか? そう、みなさん食事を摂りますね。しかし摂り過ぎたらどうなるでしょう。身動きがとれなくなります。
そこで満腹になったときに食欲を抑える働きが必要になってきます。それが「レプチン」 です。
レプチンは脂肪組織から分泌されるホルモンですが、食事を始めてから20〜30分すると分泌されて満腹であることを脳に伝えます。満腹であることを伝える「満腹ホルモン」とも呼ばれますし、食べ過ぎないように食欲を抑えるので「やせホルモン」とも呼ばれます。
レプチンは、満腹になるとたくさん分泌され食欲を抑制してくれますが、肥満になってそれが長期間に及ぶと神経が麻痺(まひ)して、食欲抑制効果は薄れてしまいます。そうなってからダイエットするとレプチンの分泌量が急激に減り、食欲はますます抑えられなくなります。リバウンド現象が起きてしまうのは、そのせいなのです。
そうならないためにも、一日一食を習慣化して、レプチン量を正常化し、体の感受性を取り戻しましょう。そのあとは、ちょっと食べればレプチンによる食欲抑制が働くので、一日一食がラクに続けられるようになります。
こうして体重がみるみる減ってくると、あなたは一日一食が楽しくてたまらなくなるでしょう。
学校の勉強がなぜおもしろくないのかというと、頑張ったぶんがそのまま結果にあらわれないことが多かったからです。そればかりか徹夜で頑張っても、授業中に居眠りして叱られたりもします。
しかし、ダイエットは正直です。食べなければ確実にやせます。一日一食を始めて三日目。体重計に乗ってみてください。必ず1、2kgは減っているはずです。そればかりか、ウエストの贅肉も薄くなっています。
努力が報われることを、ダイエット開始からわずか三日目で実感したあなたは、この生活の虜(とりこ)になるでしょう。
しかしあなたは一日一食の本当のすごさを、まだわかっていません。これから、その真髄についてお話ししましょう。
体重がみるみる減るだけではない、この効果
まず、一日一食を始めて一週間目の時点であなたの足の臭いをかいでみましょう。今までメタボであったあなたなら、相当体臭が強かったはずです。
ところが、一日一食を始めてたったの一週間で、あなたの体臭はほとんどなくなっているはずです。
体臭の原因は皮脂腺です。いわば脂汗です。腋(わき)の下や足の裏は脂汗をかきやすいのです。しかし汗だけでは臭いません。そこにワキガ菌やブドウ球菌というバイ菌が繁殖したときに、不快な臭いになるのです。
一日一食を始めるとお腹が減り、血中のコレステロールが減り始めます。コレステロールは性ホルモンの原料です。とくに副腎という腎臓の真上にある小さな臓器から分泌される「アンドロゲン」という男性ホルモンの量を増やします。
このアンドロゲンは別名「とうそうホルモン」と呼ばれ、「闘争」や「逃走」のとき、つまりストレスがかかったときに分泌されます。男性ホルモンの量には皮膚の脂分を増やす働きがありますので、ストレスがあると皮膚の脂分が増えニキビやワキガ、フケや脱毛の原因になるのです。
その原因であるコレステロールが減れば、体臭やニキビがなくなるのは当然でしょう。一日一食はただやせるだけでなく、肌を美しくして、体臭までなくしてくれるのです。
さらに一日一食でアンドロゲンが減れば、乳癌や前立腺癌などの性ホルモンで成長する癌は減少します。
またアンドロゲンは男性ホルモンですから、肌を黒くして多毛にします。閉経後の女性が肌のくすみやシミ、うぶ毛による多毛に悩むときに、一日一食によるメタボ解消は効果的です。男性に対しては薄毛に効果があります。
でもちょっと待ってください。アンドロゲンは男性ホルモンで多毛になるといいました。それならアンドロゲンが減ったことによって、逆に毛が薄くなるのではと思う方もいらっしゃるでしょう。
たしかに男性ホルモンは多毛ホルモンです。動物ならライオンのオスにたてがみがあるのは男性ホルモンの作用です。しかし、たてがみが顔にも生えたら前が見えなくなって敵に気づきにくくなります。そこで、おでこの毛根には、男性ホルモンを薄毛ホルモンに変える「転換酵素」があるのです。これは動物が獲得した進化です。
ストレスがあると毛が抜けるのは、ストレスによってアンドロゲン量が多くなって、転換酵素で薄毛ホルモンになるからです。一日一食は若ハゲも予防してくれます。
一日一食がダイエット効果だけだと思っていた方は、若返り効果、抗癌効果、さらにデオドラント効果まであると聞いて驚かれたことでしょう。
それでは驚きついでに、もっとすごい効果について説明します。それは脳の若返り効果です。
ご存じかも知れませんが、脳は子どもの頃に成長が止まります。あとは加齢とともに脳細胞が失われるだけです。年をとって物事を忘れやすくなってくると、一歩一歩認知症に近づいているのではないかという恐怖心を感じるものです。
ところが近年になって、再生しないはずであった脳細胞が、ある条件において、再生されていることが判明しました。
その条件も、やはり「飢えと寒さ」なのです。
人類はこれまでに何度も滅びかけてきました。その中で飢えと寒さに耐える力をもった者だけが生き抜いてきたのです。
その人類は、不可能といわれていた脳細胞の再生までも可能にしました。
「海馬」と呼ばれる、人の感性をつかさどるもっとも原始的な脳の部分が、脳の若返りに関与していたのです。
このように、一日一食の効用は、限りなく広がってゆく可能性を秘めているのです。
・・・<抜粋終了>・・・
今のところ私(本山)は、夜10時に寝ることと、ごぼう茶だけは実践しています。
余談ですが、ごぼう茶をネットで注文したところ、現在注文が殺到していて、すぐには送れないというメールが返ってきました。南雲さんはテレビでも紹介されたし、本もバカ売れという話なので、ごぼう茶も品薄になっているのかもしれません。
さて一日一食ですが、私はそれまで一日二食でした。一日一食をいきなりやるのはきついと思ったので、夕食をメインとして、朝を半食にしてみました。すると、昼過ぎからかなりお腹がグーグー鳴ります。ゲリースクールで1週間の断食をやったのだから、そのくらい耐えられると思ったのですが、けっこう辛いものがあります。その原因として、私は夕食にビールを飲むので、つまみ程度しか食べないということがあります。それまでは昼がメインで、しっかり食べていました。そのメインを半分にしたので、かなり身体に堪(こた)えたようです。
あともう一つの理由ですが、南雲さんの夕食のご飯は玄米です。玄米はとても腹持ちがいいです。以前私も玄米にチャレンジしたことがあって、一度食べると、その後全然腹が減らないので驚いたことがありました。
千さんのお爺ちゃんセッションで、南雲さんの若返り健康法について聞いてみました。私が実践すると、とても効果があるという答えでした。また私の適正体重も聞いて、減らすべき体重の量も教えてもらいました。ただし一日一食をいきなりやるのは無理だと言われました。時間をかけて、徐々にやるようにというアドバイスをもらいました。
多少は課題もありますが、時間をかけてトライしてみようと思っています。ちなみに夜の10時から午前2時までのゴールデンタイムに寝て成長ホルモンが出ると、どういう効果が私に出るか聞いたところ、目の見え方が違ってくると言われました。これは楽しみです。
あと他に健康面でアドバイスがないか聞いたところ、「笑うように」と言われました。今の私には笑いが足りないようです。恐れ入りました。
蛇足ですが、週刊誌「SPA」(4月10・17号)に載った記事を紹介したいと思います。〈衝撃! 「40代の貧困化」が止まらない〉というタイトルの記事で、年収が減って生活の中でどのように節約したかというアンケートをとったといいます。そのアンケートの回答を解説した部分です。
・・・<『週刊誌「SPA」(4月10・17号)』、p38から抜粋開始>・・・
もっとも多かったのは、「外食」「飲みに行かない」「休日も家にいる」など、「外出全般」を自粛しようとする回答。確かに、引きこもりに徹すればカネを使わなくて済むが・・・。
「小遣いが月に0円から5000円の変動相場制に」(男性・49歳)などポケットマネー事情も厳しい。小遣いの主たる使い道を考えても、外食こそが贅沢の象徴だと捉えられているようだ。
趣味にお金をかけられないのは仕方がないとして、「食事全般を削る」という回答が多いのは、少々懸念されるところ。なかでも「食事の回数を減らした」という人が5人もいる。「朝は菓子パンで昼は食べない。意外と調子がいいので、これくらいでちょうどいいのかも」(男性・45歳)。医学的には「空腹は健康によい」なんて説もあるが・・・。
・・・<抜粋終了>・・・
この記事のライターは、年収が減った中年男性が食事を減らして健康を損なうことを、“懸念”しているようです。
私は、(男性・45歳)が事情はどうであれ、一日一食を実践せざるをえないことが、少々羨ましくさえあります。この男性は、今後みるみる健康になって若返っていくに違いありません・・・。
一日一食で若返るニャ〜
初めての企画ですが、訪問者の方々にクイズを出したいと思います。
以下に列記した項目は、ある国の施政として実際に行われたものです。その国とはいったいどの国でしょうか、というのが問題です。
@新婚夫婦には米ドル換算で5万ドルの住宅購入補助金を支給。失業者には無料住宅を提供。
A車を購入する際には、政府が半額を支給。
B税金はゼロ、さらに電気代も無料。
C教育、医療は質の高いサービスが無料で受けられ、もし国内で必要条件に合うものが見つからなければ、政府が外国へ行けるように手配。
D大家族の食料費は固定相場。
Eすべてのローンは無利子。
Fガソリンは格安。
G農業を始めたい国民には土地、家、家畜、種子まで全て政府が無料で支給。薬剤師になりたい場合も必要経費は無料。
信じ難いような高福祉国家です。
こんなことが実際に可能とは、日本に住んでいる私達には信じられないものがあります。日本では福島原発事故の影響で、電気代がこの夏にも値上げという話があり、生活を圧迫すると心配されています。その電気代自体が無料というのですからうらやましい限りです(その国の人々は、電気代の請求書を見たことがないといいます)。また税金がゼロなうえに、無職の人間には国が住宅を無料で提供するなんて、日本に住んでいる限りはありえない話です。ただでさえ日本政府は、消費税を増税して、さらに国民から金を搾り取ろうと算段している有り様なのですから。車を買う際には国が半分を支払うのも驚きですが、なんといっても凄いのは、教育、医療がすべて無料という点です。日本では医療費の伸びが著しく国家財政を圧迫する大きな要因となっています。そうしたものをすべて無料にするというのは、日本から見れば夢のような話です。どこかのユートピアの話ですか、と問いたくなる方もおられるかもしれません。
しかしこれは架空の話ではないのです。実際に存在している国です。こうした国の施政が数十年続いた結果、10%以下だった識字率は90%を超えるものになったというのですが、それは当然と言えるでしょう。私はもし可能ならば、この国に移住したいとすら思ってしまいますが、そう思われる訪問者の方もおられるかもしれません。
さて、どの国でしょうか。
ある方はブルネイではないかと言われるかもしれません。
たしかにブルネイは税金や学校、病院などが全部無料です。でもブルネイではありません。ブルネイは人口43万の小さな国ですが、この国は人口が600万人とある程度の規模がある国です。
おわかりにならない方にヒントを出したいと思います。
こうした高福祉を可能にしたのは、この国の持つ高品質で莫大な天然資源(石油)のおかげです。
しかしこの国にとって極めて不幸だったことは、近隣の強力な軍事力を持った外国が、その軍事力でその富を奪おうと侵略を開始したことです。
まず外国は、傭兵を訓練してこの国に密かに運び入れ、各地で暴動を起こさせました。これを受けて外国のメディアは、世界に向かって「独裁者による長年の圧制に苦しんだ民衆が、ついに立ち上がった!」と一斉に報道しました。そして傭兵による暴動を鎮圧しようと政府が軍隊を繰り出すと、「独裁者が市民を虐殺している!」と報道しました。そして傲慢にも「市民を守る」とか「民主化」といった自分達に都合の良い勝手なスローガンを掲げて、この国を直接空から爆撃し始めたのです。その数、なんと8千回。
当然ながらこれまで平和に暮らしてきた市民は怒り狂います。
突然、外国の軍隊が空から雨あられのように爆弾を投下してきたのです。2011年7月1日には、空爆に抗議するデモが首都の広場で開かれました。その数は170万人にのぼり、首都の人口の95%、この国の人口の約3分の1に達しました。いかに市民の怒りが大きいものであったかわかります。しかし外国のメディアはこのデモを一切報道しませんでした。かわりに、ある都市で政府軍が6千人の民間人を殺害したと報じたのです。もちろん何の証拠も示さずにです。こうした外国の侵略に反対するある国が、衛星写真を示してそんな証拠はないと言ったにもかかわらず、外国メディアはそれでも撤回しませんでした。
もうおわかりだと思います。
この国はリビアです。
8千回の空爆を行った外国の軍隊とはNATO軍で、ベンジャミン・フルフォード氏によると、陸上部隊としてCIAの軍隊が入ったそうです。外国のメディアとは、西側諸国のメディアです。もちろん日本も、NHKを含め大手民放はすべて、リビア国民が独裁者から自由を勝ち取ったという西側メディアの視点で報道しました。
今回私はクイズ形式で、リビア国民からの視点で記事を書いてみました。
私の目から見れば、リビア国民からの視点の方が、真実に限りなく近いと思ったからです。
では今回のクイズの元になった本を紹介したいと思います。
『政府は必ず嘘をつく』(堤未果著、角川SSC新書)です。
文中に出てくるコーポラティズムとは、“想像を絶する資金力をつけた経済界が政治と癒着したもの”の意味です。
・・・<『政府は必ず嘘をつく』、p114〜p125から抜粋開始>・・・
2011年10月、リビアのカダフィ大佐が殺害されたニュースを聞いた時、何とも言えない違和感を覚えた。同年5月に報道された、米国特殊部隊によるウサマ・ビンラディン殺害と重なったからだ。両者ともハーグ国際刑事裁判所などの国際法廷で裁かれる代わりに、拘束直後に殺害され、真相は闇に葬られている。
NATO軍は3月に「カダフィ大佐の反政府軍に対する容赦なき弾圧から人民を救うために、あらゆる措置を容認する」という国連安保理決議を受け、以来2万回以上の出撃と8000回近い爆撃を行った。これはどう考えても、不自然な決定だった。国際社会は強権的な政権であっても、自治国家に軍事介入することを許していない。中国やロシア、ブラジルはNATOの「無差別攻撃」は安保理決議の枠を超えていると批判したが、爆撃はそのまま続けられた。
反米・反イスラエルを掲げ、数々のテロに関与し“アラブの狂犬”と呼ばれたカダフィ大佐。カダフィ大佐殺害を伝える日本や欧米の報道には、「独裁者がついに死亡」「民主革命である〈アラブの春〉がリビアにも拡大」というような見出しが躍り、歓喜するリビア国民の写真が掲載された。
「あなたたち日本人は、リビアのことを何もわかっていない。西側のマスコミしか見ないからです」
チリ出身で東京在住のヴェロニカ・ランソデールは、リビアについての間違ったイメージが日本に広がっていることに警鐘を鳴らす。
「私はリビアにたくさん友人がいるけれど、彼らは高学歴・高福祉の国であるリビアを誇りに思っています。アフリカ大陸で最も生活水準が高いリビアでは、教育も医療も無料で、女性も尊重されている。日本の人たちは、そういうことを知っていますか? 国民は、電気代の請求書など見たことがありません。42年間も政権を維持できたことには、ちゃんと理由があるんです」
西側の新聞やテレビは、チュニジアやエジプトで反政府の動きが出た時と同じように、「高騰した食料価格と、貧富の差に苦しむ民衆からカダフィへの不満が出た」と報道している。だが、ヴェロニカが言うように、リビアはNATOの侵攻前までブラジルやロシアよりも高い生活水準を持つ国だった。
カダフィは全ての国民にとって、家を持つことは人権だと考えており、新婚夫婦には米ドル換算で約5万ドルもの住宅購入補助金を、失業者には無料住宅を提供し、豪邸を禁止していた。車を購入する時は、政府が半額を支払う。電気代はかからず、税金はゼロ。教育、医療は質の高いサービスが無料で受けられる。もし、国内で必要条件に合うものが見つからなければ、政府が外国へ行けるよう手配してくれる。
大家族の食料費は固定相場、全てのローンは無利子でガソリンは格安。農業を始めたい国民には土地、家、家畜、種子まで全て国が無料で支給、薬剤師になりたい場合も必要経費は無料だ。42年前、カダフィが権力の座に就く前に10%以下だった識字率は、今は90%を超えている。これらの政策を可能にしていたのは、アフリカ最大の埋蔵量を誇る石油資源だった。
「カダフィが残した功績は、あなた方が西側メディアから見聞きしたような、国民の犠牲の上に立つ専制君主国家ができることではありません。もちろん、他の国と同じように全く問題がないわけではなかったでしょう。ですが、外国の軍が上空から2万回もの爆撃を行うような軍事行動が、正当化されるような事態は一切なかった。リビアは、どんな行動も騒乱に結びつくことのない、珍しい国でした」
ロサンゼルス在住のロシア人ジャーナリスト、イアン・ブリューソフもまた、リビアという国の実態と西側メディアの報道の差を批判する。
「西側メディアはNATO軍の攻撃を、まるで暴力的な独裁者から民を救う救世主のように描いてみせましたが、7月1日にトリポリの広場であったような事実は、決して見せようとしないのです」
2011年7月1日、リビアのトリポリにある「緑の広場」では、大勢のリビア国民が集まり、NATOの爆撃に抗議した。その数、およそ170万人。トリポリの人口の約95%、全リビア国民の約3分の1だ。
「日本でも、カダフィが反政府軍に対して爆撃を仕掛けたというニュースが、繰り返し流れていましたが」
「日本のニュースの中身は、アメリカの通信社からくる情報でしょう? BBCやCNN、アルジャジーラが報道したあの内容に、ロシアは反論しました。市民の暴動を初めから衛星中継で記録していたロシア軍高官は、カダフィによる非武装抗議者に対する空爆は断じて行われていないと断言したのです。これについては米国国防総省でさえ、そうした攻撃は確認されていないと認めています。日本の人たちは優秀なのですから、そろそろ政府やマスコミの言うことを自分で調べたらどうですか? あの映像自体を見て、違和感を覚えないほうがどうかしている。日本のマスコミも専門家に検証させることすらせず、ロイターからのものをそのまま流していたのでしょう」
日本でも繰り返し流されていた「カダフィによる非武装の市民への無差別空爆」映像は、すでにユー・チューブから削除されている。イアンが指摘するように、戦闘機もなければ爆音も聞こえない、不自然な映像だ。
私たちが日本国内で得る情報の大半は、西側の大手メディアやアルジャジーラなどの報道がベースになっている。だが、(コーポラティズム)がメディア支配を強める21世紀、大手マスコミの報道を鵜呑みにすれば、大きなリスクが伴うだろう。
だからこそ、ニュースは常に、現場の声や企業の息のかかっていない独立ジャーナリストの報告と比較することが重要になる。
2011年8月22日。リビアのトリポリで2か月間取材を行った29歳のカナダ人記者、マディ・ナゼムロヤは、NATO関連国のメディアから取材内容に関する脅迫を受けた事実を告発している。
「英国とフランスの記者たちから、アルカイダに関する報道をしないよう脅されました。彼らはもはやジャーナリストじゃない、西側メディアが流すリビアの報道は検閲されています」(CBC,August
22,2011)
リビア国内からの現地報告も、貴重な比較材料だ。
2011年9月。リビアで現地取材を行ったフランス人ジャーナリストのチェリ・メッサンは、トリポリの占拠はNATOによって行われたことを証言している。
「カダフィ大佐が殺害された時、群衆が反政府派を歓声を上げて迎えたという報道は事実ではない。あの時、トリポリの民衆はNATOの爆撃に怯えて、家の外にすら出なかった。現場では、NATOの爆撃と外国人傭兵からなる反政府グループが民間人を標的にし、部族間の対立を煽っていた。私がユーゴやチェチェン、アフガニスタンで見たのと同じ光景だ。リビアは今後、ソマリアのような混沌に陥るだろう」
同じように、トリポリ陥落の直前にリビア入りしたというイギリス人ジャーナリストのリズィック・フェランは、リビア危機に関するメディアの報道を批判する。
「西側メディアとアルジャジーラは、ベンガジで何千人もの人々が殺されそうになっていると報道しましたが、そんな証拠はどこからも出ていません。6000人の民間人が政府軍の攻撃で殺されたという話は、ロシアの諜報衛星によってそれが不可能であることが明らかになった後でも訂正されませんでした」
「この騒乱に対する国民の反応はどうでしたか?」
「7月1日に、600万人の国民のうち170万人がNATOの爆撃に反発して緑の広場に集まりました。8月22日には、カダフィ支持を示す緑の旗を掲げた国民が、トリポリやバブ・アル・アジザの通りを埋め尽くしたのです。スパやバニ・ワリド、シルトなど、国内各地でカダフィ支持がはっきりと明言された。でも、西側メディアはそういう事実は全く報道しませんでした」
NATOの爆撃で犠牲になった50人以上の民間人の葬儀に立ち会ったというリズィックは、事実を無視して〈独裁者VS民主化を求める純粋な市民〉というリビア像を描く西側メディアの報道に、ジャーナリストとして強い怒りを感じると言う。
「リビアは、アフリカ諸国でも最高の生活水準を持った国でした。少数民族である黒人に聞けばわかります。40年の間、北アフリカと中東の国々の中で、彼らを最も平等に扱った国がどこだったかを」
元フランス大使のクリスチャン・グレフは、リビア騒乱がカダフィの殺害によって幕を閉じた時、NATOによる軍事介入を激しく批判している。
「NATOは、いつから国家元首を殺すようになったのか? これは国連決議1793をはるかに超えた暴力行為だ。NATOはリビアで、〈戦争のメディア化〉を行ったのだ」
ブッシュ前大統領が「対テロ戦争」というコンセプトを打ち出した時、21世紀の戦争はそれまでとは違う新しい形態に入れ替わった。巨大な軍事予算を背景にアメリカ政府が手にしたものは、国境を超えた無制限の戦線拡大と、国を無期限に緊急事態下における大義名分だ。〈コーポラティズム〉はたちまち〈戦争の民営化〉を加速させ、空前の利益を上げていった。
そう、歴史を振り返ればいつも、戦闘行為の裏には巨大な利権の存在がある。冷戦後、〈共産主義の脅威〉に代わり、そうした行為を正当化する新たな理由となったのが〈テロとの戦い〉だ。
ではなぜ、リビアは標的になったのか。
前述したイアンは、メディアが描く〈民主化〉という単純な図の裏にある、もうひとつの側面を語る。
「リビアは144トンもの金を保有していました。カダフィはその金を原資に、ドルやユーロに対抗するアフリカとアラブの統一通貨ディナの発行を計画していたのです。そこにはIMFや世界銀行の介入から自由になる〈アフリカ通貨基金〉と〈アフリカ中央銀行〉の創設も含まれていました」
統一通貨であるディナが実現すれば、アラブとアフリカは統合される。だが、石油取引の決済がドルからディナに代われば、基軸通貨であるドルやユーロの大暴落は避けられないだろう。これについて、フランスのサルコジ大統領もまた、リビアを「人類の金融安全保障への脅威」と呼び、危機感をあらわにしていた。
私は、ずっと頭の中で引っかかっていた疑問を口にした。
「ひとつだけわからないことがあります。アルジャジーラはイラク戦争の時、現地からの声に基づいた素晴らしい報道をして有名になりました。そのアルジャジーラが、リビアについてはNATO関連国と同じ報道をするのはなぜでしょうか?」
「アルジャジーラの代表であるワダー・カンファー氏は、告発サイト『ウィキリークス』にかつてCIA(米国中央情報局)の部下だったことを暴露されて辞任しています。カンファー氏の後任に就いたアフマッド・ピン・ジャッシム・アッターニ首長は、カタール王家の一人です。
パズルのピースが、カチリと音を立ててはまった。カタールには中東最大の米軍基地がある。
「2000年に石油取引をドルからユーロ決済に変えたサダム・フセインも、大量破壊兵器所有と9・11テロ首謀者との関係という根拠のない二つの理由から攻撃され、同じ運命をたどりました。通貨や資源の動きと戦争は、決して無関係ではありません。こういうことを言うと、偶然だと反論する人もいるでしょう。ですが、ひとつだけ言えることは、大勢の命を奪ったどちらの爆撃にも、正当性がなかったということです」
リビアで起きた出来事は、〈独裁者VS市民の民主革命〉というわかりやすい図に当てはめただけでは、来ては去るニュースのひとつとして、やがて忘れられてゆくだろう。
2011年3月20日。松本剛明(たけあき)外相(当時)は「日本政府は、リビア当局による自国民に対する暴力の即時停止を求め、リビアにおける攻撃の脅威下にある〈文民とその居住地域を保護する目的〉で、国連加盟国が軍事的措置を取ることを支持する」と発表した。リビアで起きた一連の出来事を別な角度から検証する間もなく、実はそこに関わっていた国の国民である私たちは、メディアの流す次のイベントを見せられてゆく。
NATOと国際NGOによって作り上げられた、〈保護責任〉という新しいドクトリン。国連憲章に違反してもいない、自治国家への軍事行動を正当化したこの手法に、世界から多くの批判の声が上がっている。
イアンやヴェロニカの話を聞きながら、私は1989年にメディア王であるルパート・マードックが言った言葉を思い出していた。
「衛星放送が、多くの閉鎖的な社会に住む情報弱者の世界を開くだろう。西側からの、統制されていない自由な情報を受け取れるようになるからだ」
その言葉をイアンに伝えると、彼は唇をゆがめて笑った。
「ロシアの暗部を見たければ、欧米のニュースは有効でしょうね。反面、欧米メディアが絶対に伝えないニュースについては、ロシアのニュースが教えてくれる。重要なのは、どちらか一方のメディアだけを鵜呑みにせず、比較しながら真実を探すことです」
経済グローバリゼーションの波が、世界のメディアを次々に統合させている。ひとつのニュースを見る時も、国内、海外という2種類だけでは見えなくなってしまう。受け手である私たちは、立ち位置の違うメディアの発信する内容を比べることで、真実に近づいてゆくしかない。
そして、イアンの言うように、どんな戦争もその背景には〈資源〉や〈通貨〉といった巨大な利権に対する、各プレイヤーの思惑が絡んでいるのだ。
豊かな国有資源を持つイラクが、フセイン転覆後に大資本の“特売場”と化したように、リビアの富もまた開かれた市場に“新商品”として並べられるのだろうか。カナダ人ジャーナリスト、ナオミ・クラインが著書『ショック・ドクトリン』で指摘した〈戦争と債権の民営化モデル〉が、ここにも見え隠れしている。
・・・<抜粋終了>・・・
リビアがNATO軍から侵略を受ける前、日本のマスコミに報道されていたように、食料価格の高騰や失業に対する不平等感が高まっていたのは事実のようです。しかしこの世界はユートピアではないのですから、そうした問題はリビアに限らず、どこの国でも起こっていたことです。報道する側として大事なことは、独裁体制に対する民衆の不満が反政府暴動を起こしたかどうかをきちんと検証し、報道することのはずです。高学歴・高福祉を享受してきたリビア国民にそれを問えば、「気は確かか?」という返事が返ってきそうです。
日本のマスコミ報道は、偏向報道というレベルを通り越して、極めて悪質なものと断じざるを得ないものでした。
私がこうした記事を書くのは、さらなる次の犠牲者が生まれようとしているからです。
シリアです。
現在NHKを含め日本の大手民放は、シリアのアサド政権が市民を弾圧していると盛んに報道しています。リビアと全く同じパターンです。アメリカのクリントン国務長官は、「シリア政府の市民への弾圧を非常に憂慮している」という声明を発表しました。ついこの前見た光景と、全く同じものが繰り返されようとしています。
・・・<『政府は必ず嘘をつく』、p125〜p132から抜粋開始>・・・
これは「メディア戦争」です
リビアの政権転覆直後にターゲットになった、シリアのケースはどうだろうか。
「シリアの反政府運動を煽っているのは、アルジャジーラ、アル・アラビヤ、BBCアラブ、フランス24などの欧米メディアです。暴力を起こしているのは武装勢力と騒乱分子であり、一般の国民ではありません。リビアの時と同じパターンです」
ロンドンのIT会社に勤務するシリア人、イサム・アリー・カトゥラミーズは、シリアで起きている反政府デモと、リビアの政権転覆の共通性を指摘する。
「アサド政権は独裁的な性質を持っていますが、大統領は自由な選挙で選出された指導者であり、国民の人気が高い人物です。私たちシリア国民が彼を支持するのは、彼の父親が抵抗運動で有名だったことと、欧米の支配に屈しない姿勢からです。西側メディアとアルジャジーラが、アサド大統領をエジプトのムバラク大統領と比較するような報道をしているのは“印象操作”ですね。リビアのカダフィ転覆の時と報道パターンが共通していることに、注意しなければなりません」
「報道の内容については、他にどんな疑問がありますか?」
「反政府軍に対するシリア政府の弾圧が大げさに報道されていますが、武装勢力側の攻撃や、市民が巻き込まれている銃撃戦については取り上げられません。非常に一方的な内容になっていることが疑問ですね」
「報道の仕方以外に、リビアとの共通点はありますか?」
「反政府軍のメンバーです。いったい反政府軍とは誰なのか? どこまでが本当に民衆の反乱なのか? ということです。リビアでは2011年3月まで、国民の間からカダフィへの大規模な不満など聞かれませんでした。西側メディアやアルジャジーラは、以前からシリア内の反政府勢力に対し、政府側が強権的な弾圧を行い数千人の死者が出ていると言って騒いでいますが、高性能の武器を使い武力行動をする武装グループに対し、通常の政府なら鎮圧を行います。〈平和的デモを血祭りに上げる政府〉というフレーズを訳知り顔で言うジャーナリストは、まず現地を直接取材するべきでしょう。しかも、その武器を供給しているのは他国なのです」
2011年12月5日。トルコのメフメト・アリ・エディボグル議員は、シリアに密輸された武器がイスラム同胞団系のグループに流れている事実を指摘し、シリアの反政府デモについて西側メディアが事実ではない報道を流していると批判した(“Turkish
Weapons being Smuggled to Syria” National
turk, Decembery 5,2011)
カナダのオタワ大学経済学部に所属し、中東情勢に詳しいミッシェル・チョスドフスキー教授もまた、シリアの反政府行動は、ヨルダンからダラアを通りシリアに入国した武装傭兵による「組織化された反乱」であり、国内で始まったものではないと指摘している(Michel
Chossudovsky, SYRIA: Who is Behind The Protest
Movement? Fabricating a Pretext for a US-NATO“Humanitarian
lntervention”, Global Research, May 3,2011)。
2011年4月19日、ワシントンポスト紙にシリアの反政府デモに関するスクープが掲載された。米国務省が2006年以降、総額6000万ドル規模の資金援助をシリアの反政府グループに対して行っていたという、「ウィキリークス」から出た公電内容だ。
資金が渡っていたのは、2009年にロンドンで開局し、反政府デモをメインに報道しているシリア反体制派の衛星テレビ局「バラダテレビ」、そしてシリア国内の反体制派だった。
「若者たちが、フェイスブックやツイッターを通じて起こした〈アラブの春〉が、リビアやシリアに広がったという報道がありますが」
フェイスブック、と聞いてイサムは顔をしかめた。
「実は今回のデモが起き始めた頃、フェイスブックである情報が拡散されたのです。『生活給付金に関する政府の公式発表』というものです。私のところに回ってきたのは、『職に就いていない事実を証明する文書』があれば、全ての母親に5000シリアポンド(約8000円)が支給されるという内容でした。
まるで政府からの通達のような書き方でしたが、なんとなく変だなと思い、そのままにして
いたのです。通知の最後には、『給付金を受け取りたい方は、以下の場所にこの時間帯に来るように』とありました。現地にいる私の親戚の一人は実際に指定された場所に行きましたが、給付金の配布はなかったとのことです。ですが奇妙なことに、彼女を含めそこに集まった人々の映像が、ビデオカメラを持った数人によって録画されていたそうです」
「シリア国内では、それについてどんな反応があったのでしょう?」
「現地の日刊紙であるアル・ハヤート紙が、この通知について取り上げました。シリア国内で、生活補助金を受け取るために特定の場所に集まるように呼びかける情報が出回っていると。ある勢力が架空の噂を流し、集まった民衆を反体制派のデモとして撮影し報道する意図が見えるので、十分注意するようにと」
ウォール街デモが世界各地に広がった時、フェイスブック上では「○○の日」と名前をつけたデモの呼びかけが数多く出回った。呼びかけていたグループの身元を、私たちは確認しただろうか。
「しかし、アル・ハヤート紙が注意をうながすまでもなく、シリアの国民の大半はこうした呼びかけに反応しませんでした。各宗教指導者たちも、クルド人組織も、アラブ各国の首脳も、アサド政権の支持を表明したのです。
シリアの首都・ダマスカスでは、反政府ではなく、政府を支援する大規模ラリーが行われています。欧米メディアの報道を鵜呑みにする前に、イスラム教の9割近くを占めるスンニ派が、1割程度の少数派であるアラヴィ派に経済的、政治的、軍事的に支配されてきた経緯を考えなければなりません」
リビアのカダフィが殺害された時、カダフィ政権の独裁体制に苦しんでいた国民が解放されたといった内容の報道が日本でも数多く流れた。メディアは同じ構図をシリアにも当てはめている。
「確かにシリア人の生活は、他のアラブ産油国に比べればまだまだ貧しいかもしれません。しかし、経済的に豊かでないということは、単なるひとつの側面にすぎないのです。政治面に目を向ければ、シリアは非常に安定している。シリア人はこの騒ぎの本質が、外国からの干渉、または別の意図で仕掛けられているものであると認識しています」
「政府は、例えば民主化に対する国民の要求に、どのようにこたえていますか?」
「アサド政権は、国民からのそうした要求に耳を傾けながら、いくつもの改革に着手してきました。長期にわたる非常事態宣言を解除し、憲法改正の国民的議論への取り組みも進めています。2011年6月にダマスカスで行われた政府側の治安部隊の葬儀には、約200万人のシリア国民が参加し、欧米の干渉に抵抗する団結を表明しています。国民はイラクやアフガニスタン、あるいは今回のリビアのように自国を破壊されたくない、自分たちの安定した生活を守りたいのです。アメリカ型グローバル資本主義の価値観はいらない、イスラムにはイスラムの幸せがあるのです」
「チュニジアやエジプトのように反政府運動がなかなか政権転覆まで盛り上がらないのは、国際メディアの報道と現場の温度差が大きいからでしょうか?」
「そういうことです。嘘だと思うなら現地に直接行って見て下さい。これは〈メディア戦争〉なのです。独裁体制が“悪”、民衆の自由が保障された民主体制が“善”という、作られた構図が幻想であることがわかりますよ」
リビアやシリアで起きていることは、遠い海の向こうの出来事ではない。私たちは、進化するIT技術とグローバル化に後押しされた〈コーポラティズム〉が、かつてないほどの力を持った世界に生きている。
〈アラブの春〉に〈ツイッター革命〉、アメリカにおける9・11後の〈失われた10年〉。かつての直接的暴力による侵略と違い、〈メディア化された戦争〉は、洗練されたマーケティングのように、私たちの承認を勝ち取ってゆく。この新しい手法がもたらす効力は、中東やアフリカといった特別な場所に限らず、世界中で広がっているのだ。
・・・<抜粋終了>・・・
私は、強大な軍事力にものを言わせて中東の人々を虐殺し、富を奪い生活を破壊するのは、いい加減にもう止めたらどうかと言いたくなります。中東の人々には彼らの価値観があり、社会生活があるのです。中東の人々の生活を破壊し富を略奪する権利を、西側諸国は誰から与えられたというのでしょうか。
偏向報道を通してそうした侵略行為を民主化と言い換え、人々を欺き続ける日本のマスコミは、間接的に侵略行為に加担しているといえるのです。
いつもは1つのテーマで寸話を書いていますが、今回は短い寸話をいくつか記事にしました。
文中に出てくる千さんのお爺ちゃんセッションとは、千さんという方が、霊的な複数のお爺ちゃん達とチャネリングで行うスピリチュアルなセッションのことです。
○訪問者からの妖精に関するメール
私が妖精の記事を載せていることもあって、時々訪問者の方々から妖精に関するメールをいただきます。
今回は、そうしたメールを紹介したいと思います。
なお、個人情報に関する部分は○○に置き換えてあります。
・・・<訪問者の方からのメールの抜粋開始>・・・
本山様
お久しぶりです。
もう半年以上も前のことですが、妖精ちゃんのことで千さんに聞いて頂きましたよね。
その節は本当にどうもありがとうございました。
昨日、やっと原宿で千さんにお会いしてきました!
そして妖精ちゃんのことを真っ先に伺ったら、私と妖精ちゃんとの約束があるんだそうです。
一緒に探求したことを私が言葉や文章で人に伝えるんだそうです。
確かに私にはメッセンジャーとしての役目があることは何となく感じていました。
妖精ちゃんとこれから何を探求していくのかとても楽しみです。
今はうちの猫が何かを目で追っているので妖精ちゃんでも遊びに来ているのかな?と家族で話しているだけなのですが、そのうち妖精ちゃんもオーラも絵にかけるほどはっきり見えるようになるよ、と言われました♪
それにはできるだけ一人で自然の中でリラックスすることなんだそうです。
六コウをやっていることも話したら、一緒にタロットカードもやるといいんだそうです。
二つの占いを組み合わせて行けるとか・・・
私がパリが大好きで特にアールヌーボーやベルエポックの頃のアンティークが妙に好きなのも前世が関係しているそうです。
とにかく色んなことを教えてもらいました。
これからがとっても楽しみです。
そうそう、うちにはセントバーナード犬のような大きな犬の精霊?がいて守ってくれていて、家族でDVDとか見ているとき一緒に楽しんでいるよ、と楽しい話も!
それと千さんて噂通り本当に素敵な人でした。
おじいちゃんが選んでくれたカードは綺麗な蘭の花がいっぱいでした。
お部屋に蘭をおくと妖精ちゃんが喜ぶよ、って。
早く姿を見てお話できるようになりたいです。
本山さんのお陰でワクワクすることにいっぱい出会えて、本当に感謝しています。
以上、取り急ぎご報告まで\(^o^)/
○○
・・・<抜粋終了>・・・
HPにメール掲載の許可をお願いしたら、さらに追記もいただきました。
合わせて紹介させていただきます。
・・・<訪問者の方からの追記メールの抜粋開始>・・・
本山さま
こんばんは。
早速のお返事どうもありがとうございます。
・・・(中略)・・・
本山さんが千さんのセッションで放射能の影響を受けづらい体質ということと、6対4の割合で影響を受けない人と受けてしまう人が居ると書いて下さっていたので、うちの家族はどうか聞いてみたら大丈夫とのことでした。
常に免疫力はあげてね、と言われたので、どうやるのか聞いたら、いつも楽しく過ごすことですって♪
なるほどですね。
確かに私はいつも楽しいですから、影響を受けづらいのですね。
納得でした。
・・・(中略)・・・
あと、面白かったのは私の魂が初めて肉体を持って生まれたのがバハマなので与論島やバハマの海に行くと良いというお話でした。近い所で日本海じゃダメですか?って聞いたらぜひバハマ行って見て、と無邪気に言われました(^^ゞ
確かに山より海が好きですし、昔からエメラルドグリーンが色の中では特に好きなのです。
他には子供の進路の事も聞けて、本当に有意義な時間でした。
それと、これから日本と世界はどうなるのか聞いてみたところ、色んな価値観が崩れて行くそうですが、近い将来に田舎で自給自足の生活をしなくちゃいけないわけではないとのことでした。
本山さん、田舎に家を探していらっしゃいましたよね。
私も北アルプスが茶の間から見えるような山に父が管理している古い家があるので、いずれそこで大勢で自給自足の生活になると頭のどこかで思っていたのですが、まだ先のことのようなので安心しました。
1年に1回は千さんセッションに行けたらなぁ、と思います。
とにかく先ずはタロットをゲットして、自然の中で過ごす時間を作らなきゃです♪
楽しみが増えました\(^o^)/
すみません、ついつい長くなってしまいました・・・。
お手数ですが、適当に削って掲載して下さいね。
ではでは♪
○○
・・・<追記メールの抜粋終了>・・・
適当に削って掲載させていただきました。
○「太古の水」と「月のしずく」
今年の杉花粉もピークを過ぎつつありますが、今年私は、例年にない体験をしました。
いつもだと、きつい花粉症の症状に悩まされるのですが、今年はそれがかなり軽かったのです。例年だと1月末から2月はじめにかけて花粉症の症状が出始めるのですが、3月に入ってからもいっこうに症状がでないのです。ニュースでは今年は杉花粉の飛散量は少ないと言っていたので、今年は特別に少ないのだろうと思っていました。
しかし知人からのメールで、「花粉で苦しいですね、本山さんは大丈夫ですか」と書いてあり、ええっ! となってしまいました。その時になって、杉花粉が本格的に飛散し始めているのを知ったのです。いつも辛い花粉症の症状が出ていたので、なんでだろうと思って、千さんのお爺ちゃんセッションで聞いてみました。
すると「太古の水」を飲んでいるのが効いているという答えでした。
「太古の水」は以前当HPで紹介したことがあるのですが、彗星研究家の木内鶴彦さんが開発した水です。木内さんが臨死体験をして地球の太古の時代を探検し、そこで太古の水が現在の水とかなり違うものだったことを知ります。蘇生した木内さんが、そうした太古の時代の水をなんとか再製したいと考え、開発したのが「太古の水」です。私も以前は飲んでいたのですが、貧乏人の私にはちょっとお高いもので、今は止めていました。老齢の母には勧めていたのですが、その母が去年亡くなり、母が買っていたものが私の手元に来たのです。それで飲んでいたのですが、その「太古の水」が花粉症に効いたというのは、意外でした。興味を持たれた方の参考までに「太古の水」のURLを記します。
http://www.fruits-tea.co.jp/shohinjoho.html
以前のセッションで、花粉症対策として「月のしずく」という水を飲むようにアドバイスされていたのですが、それは今でもずっと続けています。ですから私の場合は、「月のしずく」と「太古も水」によって、花粉症の症状が軽減したみたいです。
とはいえ、これはあくまでも私のケースであって、人それぞれ体質があり、その人に合ったものがあるようです。
○花粉症に関する訪問者からのメール
千さんのお爺ちゃんセッションを受けた方から、花粉症に関するメールをいただきましたので、抜粋して紹介させていただきます。
・・・<訪問者の方からのメールの抜粋開始>・・・
本山様
・・・(中略)・・・
そんなこともあり、一度受けたいと思い昨年千さんのセッションを受けてきました。
ほんとうに様々なことをビシバシ答えていただき、千さんはやっぱり凄い方ですね。
さて、私も花粉症でここ何年か症状がでており本山さんが花粉症のことで
解決策を得たとお聞きして私も聞いてみることにしました。
私も「月のしずく」かなと内心思っていましたが、お聞きすると「プロポリス」
がいいとおっしゃいます。
今年も症状が出てきたので急いで「プロポリス」を買って飲むと効果テキメンでした。
例年目がかゆくなり喉が痛くなり鼻水も、、と言った感じでしたがピタリと止まりました。
全体的な症状は体感的に1/50とか1/100とかでしょうか。
本当は鎌倉のお店の専門店を紹介していただいたのですが、DHCのサプリメントの安い
ものですましているので、専門店のものを飲めば症状が無くなってしまうかもしれません。
でも、これでも十分満足しています。
すごく楽になりホッとしました。
そして2回目のセッションを受けて来ました。
千さんにお礼とともに聞いてみると同じ花粉症の人でも「月のしずく」でもなく
「プロポリス」でもない違うものを薦める時もあるとのことでした。
その人にとって最適なものを紹介してくれるのでしょうね。やっぱり凄い。
・・・(略)・・・
・・・<抜粋終了>・・・
ただ「プロポリス」には副作用もあるというサイトもあるとのことで、さらにいただいたメールで、その辺のことを紹介させていただきます。
・・・<訪問者の方からの追記メールの抜粋開始>・・・
本山様
メールありがとうございます。
返答遅くなってしまい申し訳ありません。
・・・(中略)・・・
前回「ピタリと止まりました」書きましたが、ピタリと止まったのはプロポリスを飲み始めて2日目でした。
1日目は私の人生では(ちょっと大げさですが^^;)一番多くの鼻水が出ました。鼻水は水っぽく出続けましたので一日中ティッシュボックスが手放せない状態になりましたが、目のかゆみや喉の痛みは無くつらいという感じではなかったのです。2日目は嘘のようにそれがピタリと止みました。今思えば好転反応だったんだと思います。
これまでも私は対症療法の薬物治療は一切やりませんでしたが、プロポリスが花粉症に効果があることは私は全く知らなかったし、知人からも聞いたことがありませんでした。
プロポリスでこんなにピタリと止まるのなら、なぜ皆使わないのだろう。。。と思って治ってからネットで調べてみました。
確かに効果は人によってまちまちのようで、副作用ありの場合があると書いてあるものもあります。
一方、以下のWebのように調査でプロポリスの「副作用などの有害事象は見られず」、「治療薬を減らすことにより、患者が副作用の悩みから少しでも解放され快適な生活を送ることができれば、非常に有意義」
と書いてあるものもありました。
http://www.bee-lab.jp/product/propolis_3.html
(私はこちらのほうが納得いきますが、プロポリスの質で副作用のような場合もあるのかなと思っています)
ただ、いずれも自己責任 & 好転反応が一時的にあるかもしれない、というのを認識して試していただければなぁと思っています。
・・・<追記メールの抜粋終了>・・・
○木村秋則さんの自然の栽培によるりんごと米
花粉症の原因をネットで調べてみると、食生活の欧米化、大気汚染、ストレスなど色々なことが言われています。
もちろんそれらは花粉症の一因であると思いますが、一番大きな原因は、日々食する農産物に残留した農薬、肥料、除草剤だと私は考えています。もちろん肉類の生産には、農薬、肥料、除草剤をたっぷり使った飼料を家畜に与えて育てているので、人間は間接的に摂取することになります。魚も同様で、農地に撒いた除草剤が海に流れ出し、食物連鎖で魚の体内に蓄積していることが知られています。
私がそう考える根拠は極めて単純で、野生の動物には花粉症の症状が見られないことです。人間に餌付けされたサルや犬などには、花粉症の症状が見られます。さらに農薬、肥料、除草剤が動物の免疫機能を狂わせる実験結果も報告されています。花粉症は免疫機能の低下、あるいは適正に反応せず、そのメカニズムが狂ってしまうことが原因です。これほど明確な状況証拠があるにもかかわらず、農薬、肥料、除草剤と花粉症の因果関係は、世間ではほとんど語られません。それが私には不思議です。癌の3大治療と同じで、大きな利権が絡むと、情報を表に出せなくなるのでしょうか。
私は、千さんのお爺ちゃんセッションで花粉症や癌の最大の原因は農薬、肥料、除草剤ではないですかと聞いてみました。すると答えはイエスでした。さらにそうしたものに加えて、日本人の場合はストレスが原因だと言われました。日本人はプレッシャーを受けやすいといいます(ストレスが原因で免疫力が低下することは良く知られた事実です)。
なるほどなあ、と思います。
日本人は嫌なことでも嫌と言わず、がっちりと思いを内に溜め込んで、もくもくと頑張る傾向があります。アメリカ人のように、嫌なものは嫌とはっきり言ってしまえば、ストレスもなくなると思いますが、日本人は真反対です。(話は飛びますが)日本でこれほどカラオケが流行るというのは、ストレス発散に良いからかもしれません。私は、一人でもカラオケに行く人がいると聞いて驚いたことがあります。日本人が他の国の人に比べて特別に歌好きとは考えにくいので、歌うことによってストレスを解消している面が大きいのかもしれません。
事の真実をはっきりさせるには、農薬、肥料、除草剤を一切使わないで育てた農産物を食べて生活してみることが一番です。私は可能ならば、自分の身体で試したいと思っています。
以前、農薬、肥料、除草剤を一切使わない木村秋則さんの自然栽培を紹介したことがありました。木村さんの自然栽培による農産物を手に入れて、試してみたいところですが、どこに行けば手に入るのかわからないのが難点です。
ところで以前の記事で、木村秋則さんの季刊誌『農業ルネッサンス』の購読を2年間申し込むと、木村さんの農地で育てたりんごとお米が送ってもらえると書きました。
そのりんごとお米が送られてきましたので、写真を紹介します。

本来であれば、その味をここでお伝えすべきかもしれません。
でももう二度と手に入らないかもしれないと思うと、もったいなくていまだに食べられません(そのりんごですが箱から出すと、なんとも甘い香りがします。それでますます食べれなくなってしまいます。)。りんごは半分食べて、残りは木村さんが言っていた自然栽培の農作物は腐らないで干からびるというのを、実験してみようかと考えたりしています。
○3・11で証明された日本社会のすばらしさ
前回ベンジャミン・フルフォード氏の『勃発! サイバーハルマゲドン』を紹介しましたが、その中でさらに紹介したいものがあります。
私の知り合いで、3・11での日本政府の対応の酷さに呆れ果てて、日本を見限って外国に移住すると英語を勉強し始めた人がいます。たしかに3・11での日本政府やマスコミの対応は酷いもので、日本に愛想を尽かす気持ちもわからなくもありません。しかしそれは政府やマスコミという一面しか見ていないと言えます。一般の庶民や日本社会には、すばらしいものがあります。
日本の中にいるとそうした素晴らしい面は見えにくいのですが、外(海外)から見るとよくわかるようです。まずテレビでも報道されたので知っている方も多いと思いますが、震災時にグーグル・ジャパンの社員のとった行動について抜粋します。
・・・<『勃発! サイバーハルマゲドン』、p208〜p216から抜粋開始>・・・
∇立ち上がった無名の人々
本題に戻ろう。
なぜ、トヨタはサプライチェーンを連れて、日本から逃げ出さなかったのか。その理由こそ、世界が衝撃を受けた4番目となる。
前述してきた通り、この3・11は世界中から注目を集め、しかも、事細かに情報が伝達されていた。彼らは3・11がどんな災害だったのか、どれほど酷い被害を人々に与えたのか、ちゃんと理解していた。そして被災地の人が、どんな状況にいたのか、何を考え、何を求めているのか、ちゃんと知っていた。日本の政府やマスコミがいかに無能で役立たずか、ちゃんとわかっていた。ツイッターやフェイスブックのネットワークを通じて、すべて届いていたのである、
だからこそ感動した。
自分たちでは、あそこまでできない。大変な混乱となっているだろう。あんな状況で日本と、日本人は、本当に素晴らしい。そう認めてくれたのだ。
家族も財産も一瞬で失い、故郷が崩壊した人たちが、不自由で苦痛を伴う避難所で、争うこともなく、乏しい物資を分けあい、助けあっていた。災害の大混乱の中で、暴行や略奪に走ることなく秩序を守って懸命に瓦礫を片づける人々。そんな姿に世界中の人が「素晴らしい」と褒(ほ)めてくれたのだ。
世界が称賛したのは被災地だけではない。日本社会そのものもすごいと思った。
……情報ボランティアである。
大震災が起これば最優先課題となるのが家族の安否だ。とくに被災地では行方不明の家族の情報を探し求めて、瓦礫の中、避難所を訪ね歩き、手書きで書かれた掲示板を目を皿にして読むことになる。当然、危険だし、体力も消耗する。
3・11では、それが変わった。
避難所にいる若者が携帯電話(スマホ)で、手書き掲示板を写メで撮影し、画像サイトにアップするようになったのだ。避難所に行かなくて情報が確認できるようにしたわけだ。このアイディアは各避難所にすぐに広まっていった。
すると今度は、被災地以外の人々が、その画像の人名をデータで入力しようとボランティアを名乗りでた。その人名人カボランティアは、ツイッターや各サイトで拡散され、たくさんの人が協力した。とくに「ねらー」とか「オタク」、世間的に引きこもりやニートと呼ばれている人たちが、喜んで協力した。
こうして善意で完成した人名情報データを処理したのは、グーグル・ジャパン(日本のグーグルはシーアイエーグル{管理人注1}でないようだ)。グーグル・ジャパンの社員が被災地の人名や、どの避難所にいるのか、今はどこにいるのか、その情報を一元管理したほうがいいと考え、社員たちが協力しあい、「パーソン・ファインダー」というソフトを作り上げ、それを無償で提供したのだ。
ちなみに、日本のマスコミが、このとき何をしていたかというと、各社バラバラに避難所に行っては掲示板の情報を取り、各社別々のサイトを立ち上げていた。読売に載っている情報が、朝日にはない。家族の安否を調べる人は、すべてのサイトを探しまわらなくてはならなかったのだ。また、NHKは集めた情報をNHK教育テレビで、朝から晩までアナウンサーに読ませていたが、これだけ広範囲にわたる災害では「費用対効果」を考えれば、無意味とはいわないまでも、ほかにもっと貢献の仕方があるだろうといいたくなる。
結局、被災地の若者がやった掲示板画像はネットのボランティアによってデータ化され、グーグルの有志が作った「パーソン・ファインダー」で一元処理され、それを善良な市民たちが「これが便利だよ」とツイッターなどで呼びかけた。結果、災害から数日で、かなりの確度で安否確認が可能となった。
私が素晴らしいと思うのは、これを誰かの命令でやったわけではないところだ。みんなが、ちょっとでも被災者の役に立ちたい、自分にできることをしたい、そうやって自然発生的に行ったことだった。何も現場に行って瓦礫を片づけるだけがボランティアではない。金銭を寄付することだけが善意でもないのだ。
情報ボランティアたちの活躍は、本当にすごかった。ミラーサイトの立ち上げもそのひとつだろう。被災地の県庁や救難センターといった公共機関には、どうしてもアクセスが集中する。すると6章で紹介したようなDos攻撃となってサーバーがダウンして、アクセスができない状態になりやすい。その対処法のひとつがミラーサイトで、簡単にいえば、県庁のサイトなら、そのサイトごとコピーして、余力のあるサーバーで処理させるのだ。コピーサイトなので最新情報の更新に多少のタイムラグができるが、IT企業の社員たちは、「ミラーサイト作れるやつ、集まれ」「空いたサーバー提供者求む」と呼びかけ、アクセスしにくい公共サービスのサイトに、片っ端からミラーサイトを提供していったのだ。
本来なら、IT企業は県庁から依頼を受け、何十万円なりをもらってやる「プロの仕事」。それを無償で作業した。スキルをもった社員が、会社の設備を使って、本業の時間を削ってやっているのだから、二重、三重に損をしている。
それを声高に自慢している人を見たことがあるだろうか? みんな、黙ってやったのだ。ある日、いきなり県庁のホームページにアクセスしやすくなるだけ。勝手にやって、「よかったね」と、匿名(アノニマス)で喜ぶ。本当にそれだけだったのである。
ほかにも彼らの功績を上げていけばキリがなくなる。東電が輪番制で停電を言い出せば、「停電カレンダー」というアプリソフトを作って無償で提供したり、後にお馴染みになった電力メーターも、そうしたボランティアたちの手によるものなのだ。
もちろん、情報ボランティアだけがすごいといっているのではない。それを当たり前のように行う日本という社会がすごいのだ。
とりわけネットワークを通じて3・11に触れてきた世界中の人にとって、日本政府のお租末さの反面、日本社会、ごく普通の人たちのレベルの高さ、公共意識、助けあいの精神には、本当に感動したようだった。
∇真の希望は日本にある
この3・11では世界中から日本人すらびっくりする金額が義援金として送られてきた。それ以上に、山のような物資も届き、多くの日本人が「どうして?」と思ったことだろう。考えてみれば日本は世界最大の債権国であり、世界で三本の指に入る大国である。たしかに3・11は酷い災害だったとはいえ、小さな貧しい国から「浄財」をいただけたのは、彼らが震災で見せた「姿」に、尊敬の念を抱いてくれたからであろう。自分たちも日本と日本人のようになりたい、そう思ったから、わずかな金額でも役立ってほしいと手を差し伸べてくれたのである(だからこそ私は、世界中からの善意の金を着服した闇の支配者が許せない。ヤツらは、その金さえ横取りしたのである)。
私の個人的な感想だが義援金を出した各国の人々も、その額の大きさに驚いていたはずだ。個人個人は、わずかなお金でも塵も積もって山となっていた。小さな善意は、大きな力となる。世界中の人が、この3・11を通じて知ったことの一つであろう。
3・11まで世界は動乱と革命、暴動と戦火に包まれてきた。
人は争い、傷つけ合い、憎しみ合い、そして殺し合った。裏切りと憎しみは連鎖となり、永久機関のように、世界へと広がっていった。
本当ならば3・11でも同じだった、はずなのだ。
被災地では「自分さえ良ければ」と略奪と暴行が横行し、憎しみと怒りが満ち溢れる。避難所はスラム化し、被災地以外の人は「我関せず」と無視と無関心を決め込む。それを世界の常識とはいわないが、今回の被災は、そうなってもおかしくないぐらい悲惨であり、過酷な震災だった。
それでも日本人は、いつも通りだった。いや、いつにもまして日本人らしかった。真面目で優しく秩序を重んじ、自分より他人を心配し、みんなで助けあっていた。
私は、そんな日本人と日本の姿に世界の人々は「希望」を見いだしたのだと思う。日本人ができるなら自分たちもやってみよう、不可能ではないのだ、と。最悪なときの対処法として3・11の日本人と日本社会は最高の「お手本」となっていたのである。
だからこそ−−−。
日本からの供給が途絶え、世界中の工場の操業が止まったとき、3・11で日本人を知った世界中の人は、こう思った。
当然だろう、と。
あんな品質が良くて、作るのが面倒で、管理が難しくて、しかも、それほど儲けにならないけど、あるとすごく便利で、使うと性能がグンと上がるような部品や素材、日本人以外、誰が作るんだ。いや、世界中の国々、世界中の企業、どこで作れるっていうんだ!
3・11でストップしたすべてのもの。それは「日本そのもの」だった。
東北のサプライチェーンは「メイド・イン・ジャパン」ではなく「This
is JAPAN」。
日本でしか作れず、日本にしか存在しない。日本人しか作りたがらない、日本人の会社にしか存在しない製品だった。
世界中の人が、それを理解した。闇の支配者=アメリカも、東北のサプライチェーンは、奪えないことを認めざるを得なかったことだろう。奪うということはアメリカが「日本化」するという意味となる。日本化したアメリカは、もはやアメリカでなく、闇の支配者は存在できないのだから。
ぐぬぬぬぬぬ、私には闇の支配者たちが、そういって歯軋(はぎし)りする音が聞こえてくる。その陰謀を砕いたのが日本だったことが、私は一人の日本人として、本当に、心から、とても嬉しい。いや、ものすごく痛快なのである。
2011年7月19日。豊田章男トヨタ社長は、仙台市に赴き、「もの作りを通じて東北の未来をつくりたい」と宣言。東北のサプライチェーンの完全復興と、100億円単位の投資となるトヨタ独自の「復興計画」を発表した。
トヨタは気づいたのだ。
日本は、まだ十分、日本らしかった、と。日本人は、今もまだ、十分、日本人らしい。その日本らしさがあるかぎり、トヨタは日本で「もの作り」を続けたい、と。
トヨタだけではない。日本の製造業各社もまた、この3・11で「日本の日本らしさ」を再確認した。日本はまったく変わっていなかったことに気づいたのだ。
3・11は悲劇を生んだだけではなかった。
日本に、世界に、希望を生み出していたのである。
それを私たちは忘れてはならない。亡くなった多くの被災者のためにも……。
・・・<抜粋終了>・・・
(管理人注1)シーアイエーグル(Ciagle)
ウィキリークスの創設者のジュリアン・アサンジ氏によれば、Facebookに載せてある個人情報は、すべてCIA(米中央情報局)に筒抜けだといいます。さらにグーグルはCIAと共同出資した新型検索エンジンを作成中とのことで、こうしてCIAとべったりの関係をベンジャミン・フルフォード氏はCIAとGoogleをくっ付けて、シーアイエーグル(Ciagle)と呼んでいます。
日本の中にいると、災害が起こったとき人々が助け合うのは当たり前じゃん、という感覚があります。それゆえ助ける人を英雄視することもないし、誰でも人から言われなくても行動します。しかしそれは日本人の中では当たり前でも、世界の人々から見れば“すごいこと”と映るようです。
次に紹介するのは、去年の8月に起こったロンドン暴動がいかにして収束していったか、さらにHIVの立体構造の解明についてです。
・・・<『勃発! サイバーハルマゲドン』、p216〜p220から抜粋開始>・・・
∇人々の善意で結びついた光のネットワークが闇を浄化する
この3・11モデルは、その後、世界を変えていくことになった。
第2章で触れたロンドン暴動は、ネットワークを悪用して起こされたことはすでに紹介した。しかし、その鎮圧には、3・11モデルが役立っているのだ。
暴動が激しさを増す中、イギリスのキャメロン首相は、「(鎮圧には)プロバイダーを切断するしかない。しかし、それは不可能だろう」と言った。何も打つ手がないと事実上の敗北宣言までしている。
そんな政府に呆れて立ち上がったのは、ロンドン市民だった。燃えているのは彼らの街なのだ。前述したように面白半分に参加した暴徒たちは、襲撃の様子をユーチューブなどの動画サイトにアップしていた。それを市民たちが「こいつは誰なのか」と顔写真を検証するサイトを自主的に立ち上げ、広く市民から情報を募ったのだ(これを警察が主導すればロンドン市民は猛反発しただろう)。さらに暴動計画の内部情報の提供、暴動の警戒、監視といったことすべてを市民有志で行った。つまり、暴動鎮圧に市民が警察に協力したのでなく、警察が市民に協力したのである。だから成功したのだ。市民が立ち上がってわずか3日。暴動は速やかに沈下した。暴動が収まったのは、警察が暴徒を根こそぎ捕まえたからではない。暴徒もまたロンドン市民なのだ。ロンドン市民が「やめろ」といって怒ったので、「わかった」「自分たちが間違っていた」と気づき、やめたのだ。
暴動を制圧しようとすれば、ますます燃え盛っただろう。その間、遊び半分だった暴徒は、悪質なテロリストへと変容したかもしれない。だが、もともと遊び半分で始まったことなのだから、同じ市民が呼びかけて諭(さと)してやれば、案外、簡単にケリはつく、というか、ついてしまったのだ。
これは、アラブの春にもいえる。市民が「やめよう」と呼びかければ、仕組まれた反政府運動など、本当はすぐに収まるはずなのだ。私たちは、ネットワークを通じて、このロンドン暴動鎮圧のプロセスを広く伝えていくべきであろう。
ロンドン暴動収束から1ヶ月後、今度は、こんなニュースが飛び込んできた。
「ゲーマーたちがエイズの立体構造式を3週間で解析」(Nature
Structural & Molecular Biology 誌、2011年9月18日)
エイズ(HIV)は、すでに組織成分は判明しているが、そのタンパク質がどんな構造をしているのか、実は20年間、世界中の研究者たちが解析競争をしてきた。立体構造が判明すれば、HIVのどの部分(酵素)が免疫不全を引き起こすのか、その原因がわかる。原因がわかれば、免疫不全機能を無効化する方法もわかってくる。現在、エイズの治療薬は、エイズを発症させないための予防薬で、片っ端から試して、たまたま、効果があった物質を「薬」にしているに過ぎない。この立体構造式が判明すれば、感染者も完治する特効薬が期待できるのだ。だから世界中で解析レースが行われていたわけだ。
見出しにあるが、それをゲーマーたちは、わずか3週間で解析してしまった。
記事を読むと、どうやらワシントン大学の研究者がタンパク質の立体構造を「パズルゲーム」化し、そのパズルゲームをオンラインゲームのサイトに提供、「エイズの治療薬に役立つ」と知って、10万人以上のゲーマーが参加、この超難問パズルに挑み、みんなで、ああでもない、こうでもないとパズルを組み合わせていたら、なんと、たった3週間で「できちゃった」らしい。
タンパク質をゲーム化した研究者によれば、これまで立体構造の解析には、高度なソフトをプログラムし、それをスーパーコンピューターにかけ、天文学的な組み合わせの中から解答を探しだしていたという。いつかはわかるだろうが、そのいつかがわからないというレベルで、「結局、タンパク質の立体構造のような複雑な解析は、センスや直感力のある人間が遊び感覚で解くほうが圧倒的に早いようだ」と、その効果に驚いている。
本当に素晴らしいニュースだ。私は長年、HIVが闇の支配者による生物兵器で、発病の恐怖で、バカ高い薬を延々と使用させて金を巻き上げる「装置」になってきたと指摘してきた。これでHIVの特効薬ができる。本当によかった。このシステムを応用すれば、これまで未知だった病原体ウイルスの解析ができ、治療薬の開発が格段に進むだろうし、バイオコンピューターといった特殊なタンパク質合成にも応用できる。なにせ、パズルゲームを作って、ゲームサイトにおいておけば、ゲーマーたちが勝手に数週間で解明してくれるのだから。今後、ものすごいスピードで、いろんな発見や発明が増えていくだろう。
ここで重要なのは、ゲーマーたちは「善意」で動いたことにある。エイズの治療薬開発に役立つから彼らは喜んで参加したのだ。「新型インフルエンザをばら撒くので解析しろ」と命じても、誰が参加するというのか。たとえ騙そうとしても、何十万人、何百万人が参加していくなかで、誰かが「それ、殺人ウイルスになる」と気づくだろう。
ネットワークは悪用するものではなく、人の叡智を結集することで善用できるのだ。
それを世界は、3・11を通じて知ったし、その輪は、どんどん広がっている。
そう、光のネットワークだ。人の善意によって結びついた光のネットワークは、悪に汚染された闇のネットワークを浄化する力をもっている。光は、今、世界へと広がりつつある。それが闇の支配者たちを追い詰めていくことだろう。
闇に巣食う者が最も嫌うのが「光」なのだから……。
・・・<抜粋終了>・・・
2011年1月にチュニジアで起きたジャスミン革命は、20年以上続いてきたベン・アリ率いる独裁政権を打倒し、その後エジプト、リビアへと広がってゆきました。
エジプトでは30年近く続いたムバラク政権が倒れ、リビアでは42年に及んだカダフィ政権が崩壊しました。こうした一連の動きをマスコミはアラブの春と呼んで、独裁政権を民衆の力で打倒したという構図で紹介し続けました。アラブの春と命名したことの裏には、独裁政権で虐げられた民衆が自らの力で自由を勝ち取ったというイメージを、人々に刷り込ませようとしている思惑が透けてみえます。
私はこうした報道が始まった当初から、強い違和感を感じていました。
直感的に、中東で起こった民衆革命と言われた政権転覆の動きの裏に、マスコミが報道しない真実があると感じていたからです。まして独裁政権に抑圧された民衆が立ち上がったなどという美談を盛んに報道しているのを見ていると、よほど隠したいことがあるのだろうなと思ってしまいます。私はそのうち真実が明らかになるだろうと思っていたのですが、ベンジャミン・フルフォード氏の新刊『勃発! サイバーハルマゲドン』(KKベストセラーズ)に、その辺のことが詳しく載っていたので、今回はそれを紹介したいと思います。
まず最初にマスコミ報道とは何かという、根本的な問題について触れたいと思います。
ベンジャミン・フルフォード氏はそれを、視点だといいます。テレビのニュース報道を見ていると、賛成意見とともに反対意見も流すようにしているのがわかります。それで報道の製作者は、中立の立場を担保しているつもりになっているのかもしれません。しかし大事なのは、どこの視点でニュースを報道するかです。今は収まりましたが、民主党の小沢氏の陸山会事件を、テレビ・新聞各社とも狂想曲にように報道していました。そしてその視点は、NHKを含め、どの民放各社も見事に一致していました。これにより報道の製作者が、ニュースを見た人間にどのように思って(感じて)ほしいのかが一目瞭然とわかります。
以下は、それをホームレスの問題を例にとって説明したものです。
・・・<『勃発! サイバーハルマゲドン』、p33〜p34から抜粋開始>・・・
私はジャーナリストだ。報道が必ずしも「公正中立で客観的」でないことを理解している。本物のジャーナリストでなければ「公正中立な客観報道」など行えない。ゆえに新聞、テレビ、書籍であろうが、中立な報道など存在しないのだ。
では「マスコミ」報道とは何なのか。それは単に「視点」にすぎない。
たとえば公園に住んでいるホームレスを強制撤去する騒動があったとしよう。
ホームレス側にマスコミのカメラが入ればどうだろうか。ニュースでは、やむにやまれず公園に住むしかないホームレスの事情が詳しく紹介され、公園のゴミを片づけるといった美談も映し出されるだろう。そこに屈強な土木作業員を引き連れた小役人が登場、憎々しげに「強制撤去」とホームレスたちの楽園を叩き壊し、行き場を失ったホームレスの嘆き悲しむシーンが、これでもかと映し出されるはずだ。
そんなニュースを見れば、他に何か方法はなかったのかと、ホームレスに同情し、強制撤去をした側を「悪」と思い込んでしまう。
逆に市役所側にカメラが入ったとすればどうか。印象は180度変わる。何度も何度もホームレスと粘り強い交渉を続ける役所の人、新たな住む場所を提供しようと奔走する姿が紹介されることだろう。それに対比して働くのはイヤだ、公園から出たくないと拒絶するホームレスたち。交渉がまとまりかけたころに無関係な活動家が乗り込んでホームレスを扇動する。市役所職員は強制撤去に追い込まれていく。不法に占拠しているホームレス側は強制撤去をする土木作業員に糞尿爆弾を投げつけ、悪辣な抵抗を続ける……。この映像を見れば、間違いなく視聴者はホームレスに悪感情を抱くだろう。
いずれも間違った報道ではない。事実そのものである。
だが、カメラの位置で、これだけ印象が変わる。メディアの語る「公正さ」「客観性」とは対立する側の意見を申し訳程度に紹介すること。むしろ、どちらにカメラを入れるか。この判断が大手メディアの「報道」なのである。そうやって印象操作を行い、世論を誘導してきたのである。
・・・<抜粋終了>・・・
では本題のアラブの春の舞台裏に入ります。
アラブの春は、チュニジアからエジプト、リビア、そして今はシリアが主役となっていますが、量が多くなってしまうので、ここでは最初に起こったチュニジアのジャスミン革命について取り上げます。どの革命に対しても日本も含め欧米のマスコミは、長期の独裁政権の圧制に苦しめられた民衆が革命を起こしたというストーリー(視点)から報道しました。
しかしそうした視点は、真実でなかったかもしれません。
驚くべきことに、チュニジアの人々の中には革命を起こすようなマグマは溜まっておらず、むしろチュニジアの人々はベン・アリ政権を支持していたというのです。
・・・<『勃発! サイバーハルマゲドン』、p29〜p32から抜粋開始>・・・
一般的にジャスミン革命は、以下のように考えられているはずだ。
「20年以上、チュニジアで長期独裁体制を築き、一族で私腹を肥やし、それに反対する市民を罪なき罪で弾圧してきたベン・アリ大統領に対し、ついに市民がベン・アリ打倒に立ち上がった。市民はフェイスブックやツイッターなどソーシャルメディアを駆使して国際世論を味方につけ、2ヶ月足らずで革命を成功に導いた」
付け加えるなら、このジャスミン革命がエジプトに飛び火し、中東全域に広がって市民による民主化運動、つまり「アラブの春」をもたらしつつある、といったところか。
表面の事象だけ見ていれば、この通りである。何も間違ってはいない。だから誰もがそう説明するし、説明されれば、なるほど、と思う。
間違っていないからといって正しいとは限らない。
真実かどうかは、こう問い直せばすぐにわかる。
「ベン・アリ政権を倒して、最も困っているのは誰か」と。
そう、当のチュニジア市民である。もともとチュニジア市民は、ベン・アリ政権を打倒する気など、まったくなかったし、実のところ、倒れてほしくなかったのである。そういえば驚く読者もいるかもしれない。だが、本当なのである。
ジャスミン革命の発端は、小さな街の小役人(警察官)に賄賂を要求された若い露天商が、賄賂を断ったために嫌がらせを受け、屋台を壊されたことに始まる。青年は、役人への怒りから警察署の前で焼身自殺を図った。イスラム教は自殺を禁じている。焼身自殺を図るというのは最も強い抗議の意思表明となる。これに一般市民が同調したのは、そうした背景があったのだ。
事件そのものは、酷い話であり、同情に値しよう。しかし事件が反政府デモへと発展する理由は見当たらない。チュニジアに限らず、どこの世界でも起こりうるし、ベン・アリ大統領が直接、何かをしたわけでもなかった。
たしかにチュニジア経済はよくなかった。この若い露天商も失業し、果物を屋台で売って糊口(ここう)をしのいでいた。
しかし、チュニジア経済を襲っていた不況は、2010年のギリシャ危機に端を発したヨーロッパ経済の緊縮財政がもたらしたものだった。ベン・アリの政策がどうこうではなかった。むしろベン・アリの経済政策は成功していた。独裁政権下、ベン・アリは、その強権をもって強力に欧化政策を推し進め、イスラム圏屈指の民主的な国家に転換した。結果、チュニジアはヨーロッパ諸国の観光地として成功していく。石油などの地下資源が乏しいチュニジアはベン・アリがいなければ最貧国化していた可能性のほうが高かったのだ。革命前のベン・アリは経済手腕を内外から高く評価され、市民の信任も厚かったぐらいだ。
たしかにベン・アリは一族を要職につけて私腹を肥やしてきた。政権に反発する市民の弾圧を数多く行ってきた。それでも概ね市民がベン・アリ体制に納得していたのは、次の権力者がベン・アリより優れているとは限らないからであろう。消去法的に認めていたというのが正しい。
話を戻そう。露天商焼身自殺事件(病院で18日後死亡)で地元民が警察署へ抗議したのは事実だが、その場で「ベン・アリ倒せ!」とシュプレヒコールをしたわけではなかった。
それがわずか、ひと月。小さな街の小さな事件の抗議行動は、なぜか、30年以上の長期政権を続けていた独裁者を倒してしまった。
理由は簡単である。この抗議行動が、あるときからベン・アリ打倒という反政府デモへと巧妙にすり替えられていったからである。ここに私の鼻は「陰謀」の臭いを嗅ぎつける。何か「裏」がある、そう確信させるのだ。
・・・<抜粋終了>・・・
では、市民から支持されていたはずのベン・アリ政権が、いかにして倒されていったかを紹介します。
・・・<『勃発! サイバーハルマゲドン』、p34〜p37から抜粋開始>・・・
長々と説明したのは、ここにジャスミン革命が成功した理由があるからだ。
ジャスミン革命はスマートフォンとソーシャルメディアを駆使した。それは、まさに市民側の「メディア」として機能した。スマートフォンで撮影した動画は、常にデモ側の市民から撮影される。武装した治安部隊が、いたいけな市民を殴り飛ばす映像がユーチューブを通じて世界へと発信されたとすればどうなるか、説明するまでもない。
通常ならばジャスミン革命は、市民革命どころか、単なる暴動として扱われたことだろう。ニュースの大半は、暴徒が略奪や暴行を繰り返し、一般市民を守るべく出動した「正義の味方」の治安部隊という視点となる。多少、暴力的に鎮圧したとしても、国際世論はベン・アリを支持する。また、ベン・アリ自身、そう世論を誘導する。国内メディアはすべてペン・アリの支配下にあり、世界のメディアも基本的に政府側から取材する。市民と独裁者では、情報発信力に圧倒的な格差があるのが常識なのだ(ゆえに長期独裁も可能となる)。
スマートフォンとソーシャルメディアの登場は、それを一変させた。市民(反政府デモ勢力)は、独裁者(権力者)より巨大な情報発信力をもった。安価で手軽、しかも一瞬で世界へと発信できる。リアルタイムという点では既存メディアより優れているのだ。
悪いことではない。体制派、反政府勢力、その両方の意見を見比べ、どちらの言い分が正しいか、しっかり精査する。一方の偏った情報しかない状態より、正しい判断ができる。本来なら、よりよい結果を導き出す環境が整っていたぐらいなのだ。
ところがジャスミン革命は、そこが狂っていた。私がジャスミン革命に違和感を覚え、陰謀の匂いを嗅ぎつけたのは、日本のメディアを含めて、世界中のメディアが、あたかも「ベン・アリ」=「悪」と決めつけ(いや、決めつけたかったのだろう)、反政府デモの市民側からの情報だけを「意図的」に報じ続けていたからである。つまり、ベン・アリサイドの情報が意識的にクローズされてしまっていたのだ。
それだけではない。
革命の発端となった焼身自殺事件に対する抗議行動はフェイスブックを通じて多くのチュニジア市民に共有された。役人の不正行為と、それに対する抗議なのだから、それ自体に間題はない。共有も誤りではなく、素晴らしいことだ。
問題は、その過程で動画タイトルが知らないうちに「ベン・アリを処刑せよ!」といった過激な内容へと書き換えられていったことにある。
繰り返すが、集まった市民は自殺を図った青年の無念を晴らそうと善意で立ち上がった人たちなのだ。大半は軽い気持ちでデモに参加しただろうし、「役人は襟をただせ」という大義名分を得て、ちょっと暴れてみたかったに過ぎない。
ところが、である。ストレス解消に参加したデモで、一部のグループが突如、「ベン・アリ打倒」の叫び声を上げた。
そのとき、多くの市民はとんでもない事態に巻き込まれたことを悟ったはずだ。
前述したようチュニジア市民は、高い経済手腕をもつベン・アリ政権を消去法的とはいえ認めてきた。しかし、ベン・アリが独裁者であり、反体制勢力には容赦のないこともまた骨身に染みている。役人不正の抗議ならまだしも、ベン・アリ打倒を掲げた反政府デモとなれば事態は180度変わる。参加者は治安当局に逮捕され、下手をすれば殺されてしまうのだ。当然、彼らの行動は、一気に先鋭化した。というより先鋭化せざるを得なくなった。ベン・アリを倒すか、ベン・アリに殺されるか。ごく平凡な一般市民が「何者か」によって、そこまで追い込まれた。だからジャスミン革命は成功した。
それが「真実」なのである。
ほんのちょっと。ほんのわずか。手を加えただけで火のないところに火がつき、劫火となって燃え広がった。
これがネットワーク型の陰謀の恐ろしさだ。それが2011年、そして2012年現在、世界中で広まった戦火の正体なのだ。
・・・<抜粋終了>・・・
先のホームレスの報道での説明のように、視点を変えればそのニュース報道を見た人々の印象は180度変わります。
チュニジアの露店商の抗議の焼身自殺に端を発したデモは、通常の政府側の視点から報道されれば、デモが暴徒化しそれを治安当局が抑えにかかったということになったはずです。しかし今回は、デモを起こした市民側の視点で報道されました。そして暴徒化したデモを革命として成功させるために、長期の独裁政権の圧制に苦しむ人々がついに立ち上がったというストーリーが必要だったわけです。そうすれば、そのニュース報道を見た多くの人々の賛同が得られるからです。
それにして呆れ果てるのは、NHKを含め日本のメディアは、現地に特派員を派遣しておきながら、一言も現地の真実を伝えなかったことです。現地に行って少し取材すれば、民衆の不満が革命の原動力になったかどうかなど、すぐにわかるはずです。そしてこれは、アラブの春を取材する中で一番の肝だったはずです。私達は、日本の大手メディアが真実を伝えず、彼らに都合のよりストーリー(視点)に則って報道しているという事実を改めて認識する必要がありそうです。
チュニジア、エジプトの革命では直接的には外国からの軍事的な干渉はありませんでした。
しかしリビアでは、NATO軍が空爆で直接軍事介入しました。通常、外国の軍隊が主権国家を侵略する場合は、本音がどうであれ建前が必要です。たとえばイラク戦争では、アメリカはイラクが大量破壊兵器を隠し持っていると主張しました(結局、イラクの地に大量破壊兵器はありませんでしたが)。本音は、イラクが石油の決済を米ドルからユーロに切り換え、米国のドルによる世界覇権を脅かしたとか、世界有数の埋蔵量を誇るイラクの石油を米国の管理下におきたいというところだったと思います。しかしさすがに本音を堂々と言うわけにはいかないので、建前を言うことになります。実際のところ、米国にとってイラクに大量破壊兵器があろうがなかろうが、どうでも良いことだったと思います。侵略する口実があればよかったのですから。
今回NATO軍がリビアを軍事攻撃する際に使われたのが、カダフィ率いる政府軍が民間人を空爆しているという口実でした。使われたメディアは、イギリスのBBCとアルジャジーラです。
しかし西側のメディアがカダフィが民間人を空爆しているというストーリーを流し続ける中で、真っ向からそれに反対するメディアがあったといいます。それがプーチン率いるRT(ロシア・トゥデイ)だといいます。
・・・<『勃発! サイバーハルマゲドン』、p134〜p138から抜粋開始>・・・
∇闇の支配者と戦うプーチン
闇の支配者たちは、今、追い詰められている。
この200年、正確にいえばアヘン戦争(1840年)からの170年以上、世界は白人覇権国家によって完全に牛耳られてきた。彼らは圧倒的な軍事力を武器に、アジアやアフリカ、ラテンアメリカの富や資源を収奪し続け、人々を奴隷のごとく扱ってきた。闇の支配者とは、その白人覇権国家を裏から操ってきた「闇のネットワーク」といえるだろう。
しかし、白人覇権国家の統治システムは限界を迎え、闇にこっそりと隠れていた支配者たちの姿は、今、白日の下にさらされつつある。
ここまで紹介してきた「アラブの春」「ロンドン暴動」「オキュパイ・ウォール・ストリート」そして「リビア戦争」は、すべて闇の支配者の最後の足掻(あが)きであり、断末魔の叫びでもある。闇の支配者たちは、自分たちの支配権を失いたくないがために世界中を大混乱に巻き込み、過去のあらゆる悪行の数々をごまかそうとしているのだ。事実、世界は戦火に包まれ、酷い惨状を見せ始めている。
それに対抗する方法は、たった一つしかない。
真実を知ること。真実に気づき、騙されないことなのだ。
前章で、私はプーチンが「リビア戦争」阻止のために戦ってきたと述べた。プーチンの武器もまた「真実」を世に知らしめることにあった。闇の支配者が何をしてきたか、何を企んでいるか、それを暴露することにあった。リビアに精強なロシア軍を展開してNATOやアメリカ軍と戦えば、それこそ第3次世界大戦が勃発してしまう。「闇の支配者」の思うつぼとなることをプーチンはよく理解していたのだ。
だからこそプーチンは、盟友カダフィ大佐を直接、助けることよりも、今、ここで何が起こっているのか、起こされたのか、克明に記録し、公表し、世界中の人に知ってもらうことを選んだのである。
私はプーチンが素晴らしい正義の味方といっているわけではない。事実、プーチン帝国化しつつあるロシアのあり方が正しいかどうか、「独裁」と呼ばれるプーチンの統治方法について批判が多いことも承知している。
それでも「リビア戦争」に限っていえば、プーチンは闇の支配者に対して敢然と戦った。それは紛れもない事実であり、プーチンによって闇の支配者の悪行が明らかにされた功績は、素直に認めるべきであろう。
プーチンは「情報」という銃弾で闇の支配者=NATO軍とアメリカ軍に立ち向かった。その砲塔となったのが、「ロシア・トゥデイ/RT」というニュース専門チャンネルだった。2005年、プーチンの肝いりで設立したことから、西側メディアは悪意を込め「プーチンのプラウダ」と揶揄(やゆ)することも多い(プラウダはロシア語で正義を意味。旧ソ連時代、共産主義のプロパガンダ機関紙で発行部数は1000万部、そのプラウダから発行部数世界一の座を奪ったのが読売新聞である)。
たしかにロシア・トゥデイは、プーチンの意向を強く受けたテレビ局なのは間違いあるまい。だが、それゆえに西側大手メディアと違って「闇の支配者」の影響が徹底的に排除されている。採算や商業ベース度外視。ある意味、「闇の支配者」たちの悪行を暴露することに特化したメディアなのである。ロシア語だけでなく英語、スペイン語、とくにアラビア語で放送していることからも、プーチンの意気込みが窺(うかが)えるだろう。
そのためか意外にもアメリカ国内で人気が高く(とくにペンタゴン、闇の支配者に疑念を抱きだしたアメリカの高級軍人たちにとっては必須メディアとなっている)、海外ニュースチャンネルとしては、イギリスBBCに次ぐ人気を誇っている。
リビア戦争に際しては、前章で紹介したよう「アルジャジーラ」の裏切りもあって、リビアサイド、カダフィサイドから報じた唯一のメディアとなっていた。西側メディアが伝えなかった貴重な情報がたくさんあったのだ。
その一つが、2011年3月1日のニュースである。ロシア・トゥデイ(RT)は、ロシア軍筋情報として、大々的にこう報じた。
「カダフィ政府のリビア空爆は市民を爆撃していなかった」
前章でもリビアへの軍事介入は、2月22日のリビア空軍による首都トリポリへの反政府デモへの無差別空爆があったと記した。それをBBCとアルジャジーラが報道した結果、世界中にニュースが駆け巡り、リビア軍事介入を了承する国際世論へとつながった。
ところがロシア・トゥデイ(RT)は、リビアに監視衛星を配置しているロシア軍に取材(プーチンの意向であろう)、ロシア軍幹部に「トリポリの反政府デモを監視衛星でモニターしていたが空爆された痕跡は一切、なかった」と証言させたのだ。もちろん、ロシア・トゥデイ(RT)側も嘘をついている可能性もあるが、ニュースで極秘事項である繊細な衛星データも公開していた以上、詳細な画像もなく、ただ「リビア軍が空爆した」と繰り返していただけのアルジャジーラより、よほど信憑性は高かった。
繰り返すが、国際世論は、BBCとアルジャジーラをなんの疑いもなしに信じた。過去、さんざん西側メディアが創り上げてきた「アラブの狂犬」という虚像によって「カダフィならやりかねない」、そう単純に判断してしまった。なにより、チュニジアとエジプトの市民革命の影響が強かったのだろう。世界中の人々はイスラム教国の独裁者は極悪非道と、すっかり刷り込まれていたのである。
・・・<抜粋終了>・・・
私(本山)は、ロシア・トゥデイなるメディアを全く知りませんでした。
海外メディアではBBCにつぐ人気というのですから驚きです。ぜひ日本語で放送を聞きたいものです。
これまでアラブの春を報道するメディアについて紹介してきました。
では、アラブの春を成功させた一番の原動力について紹介します。キーワードはソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に侵入できるペルソナ(persona:仮面)です。
・・・<『勃発! サイバーハルマゲドン』、p138〜p143から抜粋開始>・・・
そこでプーチンは、とっておきの「情報」をぶっ放した。ロシア・トゥデイ(RT)ではなく、別の砲塔を用意して「プーチン砲」を撃ち込んだのである。
∇SNSに侵入する洗脳システム
まずは、これを読んでほしい。2011年3月17日、イギリス紙『ガーディアン』に掲載された記事である。
今回は、あえて英文タイトルを掲載しておきたい。
「Revealed:US spy operation that manipulates
social media」
「Military's ‘sock puppet' software creates
fake online identities to spread pro-Amerian
propaganda」
日本語に訳せば、こんな感じか。
「発覚! アメリカ軍はソーシャルメディアでスパイ作戦を実行中」
「アメリカ軍は、二セのIDアドレスで作った『靴下人形』で親米路線のプロパガンダ工作のできるソフトを開発した」
記事内容は、もっと凄まじい。補足を加えながら意訳すると以下となる。
《中東及び中央アジアに展開しているアメリカ中央軍(セントコム)は、カリフォルニアのIT企業に、インターネット上で、アメリカ軍に都合のいい情報を広めてくれるソフトの開発を依頼。完成したソフトが「オンライン・ペルソナ」というシステムだ。
このペルソナシステムの最大の特徴は、本来、仲間内だけで使用されているフェイスブックやツイッターといったソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に侵入できることである。
そしてペルソナ操縦者が発言を書き込むと、自動的に複数(最大50人)の人格とプロフィールを自動で作成。言葉遣いや人物設定など、高度な個人史に基づき発言内容を修正する。たとえばペルソナ同士で比較しても、まったく別の人物が、たまたま似たような発言をしていると思わせることができるのだ。決してステルス・マーケティング的な同じ発言をコピー&ペースト(コピペ)でばら撒くようなレベルではない。
このペルソナシステムを使い、イラクにおけるアメリカ軍やイラク政府に抵抗していたり、反発している人物、イスラム過激派や原理主義者、アルカーイダへの支持者などに対して、彼らが最も信用できる人物に「なりすまし」、アメリカの良さ、素晴らしさ、イラク戦争の正しさをアピールするのが目的だという。
その作戦は、すでに実行されており、「オペレーション・アーネスト・ヴォイス」(真面目な発言作戦)と呼ばれている。
言語は、英語で書きこめば、自動的にアラビア語、ペルシャ語、ウルドゥー語、パシュトゥー語に変換される機能も備えている。
2010年のアメリカ上院の「武装サービス委員会」で、「真面目な発言作戦」を指揮するデイヴイッド・ペトラウス(Petraeus)アメリカ中央軍司令官(大将)は「かなり効果的である」と証言、作戦実行の許可を求めた。
アメリカ上院委員会では、この真面目な発言作我の効果を認めて継続を了承した一方で、アメリカ国内での使用は禁止した》
だいたい、こんな内容である。
私が、これから何をいいたいのか、ここまで熱心に読んでくれた読者なら、もうわかっていることだろう。
このペルソナシステムがあれば、すべての辻褄(つじつま)があうのだ。
私は、ここまでしつこいぐらい書いてきた。チュニジアのジャスミン革命は、本当に市民がペン・アリを倒すためにやったのか、単なる市民デモが、なぜ、途中から反政府連動に変わったのか。エジプトの市民革命で、どうして政府側のカウンターテロ対策が無効化されたのか。ロンドン暴動のきっかけとなった亡くなった黒人の追悼イベントが、なぜ、大規模暴動へと変質したのか、と。
すべて、このペルソナで説明がつくのである。
考えてみてほしい。このペルソナを導入しているのは、アメリカ中央軍、つまり中東に展開しているアメリカ軍本部なのだ。記事にあるように、単に「アメリカシンパを増やすためだ」というお為ごかしを誰が信じるだろうか。そもそもペルソナが導入された2010年半ば以降、何が起こったか。そう、「アラブの春」なのである。偶然の一致というには、あまりにも都合が良すぎよう。ちなみに序章で私のフェイスブックに知らない人物が「友達」として紛れていると書いた。もしかすると私のフェイスブックにもペルソナが入り込んでいるのかもしれない。
読めば読むほど、理解すればするほど、背筋が凍りつく。心底、恐ろしくなる。
繰り返すが、アメリカ軍(及びCIA)は、特定の人物のもとに、架空人格をもった「ペルソナ」を複数、侵入させては都合のいい発言を繰り返していたのだ。それが「世論だ」「みんなの思っていることだ」と意識を変化させてきたのである。
たとえばあなたのフェイスブックに、最近、仲良くなった若い女の子(イケメン君でもいい)が、何度も「アメリカはなんだかんだいっても正しいわよね」とか、「ロシアは酷いと思わない?」と繰り返し、メッセージを送ってきたら、次第に「なるほど」と思うことだろう。それも一人ではなく複数だったら効果てきめん。すでにアメリカは、このペルソナシステムをフル稼働させていたのである。
この情報は、イギリス高級紙『ガーディアン』に掲載された。イギリスはNATO軍としてリビア攻撃に参戦予定だった。この大スクープが大きく取り上げられ、「アラブの春」そのものが欺瞞に満ちたものだという結論になれば、世論の反発を受け、イギリスはリビアに参戦できなかったことだろう。
そのくらいのインパクトがあった、はずなのだ。
しかし、この報道は「黙殺」されることになる。西側メディアは「プーチンサイドによるリーク」として、一切、取り扱わないと決定してしまったのだ。
もちろんイギリスは紳士の国であり、新聞は過激なことで知られている。この記事そのものを消滅させる野蛮なことはしなかった。だから『ガーディアン』紙のホームページにアクセスすれば、この記事を読むことができる。削除はされていないのだ(もし、削除されていたら、それこそ真実だと認めることになる)。
ただ、目立たないようにした。
試しに、日本語で「ペルソナ ガーディアン紙 3月17日」でクロス検索をかけてほしい。出てくるのは、日本のゲームソフトだけで、この情報に辿り着くのは、相当、至難の業になっている。私があえて英文のタイトルを掲載したのは、そのためなのだ。
付け加えておけば、アメリカには「検閲報道発掘プロジェクト」(プロジェクト・センサード)というのがあり、カルフォルニア大学ソノマ校を拠点に、気骨あるジャーナリストが「マスコミが自主検閲で国民に隠してきた重大情報」を毎年、ランキング形式で公開している。
もちろん、このペルソナ報道は2011年度のトップ扱い(2位)となっている。
・・・<抜粋終了>・・・
本の題名のように、まさにサイバー戦争が起こっているようです。
* * * * *
量が多くなのるので掲載を止めようと思ったのですが、最後に中東地域の人々に対する理解という意味で以下の文章を引用して紹介したいと思います。
中東地域のイスラム諸国に対し、日本も含め西側のメディアが刷り込みのように報道してきたのは、民主化されていない中世の封建体制のようなイメージです。私達は繰り返されるこうした報道によって、民主化と呼ばれる革命によってアラブの人々が幸福になるようなイメージを植えつけられています。
しかしイスラム諸国が西側社会より遅れた社会だというのは、西側社会の価値観によって一方的に決めつけたものです。私達は、メディアの洗脳報道によって、知らず知らずのうちに、イスラム諸国を遅れた社会だとみなす過ちを犯していたのかもしれません。
・・・<『勃発! サイバーハルマゲドン』、p45〜p50から抜粋開始>・・・
たしかに中近東のイスラム諸国といえば、封建時代のような強権的な王族や長期政権の独裁者が存在し、社会といえばイスラム教による宗教国家が当たり前だ。日本で暮らす私たちの価値観からすると、どうしても遅れた社会体制に思えてしまう。「市民による民主化運動が始まった」、「アラブに民主化という春がきた」、そう聞けば、即座に「体制側が悪かったのだ」と決めつけ、無条件に市民を応援したくなる。欧米諸国の人々など、とくにその傾向が強い。
結果、私たちは、アラブ社会にはアラブ社会の価値観があって、彼ら独特の伝統や文化、彼らなりの方法で国家運営していることを、つい、忘れてしまう。
私は西洋的な民主主義はアラブの部族社会にはそぐわない、そう指摘したいのだ。
そもそも民主主義は、定住社会から生まれた価値観といっていい。簡単にいえば農耕を基本とする社会から国家が誕生したときの考え方、国家の運営の仕方なのだ。
定住社会とは、要するにみんなが隣り合って暮らし、できるだけ協力しあっている社会のことだ。基本的には殺し合いをせず話し合いを優先するし、トラブルは、みなで決めたルール、法律で処理していきましょう、となる。
ところがアラブの民は、移動しながら暮らしてきた遊牧民を祖としている。遊牧民は、良くも悪くも身内と他人を区別する。厳しい環境なので、他者に対する互助と非情さが、当たり前のように同居する。助け合っていた関係が、いとも簡単に殺し合う関係になる。それだけに身内贔屓(びいき)は徹底していて、物事を力づくで解決しようとすることも多く、話し合いより殺し合いが起こりやすくなる。部族社会特有の考え方は、有名なハンムラビ法典の「目には目を、歯には歯を」によく出ている。定住社会の人々は、これを「やられたらやり返す」という同態復讐法だと考える。しかし遊牧民は違う。「やられた以上の仕返しをしてはならない」と過剰な復讐を禁止した法律として受け止めるのだ。目を潰されたら相手を殺す。過剰な報復によって「あの部族は強い、怖い」と周辺部族に思わせ、一族を敵から守ろうとする。それが遊牧民の本来の考え方であり、「部族社会」の特徴なのである。
ゆえにアラブでは、最も強い部族がリーダーとなって他部族を従える形で国家が生まれる。とはいえ、元が遊牧民の集団。国家(土地)への忠誠心や愛着は定住社会の人々のようにはない。支配に不満があれば逃げ出すし、リーダーが弱いと思えば反乱を起こす。
アラブ諸国が王族制や長期独裁体制なのは、ある意味、武断的な支配者でなければ「国家」が成り立たないからでもあるのだ。権力者は、一族で富と権力を支配するし、反対すれば徹底的に弾圧する。だが、やりすぎれば国民は反乱を起こすか、国家から逃げ出してしまい、国として成り立たなくなる。
そこでイスラム教が必要となる。
イスラム教では、イスラム教指導者が世俗の権力者(国王や大統領)の上位に立ち、指導・監督する。国王だろうが、独裁者であろうがイスラム教指導者に対しては従わなければならないのだ。
民衆の代表であるイスラム教指導者は、権力者に弱者救済の政策を行うよう提言し、支配者層(富裕層)に対して貧しい人に施すよう諭(さと)す。非支配者の生活と生命を守るセーフティーネットの役割を担っているのだ(だから民衆はイスラム教徒となる)。同時にイスラム教の宗教指導者は、権力者の正当性を保証してやり、その権力者の独裁支配を認める。矛盾しているように思えるが、イスラム教のセーフティーネットの機能は、富と権力を握った独裁者のほうがうまく働く。権力者側にとってもイスラム教は不可欠な存在なのだ。
もうおわかりだろう。
遊牧民の国家体制は、強力なリーダー(権力者)による独裁と、独裁者から国民を守るイスラム指導者という「二極対立構造」で成り立っている。
アラブ社会に民主主義的な国家が生まれないのは、彼らが「無知蒙昧な野蛮人」だからではない。遊牧文化のアラブでは、独裁者とイスラム教という二極対立構造のほうが、彼らの気質に馴染みやすく、社会が安定しやすいからなのである。
実際、アラブで民主化が加速すると、まず間違いなく社会は大混乱に陥る。独裁者によって大人しくしていた諸部族は、いっせいに権力争いをはじめ、国は内乱状態となる。独裁者の不在はイスラム教のセーフティーネット機能を無力化する。もともと土地への執着が薄いため大量難民を生み出し、国としての機能が停止してしまうのだ。
事実、市民革命の起こったチュニジアやエジプト、アメリカ軍がフセイン体制を打倒したイラク、タリバンを駆逐したアフガニスタン、いずれも前体制よりはるかに悪くなっている。下手に民主化すると社会そのものが崩壊してしまうのである。
エジプトは本来、ナイル川流域の定住型社会でありながら支配階層が遊牧系という二重構造をもっている。それゆえにアラブ・イスラム圏では比較的うまく欧米型民主主義に馴染んでいた。それでも闇の支配者たちは革命でアメリカに従順だったムバラクを追放し、ムバラクが貯めこんできた日本円で「5兆円」にも及ぶムバラク一族の隠し財産を横取りしたうえでスエズ運河利権を収奪しようとした。
そのやり方があまりにもえげつなすぎて、「やらせ」だった市民暴動がコントロール不能に陥った。予定していた傀儡の政権樹立とならず、反米勢力が台頭。実に本末転倒な結果を迎えている。ある意味、エジプト市民革命は、闇の支配者のミッションとして失敗したわけだが、その失敗をもって市民革命を「正当化」する、メディアを使ったプロパガンダを一斉に行っているのだ。タダでは起きない、というやつである。
だから騙されないでほしい。
日本は定住社会を歴史にもち、西洋的な民主主義を導入する以前から日本的な民主主義で国家を運営してきた。日本人の多くは民主主義を素晴らしいと思っているだろうし、アラブの部族社会のような体制に否定的な見方をしてしまうのも理解はできる。
しかし、私たちが遊牧文化に根ざした伝統や価値観を理解しにくいように、彼ら遊牧民たちだって西洋の価値観、民主主義的価値観を理解しにくいのだ。
自分たちの価値観を押しつけ、それができないと「間違っている」というのは、あまりにも横暴だろう。欧米諸国が後押ししたアラブの民主化運動を「アラブの春」と呼ぶこと自体、すでに傲慢であることを、私は、私の読者に理解してほしいと思っている。
そうすれば、みなも必ず気づく。
アラブの民主化を推し進める目的に。
アラブの春と呼んだ連中の悪意に。
その「悪意」が世界に広がっていることに、である。
・・・<抜粋終了>・・・
久々に千さんのお爺ちゃんセッションの内容を紹介したいと思います。
今回私は引っ越しをしたので、我が家の妖精達が新居に対してどんな風に思って(感じて)いるか気になっていました。
○妖精達も引っ越し
千さんに私の新しい住居について、妖精達がどのように思っているか聞いてもらいました(当HPを初めて訪問された方はびっくりされるかもしれませんが、現在私のところに6人の妖精が住んでいます)。
すると千さんが私に聞いてきました、「(新たしい住居は)天井が高いんですか?」。妖精ちゃんは天井が高いんで快適だと言ってますよ、とのことです。以前の住居は天井がとても低く、身長180cmの私が手を伸ばすと、余裕で天井に触れたのでした。圧迫感があるので、新しい住居は、普通の高さの天井の所にしようと思っていたのです。実際のところ、私は手を伸ばして天井に届かないというのが新鮮でした。それを千さんに言うと、妖精ちゃんも同じことを言っていると千さんは笑っていました。人間が圧迫感を感じる所は、やっぱり妖精達も圧迫感を感じるのかなと思います。あるいは、妖精達は空間を飛び回っているので、天井が高い方を好むのかもしれません。
あと妖精達は、部屋の中がとても明るいということをすごく言っているそうです。
以前の住まいは1階だったので、窓のカーテンを開けると外から丸見えになってしまいます。それで昼間でもカーテンを閉めざるをえず、それで暗い感じの部屋になっていました。でも新しい住居は3階なので、昼間に思いっきりカーテンを開けられます。それで太陽の光がさんさんと部屋の中に降り注ぐようになりました。そうしたことが妖精達は気に入ったみたいです。
次に聞いたのは、妖精達の寝床が決まったかです。
以前のセッションで、それぞれの妖精の寝る場所がちゃんと決まっていると聞いていたからです。すると現在思案中なんだそうです。妖精個々に縄張りというほどのものではないでしょうが、自分の領域みたいなものがあるんだそうです。このとき妖精が本棚のことを言っていると千さんは言います。引っ越しに際して新しく本棚を2つ買ったのですが、言われてみれば、その本棚の上の空間が妖精の寝床にサイズ的にもぴったりです。それで誰がそこに寝るかということを検討中なんだ(別の言葉でいえば、揉めている)そうです。一応順番で、誰が一番しっくりくるかとやっているそうです。たしかに一般の人間と比べて妖精はエネルギーを感じる度合いが強いので、そうしたエネルギー的に誰が合うかというのは大切なことなんだろうと思います。それにしても、誰がどこに寝るかで揉めるというのは人間と変わらないなんだなあ、と笑ってしまいました。
あと妖精はベランダが嬉しいと言っているそうです。
新しい住居はかなり広いベランダが付いています。そこに高めの手すりが付いているのですが、その手すりの上を盛んに歩き回っているそうです。
ところで今回は珍しく、妖精が私にお願い事をしてきました。
妖精(ようせい)の、要請(ようせい)です(すみません、切れの悪いダジャレを言ってしまいました)。部屋の中に植物がほしいといいます。ツル系の植物がよくて、それが伸びて妖精が遊べるんだそうです。千さんはポトスみたいなものかな、と言っていました。それで後日、ネットでポトスを調べてみると、ズボラな人間でも育てられるとあり、これは私にぴったりだと思って近くの花屋さんに買いにいきました。すると今は入荷がなく、入るのは4月下旬から5月になるとのことでした。妖精達には、少し待ってもらうことにしたのですが、別の用で近くのホームセンターに行ってみると、ポトスが売っているのです。さらにツルが伸びるというハートカズラなどもありました。試しにライム色のポトスライムとハートカズラを買ってみました。妖精達が喜んでくれるといいのですが。
せっかくだから、他に要望がないか聞いてもらいました。
すると旅行に行った際に、石を持ち帰ってきてほしいといいます(今年私は、日本中を旅行しようと思っていて、もちろん妖精達はそんな私の計画を知っています)。石があると、それで妖精達が遊べるんだそうです。どんな石でもいいそうです。持ち帰り易い石でもいいとのことです。妖精達は、石が好きみたいと千さんは言います。新しい住居で、妖精達も遠慮があるみたいで、石があるとそこが妖精達の居場所になりやすいんだそうです。
遠慮というと、こんなことがありました。
先日、千さんのヒーリングセミナーが開かれて、私はセミナーには参加しなかったのですが、セミナー後の飲み会に誘ってもらいました。我が家の妖精が一人、私に付いてきたのですが、みんなの前に出るのを恥ずかしがってトイレにこもってしまったそうです。普通の飲み会なら、妖精を誰も見えないので恥ずかしがることもないのでしょうが、今回は千さんがいるので、多くの人間に注目されてしまいます。それで皆の前に出れなくなってしまったようです。それで私がトイレに立ったときに千さんが、「もとさ〜ん、トイレにいる妖精ちゃんを連れてきてね〜」と声を掛けてきました。私はトイレで、「付いてきてね」、と妖精に話しかけました。するとやっと皆の前に出る気になったらしく、私が宴会場に戻ると千さんが、妖精ちゃんは私の右肩に乗っていると言っていました(このとき私は、妖精が私に付いてきているという感覚がありました)。
妖精は、コンピューターを操作したり電気器具を思い通り動かしたりと、時として人間離れした(人間じゃないので当たり前ですが)能力を発揮します。しかしシャイという点では、人間の幼稚園児ぐらいの感覚と似ている気がします。
さて、妖精達の寝床が早く決まってくれればいいのですが・・・。
○新たな霊的存在
私が千さんのセッションを受けると必ず聞くことの一つに、私の処に新たな霊的な存在が来ていないかということがあります。
前回のセッションでは、未来から来たロボットみたいな存在がいると言われました。もっと前のセッションでは、一旦木綿や熊の妖怪みたいのが来ていると言われたので、今回はロボットとは意外だなあ、というところでした。その存在の名前を聞いたら、クリーンホーンと名乗ったそうです。うーん、やはりロボットらしい名・・・です。でも未来からの存在がなんで私のところに来たのかと不思議に思って、その理由を聞いてみました。すると、いつか自分(クリーンホーン)という存在を、世に知らしめてほしいといいます。つまり私がこうしてネットに情報を載せていることを見て、来たらしいのです。私はあらためて、千さんを介せず、自分で直接こうした存在と会話できるようになりたいと思いました。千さんは、私は(いつか)そうなれると言ってくれますが、妖精との会話も含め、ぜひ霊的な存在とコミュニケーションできるようになりたいと思っています。
さて今回は、引っ越し先の新たな住居での話です。
千さんによると、すでにそこに3人の霊的な存在が住んでいるといいます。彼らから見れば、私こそ闖入者に映ったに違いありません。
まず一人目は着物を着た男性で、千さんは自分は武士だと言っていますとのことです。トクダシンジ(漢字はわかりません)と名乗ったそうです。2人目が小さな男の子で、交通事故で亡くなったそうです。行き場所がわからない男の子を、その武士が保護して連れてきた格好なんだそうです。3人目は、男の子と同じくらいの年齢の女の子だそうです。
私はまず、3人がなぜ光の世界に行かないのか理由を聞いてもらいました。
小さな男の子は両親を探しているのですが、まだ見つかっていないそうです。女の子は、そこに光が見えていても、それが何なのといった感じで興味を示さないそうです。武士は、そこの土地が気に入ってしまったのと、男の子がいるので(保護しなければならないから)と言っているといいます。千さんは、たぶん言い訳だと思うけどと笑っていました。さらにこの武士は、自分が朝が早いと盛んに千さんに言ってくるそうです。朝寝坊の私に対する嫌みかい、と言いたくなりました。
その3人が私に対してどのようなイメージを持っているか聞いてみました。
すると自分達3人を理解してくれると期待しているといいます。前の住民は、3人の思いに反して、怖がってしまったそうです。私から言わせれば、普通の人間は怖がると思います。まあ私は、多少は精神世界に対する知識があるのでその辺は大丈夫ですが、いずれこの3人を、光の世界に届けたいなと思いました。時期をみて3人は私にアクセスしてくるでしょうかと聞いてみたら、武士が朝日を見に行こうと言ってくるかもと千さんは言っていました。なんと迷惑な! です。私は夜型人間だと武士にわからせる必要がありそうです。
ここでこうした光の世界に行かない霊的な存在について(今の)私の理解するところを書きたいと思います。ゲリーさんの教えを学んだ者として、その知識をベースにしたものです。もちろんこれが正しいと言っているわけではなく、あくまでも今の私の理解しているところを述べたものです。それゆえ、これも一つの見方であると思っていただければと思います。
ゲリーさんの教えを学んだ人間は、人間存在に2つの意識体が同居していると考えます。1つはよく言われる魂(トライヤード)で、もう一つが肉体意識(ダイヤード)です。人が死ぬと、惑星を一緒に転生する魂の仲間(ソウルグループ)が、その魂を迎えに来るといいます。それゆえ葛藤でもがき苦しんだ悲惨な死を迎えた人間であっても、魂はすぐに仲間とともに肉体を去るといいます。魂はそれ自体が完璧な存在であり、進化することも退化することもありません。悲惨な死であっても、すぐに復活して次の転生に向かうといいます。
しかし肉体意識はそうではありません。
葛藤を抱えた肉体意識は、その葛藤を抱えたまま霊界に旅立つことになります。自縛霊とか浮遊霊というのは、亡くなった後に光の世界に行かない肉体意識のことです。通常は死に際して、霊的な存在が肉体意識を迎えに行くということはないらしいです。ですから自分で道を切り開くしかありません。魂と違い肉体意識は進化する存在ですから、その進化の道から外れれば退化するということもあるのだと思います。私のところにいる女の子の霊のように、光の世界に行くも行かないも、本人の意思が決めることです。
それゆえ私が説得したとしても、3人が私の言うことをきくとは限りません。ブルース・モーエンさんは、こうした迷える肉体意識を救うことを、魂の救出(リトリーバル)と呼んでいます。しかし生身の人間を説得することがいかに難しいか考えると、霊界に旅立った意識体を説得するのは、そんな簡単なことではないことがわかります。ただ私としては、光の世界に行くというのは進化の道を選択することであり、いずれ3人にそうした道に戻ってほしいと願っています。
○私は相場に向いていない!?
当HPの以前の記事を読まれた方はご存知だと思いますが、私は今後の相場の流れとして、円安を予想していました。
それで去年私はスイスフランを買っていたのですが、予想に反して円高が進行してしまい、含み損を抱えていました。ただ長期的には円安だと思っていたので、スイスフランの買いポジションの損きりはしないで保持していました。すると今年の1月末から相場の反転が起こり、円安の流れになってきました。その流れが急激だったために、多少の揺り戻しがあるだろうとみていました。チャートで揺り戻しと思われる部分が出たのが、ちょうど私がスイスフランの買った価格帯でした。そこでいったんポジションを解消し、スイスフランが下がったら、また買い戻しをしようと思ったのです。
ところが相場は、思った通りには動かないものです。
スイスフランは下がるどころが、どんどん上昇していってしまい、ついに私は買うタイミングを逃してしまいました(いやはや参った)。つまり相場の動きは当てたのに、儲けゼロという情けない結果となってしまったのです。私はつくづく、相場の才能はないなあと思い知りました。そこでお爺ちゃんセッションで、私のどこがダメなのか聞いてみることにしたのです。
まず30代で相場に入ってからの、20数年に渡るこれまでの全体の収支について聞いてみることにしました。大まかに言うと、まず最初は株で大きくやられました(大負け)。そしてその後、金(キン)でだいぶ取り戻した感があります(かなり勝ち)。全体では、株での損を金の儲けで穴埋めして、収支はトントンか、ちょっとマイナスだろうと思っていました。ところがお爺ちゃんの答えは、実に意外なものでした。
儲かっている、だったのです。
私は信じられない思いがしたので、再度確認することにしました。儲かっているといっても、収支は、ほぼトントンだがほんのわずかな利益が出ている程度ではないかと聞いたのです。ところが、私達日本人が普通に考える程度に儲かっているというのです。
私はこの言葉を聞いて、自分に対してかなり思い違いをしていたことに気付きました。私はペシミスト(悲観論者)というか、自分に対して過小評価をし過ぎていたのかもしれません。確かに言われてみると心当たりはあります。金(キン)に関してですが、私は神秘家ゲリー・ボーネルさんから金に投資する際には、必ず現物にするように言われていました。しかし助べえ根性が出た私は、現物はもちろんですが、金の先物取引にも手を出しました。そこである年に、420万円の利益を上げていたのです。その利益に対し税務申告をしなかった私に、八王子税務署から電話が掛かってきました。それで重加算税や追徴課税などで130万円払うはめになりました。市民として税金を余計に払うという、実に'名誉’な体験をしました。
ここ数年私は確定申告を電子申告で行っているのですが、今年も申告をするために去年の金の先物取引の収支を調べてみました。すると自分でも驚いたのですが、7回の売り買いを行い、全部利食いで都合140万円ほどの利益を上げていたのです。多少は勝っている感覚はあったのですが、全部勝っていたので驚いてしまいました。私は内心、けっこうやるじゃん、これからは職業を聞かれたときに無職と言わないで、投資家ですと言ってやろうかと考えました(この程度では投資家とは言えない、と突っ込まれそうですが)。また全体では損しているはずですが、FXも去年はプラスでした。とはいえ私は自己評価を少し間違っていたかもしれないが、相場に適正はないという思いは変わりませんでした。
まずお爺ちゃんセッションで、私に相場師として欠けている資質は何か聞いてみました。スピリチュアルのセッションですから、忍耐力がないとか勇気がないといった指摘を受けるものと思い込んでいました(今回のスイスフランの失敗は忍耐力がないためだと思ったのです)。しかしお爺ちゃんの指摘は、実に意外なものでした。もっと分析が必要だというのです。きちんと分析をすれば、待つタイミングがわかるといいます。勇気を持つためには、相場からいったん離れなさいとも言われました。スピリチュアルに関してはゲリーさんから、私は分析しすぎが良くないと言われていたので、相場の世界とはいえ、分析しろと言われたのがなんとも新鮮でした。
ところで私の予想として、今後は円安になると書きました。
まさか相場のど素人である私が書いたこの記事を読んで、参考にする人はいないとは思いますが、万が一いた場合は困るので、付け加えたいことがあります。黄金比で相場を予想する若林栄四さんは、今年の2月に1ドル74円という歴史的な円高を迎え、それから円安になると予想していました。その若林栄四さんの新刊本が出ていますが、そこで若林さんは今後の円安を予想しています。実際の動きですが、去年の10月31日に1ドル75円32銭を付けてはいますが、74円には届いていません。本当に円高は終わったと言っていいのだろうかと私は考えています。前回の記事で相場師の塚澤健二氏の本を紹介しましたが、塚澤氏もチャート分析からみて、さらなる円高の余地があるので注意が必要だと言っていました。
私は長期的にみて円安方向という見解は変わらないのですが、もしかしたら最後の円高局面がこれからくる可能性もあると考えています。ひょっとすると、それはこの夏にも来て、円高、金安、となって絶好の外貨と金買いのタイミングになるかもしれません。またそのシナリオとなった場合は、その後はいよいよ金利上昇の局面を迎える可能性があります(日本の債権バブルの崩壊)。そうなると世界的な金融恐慌の可能性もあり、今年は本当に経済・金融の面で危機的な局面を迎えるかもしれません。もちろんそうならないことも充分にありますが、今年は特に注意が必要だと思っています。
最近私は、経済・金融の本をあまり読まなくなりました。
読んでも面白味をあまり感じないのです。もちろん政府の御用学者や御用ジャーナリストの論調に辟易しているという面もありますが、経済・金融の未来予測に関して、手ごたえを感じるものが少ないということもあります。そんな中で、久々に読んだ経済・金融の本『そして大恐慌が仕組まれる』(塚澤健二著、ビジネス社)は、とても面白くて、一気に読んでしまいました。
普段、読まないはずの経済・金融の本を読む気になったのは、何気なく開いた塚澤健二氏の本の目次に、「消費税引き上げは本当に必要か? なぜ誰も米国債売却を口にしないのか?」という文字を発見したからです。
私は思わず心の中で、おおっと叫んでしまいました。
私は経済・金融の学者やジャーナリストの言動を見極める一つのポイントとして、米国債の売却を口にするかどうかがあります。今のテレビなどのマスコミで震災からの復興財源として、米国債売却ないしは米国債を担保として債権を発行して資金を調達するということを言う人間はいません。もし言ったとしたら、その人間は二度とテレビに出れないはずです。
なぜかというと、米国債は政府やマスコミが国民に絶対に知らせたくない事実だからです。政府の借金が1000兆円を超えたと騒いでいますが、その原因の一つが日本が米国債をコンスタントに買い続けていることです。もちろん今でも買っています。私は米国債を買ってはいけないと言っているのではありません。政治的な配慮で米国債を買うという選択肢もあるからです。しかし、そうしたことは国民の総意で決めるべきことです。問題なのは、米国債売却の選択肢を国民から奪おうとする政府やマスコミの姿勢にあります。
私が塚澤健二氏に感心したのは、そうした米国債売却を堂々と本に書いていることです。
少なくとも政府やマスコミのバイアスが掛かっていない、本人が真実だと思ったことを率直に述べた本だと私は判断しました(ただし未来予測が当たるかどうかは全然別の話ですが)。さっそく本を買って読んでみることにしました。
まず最初に、その米国債売却に関する文章を紹介したいと思います。
・・・<『そして大恐慌が仕組まれる』、p106〜p107から抜粋開始>・・・
しかし、筆者にはこうした増税論が今一つ腑に落ちません。その理由の一つは、復興財源の確保に苦しむ今の日本の現状において、なぜどこからも米国債売却という案が出てこないのかという疑問です。2010年12月時点で日本が保有する米国債は8820億ドルです。米国に対して日本は中国に次ぐ世界第2位の債権国なのです。8820億ドル(日本円で70兆円弱)という数字は、海外投資家が保有する発行済み米国債全体のほぼ5分の1に相当し、それを一部売却するだけで、増税なくしても充分復興費用が賄えるのです。また、その米国債を担保に借金して復興財源を確保するという案もあるように思います。
08年の年末に「さんま・福澤のホンマでっか!? ニュース・スペシャル」という年末特番が放送されました。その中で、ある評論家が次のような見解を表明していました。
「一見、英国の15パーセントに比べて日本の消費税率5パーセントは低いように見える。そこから日本の消費税率が欧米に比べ低すぎるという議論が生じるわけだが、実際には税収全体に占める消費税の比率は日本21パーセント、英22パーセントと大差がない。全ての商品・サービスに消費税がかかる日本と食品等の生活必需品に消費税がかからない英国とでは消費税1パーセントの意味が違う。それに、97年に消費税を3パーセントから5パーセントへ引き上げたときも、財政赤字は97年の30兆円から2001年には50兆円にまで増大している。消費税引き上げでは財政再建につながらない」
実に正鵠(せいこく)を射た見解で、筆者は思わず膝を打ったものです。
この評論家の見解に比して、「欧米の消費税率に比べ日本のそれは低いから引き上げるのは当然」「財政赤字削減には消費税引き上げが不可欠」などと語り、世論を消費税増税の方向へと誘導しょうとしている識者たちは、消費税の中身を何も理解していないのか、それとも、理解したうえで国民を騙そうとしているのか。増税を言うのであれば、欧米の先行事例などもきちっと研究すべきではないでしょうか。
たとえばギリシャでは、国家財政が厳しくなってきた2000年以降、法人税率を40パーセントから24パーセントに引き下げる一万、消費税率を18パーセントから19パーセントに引き上げました。しかし、その結果、同国の国内需要は大幅に落ち込み、国内の資金不足が表面化して海外に資金を求めざるを得なくなり、今日の財政危機を発生させたのです。
そうした先行事例を見れば、消費税増税がいかに危うい政策であるかは明らかで、「改革」「成長」「財政再建」のどれを今優先することが重要なのかを改めて考えなければいけません。
・・・<抜粋終了>・・・
こうした塚澤健二氏の論は、正論中の正論だと私は思います。
しかし(私にとっては残念なことですが)、野田政権は不退転の決意で消費税増税に邁進しています。本やネットでは、財務省の勝栄次郎事務次官が野田政権を後ろで操って、消費税増税を推進させているという論調を見かけます。それは事実だと思いますが、私はさらにその奥に米国の意向があると睨んでいます。IMFが日本に消費税増税を勧告しているなど、怪しげな動きがあるからです。私の勝手な推論ですが、現在の日本政府は資金不足で米国債を買えなくなっているのではないか、それで米国から消費税を増税して米国債を買えという圧力を受けているのではないかと疑っています。
消費税を増税して米国債を買いますなどとは口が裂けても言えない野田首相は、それで社会保障と税の一体改革いう言葉をオウムのように連呼しているのではないかと思っています。もちろんこれは私の勝手な推論ですが。
さて本題に入ります。
今回は相場のプロである塚澤健二氏の、相場の色々なジンクスや数字の一致などを紹介したいと思います。私の知らないことを色々あって、この本は本当に楽しめました。
まずは、春分の日のジンクスです。
・・・<『そして大恐慌が仕組まれる』、p58〜p60から抜粋開始>・・・
長期的に見れば、為替レートは概ね購買力平価が示す方向に収斂(しゅうれん)していきます。しかし、短期的には、為替レートは投機筋の売り・買いのポジションによって変動するため、購買力平価が示す方向と大きく乖離(かいり)した水準を示すことも多く、その為替レートの大きな変動にも、ある周期性が認められる場合があります。たとえば、「春分の日のジンクス」というものがあります。毎年、春分の日が近づくと相場が大きく動くというもので、市場関係者の間ではまことしやかに語られています。では、そのジンクスは本当なのでしょうか−−−直近の例を見てみましょう。
まず08年は、週末3月16日に米連邦準備制度理事会(FRB)が緊急の公定歩合引き下げを発表、同日に米銀大手JPモルガン・チェースによる米証券大手ベアー・スターンズ買収も発表され、週明け17日には1ドル=100円台から、一時95円台までマイナス5パーセントのドル急落となりました。これは1995年8月以来、12年振りの円高水準でした。
09年も、FOMCの長期国債購入決定を受けて米長期金利が急低下、3月18日〜19日にドルは98円台後半から、一時93円台半ばまで急落しました。2日間の下落率は1998年10月以来最大の5.1パーセントに達しました。
2010年は、ギリシャ支援問題で世界が揺れ動く中、三大格付け機関の一つである「フィッチ・レーティングス」が3月24日、ポルトガルの格付けを「AA」から「AAマイナス」に引き下げました。それを契機に、ユーロ全面安、ドル全面高となりました。
さて、記憶に新しい2011年は、3月11日に東日本大震災が発生した後、ドル/円相場が3月11日82円台→3月18日76円台へと一気に7パーセント以上の円高となり、円は95年に記録した1ドル=79円の史上最高値を16年振りに更新しました。
リーマン・ショックが起きた08年以降、4年連続でこの「春分の日のジンクス」が起きているわけです。その背景は何でしょうか。春先のこの時期に、欧米諸国がグローバルな資金移動を行わなければならないような重大な事件が必ず生じてしまう−−−筆者には決して偶然とは思えないのですが。2012年もそれが起きるのか今から要注目です。
・・・<抜粋終了>・・・
では2012年に、春分の日のジンクスは起こったのでしょうか。
相場は、1月末から大きく動き出しました。株価の日経平均は、8千円台なかばから一本調子で上げ続け、今や1万円に乗せました。同じく円ドル相場も76円台前半から今や、83円前後まで円安になってきました。動き出しは、春分の日(3月20日)には少し早かったのですが、たしかに相場に大きな動きが起こりました。
次に日本の政権にも、ある種のサイクルがあるという話です。
・・・<『そして大恐慌が仕組まれる』、p65〜p69から抜粋開始>・・・
政権を動かす歴史の不思議
戦後の日本の4大長期政権といえば、吉田茂政権(1946年〜54年、在任期間8年)、佐藤栄作政権(1964年〜72年、同8年)、中曽根康弘政権(1982年〜87年、同5年)、小泉純一郎政権(2001年〜2006年、同5年)です。各政権は、それぞれ戦後の混乱期、昭和40年不況、第二次オイルショック、金融危機と、常に日本経済がどん底のときにスタートしています。経済のサイクルからなのかもしれませんが、それら長期政権は、ほぼ「20年サイクル」で出現していることがわかります。
逆に、短命政権の例を見てみましょう。それらは実は、国民の高い期待を背負ってスタートした例も少なくありません。たとえば内閣発足当初、2001年4月の小泉政権の80パーセントに次ぐ歴代2位の支持率75パーセントでスタートした鳩山政棒。結果的には国民の大きな期待に応えられず、09年9月16日〜10年6月8日の266日で終了しました。現行憲法の下での歴代首相の在任日数としては、鳩山政権は24位(短命ランキングでは6位)です。また鳩山政権同様、内閣発足当時は初の非自民政権として期待を集め、歴代トップ(当時)の支持率71パーセントでスタートした細川政権も同様に短命に終わりました。その在任日数は93年8月9日〜94年4月28日の263日。偶然にも鳩山政権と3日違いで、同政権は短命ランキング5位に位置づけられます。両政権とも高い支持率の下でスタートしながらも短命に終わったわけで、さらにその在任期間の株価の動きがほぼ一致しているという共通点もあり、歴史の不思議を感じざるを得ません。
一方、データをよく見ると、鳩山政権と細川政権には、11年の東日本大震災と95年の阪神・淡路大震災に関わる、奇妙な共時性も指摘され得ます。東日本大震災は鳩山政権誕生から1年と177日後、阪神・淡路大震災は細川政権誕生から1年と161日後に、それぞれ起きています。つまり2つの震災はともに非自民政権の誕生から2年目の年に起きているわけです。さらに、こんな事実もあります。東日本大震災は鳩山政権を引き継いだ菅政確のとき、阪神・淡路大震災は細川政権後の政界再編で誕生した村山政権のときに起きています。菅・村山両首相は、いわいる55年体制が敷かれた後に首相になった27名のうち、例外的に一度も自民党に属さずに首相になった人物であるという共通点もあります。また、両震災が発生した時刻を見ると、前者が2011年3月11日2時46分、後者が1995年1月17日5時46分です。奇しくもともに「1と1」が並んだ日の「46分」に発生しているわけです。
少々、因果律めきますが、「1と1」「46分」という数字と、世界を震撼させた大災厄の関連性を表すもう一つの例を挙げてみましょぅ。それは世界を震撼させた「9・11同時多発テロ」です。その発生時刻は2001年9月11日8時46分−−−偶然の一致にすぎないといわれればそれまでですが、この大事件にも「1と1」「46分」がからんでいるわけです。ちなみに、「55年体制」は吉田茂首相から鳩山一郎首相に替わることで誕生したわけで、その吉田茂首相の孫である麻生太郎首相から鳩山一郎首相の孫である鳩山由紀夫首相に政権がバトンタッチされたところで「55年体制」が崩壊に向かい始めたという一致も指摘されています。筆者はここでも歴史の不思議を痛感する次第です。
近年の政権交代劇について、識者は「5年で6回もの政権交代は多すぎる」と非難します。確かに政治が不安定になるという意味では正しいでしょう。ただ、短命政権=悪、長期政権=善と単純に位置づけてしまっていいものなのでしょうか。実際、佐藤政権時代には「いざなぎ景気」が起こり、中曽根政権時代には「バブル景気」の入り口をくぐり、小泉政権時代には「戦後最長の好景気」が続くなど、長期政権の時代は日本の長期間の景気拡大期と一致しています。しかし、筆者が前段までで述べてきたような「歴史の不思議」をかんがみるならば、政権交代には何か人為を超えた意志のような存在が関わっていて、日本だけではどうしようもできない無力感さえ感じられてきます。
筆者の「政権20年サイクル説」に従うと、次の長期政権は2020年頃に誕生することになり、そのとき、おそらく55年体制は完全に崩壊しているでしょう。その時点でもまだわれわれ国民は、長期政権=善、短期政権=悪という単純な図式だけを信じて政治を見ているのでしょうか。それは「歴史の不思議」が私たちに伝えるメッセージを、私たちがどう理解するかにかかっているように思います。
・・・<抜粋終了>・・・
上記の引用文で取り上げられた世界的な災害を時系列に並べました。
・阪神・淡路大震災...1995年1月17日5時46分
・米国同時多発テロ...2001年9月11日8時46分
・東日本大震災.....2011年3月11日2時46分
私はやっぱり最後の46分というのが気になります。
911テロは別として、阪神・淡路大震災と東日本大震災は自然災害なので、多くの人はこの46分を偶然だと思っていると思います。しかし私は単なる偶然だとは思っていません。でもその話は別の機会にしたいと思います。
次に今回のユーロ危機が投機筋の仕掛けによるという話です。
・・・<『そして大恐慌が仕組まれる』、p74〜p75から抜粋開始>・・・
ユーロ危機が投機筋の仕掛けを淵源とすることは、次のような事実からも明らかです。つまり、ギリシャ危機も、それに続いて起きたアイルランド危機も、ユーロ高が終了した後に起きているという事実です。ギリシャ危機は、米国がリーマン・ショック後の2009年3月から約1年間実施した第1次量的金融緩和策(QE1)により、ドル/ユーロ相場が09年12月末の1.51ドル/ユーロまでユーロ高となった後に起きています。またアイルランド危機も、10年8月、米国のバーナンキ議長が第2次量的金融緩和策(QE2)実施を発表し、ドル/ユーロ相場が2010年11月の1.42ドル/ユーロまでユーロ高となった後に起きているのです。そして、QE1もQE2も、その後に急速なドル高局面を招来しています。実は、直近の世界経済が抱える最大の問題である欧州債務危機も、2011年4月28日の1.488ドル/ユーロまでユーロ高となった後に拡大しました。「ユーロ高→ユーロ圏の経済成長率を下方修正→ユーロ圏の非主要国が十分な税収をあげられない環境づくり→非主要国が国債の利子支払いと元本返済に支障をきたす」という危機の構図はいつも同じです。
さて、ドル/ユーロ相場は11年10月7日の1.314ドル/ユーロでボトムを打ち、同年同月27日の1.42ドル/ユーロまで再びユーロ高となり始めています。果たして投機筋は、このユーロ高に眼をつけ、欧州債務危機を再燃させるような仕掛けを打ってくるでしょうか? それとも、オランダのデ・ヤーヘル財務相が言うように、次なる標的は巨大な債務を抱える日米へと定められるのでしょうか? いずれにしても、2012年1〜3月に世界的な債務危機が再び起きることだけは確かです。いよいよ2012年は、日米の債券市場が正念場を迎えることになりそうです。
・・・<抜粋終了>・・・
1月〜3月に世界的な債務危機が再び起きるとありますが、実際には起きませんでした。ギリシャは実質破綻したのですが、表面上は破綻していないことにして処理されることになりました。それによって相場は反転し、これまでのところ円に対してユーロが買われる展開となっています。
しかし塚澤氏が言うように2012年は日米の債券市場が正念場を迎えるという説に、私は同意します。以前紹介した吉田繁治氏は、今年の秋口から2013年に世界的な金融危機が起こる可能性を言っているのですが、その話はいつか機会を見つけて紹介したいと思います。
次は超高層ビルの呪いというジンクスです。
・・・<『そして大恐慌が仕組まれる』、p84〜p88から抜粋開始>・・・
米国一極集中と「バベルの塔」
いささかオカルトめきますが、「超高層ビルの呪い」というジンクスがあります。世界最先端の超高層ビル建設プロジェクトが経済危機を予兆する不気味な警告を発するのです。最初にこの「呪い」をかけられたのがアメリカです。1930年に「クライスラービル」(283m)、翌31年に「エンパイヤー・ステートビル」(381m)が完成しましたが、その直後に世界を大恐慌が襲いました。エンパイヤー・ステートビルは「エンプティステートビル(空室ビル)」とまで揶揄(やゆ)されたものです。その後、金本位制放棄のブレトンウッズ体制が崩壊した1970年代初頭に9・11同時多発テロの標的となった「ワールド・トレード・センター」(417m)と「シアーズ・タワー」(443m)が完成すると、その直後の1973年から1975年にかけて第一次オイルショックによる大不況が世界を襲いました。
この「超高層ビルの呪い」がアジアに波及したのは1997年、マレーシアの首都クアラルンプールに「ぺトロナス・ツインタワー」(452m)が完成した直後のことです。同ビルが「シアーズタワー」を抜いて世界一の超高層ビルとなった翌年、タイを発信源とする「アジア通貨危機」が発生、東南アジアを危機的状況に追い込んだのは記憶に新しいところです。
今回の欧州債務金融危機においでも「超高層ビルの呪い」のジンクスは当たりました。危機を予言するかのように2010年1月に完成した「ブルジュ・ドバイ」(824m)がそれです。さらに、今後もクウェートでその「ブルジュ・ドバイ」を抜く「マディナ・アル=ハリール(1001m)」が建設されるのをはじめ、ロシアや中国でも超高層ビルの建設ラッシュが計画されており、「世界ナンバー1」の座を巡る建設競争が繰り広げられます。それは「超高層ビルの呪い」がまだまだ続くことを意味しているように思えてなりません。世界的な金融危機には今後も注意しなければならないということでしょう。
わが国でも隅田川のほとりに2011年12月竣工(2012年5月開業)予定で634mの電波塔「東京スカイツリー」の建設が進められています。これはビルではなく電波塔ですので、「超高層ビルの呪い」からは逃れられるかも知れませんが、過去にはこんな事例もあります。1958年当時、日本一の高さ333mを誇る「東京タワー」が完成した後、「なべ底不況」が起きたのです。わが国にもまた「超高層ビルの呪い」による不況が訪れるのでしょうか。
この「超高層ビルの呪い」の起源は、聖書の創世記第11章第4節に登場する「バベルの塔」です。天まで届く塔の建設を始めた人間たち−−−その「統一言語」を混乱させ、お互いの言語を理解できなくすることで、神は建設を途中で止めさせました。いわゆる「神の怒り」の神話です。現代の「超高層ビルの呪い」の現実的な原因は、超高層ビルの建設プロジェクトの工期の長さにあります。景気循環の好況期の頂点で計画がスタートするため、完成前後には景気後退や金融恐慌に見舞われてしまう−−−つまりタイミングの問題です。ただ、何故か「神の怒り」の神話が本当にあるかのように、大不況とタイミング的に一致しているのは不思議です。
今、基軸通貨ドルの「特権」をめぐり、米国ではさまざまな意見が対立しています。これは神により統一言語を混乱させられ、お互いの言語を理解できなくさせられた『バベルの塔』の神話の再現のようにも見えてきます。米国一極集中の源泉はドル覇権にあり、それをベースに推し進められたのが「グローバリゼーション」です。これは実は拝金主義の統一価値基準=アメリカン・スタンダードに過ぎません。米ドルという通貨への幻想のうえに築かれた「砂上の楼閣」「蜃気楼」に過ぎないのです。そのことに世界が目覚める瞬間が近い将来訪れます。そのときに残される超高層ビルは、神話の「バベルの塔」さながらに見えることでしょう。
まだまだ続くであろう「超高層ビルの呪い」、それは各国のバブルの崩壊を予兆するものです。米国では「債務バブル」、中国では「不動産バブル」、そして日本では「債券バブル」−−−この3つの巨大バブルが同時に崩壊することを建設途上のビルは予言しているのです。そのとき、今回の福島原発事故の再現のように、再び我々は思考停止に追い込まれるでしょう。ただし、もう「想定外」などと甘えた言葉は許されません。
・・・<抜粋終了>・・・
ここで私事の余談を一つ。
神の怒りをかって建設を途中で止められたバベルの塔ですが、千さんのお爺ちゃんセッションの際に私が貰った絵葉書に以下のようなものがありました。

不思議に思った私は、次のセッションのとき、千さんに私が過去生でバベルの塔に関係していたのか聞いてみました。すると、そうだと言います。でも単に建設に関係していただけですよね、と聞いたら、「いいえ、政治的にも関係していました」と言われてしまいました。ううっ、またしても私は過去生で、ろくでもないことをしていたようです。
話はそれましたが、最後に株式市場と相撲の不思議な関係についてです。
・・・<『そして大恐慌が仕組まれる』、p92〜p95から抜粋開始>・・・
朝青龍引退と中国バブル崩壊
来るべきときが来たという感じでした。横綱朝青龍の引退劇です。横綱が不祥事を起こして、それを理由に自ら引退を表明したのは、1949年秋場所で腸カタルの診断書を出して休場し、その本場所中に日米親善野球を観戦していたことが発覚して引退に追い込まれた前田山以来のことです。朝青龍が部屋の大先輩にあたる3代前の高砂親方=前田山と同じ道を辿ったのは、歴史的な皮肉にも見えます。
朝青龍は入門時、体重106キロと軽量でしたが、猛げいこで激しい突き、押しやスピードあふれる取り口を磨き、初土俵から25場所と過去最速(注:年6場所制になった1958年以降では)で横綱になりました。優勝回数は大鵬、千代の富士に次ぐ歴代3位の25回。2005年の年6場所全制覇と7連覇は史上初の快挙です。また、数々の輝かしい記録と同時に、2007年に白鵬が横綱に昇進するまでの21場所で一人横綱を務めたことも特筆すべきでしょう。文字通り角界を背負ってきた名横綱、それが朝青龍です。
しかし、朝青龍はその実力の一方で、数々の粗暴な行為で土俵内外を騒がせもしました。皮肉なことに、愚行を重ねるたびに朝青龍の存在感は高まっていきました。たとえば、2007年7月夏巡業で休場届を出しながら、モンゴルでサッカーをしていた問題−−−その“騒動効果”で出場停止明けの2008年初場所は大盛況、初場所としては10年振りの7日間大入りを記録したものです。
学生服姿の「ファン太郎」キャラでCMに出演、数々の愚行でときに1ヵ月以上もスポーツ紙の一面を飾り、テレビのワイドショーを賑わせた朝青龍。そんなスポーツ選手は他には例がありません。それほどまでに好かれ、また嫌われた朝青龍、彼の引退は角界に大きな影響を及ぼしました。
実は、大相撲の動向と株式相場には深い関係が存在します。大横綱である千代の富士(在位81年〜91年)が君臨した80年代は内需バブル期、貴乃花(94年〜2003年)・若乃花(98年〜2000年)の若貴兄弟とハワイ出身の初の外国人横綱曙(93年〜2001年)と武蔵丸(99年〜03年)の日米横綱の90年代は内需・米国関連のボックス相場にそれぞれ相応します。モンゴル出身の朝青龍(03年〜2010年)と白鵬(07年〜)が活躍する2000年代は、いうまでもなく中国関連相場です。
まだあります。ブルガリア出身の琴欧州が大関に昇進し、横綱候補となった06年は、ユーロ関連株が大躍進。また、朝青龍は07年7月末に「仮病疑惑」で2場所出場停止処分を受け、その後08年にはケガで3場所連続休場。その翌年に初場所「復活V」を果たしましたが、上海総合指数もそうした彼の一連の動向とシンクロするように動きました。すなわち07年10月に5959とピークをつけてから08年10月に1809に暴落、その後09年8月には3478へと大幅に上昇したわけです。世間は彼の引退による相撲人気の停滞を心配しているようですが、真に憂慮すべきは朝青龍引退が「中国バブルの崩壊」の予兆である可能性です。そして、著者は横綱白鵬が引退する時こそが、「中国バブルの崩壊」が誰の目にも明らかになる瞬間だと予測しています。
・・・<抜粋終了>・・・
3月7日の記事「木村秋則さんの自然栽培」では、著書『百姓が地球を救う』から、肥料、農薬、除草剤を使わない木村さんの新しい自然栽培を紹介しました。
その『百姓が地球を救う』を読んでいて、私が非常に気になった点がありました。量が多くなるので、いっぺんには紹介できなかったのですが、日本で一般に栽培された農作物は、世界ダントツの一位で農薬を使っているという木村さんの指摘です。
これは私のそれまでの認識と大きく違っていたので、ホントに!? という感じでした。
日本で生産されている農作物は、世界レベルでみれば比較的安全で安心なものと思い込んでいたからです。それは2000年代初頭に、中国から安い農産物が盛んに輸入されるようになって、中国産農産物の残留農薬の危険性が社会問題化したことが大きいかもしれません。今でも中国国内の環境汚染は報道されていますし、中国人でも裕福な家庭は、割高でも安心安全な日本から輸入した食材を食べていると報道されています。それゆえ日本の農産物は安全だが、中国の農産物は危険だというイメージは、私だけでなく多くの日本人が持っていると思います。
しかし木村さんの指摘は、全く逆なのです。
日本は世界一の農薬使用国であり、その農産物はとても危険だというのです。以下のグラフは季節ごとに発行される木村さんの自然栽培の季刊誌『農業ルネッサンス』春号から抜粋したものです。『百姓が地球を救う』にも同じグラフが載っていますが、こちらはカラーで見やすいので、こちらを掲載します。

これは2010年の主要国の耕地面積あたりの農薬の使用量を棒グラフにしたものです。日本だけは2010年のデータが未集計なので2009年の値を使用しているとのことですが、文句なく日本は世界で圧倒的な一位です。日本の農産物は、世界一危険な状態にあるといってもいいかもしれません。これほど大事な事が、多くの日本人に知らされていないということは、ある種の意図があるのではないかと疑いたくなります。
信じがたいことですが欧州のある国は、日本に渡航する人に日本の野菜は危険なので、できるだけ食べないようにと書いたパンフレットを渡しているといいます。日本に住んでいる身からすれば、健康のためにできるだけ野菜を摂るようにとは聞きますが、健康のために野菜を食べないようにというのは聞いたことがありません。しかしこれが世界の現実のようです。私たちは本当に大切なことを知らされていないのかもしれません。
では、『百姓が地球を救う』(木村秋則著、東邦出版)から抜粋します。
・・・<『百姓が地球を救う』、p28〜p38から抜粋開始>・・・
日本は世界一の農薬使用国
日本の農作物は、本当に危険な状態になっています。
ある欧州の国は、日本に渡航する人たちに渡すパンフレットに、次のように書いています。
「日本へ旅行する皆さんへ。日本は農薬の使用量が極めて多いので、旅行した際に、できるだけ野菜は食べないようにしてください。あなたの健康を害する恐れがあります」
当地の大学教授から聞いた話です。ちょっと信じられませんが、あちらではそういう判断をしているのです。
そう書かれても仕方がないでしょう。いま、農薬の使用量が世界一多い国は、日本なのですから。
各種データを見てみると、日本は単位面積あたりで世界第1位の農薬使用国です。知らされていないだけで、本当は世界で最も危険なおコメや野菜、果物を食べている国民かもしれません。
第2位の韓国は近年、国を挙げて減農薬に取り組んでいます。かつて、2005年前後は日本と同じくらい農薬を使用していましたが、ここ5年で約30%の削減を達成しています。
中国は数年前まで、
「どれだけ農薬を使っているかわからないから、怖くて食べられない」
といわれてきましたが、実際は日本の約20分の1という少なさです。
20年ほど前、1990年の資料によれば、チューリップの生産で有名なオランダが世界一の農薬使用国でした。しかし各国から、
「農薬の量が多いので、おたくの花は買わないよ」
と批判され、国を挙げて使用量の削減に着手しました。そして、80%近くの削減を成し遂げ、いまは第3位になっています。
ほかの西欧諸国も、軒並み30%以上の削減をここ数年で達成しており、先進国のなかで上昇傾向を見せているのは日本だけという現状です。
日本は農薬のほか、おコメを生産する際に使われる除草剤の使用量も、調べてみると圧倒的に世界一でした。
農薬がこれほどまでに使われてきた背景のひとつとして、日本は気候が温暖で雨が多いために病気や害虫の発生が多いという、やむを得ない事情があります。
農薬は害虫をいちいち手で駆除する手間をなくし、除草剤は草取りという重労働から農家の人たちを解放してくれました。ただ、農家はその恩恵にどっぷり浸かってしまい、もはや農薬や除草剤なくしては生産できないと思うまでになってしまったのです。
病気の発生を抑えるために畑の土は消毒されます。そのときに使う農薬は、防毒マスクをしなくてはならないくらい刺激が強いのです。
そして、多くの田んぼからカエルやドジョウがいなく、畑は収穫したい農作物だけが整然と並ぶ場所になりました。こうしてできたおコメや野菜、果物を日本人は毎日食べているのです。
だれも語らなかった農薬の恐怖
いまでこそ無農薬・無肥料の自然栽培を実践しているわたしですが、養子に入った木村家で農家になった23歳ごろは、まさに“農業”をやっていました。農薬も化学肥料も、じゃんじゃん使っていたのです。
婿養子に行く前、実家も田んぼとリンゴ畑を持っていましたから、小学生のときにはすでに父の手伝いで殺虫剤や殺菌剤を撒いていました。その危険性についてしっかり教えてもらった記憶はありませんが、恐ろしさは身に染みてわかっています。
当時、パラチオンなどの殺虫剤、石灰ボルドー(石灰と硫酸銅の結晶)などの殺菌剤を撒いた田んぼやリンゴ畑には、三角形の赤い布に骸骨マークを描いた旗が目印として立てられ、立ち入り禁止を促しました。
事件が起きたのは、父がそのパラチオンをリンゴの樹に振りかけているときでした。
100メートルはあろうかという長いホースを使って広範囲に撒くわけですが、父はなにか考え事でもしていたのでしょう、リンゴの樹のてっぺんにパラチオンをかけながら、ポカンと口を開けたのです。パラチオンが一気に口に入ってくるや否や、突然走り去りました。わたしはどうしていいのかわからず、そのまま畑にひとり残っていましたが、いつまで経っても戻ってきません。仕方なく家に帰ると、疲れた表情の父が、「心配かけて悪かったな。すぐに病院に駆け込んだんだよ」とわたしの頭を撫でました。
パラチオンは「とにかく虫を殺してやる!」という強力な殺虫剤です。農家の人の健康など考えていません。もちろん、リンゴのことや、それを購入して食べてくださる消費者への心遣いなどゼロです。口に入ったらすぐに医者にかからなければならないほどの威力でした。
なんらかの悲しい理由で農家が自殺するときは、パラチオンを飲みます。100ミリリットルとか500ミリリットルの茶褐色のビンが、いかにも猛毒という雰囲気を醸し出しています。ひと煽(あお)りすると、窒息死します。わたしは見たことはありませんが、自殺の現場に遭遇した人の話では、畑をころころ転がりながら相当苦しんでから亡くなったそうです。遺体には顔に紫色の斑点が出ていたとも聞きました。
それでもわたしは、農薬を撒くホースを持ち上げたりするときも、軍手もせずに素手でやっていました。手のひらの皮が剥け、生まれたばかりの赤ん坊のような淡い赤紫色に変色するものですから、学校に行くと恥ずかしくて、ポケットに突っ込んだまま1日をやり過ごした思い出があります。
いまから約50年前の津軽のリンゴ栽培の実情ですが、「農薬で実らせる」といわれるくらい病気や害虫に弱いリンゴは、そうでもしないと収穫できなかったのです。もし農薬を使わないと、全体の90%がなんらかの被害をこうむるからです。
農薬を雪のように振りかけて
リンゴ農家の農薬撒布は8月いっぱいでひと段落です。
22歳の9月、農薬撒布が終わったころに、わたしは結婚しました。すぐに秋が来て、冬が来て、春になって再び農薬のシーズンが訪れ、そのとき初めて女房が農薬にすごく弱い体質だということがわかりました。
一日畑に出て作業すると、目の縁や耳の後ろ、二の腕の柔らかい部分などがただれて、翌日はいうに及ばず1週間ほど寝込むこともあったのです。
これでは畑に連れていくことはできません。
「お前は来なくていいよ、家にいなさい」
とおやじとふたりで農薬を撒布していました。
わたしたちは男同士という勢いもあり、農協から配られる農薬のマニュアルなど横に置いておいて、希釈率は2割増し、3割増しが日常茶飯事。水500リットルに石灰ボルドー500ミリリットル入れるところを、1000ミリリットル入れたりと、倍以上に濃くすることもしょっちゅうでした。
「どうせ撒くなら、強くしたほうがいいよね」
とものすごく強度なムードで撒いていました。
虫を殺す殺虫剤と、菌を殺す殺菌剤、この2種類の同時撒布もしていました。パラチオンと石灰ボルドー液を同時に撒くのです。2つを混ぜると化学反応が起きるので、撒布する直前に混ぜないと変質してしまいます。また、1回に大量に作るので、途中で雨が降って中止などということになると、大損害を被ります。天気を予測し、多くの場合は清々しい青空のもとで、害虫や病原菌を根こそぎ退治していました。
もう時効でしょうから懺悔のつもりで告白しますが、劇薬である水銀も使っていました。いまは使用禁止ですが、当時はまだ売っていて、強力な殺菌剤になったのです。丸く平べったいマーブルチョコレートのような形をした水銀の固体を、10リットルくらいの空のバケツに入れて、水を差しながら、ゴム手袋をはめて溶かしていきます。それを石灰ボルドー液のなかに混ぜて、より一層効果を得るのです。
生産性向上のためには手段は選びませんでした。虫や菌を殺せるなら、なんでもありだったのです。
当時、歌手の石川さゆりさんが津軽を訪れ、
「夏なのに、リンゴ畑は雪が降ったよう」
といったのは、石灰ボルドーで真っ白になったリンゴ畑を見たからでしょう。わたしの畑では1年に16回、近くを走る道路のアスファルトも白く変わるほど撒布していました。
胸を張れない仕事
石灰ボルドーはリンゴの内部には浸透しないため、皮を剥いて食べれば大丈夫とされていました。そんな事情を知らずに皮ごと食べる人もいたでしょうが、当時のわたしは消費者=他人のことなど気にしていません。農家はだれでもそうだったと思います。
残留農薬などの検査をすることもありませんでした。畑で収穫したら、そのまま箱詰めし、農協や当時弘前に2カ所あった市場に運びました。ここでも検査はされません。その先の流通段階でも検査機関はありません。基本的に全くチェックされずに消費者の手元に届くのです。
リンゴ洗浄機が開発されたのはこのころです。コンテナを開けると石灰ボルドーが付いたリンゴがラインに乗って出てきて、洗浄機のなかに入っていき、ブラッシングされます。お陰で見栄えは上々ですが、胸を張って出荷できるものではありませんでした。
ちなみに、リンゴの内部までは浸透しないとされる石灰ボルドーですが、古くなったリンゴの樹を伐(き)って薪にしたところ、この世のものとは思えない鮮やかな青色の炎を見せました。コバルトブルーよりも綺麗な青です。明らかに樹のなかに染み込んだ硫酸銅の影響でした。
・・・<抜粋終了>・・・
次に農産物に与える肥料についてです。
虫や菌を殺す殺虫剤や殺菌剤は危険だが、肥料は栄養分を与えているのだからまだ安全だろうと思ってしまいますが、そうではないようです。
肥料が深刻な環境破壊をもたらしているという米国の海洋大気局の発表があったようです。
・・・<『百姓が地球を救う』、p157〜p164から抜粋開始>・・・
肥料が環境破壊の真犯人!?
肥料について続けます。
そもそも肥料はなんのために施すのかといえば、農作物に栄養を与えるためですが、調べたところ、畑の農作物が吸収するのは肥料全体の10%、多くて15%です。畑に生える雑草たちが同じく10〜15%吸収します。畑の土に染み込んだまま残るのも10〜15%あります。つまり窒素を10キロ施すと、農作物と雑草と土が3キロから4.5キロを利用するわけです。
では、残りの5.5〜7キロはどうなるのかというと、施肥したあと数日以内にガス化し、亜酸化窒素となって大気中に漂います。
亜酸化窒素というのは、歯医者に行ったときにシュ〜と吹き付けられる、あの独特の臭いがするガスです。これが環境を破壊しているらしく、米国・海洋大気局(NOAA)は、 「肥料を撒いた農地から発生する亜酸化窒素ガスが、オゾン層を壊している主たる要因。全世界が、これらを使わない栽培を開発研究することが急務である」
と2009年8月にホームページに掲載しました。
これまでどこの国も発表してこなかった見解です。滅多なことでは公害について言及しない米国だけに、事態の深刻さをうかがわせました。
また、このガスは二酸化炭素の310倍の温室効果を持っていることもわかりました。
肥料を施すと、紫外線を防いでくれるオゾン層に穴を開け、そのうえ温暖化に拍車をかけるわけです。
オゾン層の破壊は、人体に有害な紫外線(UV)が直接、地表に到達することを意味します。シミ、ソバカス、シワ、タルミの原因となるほか、白内障や皮膚ガンの危険性が高まるといわれています。
温暖化も、いま世界中の海で起きている魚の大量死の原因といわれています。
海のなかに酸素が行き渡るには、酸素を含んだ表層水が、冬のあいだに十分冷えなくてはなりません。冷えれば密度が高くなり、海のなかに潜り込むからです。
しかし、温暖化で表層水が冷えないと海流が止まり、海のなかが酸欠になります。
農薬はもちろん、肥料も一切使わない栽培の一刻も早い普及が、地球規模で望まれているのは間違いありません。
硝酸態窒素の恐ろしさ
毎日食べる野菜やおコメの安全性について、農家やスーパーや八百屋さんを信じすぎてはいませんか?
「だって、JA(農協)がちゃんと検査しているんでしょ?」
「わたしが行くスーパーは、契約農家から直接取り寄せているっていうから、新鮮だし安心」
皆さん、なんら疑問を持っていないようですが、それは誤解といわざるを得ません。
福島第一原子力発電所の事故のあと、出荷可能とされた地区のおコメからも、次から次に放射性セシウムが検出されました。いったんは公的機関が太鼓判を押したおコメなのに、です。
これがなにを示しているかというと、和牛の全頭検査などとは違い、野菜やおコメは数量が多すぎるので、チェックするとしてもサンプル検査がせいぜいという現実です。最後の関門であるスーパーや八百屋さんも、大半のお店はその程度でしょう。
そもそも、農林水産省が設けている基準が、野菜やおコメが孕(はら)む危険性に対して、相当甘いのです。
たとえば、多くは葉もの野菜から検出される硝酸態窒素。これは、摂取量によっては生死にかかわる恐ろしいものなのですが、日本の野菜は、この硝酸態窒素がどれだけ残留していたらダメか、公には決まっていません。
欧米では厳しく取り締まっていますし、WHOも世界に向けて指摘しているのですが、農林水産省は、
「基準を設けるのは適当ではない」
と判断し、不問です。
その結果、一例としてEUでは基準値が2500〜3000ppm/kgとされているのに、東京・大田市場(東京都中央卸売市場)では1万6000ppm/kgという高数値が野菜から検出される始末です。
硝酸態窒素がどのようなものか、簡単に説明します。
野菜の生長には窒素、リン酸、カリの3要素が必要です。
そのうち窒素は、有機肥料として施す際は、アンモニア態窒素として撤かれます。野菜はこのままでは吸収できませんが、土のなかに棲んでいる硝酸菌という菌が硝酸態窒素に変えてくれるので、取り入れられるようになります。
また、窒素は化学肥料として施す際は、最初から硝酸態窒素として撒きますので、野菜は難なく吸収できます。
有機栽培でも一般栽培でも、野菜と硝酸態窒素は切っても切れない縁なのです。
これが人間にどんな悪影響を与えるかというと、硝酸態窒素を大量に含んだ野菜を食べると、酸欠を引き起こすのです。
ブルーベビー症候群という呼ばれる症状があります。ホウレンソウなどをすり潰した離乳食やベビーフードを食べた赤ちゃんが酸素欠乏症になり、口からカニのように泡を噴いて顔を真っ青にしたため、1980年代に主に欧米でそう呼ばれました。これまでに世界中で何千件もの事例があり、100人以上の赤ちゃんが亡くなっているといわれています。
また、硝酸態窒素は、人間の体内で発ガン性物質を生成する恐れや、糖尿病を誘発する可能性があるとも指摘されています。
慶應義塾大学大学院SDM研究科の調査によれば、ホウレンソウとチンゲン菜に含まれる硝酸態窒素は、有機栽培のものが突出して多いとのこと。推測ですが、これは未熟堆肥を使用しているためではないでしょうか。
小松菜において有機栽培の数値が低いのは、おそらく完熟した堆肥を使って育てたからではないでしょうか。
いずれにしても、自然栽培の農作物の数値の低さは注目に値するでしょう。
子どもというのは概して葉もの野菜が嫌いです。無理やり食べさせようものなら、小さな子は大泣きして拒否しますし、吐き出す赤ちゃんもいます。
これは、もしかすると硝酸態窒素が多量に含まれていることを本能的にキャッチし、小さな身を守るために、言葉では説明できないので、泣いてお母さんに訴えているのではないかなと、そんな気さえしてきます。
・・・<抜粋終了>・・・
中国産野菜の残留農薬では社会問題化し、さんざん報道されたので、日本産の農産物ではさぞかし厳密な検査をしていると思ったら、全くの幻想だったようです。特に硝酸態窒素に関しては、基準値さえ設けられていないというのは驚きです。これでは欧州の国が日本の野菜を食べるなというのは、当然という気がします。
私にも硝酸態窒素の害と思われる経験があります。
健康の為には野菜を多く摂るのがよいという常識に囚われていた私は、スーパーの惣菜コーナーで野菜ものを一品買うように習慣づけていました。数年前ですが、あるとき普段あまり食べないホウレンソウの惣菜を買って食べたのですが、その後急に体調がおかしくなったのです。他の野菜では体調がおかしくならないのに、ホウレンソウの惣菜だとおかしくなるのです。その後、確認してみようと思い、あえてまたホウレンソウの惣菜を買って食べてみたのです。すると前と同じく、体調がおかしくなったのです。もうこれで犯人はホウレンソウの惣菜だとわかりました。でもホウレンソウは体に良いというイメージを刷り込まれていた私には不思議でした。とにかくそれ以来、ホウレンソウの惣菜はいっさい食べないことにしました。いずれこの謎が解ける日が来るだろうと思っていました。
その日がついに来たようです。
『食べるな、危険!』(講談社)から抜粋します。
この本の発売は2002年で、中国産野菜の残留農薬が盛んに世間を賑わせていた頃です。
・・・<『食べるな、危険!』、p76〜p77から抜粋開始>・・・
中国からの輸入野菜が「毒莱」と呼ばれ、残留基準を超える農薬が続々と検出されていることは、最近マスコミの注目をあびている。
一方、国産野菜でも健康に深刻な影響を及ぼす危険物質が残留するものが多い。だが、このことはあまり知られていない。
化学肥料の過剰な投与によって、大量に残留した硝酸性窒素(しょうさんせいちっそ)が危険なのである。
欧米では、硝酸性窒素が多く残留する地下水を用いたミルクやホウレンソウの離乳食が原因での乳幼児の突然死が報告されている。
野菜の中に残留する硝酸性窒素は、乳幼児にチアノーゼ(酸欠症状)を引き起こすのである。
硝酸性窒素そのものの毒性は弱いといわれている。しかし、唾液によって口の中で危険な亜硝酸性窒素に変化し、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンの働きを阻害する。その結果、酸欠になり、大人は貧血、乳児の場合は唇が青くなるチアノーゼの症状がでる。
乳幼児は胃酸の分泌が不十分で、亜硝酸性窒素を生成しやすいので注意が必要なのである。
乳幼児以外にも、胃潰瘍など胃に障害のある人は注意が必要だ。
魚をよく食べる日本人の場合、亜硝酸性窒素がガンを引き起こす可能性が強くなる。
亜硝酸性窒素が胃の中で魚に多く含まれる二級アミンと反応して、発ガン物質であるニトロソアミンを生成するからだ。
糖尿病や腎臓病の原因になるという指摘もある。透析患者の多い地域と地下水に硝酸性窒素を多く含む地域が一致するからだ。
農薬との複合作用によって、さらに危険になることもわかってきた。
アメリカ、ウィスコンシン大学のワレン・ポーター博士が行った実験で、殺虫剤アルジカルブ、除草剤アトラジンと硝酸性窒素を組み合わせてマウスに与えたところ、環境ホルモン作用の結果として甲状腺ホルモン、免疫、体重、攻撃性などに変化が現れた。
影響が出た農薬や硝酸性窒素の濃度はかなり低く、実際に野菜に残留したり、地下水から検出されるほどのレベルだった。
ポーター博士は「農薬と化学肥料の複合作用は、現実にもっともあり得る組み合わせであるが、いままで公的なデータはない。今回、環境中に存在する極めて低い濃度で影響が出ることがわかったのだから、さらに調査を進める必要がある」と述べている。
・・・<抜粋終了>・・・
なるほどなあ、です。
日本は世界で農薬の使用量がダントツの1位であり、さらに年々その使用量が増えている現状をふまえれば、日本で癌の発症率が年々高くなり、ついに1位となったのも当然という気がします。私たちはこうした事実をもっと知る必要があると思います。
では次にF1種のように、人間によって都合のよい作物を作るために人間が自然界に手を入れたものについてです。
・・・<『百姓が地球を救う』、p176〜p182から抜粋開始>・・・
F1種というのは、一代雑種(一代交配種)といわれるもので、品種の異なる野菜を掛け合わせたときに1代目にだけ表れる、立派で形や大きさが揃う性質を利用した品種改良技術です。2代目からはこの形質は表れずバラバラになります。
F1種が開発されたお陰で、野菜は姿形が揃うだけでなく、生育も早まったうえに、たくさん収穫されるようになりました。
それまでの農家は、自分で育てた野菜から自家採種して、翌年もそのタネを蒔いて育てていました。こうして受け継がれてきたものを固定種といいますが、均一な野菜が大量に求められるようになったいまは、わざわざ自家採種して野菜を育てる農家はありません。
F1種の功罪
農家にとっては大変都合のよいF1種ですが、結果的にタネを毎年買うことになります。試しにF1種の野菜からタネを採って植えても、出来上がるのはバラバラの農作物だからです。たとえば、F1種の成熟したナスをそのまま土に埋めておくと、いろんな品種のナスが発芽します。もちろん、そのなかで生育のいいものを結実させて、また採種して、ということを繰り返すとタネは固定化されて原種に戻っていきますが、だれもそんな面倒なことはしません。
いま、こうしたF1種のなかに、どうしても育たないタネが出てきました。最近、わたしのところに来る生産者や家庭菜園を趣味にしている人から、
「F1種のタネを蒔いて芽が出でも発育しない」
「トマトが実をつけるころに枯れていく、茎から腐っていく」
という話を聞くようになりました。
わたしも6年ほどF1種のタネ採りをして実験してみましたが、確かに実がなるころに枯れていくものがあります。こうした農作物の茎のなかを見てみると、びっしり詰まっているはずの細胞が、空洞化していました。原因はよくわかりませんが、ちょっと人間がタネをいじりすぎているのではないかと思います。
さらに現在、種苗会社はもっとF1種のタネを効率的に作りたいと考え、雄性不稔(ゆうせいふねん)の利用を思いつきました。オスの生殖能力を持たない、子孫を残すことができないタネを作る技術です。
どういうことかというと、F1種は異なった品種の掛け合わせですから、自家受粉させてはいけません。そのため花から雄しべを手作業で取り除きます。これが非常に手間なので、突然変異で雄しべがない花を利用して、F1種を作ることにしました。この花の雌しべは、雄しべから花粉を得られないため、ほかの品種の花粉で結実します。
いま、市場に出回っているほとんどの野菜はF1種ですが、そのうえさらに雄性不稔のF1種になろうとしています。
消費者の皆さんは、自らが品質と量と安さを求めたために、オスの能力を失った野菜を食べざるを得ないところまできているのです。これは、社会問題化している若年男性の生殖能力の低下と無関係ではないともいわれています。
あらゆる問題は、実は消費者のニーズが発端であり、皆さんが意識を変えないかぎり農家の意識は変わらず、安心安全な食材を手に入れることはできません。
どうかそのことに気づいてほしいと思います。
生命力・免疫力の低下はなぜ起きているのか?
皆さんが食べているおコメの銘柄はなんですか? コシヒカリですか、あきたこまちですか?
それらはみんなモチ米との掛け合わせです。1970年代以降に品種改良されたおコメは、ほとんどすべてがモチ米の遺伝子を持っています。国民病といわれる糖尿病の急激な増加は、モチ米の栄養を含んだおコメを毎日食べていることに原因があるのではないかと思っています。
そもそもお餅は、お正月など、めでたいときに特別に食べるものです。糖分が多いため、「毎日食べるものじゃないよ」というのが古くからの常識です。
それが、甘い食味とモチモチした食感を好む現代人の要望に応えるかたちで、試験場が次々に新種を開発し、主食として毎日当たり前のように食べられるようになりました。
甘いおコメですから満腹感を得るのも早く、そう何杯もおかわりできません。ご飯だけで十分おいしいので、おかずが少なくても気になりません。結果としておコメの消費量は少なくなり、多種多様なおかずを摂ることもなくなります。
いま、パサバサして甘くない昔ながらのおコメは、ササニシキ、その親であるササシグレ、岡山の朝日米ぐらいでしょうか。そういった原種に近いおコメが日本人の主食の座を取り戻さないかぎり、糖尿病はもちろん、さまざまな病気は減らないのではないがと危倶しています。
世界一長寿を誇ってきた日本人でさえ、最近は肉体や精神の状態が悪化している感があります。人間の生命力がだんだん弱くなっている気がしてなりません。
同じように、動物の世界では口蹄疫のニュースが記憶に新しいところです。宮崎県ではたくさんの午たちが病気で命を落とし、蔓延を防ぐために人間の手で命を絶たれました。
鳥インフルエンザもありました。なんの罪もない、病気に冒されていない生き物たちの命もたくさん失われました。
わたしの友人の獣医は、牛を殺処分するために呼ばれました。ついこのあいだまで、「健康に育つんだよ」と診察していた牛たちを殺す側の医者になったのです。
「お前にはなんの罪もないのに……堪忍してくれよな」
背中をさすり、涙をこらえながら、もう片方の手に握った注射をお尻に刺したそうです。15秒から30秒で牛は倒れていきました。いまでも牛が倒れていく姿が目に焼き付いていて、夢に見るといいます。
むごい現場となった畜産農家の方々の心中は、いかばかりでしょう。大切に育ててきた牛や鶏が、役に立つことなく、ただ殺されていくのを見ているしかない。日本中がそのつらい思いを共有しました。
口蹄疫や鳥インフルエンザを拡大させた犯人は、渡り鳥だという説があります。しかし渡り鳥は、はるか昔から同じ時期に日本に飛んできて、次の場所へ渡っていくという行動を繰り返しています。それが、いまになってなぜこれほど病気を発生させるのでしょうか。
ウイルスに抗うことができなくなった牛や鶏は、人間に対してなにか警告を発しているのではないでしょうか。
わたしは家畜たちのエサに一因があるのではないかと思っています。畜産農家の方々がよかれと思って与えている飼料が、農薬に汚染されていたり、化学物質が大量に含まれているために、免疫力を低下させているのではないかと思うのです。
人間の言葉を話せない生き物たちの死を無駄にしないためにも、なんとか原因を突き止めて改善に努めることが、わたしたち人間に課された責任です。
・・・<抜粋終了>・・・
今の日本人の死亡率1位は癌です。
その癌に対し、以前から当サイトを訪問されている方はご存知だと思いますが、私は今の日本の癌の3大治療である、切除手術、抗癌剤、放射線治療を批判してきました。病院で癌だと診断されれば、必ずこの3つのうちどれを施すかを検討されることになります。
切除手術は癌細胞が転移した臓器ごと、切り取ってしまいます。抗癌剤は薬物(毒物?)で、癌細胞を攻撃するものです。放射線は癌を放射線で焼ききってしまおうということです。これら3つに共通していることは、すべて攻撃するということです。癌を攻撃することが、果たして適切な治療と言えるのでしょうか。私は大いに疑問に感じます。
人それぞれ個性があるように、癌になった原因も人それぞれです。
知らずに発癌物質を長期間摂取したということもあるでしょうし、誤って発癌物質を大量に飲み込んだというケースもあります。多いのは、不摂生な生活で体調を崩し、免疫機能が低下した場合です。さらに仕事や家庭での過度なストレスで、免疫機能が低下する場合もあります。こうした免疫機能の低下が癌の発症をもたらすのですから、治療というなら、その原因を取り除き、免疫機能を回復させるのが一番効果的なはずです。しかしいったん病院で癌と診断されたら、癌となった原因はいっさい考慮されません。癌の患部を攻撃する3大治療のどれにしましょうか、となります。病気の原因となった原因を取り除くのではなく、典型的な対症療法です。私は、こうした治療の発想が根本的に間違っていると思います。
311東日本大震災から1年が経ちましたが、この1年の間にテレビで盛んに癌の早期発見、早期治療のCMが流されていました。この癌の早期発見、早期治療という言葉は、私たち日本人の中に深く根付いてしまった感があります。誰もが信じて疑わない事実として定着したように感じます。もちろん私はこうした現象に、強い違和感を感じています。
そうした中で、『週間現代』3月17日号に、医療の専門家でも現在の癌治療を否定する記事を見つけました。タイトルは「長生きしたければ病院には行くな」で、癌のみならず降圧剤の弊害についても語られています。今の医療が対症療法になっているという批判だけでなく、癌検診や健康診断そのものすら必要ないといいます。今の日本人の大多数が信じていることを、まっこうから否定する意見で、私は大変興味深く読みました。
記事は新潟大学教授の岡田正彦氏と関東医療クリニック院長の松本光正氏の対談という形となっています。間違いなくこの両氏は、医療の専門家として圧倒的少数派だと思いますが、こうした専門家もいるということを知っていただければと思います。
・・・<『週間現代』3月17日号、p176〜p179から抜粋開始>・・・
誰しも、病気にはなりたくない。だから少しでも具合が悪くなったら、病院へ向かう。そこで医者に身を委ねて、病気の原因を早急に取り除いてもらえれば、健康が手に入る−−−それは間違いです。
降圧剤で脳梗塞が起きる
岡田 私の研究室では現在、2400人の健康状態を15年かけて追跡調査していますが、どの数値が悪いと病気になりやすいかを調べてみると、日本人の場合は圧倒的に“血圧”なんですね。
だから、血圧の数値を見ることは重要なのですが、日本高血圧学会の指針によれば、上が140mmHgまたは下が90mmHg以上だと高血圧とされます。指針では、高血圧の人は病院で食事指導と運動指導を行い、3ヵ月経っても改善しなければ薬による治療を行う、と定められている。
松本 学会の指針である以上、そうしなさいという命令ですよね。3ヵ月後に血圧の下がらない人には、医者は薬を出すように強制されているので、高血圧で病院に行く患者さんは血圧を下げる降圧剤を無条件に処方されてしまう。
岡田 では、高血圧の人たちを、降圧剤を飲むグループと飲まないグループに分けて、結果を見たらどうなったか。過去20年、様々な降圧剤について調査されましたが、どの場合でも長期的な寿命に差が出ないんです。
こう言うと、周りの医師からは「高血圧の人に降圧剤を与えると、脳卒中の発生率が下がるから飲んだほうがいいんだ」と反論されますが、薬によって脳卒中以外の病気が増えたりもするんですよね。
松本 脳卒中という病気の中でも、高血圧に関係する脳出血の割合はわずか1割強。高血圧に関係のない脳梗塞が、脳卒中の8割を占めています。しかも、降圧剤によって脳梗塞が起きやすくなる。43年間、医療に携わってきた私の現場感から言えば、薬を飲んでいるのに脳梗塞になるのではなくで、薬を飲んでいるから脳梗塞になりますね。
だからこそ、血圧が高いとすぐに降圧剤を出す医者には、おいおいちょっと待てと言いたい。人間は生きていくために、自ずと体を一番いい状態に保とうとする機能がある。血圧が高くなっているのにも理由があるわけです。それを姑息にも薬で下げてしまっていいのか、非常に疑問です。
私はよく、キリンの例を持ち出すんですよ。首が長いキリンは重力に逆らって血液を頭に押し上げてやる必要があるので、血圧が300mmHgもある。高血圧がいけないのなら、正常なキリンにだって降圧剤を飲まさないといけない。
岡田 なるほど、そういうことになりますね。実は、35万人もの人々を25年くらいかけて追跡調査し、血圧と死亡率の相関関係を調べた研究者がアメリカにいて、面白いことがわかっている。血圧が高くなるにつれて死亡率も増加していくことは想像がつきますが、血圧が一定以上低くなっていっても、やっぱり死亡率は上昇していくんですよ。
血圧が低い人には、めまいや、それに伴う交通事故、あるいは転落死、自殺などが多いためだと報告されています。加えて、松本先生のおっしゃる通り、降圧剤によって血流が妨げられ、脳梗塞を起こすことだって十分考えられると思います。
松本 実際、降圧剤を長らく飲んでいた患者さんが、飲むのをやめた途端に「頭がすっきりした」と話してくれたことがあります。逆に、私の患者さんで降圧剤をやめていた人が、近所の病院に行くようになってから降圧剤を飲み始めたところ、数ヵ月後に脳梗塞で入院したこともありますよ。
岡田 これは私どもの研究室でまとめた調査データですが、血圧が高いと認知症になりやすいけれども、認知症に罹った人を調べた場合、血圧が高い人のほうがその症状が軽く済むんです。無理に血圧を下げるとかえって症状が悪化する。
それなのに最近は学会が定めた基準値より少しでも高いと、その人の年齢や生活の背景を考えずに、病院ではすぐに降圧剤を出す。
松本 そうそう、性別や健康状態なども一切無視する医学というのはおかしい。すぐに血圧の薬が出てくるのは、今の医療が対症療法になっているからですよ。下痢をすれば下痢が悪い、熱が出たら熱が悪いで、そのたびに病院は下痢止めや解熱剤を出す。
岡田 こういう話を医師たちにすると、ほとんどの人が「そうなんですよねぇ」とおっしゃるけれども、「でもね」とその後で必ず言うんです。血圧が200mmHg以上もある人を目の前にして、降圧剤を出さないわけにはいかないと。その気持ちはわかりますが、降圧剤が有効な根拠がまだない。大切なのは、その事実を患者さんに伝えることです。
医者はがんを見分けられない
松本 普段から血圧の高い人もいれば低い人もいるのと同じく、がんについても人それぞれです。大きく膨らんだがんを手術で取り除いて、そのまま元気になる人もいますし、ごく微小ながんを手術して安心していたら、すでに転移していて助からなかったりする。
なのに医者は、どんな種類のがんでもとにかく早急に取り除こうとする。しかし、1mmのがんの中には100万個の細胞があって、医者が見つけられる大きさになっているときには、悪性のがんは転移してしまっていることが多い。手術しても無駄なんですね。
要するに、現在の医学ではどういう種類のがんなのかが判断できない。その結果、本当はする必要もないがん手術がたくさん行われているわけです。
岡田 がんの診断法は、専門医ががん組織の一部を切り取り、顕微鏡で見て良性か悪性かを判断するわけですが、ここに重大な問題があると思う。人の顔を見て善人か悪人か判断できないのと同じで、おそらく良性と悪性の間に無数の段階があるのに、それを2つのタイプにしか分けられていないのですから。
松本 がんの除去手術をした後で5年、10年と元気な人は、あのとき受けた手術か良かったのだと思うかもしれないけれども、実際は最初から転移するようながんではなかったと見たほうがいい。ちなみに私は、いつまでも転移しないそのような害のないがんを、“がんもどき”と呼んで区別していますよ。
それと、末期がんの人が手術を受けて、その後さらに抗がん剤治療をやり、苦しみながら死んでいくケースがよくありますね。
医者は手術をすれば、その患者が幸せになれると本気で考えているんでしょうか。私は末期の患者さんにこう言ったことがあります。「治療が手遅れで良かったですね、がんが早期発見されていたら、手術や抗がん剤投与でとても苦しい日々を送ることになりましたから」と。
岡田 日本でただ一例だけ、がんを放っておいたらどうなるかを調べた報告があります。手術も抗がん剤もすべて拒否するがん患者がいますけど、そういう人を7年間追跡調査したところ、死亡率は手術した場合と変わらなかったというんです。
松本 私の患者さんに何人もいますね、がんはだんだん大きくなっているのに、治療しないまま何年もピンピンしている人が。
実は、私の母が肺がんと告知さ来てから、病院での治療は全くせずに12年も生きたんですよ。その間、ハイキングや旅行などの趣味人生を堪能していました。
岡田 がんは早期発見・早期治療が大切であると、みなさん当たり前のように思っておられますが、それは大いに疑問なんですよね。
たとえば、いま国は盛んに乳がん検診を勧めていますけど、検診を受けた人と受けていない人を追跡調査すると、これまた両者の寿命に差がないことがわかっている。これは乳がんに限らず、どのがんも同じです。
松本 厚労省は肺がん検診も勧めていますが、国も国なら医者も医者で、がん検診の無意味さに気づいていない。別に検診自体が悪いというわけではなくて、その後に付いてくる諸々の治療が悪いということです。
健康診断は受けなくてよい
岡田 私は病院に行くエネルギーを、病気の予防のために使うべきだと思う。検診や治療をしても寿命は変わらないと再三にわたって言ってきましたが、適切な予防をすると、寿命が10〜30%も延びることがわかっていますから。
タバコをやめるだけで死亡率は20%低下するし、野菜や果物をよく食べる人は、食べない人よりも10年後の死亡率がやはり20%ほど下がる。さらに、軽い運動をする人と全くしない人とでは、10年間でがんの死亡率が20〜30%違うことがわかっています。
松本 普段の生活習慣の改善のほうがいかに大切かということですね。ランニングや散歩はあまり効果がないことが最近わかってきて、スロージョギングがいい。これは認知症の予防にもいいと言われています。あとはつねに笑いを絶やさず、前向きでいること。
岡田 これを言うと多くの人に怒られるんだけど、歩数計をつけて一日に多く歩くことと、長生きすることとは関係ありません。対して、運動内容は問いませんが、脈拍数が少し上がるくらいの軽い運動を1日に30分、週に3回以上やった人の寿命は明らかに長い。
松本 先ほどがん検診の話が出ましたが、春になると、病院や会社で健康診断を受ける人も多いでしょう。この時期、きちんと健康診断を受けたほうがいいか相談に来られる患者さんがいますが、私は「別に受けなくてもいいんですよ」と言います。実感としてですが、真面目に健康診断を受けてきた人が長生きしているとは、とても思えないからです。
岡田 こんな調査がヨーロッパで行われました。対象者をランダムに2つのグループに分けて、片方には毎年きちんと健康診断を受けさせ、もう一方のグループには受けさせないようにして、どんな違いが出るかを、5年、10年と追跡した。
すると、両者の寿命にはまるで差が出なかったんです。外国では同様の調査がたくさん行われていますが、結果はどれも同じ。健康診断を受けたほうが良いことを証明した調査は、いくら探しでもひとつもない。
松本 非常に興味深いですね。そもそも、最近の健康診断は検査項目が多すぎるんです。本当に必要なのは、体重測定と血糖値くらいでしょう。むしろ問題だと思うのは、メタボ検診で要注意とされる基準値が低く設定されていることです。
岡田 そうですよ。実は、メタボ検診が始まる直前に専門家の間で論争があって、それまでの基準値だった110mg/dl(空腹時血糖値)が、100mg/dlへと引き下げられたんです。血糖値の基準値が10下がると、異常と判断される人は25%も増えるので、それを知った瞬間ゾッとしました。
松本 結果、要精密検査に回される人が増え、病院は治療費で儲かる。それが意図的に行われていることが、なんとも腹立たしい。
岡田 しかも、健康診断を受けている人と、受けていない人とでは寿命に差が出ない。健康診断によって異常が見つかり助かったという人もいるかもしれません。しかしその一方で、病院で余計な治療や薬を施されたばかりに寿命を締めてしまったという人も、同じくらいいるのではないか。つまり、真面目に健康診断を受けている人に、何らかのマイナス作用があるとも考えられるのではないか。むしろ私は、諸々の基準値を緩和して、“患者”をなるべく減らしたほうが、日本人全体の寿命は延びると主張しています。
がん検診もX線検査も不要
松本 全く同感ですね。長生きしたいのならば、病院には行かないほうがいい。健康診断を受けに病院に行かなきゃと思うことが、ストレスになりますしね。健康診断の時期が近づき、イヤだなと思って過ごす期間が1ヵ月くらいあって、そのあと結果が出るまでまた1ヵ月ほど気分が落ち着かない。健康を診断するイベントのせいで1年のうち2ヵ月以上も、「半病人」として不健康に過ごさないといけないわけです。
加えて、検査方法がまた問題で、原発事故で放射線がこれほど問題になったにもかかわらず、なぜ放射線を浴びせるX線検査をやるのか。放射線は細胞のDNAを壊しますから、胸のレントゲン写真を1枚撮っただけでも必ず害はある。
まだ若いのに胃のレントゲン検査を希望する女性も多くいます。「体に良くないからやらなくてもいいよ」と伝えると、大体考え直してくれますけどね。
岡田 医師は「被曝量はわずかだから大丈夫」と主張しますが、日本人の寿命を延ばしたければ、放射線検査を直ちにやめることです。がん検診は任意だからまだいいとしても、私が絶対にやめるべきだと思うのは、国が勤労者に課す胸部X線検査。イギリスの研究チームは、日本人が罹る全てのがんのうち、3.2〜4.4%はX線検査が原因だと結論づけているんですよ。しかもサラリーマンはあれを拒否することがなかなかできない。
松本 私の住むさいたま市の場合、X線検査で3万人のうち5人くらいの割合でがんが見つかるんです。ということは、残りの2万9995人は、放射線をかけられて害を被るだけ。ほとんどの人にとって、X線検査なんてやる意味はないんです。考えてみれば、われわれは小学校から毎年、X線検査を受けさせられてきたわけですけれど。
岡田 過剰検診・過剰医療には様々なマイナスがあると思うんです。たとえば検診で引っかかって病院に通ったために、インフルエンザに感染してしまったとか、薬を飲んでアレルギーになったとか。あるいは定期的に通院している人ほど交通事故に遭いやすいというデータが実際に海外で報告されています。病院へ行くのは気の重いことだから、うつむき加減で歩き事故に遭う確率も高くなる、というわけなのでしょう。
そうした小さなマイナスが積もり積もって、治療によるプラス分を打ち消しているのではないか。医師は薬の副作用などによるマイナスよりもプラスのほうが大きいと信じているから治療をする。けれども、私は医療の過程をトータルで考えれば、プラス・マイナス同じくらいか、逆にマイナスのほうが上回っていると考えているんです。
松本 問題は、日頃からの予防を軽視して、医者に病気を早く発見してもらおうという人々の気持ちと、早期に治療を施せば患者は長生きすると教育され、それを心底信じきって疑わない医者の気持ちが、結果として長生き・健康を妨げる方向に働いてしまっていることなんです。
病院は、“日常生活の結果”を判断する機関にすぎないわけですから、それに自分の命を預ける必要はありません。
・・・<抜粋終了>・・・
20世紀の農業は、工業化されたものと言えると思います。
大量の農薬、肥料、除草剤を撒いて規格化された農産物を大量に作るというのが基本でした。そうして撒かれる農薬、肥料、除草剤がそこで生産された農産物だけでなく、農地や河川などの環境を汚染していることは、多くの人が認めていることだと思います。
こうした農法に対する反省から、近年は有機農法が注目され、化学合成された農薬や除草剤をいっさい使わない農産物が一部の人々に支持されるようになっています。私は(現在は)外食が中心なので、有機栽培された農産物を食べる機会はほとんどないのですが、それでも緑茶だけは有機栽培されたものを飲んでいます。値段は普通の物に比べて3倍近くするのですが、貧乏人の私のささやかな贅沢というか、有機に対するささやかなこだわりというところです。
そんな折、木村秋則さんの『百姓が地球を救う』(東邦出版)を読んで、頭をガンとやられる思いでした。有機栽培もまた、環境を汚染するものであることや、一般に栽培された農産物と比べて、それほど優れた食品ではないことが書いてあったからです。有機は身体に良い物というイメージを持っていた私は、かなり驚きました。
今回は、この木村秋則さんの自然栽培法を紹介したいと思います。
私は知らなかったのですが、有機栽培の世界的な先進国はドイツだそうです。
有機栽培に取り組んだことのある木村さんは、一度ドイツに行って学んでみないと思っていたといいます。しかし木村さんは、そのドイツでの講演会で有機栽培に対する強烈なパンチを浴びせることになります。
そんな話題から紹介したいと思います。
・・・<『百姓が地球を救う』、p109〜p115から抜粋開始>・・・
有機栽培の世界的リーダーは、欧州一の工業国・ドイツです。オーガニック80年の歴史があります。
世界141カ国に対して有機栽培の指導を行っている国ですから、わたしも一度は行って学んでみたいなあと思っていたところ、なんと同国の有機栽培認証団体・デメター(Demeter)から招かれ、農場を見学できることになりました。デメターは、ドイツのオーガニック製品を推奨・認定する団体でとても権威があります。そのデメターから講演まで依頼されたのです。小さな背中に日の丸を背負った気がしました。
フランクフルトの講演会場に入り、まずドイツ語通訳の方と打ち合わせ。わたしは彼をあまり困らせないように、いつもの津軽弁をできるだけ標準語に近づけて話しました。すると通訳の方がいいました。
「ありがとうございます。ただ、ひとつだけお願いがあります。日本人は悪い癖があります。結論を最後にいうことです。ドイツでは、結論は最初にいってください」
確かに、官僚や政治家のように本題から外れた話を長々と聞かせるのは、わたしもよしとしません。忠告を受け入れ、満員の聴衆に向けて講演をスタートさせました。
ところが、通訳の人が一向に訳してくれません。ちょっと困った顔をわたしに向けて、「ドイツ語にしていいですか?」と聞いてきます。
「えっ?」
「訳していいんですか?」
「ええ」
「本当に訳していいんですね?」
3回も確認してきました。なぜ躊躇しているのかわかりません。聴衆も怪訝そうな雰囲気です。
「どうぞ、訳してください。結論ですから、最初に伝えてください」
そういうと、ようやく納得したようで、わたしの結論をドイツ語に訳してくれました。
その瞬間、ドイツの人たちが一斉に大憤慨しました。ブーイングとともに、革靴でコンクリートの床を踏み鳴らすのです。音がだんだん共鳴して高くなり、会場は異様な空気に包まれました。通訳の方は、「ほら、ね。だからいったでしょ」といった風情で、ソソクサと舞台を降りてしまいました。
それほどドイツ人を怒らせたわたしの発言、それは、
「あなた方は間違っている。80年間、いったいなにをしてきたのですか?」
というものです。
講演の前に見学させてもらった有機栽培の農場で、彼らはピンポン球のような小さなジャガイモを手に乗せ、わたしに、
「80年のあいだ、肥料もなにも使っていないから、これぐらい小さくなってもしょうがない」
といいました。憧れのドイツは、「肥料がないから仕方がない」というレベル。もしかして研究があまり進んでいないのかと感じました。
デメターの有機栽培をチェックしていくと、ひとつ、決定的な要因が欠けていました。わたしはキッパリいいました。
「あなた方のジャガイモが小さいのは、土の温度が低いからです」
地中の温度を測って考える
実際にデメターの畑に穴を掘って温度を測ると、わずか10センチ掘っただけなのに地表面よりも8℃も下がりました。どんな野菜も冷たいところは嫌いなのに、その冷たいところに、深さでいうと10.5センチの地中にタネを蒔いたため、ピンポン球の大きさまでしか育たなかったのです。大規模農場でタネを蒔く場合、機械の都合でそのくらいの深さになってしまうわけです。
わたしは農作物のために、ところかまわず穴を掘って温度を測ります。自然の山の場合、50センチ掘っても温度差は1℃あるかないかです。一般栽培の畑の温度を測ると、深さ50センチの土は表面の温度よりも8℃ぐらい低く、これまでに最もひどかったところでは12℃も低いことがありました。
なぜそうなるかというと、ひとつは硬盤層(こうばんそう)という、硬い土の層の影響です。効率よく作業を進めるために、トラクターなど何トンもある重たい農業機械を畑に入れ、土の上を何度も行き来するうちに、土を固めてしまいます。確認できる表面付近の土はフワフワサラサラに見えても、10〜15センチ下はカチカチになっているケースが多く、農作物の根はここを突き破ることができません。
硬盤層ができるもうひとつの理由は、バクテリアです。肥料・農薬・除草剤を使うと、バクテリアが働かなくなります。
地球上の人口はいま、70億人を超えたといわれています。では、バクテリアはというと、たったひと握りの土のなかに、60億とも70億ともいわれる数が棲んでいます。肥料・農薬・除草剤によって彼らがお休みしてしまうと、固くて冷たい土になってしまうのです。
80年間もオーガニックに取り組んできたデメターの農場ですが、地中10〜15センチには、以前に使われていた肥料・農薬・除草剤のせいでできた固くて冷たい土、バクテリアの活動が弱い硬盤層があったと思います。重たい農業機械で踏み固めていたのかもしれません。
「そこまでわたしたちのやり方を批判するなら、あなたのやり方を見せてほしい。木村さん、この畑にジャガイモを植えてみてください」
デメターの人から挑発されました。
わたしは、彼らが10〜15センチぐらいの深さにジャガイモを植えたのに対して、5センチ掘っただけの浅いところに埋めました。浅く植えるのは機械では無理なので、すべて手作業ですが、土のなかの温度がどれほど大切かを知っていれば、それは当然です。
さらに硬盤層を壊せば完璧ですが、時間の関係でできませんでした。硬盤層の下にはあり余るほどの養分があり、根がそこまで伸びると効果はてきめんに現れ、農作物が思うように育つのですが……。
わたしの植えたジャガイモがどんな姿で収穫されるのかを想像しながら、ドイツを発ちました。
翌年の6月、デメターの畑で収穫されたジャガイモが送られてきました。同じ土に同じものを植えて、驚くほどの違いが出たわけです。
・・・<抜粋終了>・・・
木村さんの行なう自然栽培は、農薬はもちろん肥料も与えません。
ここが有機肥料を与える有機栽培とまったく違うところです。農業従事者だけでなく、私達は農産物を育てるには、肥料が必要という固定観念を根強く持っています。その点で、木村さんの自然栽培には驚かされます。
次に、木村さんが有機肥料の有害性に気付いたエピソードを紹介します。
・・・<『百姓が地球を救う』、p149〜p152から抜粋開始>・・・
わたしは自然栽培にたどり着く前に、有機栽培を経験しています。無農薬でリンゴを育て始めて2年は、化学肥料は使いませんでしたが、有機肥料=堆肥(バーク堆肥)を施していました。
有機とは、「生命があるもの」と考えるとわかりやすいと思います。生命がないものでも紙、砂糖などは有機物ですが、いずれも安心感のある物質です。有機物は必ず炭素を含みますから、「燃やすと黒く焦げたり二酸化炭素を出すもの」と覚えるのもよいでしょう。
無機とは、有機以外のもので、金属やガラス、気体などです。水や塩、二酸化炭素や酸素は無機物です。
わたしは農薬を一切使わないと決意してから独学を始め、よく通っていた肥料・農薬販売店の社長さんから、
「木村君、これ、読んでみないか」
と奨められたJ・T・ロデイルが書いた『有機農法』で、有機肥料を使う方法を学びました。
牛、豚、鶏などの家畜のフンは動物性の有機肥料となり、葦(あし)などの植物、米ぬか、ナタネの油かすなどは植物性の有機肥料となります。
わたしも有機肥料を作ろうとして、兄や仲間たちと一緒に堆肥場を設け、乾燥した鶏糞に稲藁や籾殻を混ぜたり、「リンゴに使うと甘くなるよ」といわれて魚滓(さかなかす)を入れたりしました。
しかし、出来上がった堆肥をいざ畑に施すと、もう真っ黒になるほどアブラムシが大量発生するではありませんか。とても人力で処理できる数ではなく、殺虫剤で駆除するしか策がありませんでした。
わたしは自分の堆肥のどこがダメなのかと、また手当たり次第に本を買って勉強しました。有機肥料の作り方使い方、堆肥の作り方、家畜糞尿について−−−いったい何冊読んだでしょうか。
大自然にとっては堆肥も異物
そんなとき、ニワトリを飼って卵を生産している知り合いの養鶏業者が、大量に出るうんちの処理に困り、自分が持っている山に穴を掘って生糞を埋めていると耳にしました。話を聞くと、満杯になるまで1年ぐらい使える大変大きな穴で、いっぱいになったら上から土をかぶせ、また近くに穴を掘って排泄物を埋めているといいます。
「その山を見せてくれないか」
しばらくして案内してもらうことになりました。
「木村、ここだよ」
現場に立って驚きました。その山には、草1本生えていないのです。土のなかには肥料ともいえる糞尿がたっぷりあるはずなのに、周辺の草木まで枯れているのです。見渡すかぎりのハゲ山です。なぜでしょうか?
結論は、生糞は害があり、わたしが作った1年寝かせて1回発酵させた堆肥も「未熟な堆肥」ということでした。栄養分どころか、毒になるのです。4年も5年も冬を越して完熟させないと、有機肥料といえども虫を呼んでしまい、農薬に頼らざるを得なくなるのです。
たとえば二十日ダイコンのタネを蒔いて、虫1匹来ずに二十日ダイコンができたら、使ってもいい完熟堆肥の証拠です。あるいは堆肥を一斗缶に少し入れて水を満たし、金魚を泳がせて1週間以上生き続けたら、その堆肥は完熟している安全な栄養分ですから畑に使ってもいいのです。
でも、4年も5年もかけて堆肥を作るのは大変です。途切れることなく作るとなると、広いスペースが必要で、個人で行うのは困難です。完全な有機堆肥作りは諦めるしかありませんでした。
わたしは思いました。
「化学肥料も堆肥も、無機も有機も関係ないのではないかな。そもそも土のなかに人間の知恵をつぎ込もうとすると、必ず自然はしっぺ返しを用意してくる……」
畑が「騙されないぞ」といっているような気がして、わたしは以後、肥料も一切与えない方法を模索し始めました。
・・・<抜粋終了>・・・
自然栽培と聞くと、人間の手をいっさい入れないで放置しておくようなイメージがありますが、木村さんの言う自然栽培はそうではないといいます。
子供を育てる親のように、庇護が必要な幼少期は愛情を持って育てる必要があるといいます。農薬は肥料をいっさい使わないかわりに、その農作物が持つ性質を理解し、その作物が育つのに一番の環境を整えるのが人間の仕事だといいます。木村さんは自然栽培を簡単な数式で示しています。
自然栽培 = 今までの農法 − 農薬・肥料・除草剤 + 人の「目」と「手」
こうして自然栽培で育てた作物は、腐らないといいます。
放置しておくと腐らずに“枯れる”んだそうです。以下は、枝豆の腐敗実験の写真です。左がこれまで行なわれてきた通常の一般栽培のものです。真ん中が有機栽培で育てられたものです。そして右が木村さんの自然栽培で育てられたものです。それぞれ15日間放置して、どのように変化するかみたものです。p219から抜粋して紹介します。

農作物が腐らないという単純な事実に驚いてしまいます。
20世紀の大量の農薬・肥料・除草剤を使う以前の時代の農作物は、こうしたものだったのかもしれません。だとすると現代に住む私達は、本来の農作物とはかけ離れたものを食べていると言えるかもしれません。
次に、本題とは離れますが、自然栽培が子供の成長にも貢献するというエピソードを紹介したいと思います。
・・・<『百姓が地球を救う』、p185〜p189から抜粋開始>・・・
至極の体験が心を変える
少年院に行ったこと、ありますか? わたしはあります。入れられたのではありません、ちょっと前に授業に伺ったのです。
少年院には12歳から16歳未満の子どもがいる初等少年院と、16歳から20歳未満がいる中等少年院、そして犯罪傾向が高まった子どもを収容する特別少年院、また、心身に問題がある子どもが入る医療少年院があります。
わたしが訪れたのは16歳より下の子どもたちが集まっている初等少年院でした。
「更生教育のために農業をやらせたいんです。教えてやってくれませんか?」
院長さんからそんな依頼が来ました。
「革製品の加工やクロス貼り、クルマのタイヤ交換などをやらせていますが、なにか違うんじゃないかなあと。カリキュラムをただ消化しているだけになっているようで……」 とのことでした。
一方、農業は土作りから始めて、環境を整備し、タネを蒔いて、農作物を一から育てなければなりません。そこには必ず心が伴いますので、若い人の人間形成には最適です。人作りができるのです。
ただ、わたしにとっては思ってもみなかった依頼でもあり、さすがにちょっと躊躇しました。聞くところによると参加するのは男女合わせて18人。生意気盛りの少年少女を相手に百姓仕事を教えるのです。わたしにできるでしょうか……。
意を決して臨んだ1回目、地域の方々が開放してくれた近くの畑に出かけて、みんな一緒に野菜のタネを蒔きました。やんちゃ坊主おてんば娘たちは、はっきりと壁をわたしに向けて作っていました。
2回目、「また百姓仕事かよ」といった雰囲気がアリアリで、初回よりもさらに険悪です。
しかし3回目、ぞろぞろと畑に出た瞬間、子どもたちの目がパッと輝きました。態度も一変、身体中に元気が漲(みなぎ)ったのです。
芽が出ていたのです。自分たちの蒔いたタネが発芽したのです。
「ねぇ、先生! どうしたらいい? 水やる?」
「ここに虫がいるよ。捕る?」
わたしはようやく先生に昇格できました。
生徒たちに伝えたのは、愛情を持って育てなければいけないということです。野菜に対しても、土に対しても、虫に対しても、すべてのものに。
まだ本当に小っちゃな芽が一人立ちできるまで守ってあげること、土が水分や養分を供給し続けられるように注意すること、鳥や虫がやってきて食べてしまわないように観察すること、などなど。悔しい結果にならないように、みんなで気持ちを込めて育てなければなりません。また、肥料や農薬を使ったら簡単にできますから、それに頼らずに、
「農作物の持っている力を信じて、なにも与えずに育てなければならない」
と、何度もいって聞かせました。
4回目、5回目と授業を重ねるうちに、生徒たちは自分から近づいてきて、
「木村先生、ぼくが育てたトマトが実りました」
「わたしのトウモロコシもできたんだよ」
といいにくるようになりました。
そして最終回、収穫の日。
大豆やトマト、トウモロコシなどをそれぞれが畑でもいで、テーブルを囲んでみんなでいただく瞬間がやってきました。
ところが、だれひとり食べようとしないのです。
自分が育てた野菜がいとおしくて、手をつけられないのです。
「それちょうだい」
「お前の食べさせて」
みんな、自分の野菜はあとにして、ほかの人が育てたものを食べようとします。そして口々に、「旨い」「おいしい」「甘い」と驚嘆の声をあげ、ようやく自分が育てたものに手をつけました。
神妙な顔になって、慈しむように口に入れました。
「おいしい!!」
「いやぁ、サイコ!!」
明るい声が響きました。みんな、いい笑顔。これぞ至極の食です。
肥科や農薬を一切使わない自然栽培には、自分の力を信じさせる効果や、人の心を豊かにする可能性があるのではないかと思います。
・・・<抜粋終了>・・・
こうした木村さんの自然栽培ですが、単に一個人の農法というわけではなく、このところ着実に広がり始めているといいます。農業の専門家の中には、木村さんの自然栽培を第三の農業革命ではないかと言っている人もいるようです。FAO(国連食糧農業機関)によって認められたというのも大きいのかもしれません。
・・・<『百姓が地球を救う』、p202〜p204から抜粋開始>・・・
第三の農業革命「自然栽培」
自然栽培が知られるようになったのは、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でわたしのリンゴ畑が放映された4〜5年前からです。まだ実施している人はそれほど多くないのですが、2011年に入ってから大幅に増え、学識者の一部から、
「これは第三の農業革命である」
といわれるようになりました。
それによれば、農業革命のいちばん初めは「緑の革命」です。
化学肥料、化学農薬、農地整備、品種改良により、収量の増加と安定供給を成し遂げました。
第二の革命は、1990年代に販売が始まった「遺伝子組み換え作物」です。
大企業や産学連携によるバイオテクノロジーで、人工的なおコメ、穀物、野菜、果物を作り上げました。
第三の革命は、21世紀の「自然栽培」です。
生物の多様性と関係性を利用し、無肥料・無農薬・無除草剤での栽培を可能にしました。
そして2011年、わたしが指導した自然栽培の実験田がある石川県能登地域と、新潟県佐渡市という2つの地域が、FAO(国連食糧農業機関)によってGIHAS【ジアス】(世界重要農業遺産システム)に認定されました。日本初、先進国で初めての快挙です。
認定にあたり、わたしの自然栽培は肥料・農薬・除草剤を使わない『自然栽培AKメソッド』(Natural
Farming AK Method=木村秋則式)として紹介されました。津軽のいちリンゴ農家の栽培法が、能登の水田による実績で、国連機関に認められたことは画期的です。
自然栽培の正当性や将来性、そして責任をひしひしと感じた瞬間でもありました。
・・・<抜粋終了>・・・
最後に木村さんの自然栽培に取り組んだ農家の心温まるエピソードを紹介したいと思います。
・・・<『百姓が地球を救う』、p208〜p211から抜粋開始>・・・
これは、わたしに賛同してくれている、ある一家の話です。
そこのオヤジさんが、
「これからは自然栽培で、肥料・農薬・除草剤を使わないおコメ作りをやっていこう」と一大決心しました。そして、
「木村、教えてくれ」
ということでスタートしました。
初めの年はよかったのですが、自然栽培の性質上、やはり2〜3年目から減収し始めました。なにをやっても収量は上がりません。15町歩あった田んぼのうち、7町歩は売りに出さざるを得ませんでした。
底なし沼です。黙っていても沈むのですが、もがけばもっと早く沈みます。時間が解決してくれるのをじっと待つしかないのですが、それが人間には難しいわけです。リンゴが実ってくれるまでに木村家が味わった思いを、オヤジさん家族も味わっていました。
日に日に高まる険悪な雰囲気のなか、もともと自然栽培に賛成ではなかった息子さんと大喧嘩になってしまいました。
「オヤジー! もう、こんな栽培やめろ。俺はきょうでやめる!」
そういって跡取り息子は家を出ていってしまいました。
それっきり音信は途絶え、生きているのか死んでいるのかもわからないまま5年の歳月が過ぎました。
その息子さんは、東京都内の食品会社でアルバイトをしていました。
ある日のこと、係長から、
「このおコメはとても特別なものだから、くれぐれも丁寧に扱ってね」
といわれてコメ袋を任されました。
「ハイ」と息子さんは答えましたが、
「俺だってむかし、コメを作っていたんだよ。いったいどこのだれが作ったものだよ、そんな大切なコメって?」
と思い、生産者名が書いてあるラベルを見ようとおコメの袋をひっくり返しました。
そこに書かれていた名前を見た途端、涙が出てきて、気づくと膝をついておコメに頭を下げていました。書かれていたのは、まざれもなく自分の父親の名前だったのです。
翌日、すぐに退職を願い出てアパートの部屋を片づけると、故郷へと急ぎました。
何年かぶりに戻った実家で父親に謝罪しました。母親も快く迎え入れてくれました。
いまは、親子仲良く一生懸命にコメ作りしています。泣く泣く手放した田んぼも買い戻し、23町歩まで増やしたといいます。
いつからか、生産者と消費者の距離はとても遠くなってしまいました。でも本当は、おコメひと粒、ご飯いち膳に大きなドラマがあるわけです。
どうか、皆さんにもそれを味わって食べていただければ嬉しいです。
・・・<抜粋終了>・・・
ここで木村さんの自然栽培に興味を持たれた訪問者の方々に朗報があります。
『百姓が地球を救う』を買うと、木村さんの活動を報告する季刊紙『農業ルネッサンス』の申し込み書が付いてきます。季節ごとに年に4回、発行するようです。この季刊紙1年分(5千円)を申し込むと、木村さんの田んぼで収穫された自然栽培の米1kgをプレゼントしてくれるといいます。さらに2年分(1万円)申し込むと、なんと1ヶ月以内に木村さんが育てたあの「奇跡のリンゴ」が贈られてくるといいます。
私は奇跡のリンゴをぜひ食べてみたいと思っていましたが、手に入れるのは不可能だろうとあきらめていました。それが手に入るというので、驚いてしまいます。私は大喜びで申し込みました。
木村さんの自然栽培の米や奇跡のリンゴに興味のある方にお勧めします。
今回の話も情報ではなく、私のエッセーのようなものです。
○引っ越しの啓示
普通に会社勤めをしている人々は、なかなか住む所を選ぶ自由がないと思います。転勤や結婚などで、住む場所を限定されてしまうというのが多いと思います。しかし私のように仕事もせず、結婚もしないでフラフラしている人間は、金はないのですが、その分自由があります。
以前、「東和荘物語」という記事を書きましたが、東和荘に住民がいなくなり、一人で住んでいる時に、街を歩いていて、私はふとある種の啓示のようなものを受けました。「引っ越す時期が来た」と頭に閃いたのです。それゆえ東和荘を解体する話がでたときには、ただで23区内に住める拠点がなくなるのは残念なことでしたが、それを受け入れる自分がいました。
八王子に住むようになって10年を超えた頃、私はまた啓示のようなものを受けた気がしました。霊的なガイドが出てきて会話したというわけではないのですが、直感で「ここを引っ越す時期が来た」と感じたのです。それで千さんのセッションのときに、私は今住んでいる場所を引っ越す時期がきたように感じているのですがと聞いてみました。すると、やはりその時期が来ているという答えでした。人生の次の展開のために、移動するタイミングが来たのだと思います。
ただ八王子の住居は実に恵まれた環境でした。
八王子なので緑が多いのは当然ですが、数分歩くと多摩川に出られて、散歩をするには、とても良い所です。道路からも離れていて車の騒音はありませんし、人通りもほとんどありません。時々、電車の音が遠くに聞こえる程度です。普段からとても静かなところで、スピリチュアルな瞑想や呼吸法をするのには抜群の環境でした。さらに私が住んでいるマンションは防音設備まで完備していました。難点は、スーパーへの買い物は車がないと行けないということと、中央線の駅には歩いては行けず、自転車が必要ということでした。
私はこの場所がすっかり気に入っていて、頭に響く「引っ越す時期が来た」という言葉を数年間、無視し続けていました。でも去年の秋ごろから、本当に引っ越す時期が来たという感覚が強くなってきました。未練たっぷりの私は、引っ越すことによって何が私にとってメリットなのか千さんに聞いてみました。すると変容を体験できるという言葉が返ってきたのです。私が今一番目指しているのが変容なので、この言葉を聞いたら覚悟を決めざるを得ません。さらに、今の所に住んでいると、引っ越ししたい衝動がどんどん強くなるとも言われました。それまでに十分に感じていたことが、さらに強くなると言われてしまったのですから、もう行動せざるを得ませんでした。
○物件探しの顛末
最初は八王子のような田舎ではなく、もっと都心に近い所にしようと思いました。目標は新宿まで30分で出られる所です。とはいえ貧乏人が住むのですから、家賃はできるだけ低く抑えたいところです。中央線沿線は人気で家賃が高めなので、京王線沿線を探すことにしました。都心に近い物件で家賃を抑えるとしたら、広さを犠牲にするしかありません。八王子の住居は33uでしたが、20uまでは我慢することにしました。20uを下回ると、さすがに住むのは無理だと思い、ぎりぎりの線でした。その条件で京王線沿線をみた場合、千歳烏山(ちとせからすやま)やつつじヶ丘あたりが狙い目だと思えました。それで千歳烏山の不動産屋さんと物件を見て回ったのですが、気にいったものはありませんでした。その後、中央線にも範囲を広げて探してみたのですが、どうもしっくりきたものに出会えません。去年の9月から物件探しを始めて12月に入ったときですが、物件探しを終えて帰ってくる中央線の電車の中から外の景色を見ていて、気付いたことがありました。立川から多摩川を越えると遠くに山々の稜線が見えてくるのですが、そうした風景にほっとする自分がいたのです。その時、ああ、私はやっぱり田舎者で、都会には住めないなと思ったのです。新宿に30分を諦めて、1時間でもいいやと思うことにしました。
○結局は...
中央線で立川を越え多摩川を渡ると、物件はぐっと安くなります。
私は日野か豊田あたりで、とにかく駅に近くて、比較的閑静な住宅街にある物件を探すことにしました。なにしろ八王子の住居は中央線の日野駅まで歩いたら40分は掛かってしまいます。自転車がないと行けないのですが、雨が降ったら辛いものがあったのです。
この時期に千さんのお爺ちゃんセッションがあったので、私がどんな物件に住んでいるかみてもらうことにしました。まず中央線か京王線か聞いてみたら、中央線だという答えです。またどんな環境かと聞いてみると、住宅街で静かな所だといいます。それなのに駅に近いといいます。またこの時期に、ゲリースクールの友人と会う機会があったので、私がどんな所に住んでいるかアカシック・リーディングしてもらいました。するとけっこう広い場所だという答えです。私の部屋が見えて、さらに奥にもう一部屋見えるという答えでした。細長い造りの住居だという答えです。
こうしたリーディング結果をふまえて、今年に入り私は日野と豊田の物件を探すことにしました。そうして不動産屋さんに最初に紹介された部屋が、千さんとゲリースクールの友人にリーディングしてもらった部屋だと直感でわかりました。いきなり最初の物件で、駅に近くて閑静な住宅街で、奥に細長い部屋だったのです。念の為、周りの環境も調べてみましたが、多摩川にとても近く散歩するには良さそうですし、すぐ近くに公営のグラウンドや体育館が建設中で、これは一般開放すると不動産屋さんは言っていました。広さも32.5uと八王子の住居とほぼ同じです。私はその日のうちに、ここに決めました。
○車の処分での騒動
私の今回の引っ越しの、もう一つの目的は日々の生活費を節約することでした。
駅に近い物件で、しかも同じぐらいの広さなのに、家賃は1万円ほど安くなりました。さらに今度はスーパーにも歩いて行けます。それで車は必要なくなりました。私が乗っていた車は軽トラで、軽自動車なので経費は一般の車に比べて安いのですが、それでも月に2万円ほど掛かっていました。月々の駐車場代に加えて、2年に一回の車検と保険料、そしてガソリン代です。車を手放すと、こうした費用がまるごと浮きます。それで月に3万円の固定費の削減になるというのが、私の戦略でした。
軽トラですが今年で14年目で、およそ市場価値があるとは思えないものです。
しかし走行距離がたったの2万8千キロなのです。なぜこんなに走行距離が少ないかというと、前に赤帽をやっていた知り合いが、ほとんど仕事をしなかったからです。私が譲り受けた時は、2万キロしか走っていませんでした。それから10年ほど経ったのですが、私が乗った距離が8千キロというわけです。スーパーに買い物に行くぐらいしか使わないので、こんな数字になってしまいました。
2万8千キロなので廃車にするにはもったいない気がしますが、やはり14年目となるとちょっと値段はつかないと思いました。それで「車・高価にて買取ります」と書いてあるチラシの業者に電話してみました。するとさっそく査定したいと、その日のうちに見に来るというのです。なんとも行動の早い業者です。
業者は、14年目なので廃車にするしかないということで、経費として6千円ほしいといいます。私としても廃車は覚悟していたので、それでお願いすることにしました。ただもうしばらく引っ越しに使うので、あと2週間ほど待ってほしいと言いました。すると業者は急に難しい顔をして、3月に車検が切れるので、それを超えると1年分の税金が7千円掛かってきてしまうので出来るだけ早くほしいといいます。私は妙に納得できないものがありました。3月車検ということは、3月いっぱいは使えると思っていたからです。今は2月で、2月中に廃車にするのに、どうして1年分の税金を払う必要があるのかと思ったのです。業者によると、年度末で手続きが込み合うので、税金が掛かる場合があるといいます。私は納得できないものがありましたが、出来るだけ早く手渡すと言いました。
こうして業者は引き上げてゆきました。
私はその後、ある事情(後述)があって翌日もう一軒別の車屋さんに行ってみることにしました。その車屋さんは、私がいつも車検を頼むところでした。車の修理をやっているところなので、車の売り買いはやっていないと思い、声を掛けなかったのです。そこで意見を聞いてみようと思ったのです。
すると全然違うことを言われたのです。14年目だけど、十分に値段がつくといいます。買い取らせてほしいというのです。私は驚きました。昨日の業者と全く反対です。昨日の業者はこちらがお金を払う立場でしたが、今度はお金を貰う立場です。さらに引っ越しであと2週間ほど使いたいと言うと、全然オーケーだと言います。車検が3月いっぱいあるので、それまでに持ってきれくれればいいと言います。なんだこの違いは・・・です。私はもちろんお任せすることにしました。
私が昨日の業者に断りの電話を入れると、理由を聞いてきました。
廃車にしないで買い取ってくれるところがあったのでそちらに決めましたと言うと、昨日とは全然違うことを言うのです。「うちでも、1〜2万は払いますが・・・」とのこと。私は呆れてしまいました。昨日は廃車にするしかないと言っていたくせに、値段がつくことがばれると、悪びれず金額交渉しようとするのです。私は丁重にお断りをしました。
でも、こんなものかもしれません。
値段を吹っかけて、それが通ればラッキーだし、通らなければしぶとく値段交渉をするというスタンスなのでしょう。そんなものだと言われれば、そんなものかもしれませんが、商売するのに誠意がないというのは、長い目でみればマイナスに働くだろうという気がします。客は業者に誠意があるかないかを鋭く見抜くからです。
話は急に変わりますが、私はダイヤード(肉体意識)の前世でこれと似た体験がありました。
私のダイヤードの前世は吉原増太郎という男性で、私の母方の父です。明治から昭和にかけて、長崎県佐世保市郊外で農夫として一生を終えた人生です。当時は農耕作業に牛を使っていました。その牛がある時、急死したのです。牛の解体業者が来て、牛の引き取りの値段交渉となったのですが、その業者は二束三文の値段を提示するのです。増太郎は納得できずに、牛の肉を出荷すれば、良い値段になるだろうと言いました。するとその業者は、この牛は病気で死んだので、肉として出荷できないといいます。捨てるしかないので、値段はつかないと言うのです。それを聞いて増太郎は、あきらめて業者の値段で牛を手放すことにしました。当時は牛がいなければ農耕作業が成り立たないので、増太郎は新たな牛を買う必要があり、二束三文で手放すのは辛いことでした。
すると後日、肉屋に牛の肉が豊富に出回ったという話を聞いたのです。当時は牛の肉は大変高価なものでしたし、狭い村のことですから噂はすぐに伝わるのだと思います。増太郎はあの業者に騙されたと思いました。でももう売ってしまったので、後の祭りです。
私は車の査定をした業者が帰った後、急にこの話を思い出したのです。この話を思い出したということは、あの車の業者は前世の肉の業者と同じことをしようとしている可能性があると感じたのです。それで別の車屋さんに行ってみることにしたのです。結果は案の定でした。まあ、牛の値段と廃車寸前の車の値段は大きく違いますが、とりあえず前世と同じ失敗をしないで良かったと思いました。
買い取ってくれるという車屋さんに持っていくと、どのくらいの値段を希望しますかと聞かれました。私は全く相場がわからないので、言い値でけっこうですと言いました。すると5万でどうですかと、言うのです。私は本当に驚きました。買い取るといっても、せいぜい1万円がいいとこだろうと予想していたからです。思わず、「本当に、そんなに高くていいのですか!」と言ってしまいました。すると車屋さんは、「5万で買い取って、うちで整備して諸経費を乗せて10万円台で売れればいいですから」とのこと。私は、この車屋さんの誠意ある商売に感心してしまいました。でも世の中の多くの業者さんは、こうした誠意ある商売をしているのだろうと思います。廃車にすると言った最初の悪質な業者の方が、少数派なんだろうと思います。
○金歯、PC廃棄など
引っ越しとは直接関係ないのですが、去年母が亡くなり、母の金庫から親戚の遺体から取ってきたと思われる金歯がみつかりました。兄が貴金属買い取り店に持っていくと、金歯の中身(歯の残骸)が残っているので、引き取れないと断られたそうです。困った兄は、私にその金歯を押し付けてきたのです。兄は、1万円銀貨のような高価そうなものを取っていって、私には金歯です。これも兄の特権というやつでしょうか。
私はネットで、金歯から歯の残骸を外す方法を調べていたのですが、歯の残骸があっても引き取るというサイトを見付けました。本当かと思って、その業者に直接電話して聞いてみました。すると歯の残骸があっても大丈夫だといいます。私は早速、東京の池袋にあるその業者に行ってみました。金歯が10個ほどあって、全体で20gちょっとでした。歯の残骸の分を2g引かせてほしいといいます。それに金歯の場合、18金であっても14金として計算させてほしいといいます(100%は24金です)。それで3万円でどうですかと言います。その日の金の相場から計算すると、5〜6万程度でした。でも歯の残骸が残っていたので、だいぶ安い感がありましたが売ることにしました。
値段というより金歯として再利用されれば、亡くなった親族の供養になるだろうと思ったし、やはり遺体から外した金歯を、ずっと持っていたくないという気持ちもありました。
貧乏人の私としては、引っ越し費用は安く抑えたいところです。
それで不動産屋さんに、安いと評判の引っ越し業者さんを教えてもらい、連絡してみました。すると色々なコースがあって、一番安いのが運ぶだけだといいます。それだと2万6千円程度の費用ですむといいます。私は迷う事なく、そのコースにしました。それで引っ越しで出る粗大ゴミの引き取りもお願いしようとしたら、1品で8千円掛かりますと言われて、その値段の高さに驚きました。処分したいノート型パソコンが2台あって、引っ越しの機会に処分しようと思っていたのです。パソコンは一般の粗大ゴミとして捨てられないので、業者に頼むしかありません。しかしあまりの値段に、お断りすることにしました。その話を兄にすると、「PCデポなら、100円で買い取ってくれる」と言うのです。私は早速、家の近くのPCデポに電話して聞いてみました。すると市場価値の無くなったパソコンは100円で買い取りますと言うのです。こんなうまい話があるのかなと思いつつPCデポにパソコンを持っていったら、本当に100円で買い取ってくれました。最初は(2台で)1万6千円もマイナスのはずが、200円のプラスとなりました。こういう情報は大事だと思います。
○妖精ちゃんも引っ越しの準備?
私は千さんのお爺ちゃんセッションで必ず聞くことの一つに、我が家に新たな霊的な存在が来ていないかということがあります。
あるセッションでは、ゲゲゲの鬼太郎に出てくる妖怪の一反木綿(いったんもめん)ような存在が来ていると言われました。また次のセッションでは、今度は熊の妖怪のような存在が来ていると言われました。千さんによると、彼らは私が引っ越すのを知っていて、自分達の住むエリアにしようと、我が家に乗り込んできたというのです。元からいる妖精達や、私のヘルプに来た霊的な存在達は、そんな妖怪達に目を丸くしてびっくりしているそうです。
この話をゲリースクールの知人にしたら、ゲリーさん直伝の部屋を浄化する儀式をするべきだと言います。それで千さんに聞いたら、そんな必要は全くないという答えでした。妖怪達は私に悪さをしようと来たのではなく、単に自分達の住処にしようとして来ただけといいます。たしかに私自身も霊的な存在から悪さを受けている感覚が全くないのでした。
では私が出て行った後に、新たな住民が入ったらどうなるか聞いてみました。すると新たな住民と共生することになるといいます。私は新たな住民となる人に、ちょっぴり同情しました。私はそうした霊的な存在を知っているのでまだ大丈夫ですが、一般の人は夜中にラップ音が鳴ったりしたら恐いだろうなと思います。私はせめて、新たな住民に彼らは危害を加えないから大丈夫だと伝えたくなりました。
妖精達ですが、やはり私について来るそうです。
私は、妖精達は近所のカラスと仲良くなったり、その他の動物と関係ができているので、その場に留まりたいと思うのではないかと思っていました。でも千さんによると、戻ることがあっても一瞬で、すぐに私の新たな住居に帰ってくるといいます。なんと妖精達も引っ越しのために荷造りしているそうです。私はびっくりして、妖精にも家財道具があるのですかと聞いたら、その通りだという答えでした。
新たな住居ですが、駅のすぐ近くなのに緑が多いところです。妖精達もきっと、新たな動物との関係ができるだろうと思います。
S&P(スタンダード&プアーズ)やムーディーズのような大手格付け会社が、このところ相次いでEU各国の国債の格付けを下げて、大きく報道されています。今書店に並んでいる経済・金融の本を見ても、ギリシャ問題に端を発したEUの経済危機は、最後にはユーロ解体に至るといった論調のものが多いように感じます。
ギリシャは破綻して、ユーロという通貨自体がなくなるといったものもあります。そういった論調はわかるのですが、ユーロが解体した後に具体的にどうなるかといったことに言及しているものはあまりみかけません。せいぜいユーロがなくなり、欧州各国は元の通貨に戻るだろうといった程度です。
そういった中で、ベンジャミン・フルフォード氏が語る分析は面白いものがあります。もちろんフルフォード氏の言っていることが、どれほど真実をついているかは私には正確にはわかりません。それゆえ真偽に関しては、訪問者の方々の判断にお任せするしかありません。ただ私にとってフルフォード氏の分析は、なるほどと思わせるものが多く、大いに楽しんでいます。
まず一番注目を集めているギリシャの破産危機ですが、フルフォード氏は、ギリシャ危機は最初から仕組まれたもので、シナリオがあったと考えているようです。ギリシャは、ゴールドマン・サックスの奨めでデリバティブを駆使して財政赤字を隠し、ユーロに加盟したことはよく知られています。日本のマスコミは、ギリシャ人が怠け者で、あまり働かないといったことや、極端な役人天国であるといったことばかり強調して報道しているように感じます。そういった国民の体質が、破産の危機を招いた原因であると主張したいようです。
そういったギリシャの体質は否定しませんが、今回の破産危機は最初からシナリオがあって、ギリシャはそういった弱みを突かれて、見事に罠に嵌ったという側面もあるかもしれません。そういった視点を、『仕組まれた円高』(ベンジャミン・フルフォード著、青春出版社)から引用して紹介したいと思います。
まず最初に、今回のギリシャ危機に対して、いかにゴールドマン・サックスという会社が暗躍しているかということを人事の面からみてみたいと思います。
・・・<『仕組まれた円高』、p153〜p155から抜粋開始>・・・
政界で暗躍するゴールドマン・サックス人脈
既得権益を守りたい闇勢力は、長年培ってきた人的ネットワークを使って、ユーロ危機後の支配力を守ろうと必死だ。ヨーロッパの状況を見ると、ビルダーバーグ会議やロスチャイルドの息のかかった新たな政府がイタリアやギリシャなどに次々と誕生している。
彼らはユーロの印刷機をあきらめるのではなく、できる限りギリシャやスペイン、イタリアなどに厳しい引き締め財政を強いて、彼らが所有する銀行団への債務返済を図るよう試みるつもりだ。
たとえば、ECBの新総裁となったマリオ・ドラギ。彼は、かつてゴールドマン・サックス・インターナショナルの副社長やマネージング・ディレクターを務め、ゴールドマン・サックスの経営委員会のメンバーだった人物。
ドラギはその他にも、世界銀行のイタリア人エクゼクティブ・ディレクター、イタリア銀行総裁、ECBの運営評議会会員、BISの理事会会員、国際復興開発銀行とアジア開発銀行の理事会会員、金融安定化フォーラムの議長などを務めてきた。完全に金融資本家側の人間だ。
そして、国民による選挙で選ばれたわけではないイタリア新首相マリオ・モンティの前職は、ゴールドマン・サックスの国際顧問。それ以前は、欧州委員会のイタリア委員であり、ロックフェラーが立ち上げた日米欧三極委員会のヨーロッパ議長も務め、ビルダーバーグ会議メンバーであり、EU内部の統合を促進する組織、スピネリ・グループの創立会員でもある。
一方、ギリシャの新首相に任命されたルーカス・パパデモスは、ゴールドマン・サックスと共謀して負債隠しを行ったギリシャ銀行の総裁だった人物だ。また、彼は2002年〜2010年までECBの副総裁を務め、モンティと同じく日米欧三極委員会の会員でもある。
こうした人物が送り込まれた結果、ギリシャやイタリアでは“ユーロ危機を回避する”という建前で、国民を犠牲に少数の金融資本家に富を集中させる計画が進んでいる。それはかつて南米やアジアで行われた「ショックドクトリン」と同じ手法だ。
結局のところ、現在のユーロ危機は金融規制緩和によって民間の金融機関が国境を超えて欲望のままに活動し、巨額の債務を出したために起きた。金融機関が儲かっている間、彼らは巨額の富を懐に入れていく。だが、破綻が訪れた時には尻ぬぐいを国家、つまりは国民一人ひとりに押しつける。その時、どこからともなく現れる取り立て屋は、いま見てきたように金融資本家の手先たちだ。
・・・<抜粋終了>・・・
このようにギリシャの破産問題の舵を握る要所の役職に、キラ星のごとくゴールドマン・サックスに関係した人物が並んでいます。これを単なる偶然と考える人はたぶん少ないと思います。最初からこういったシナリオがあって、見事にそのシナリオ通りに進んでいるとみた方が自然にみえます。
では、シナリオを書いた人間達は、どのようにギリシャを喰い物にしようとしていたのでしょうか。
・・・<『仕組まれた円高』、p155〜p160から抜粋開始>・・・
国を解体されつつあるギリシャ
たとえば、ギリシャでは“国民が怠け者だから破綻したのだ”とばかりに、あらゆる機関が外圧をかけている。「緊縮しなければ支援しない」という脅しだ。EUがギリシャに迫っている改革案をいくつか紹介しよう。
・2015年までに、さらに2万の公共部門の職を廃止し、解雇者総数を10万人とすること
・2010年、2011年に行われた、すべての公共部門での雇用を過去にさかのぼり、即座に撤回すること(2万5000人の労働者が職を失う)
・国営公益事業労働者の年金と給与を削減すること
・船員と国営電話会社従業員の年金を削減すること
・すべての国家恩給を2015年まで凍結すること
・65の公営企業の閉鎖、合併の促進
・灯油の特別消費税増税
・タバコ、酒と奢侈品(ししゃひん)の増税
2011年10月、EUはギリシャ国債保有銀行の債権カットを50%に拡大するほか、EFSF(管理人注:ユーロ圏各国を救済するための基金)の再強化策を盛り込んだ合意に達した。後者は、民間投資家がギリシャやイタリアなどの国債に投資して損失を出した際、EFSFが一部を補填したり、IMFや政府系ファンド(SWF)、民間投資家の資金を呼び込んで、信用不安を抱える国への資金供与枠を1兆ユーロに拡充するというものだった。
この包括救済案がまとまった直後、ヨルゴス・パパンドレウ首相はこの合意を受け入れるかどうか国民投票にかけて、是非を聞いたいと発言。もし実際に国民投票が行われていれば、ギリシャのユーロ離脱が現実のものになっていただろう。しかし、パパンドレウは内外から激しい反発を受けて辞任。事実上、ギリシャはEU、ECB、IMFの管理下に置かれ、国としての自立を失った。
なぜ、パパンドレウはあの時点でEUの合意に対して翻意したのか。混乱の中で最後のカードを切って見せただけかもしれない。あるいは、政治家として残っていた良心が国民のためにギリシャを守ろうとさせたのかもしれない。
いずれにしろ、ギリシャ社会はパパンドレウ辞任の時点ですでに大きく疲弊していた。春には公務員の給与や年金額の引き下げが決まり、増税が行われ、ギリシャ人の平均給与は3割近く減少。年金天国と揶揄された年金の水準も平均で1000ユーロ以下にまで引き下げられ、増税の影響もあってモノの値段は倍近くに。失業率は16%を記録し、若年層では2人に1人が失業者という状況だ。
そこに追い打ちをかけたのが10月のEUによる支援を交換条件とする財政再建策だった。結局、EU、ECB、IMFのトロイカはギリシャ政府を抑え込み、連携の取れるルーカス・パパデモスを新首相に据え、ギリシャを完全に管理下に置いた。
ギリシャが救われるたったひとつの道
闇勢力はギリシャ危機を通じて奪えるものはすべて奪おうとしている。
ギリシャ駐在のIMF代表は、執拗に公共部門の仕事と貸金の一層の劇的削減、国家機関の大規模閉鎖と、即座の民営化と国営企業の売却を要求し続けている。公共部門が大きすぎると指摘し、労働者階級を困窮に追い込み、金融資本家はギリシャ国有資産の特売セールでひと儲けしようとしている。
「膨大な資金がギリシャを見つめている」
「民営化プログラムは単なる構造改革ではなく、流動性資産と資本を得るために外国の直接投資を呼び込む方法でもある」
いつか聞いたロジックが幅をきかせているが、ここでも被害を受けるのは国民だ。
金融資本家はかつて南米で、アジアで、自分たちがやったことの意味を十分に理解している。ギリシャではこの先、経済的苦境から自殺者が急増し、治安の悪化が進むだろう。すでに政府の緊縮策に抗議して20万人がゼネストに入り、各省庁を占拠してデモを繰り広げるといった混乱も生じている。
アテネ商工会議所のコンスタンチン・ミハロス会頭は、「もし失業率が20%という水準に達すれば、経済的に社会的一体性が吹き飛び、差し迫った危機になる」と表明。強力な締めつけの先にある狙いは、「アラブの春」の再現だ。
ギリシャ軍がクーデターを起こし、軍事政権を樹立したのは1967年のこと。決して遠い昔の出来事ではない。その後、軍部は8年間実権を握り、現在のギリシャは、再度民主化された後に30年以上の年月をかけて育まれてきた共同体だ。
しかし、ギリシャ軍は今も大きな力を持っている。ストックホルム国際平和研究所のデータによると、ギリシャはEUの他のどの国よりも多くの予算を軍事に割いてきた。EU、ECB、IMFのトロイカがギリシャを締めつければ締めつけるほど、労働者が得る報酬は減っていく。公務員に給料が入らなければストライキをするだろうが、軍に金が入らなくなった場合、事はストライキではすまない。腹をすかせた軍が暴発する事態は、大きな戦争を望む閣勢力にとって歓迎すべき展開だ。
ギリシャ国民は戦争を回避し、アイスランド国民が選んだ道を追うべきだ。つまり、トロイカの押しつけを拒否し、ユーロ圏から抜けることを選び、アイスランドと同じように金融資本家の支配から国を取り返すのだ。
・・・<抜粋終了>・・・
破産の危機に追い込まれたギリシャは、EU、ECB、IMFら事実上の管理下におかれ、国民はこれからずっと公共サービスのカットと増税に苦しむことになります。これはギリシャ国民が招いた種だと喧伝され、世界の多くの人々はそれを信じるかもしれません。こうしてギリシャ国民は、これからずっと働いた分は借金の返済という形で搾取され続けることになります。
罠に嵌ったギリシャ国民が悪いのだという言い方もできるかもしれません。
しかしこうした搾取を撥ね退けるのは可能です。そうした実践例もあります。それがアイスランドです。一時期日本のマスコミで盛んに危機が報道されたアイスランドの破産危機ですが、ピタリとその報道が止みました。
なぜ日本のマスコミがアイスランドの破産危機を報道しなくなったのか。フルフォード氏は講演会で面白い説明をしていました。アイスランドは本当なら今のギリシャにようになっているはずでした。国として莫大な借金を背負い、その借金を15年掛かって返済するということになるはずでした。アイスランド国民は15年間、喰い物にされるはずだったのです。
アイスランド国民が選んだのはギリシャが断念させられた国民投票でした。この国民投票で、借金を国民が背負うことを拒否したのです。
・・・<『仕組まれた円高』、p160〜p162から抜粋開始>・・・
金融資本家に翻弄されなかったアイスランド
2010年3月、アイスランドは経営破産した銀行のイギリスとオランダの預金者保護に税金を投入するかどうかの国民投票を行った。それは国民が金融資本家のバクチの尻拭いをするかどうかを問うもので、パパンドレウがやろうとしたことに近い。
その国民投票で94%のアイスランド国民が税金の投入を拒否すると、IMFはアイスランドへの融資を凍結。従来のロジックでいえば、アイスランドにこの世の終わりがやってくるはずだ。しかし国民はひるまず、破綻と同時に海外へ逃亡した銀行経営者を指名手配するよう政府に働きかけた。インターポールが銀行家を指名手配し、再び金融資本家が国を支配することがないよう、アイスランドは憲法を改正した。
ギリシャの経済規模から考えて、アイスランドと同じ選択をすることは十分に可能だ。
国民投票を行い、トロイカを追い払い、首相を選挙で選び直し、ユーロから段階的に離脱する。通貨は「新ドラクマ」となり、ギリシャの法律下で結ばれた新規契約や国内での納税や支払いにはこの通貨を使い、既存の契約には引き続きユーロを使用する。
その時、銀行は既存のユーロ建ての口座と新ドラクマの口座を両方持つことになるだろう。ギリシャの中央銀行は新通貨を独自に管理し、ドラクマでの物価水準は急騰するだろうが、外部からの支援さえあればハイパーインフレの回避は可能だ。新通貨の対ユーロ相場は市場が決めるため、ドラクマの価値は急激に下がっていくが、結果的にそれがギリシャと国民を救うことになる。
ギリシャがこのシナリオを選んだ場合、ユーロ建て債務のデフォルトは、公的部門でも民間部門でもかなりの規模になるだろう。だが、もしユーロからの離脱、新ドラクマ発行を選ばなければ、ギリシャは金融資本家たちによっていいように切り刻まれ、サバタイ派の策謀によっては欧州圏での戦争の火元となる可能性もある。
アイスランドがIMFに逆らおうとした時、同国は欧米諸国から「北のキューバになる」と脅された。だが、勇気ある決定から2年近くが過ぎ、クローナという独自の通貨を持つアイスランドの経済はゆるやかに回復している。
ギリシャが取るべき進路は明確であり、同じ混乱が予想されるイタリア、スペイン、ポルトガルもまた、ユーロから離脱していくべきだ。
・・・<抜粋終了>・・・
フルフォード氏によると、アイスランド国民は法律を調べ、金融資本家達が詐欺的な手法でお金を造り、それをアイスランドの銀行に貸し出して破産の危機をつくったことを突き止めたといいます。金(きん)のような実物資産の裏付けのない、数字上のお金をつくり貸し出したのは違法であると主張し、借金の返済はしないと宣言したんだそうです。それが日本のマスコミでいっさいアイスランドのことが報道されたなくなった理由だといいます。つまり詐欺的な手法でお金が造られているというアイスランドの主張を、日本国民に知らせたくないということらしいのです(フルフォード氏は法律の具体的な中身までは言及していませんでした。また詐欺的な手法でお金を造る話ですが、面白い話をしていました。それに関してはまた別の機会に触れたいと思います)。
では次に今のユーロ危機の水面下で起こっている動きです。
ユーロ圏で財政危機に陥っているPIIGS諸国を切り離すシナリオは自然だと思いますが、ドイツがロシアと接近しているという話は興味深いです。
・・・<『仕組まれた円高』、p162〜p165から抜粋開始>・・・
ユーロの未来予想図
これまでも繰り返し言及したが、ヨーロッパにはこの金融危機を解決するだけの金がない。いくら豊かであるとはいえ、ドイツや北欧諸国だけでヨーロッパのすべての国々を助けることもできず、これらの国々にははじめからそうする気もない。
つまり、ユーロに関する騒動はしばらく続く見通しだが、結末はすでに見えている。地中海諸国やバルト諸国は再び独自通貨を発行することになり、ロスチャイルド銀行団に借金が返済されることもないだろう。
水面下では、ドイツが北欧のユーロだけを残して、ドイツ・ロシアを中心としたヨーロッパ支配の準備を進めている。その時メンバーになるのは、ユーロ圏で最上位のトリプルA格を保持している6カ国のうち、ドイツ、フランスを除く、オランダ、オーストリア、フィンランド、ルクセンブルクの4カ国。
ドイツのメルケル首相は、当初からユーロ圏の全体で共通国債を発行することに反対してきた。共通債がトリプルAでなくなることをイヤがるドイツの財界などの総意を反映したものだ。その対策としてフランスがドイツにもちかけたのが、トリプルA格の6カ国だけで統一した財政緊縮を行う財政統合の条約を締結し、共通国債を発行することだった。
こうすれば共通国債はトリプルA格となり、その国債でスペインやイタリアを救うとともに、それを担保にECBにもユーロ救済を強化してもらえる。それがフランスの描いていたシナリオだった。
しかし、ドイツはより確実な道を模索し、ロシアとの接近を選んだ。フランスがドイツとロシアに協調するとは考えにくく、イギリスとアメリカとの連携を強める他に独立を維持する術はなくなる。あるいは、単独でのユーロを離脱するという選択肢もあるだろう。
事実、ルモンド紙の調査では国民の36%がユーロ離脱、フラン復活という選択肢に理解を示し、シンクタンクのアンスティテュ・モンテーヌはユーロ離脱後の影響を分析、発表している。
また、ロイターもロンドン発として、こんなニュースを報じた。
ユーロ圏が崩壊し、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガルがそれぞれ自国通貨を再導入した場合、これらの通貨の対ドル相場は、現在のユーロの対ドル相場を大きく下回るとの見通しをノムラの外為アナリストが示した。
ノムラのアナリスト、 Jens Nordvig氏は5日、1ユーロ=1.34ドルとの相場に基づくと、ギリシャ通貨の公正な相場は0.576ドル、ポルトガル通貨は0.71ドルになるとの試算を公表。
一方、ドイツの通貨は1.36ドルと、試算の前提となるユーロ相場を上回る。
同氏は「過去数ヵ月間にユーロ圏崩壊のリスクが高まった結果、ユーロ建ての資産や債券を保有する投資家は、契約を国別の新たな通貨建てに変換するリスクにさらされている」と指摘している。
5日の取引でユーロ/ドルは1.3470ドル近辺と、5月初旬につけた年初来高値の1.4940ドルから約10%低い水準で推移している。
(ロイター 2011年12月5日)
ユーロの解体はすでに既定路線となり、準備が進んでいるのだ。
今後はドイツとロシアが中心となった10カ国程度の新たなユーロが誕生し、ギリシャはドラクマに、イタリアはリラに、スペインはペセタに回帰していく。為替相場は大きく揺れて1、2年は混乱するだろうが、安定した円を持つ日本人にとってはビジネス、投資、観光とあらゆる面で大きなチャンスがやってくる。
・・・<抜粋終了>・・・
今書店に並んでいる経済・金融の本を見ると、1000兆円もの借金を抱え込んだ日本政府に対し、近々財政破綻すると予測するものと、全然そんなことにならないと真っ向から否定する意見があります。
当HPを以前から読まれてきた訪問者の方々はご存じだと思いますが、私の立場は、日本政府の財政はもはや修復不可能(要するに借金を返すのはもう無理)で、すぐではありませんが、数年の内に日本政府は財政破綻する可能性が極めて高いと思っています。それゆえ私は、日本政府が財政破綻するか、しないかという議論に全く興味が湧かないのです。財務省が10年物国債を25年で返すといったことを言い始めているという現状を見ると、すでに予兆は現れていて、それがいつ現実化するかという点に強い関心があります。日本は破産しないと主張する意見は、太平洋戦争末期に、日本は神国だから米軍が来たら神風が吹くと言っていたのと重なってみえてしまいます。GDPの2倍を超える借金を抱えて、財政破産しなかった国が歴史上存在したのでしょうか。
もう一つ関心があるのが、財政破産のときに社会がどうなるかです。
財政破産するといった本を読んでも、ハイパーインフレになるといった程度のことしか書いてありません。今回、吉田繁治氏の記事を紹介したいと思いますが、吉田氏は日本は財政破産してもハイパーインフレは起きないと言っています。私もその可能性が高いと思います。ハイパーインフレを声高に言う識者は、センセーショナルなことを言って人々の注目を集めたいか、あまり深く考えていないのだと思います。
以前の記事『日本国破産のすすめ』でも書きましたが、政府・財務省は日本が破産したら、この世の終わりといった破滅的なことが起きるといったイメージを国民の刷り込もうとしています。これはおそらく自分達の既得権益を守りたい人々が、現体制を維持したい一心で、そうしているのだと思います。その意味では、野田政権が不退転の決意で消費税増税を行なおうとしている意味がわかります。消費税の増税は、問題を先送りにし、現体制を維持することに繋がり、国民の疲弊はいっそう進むことになると私は考えます。
まず最初に、日経電子版に載ったカイル・バス氏の意見を紹介します。
カイル・バス氏は米有力ヘッジファンド、ヘイマン・キャピタル・マネジメントの創業者とのことで、相場のプロが今の日本をどのように見ているかがわかります。記事をそのまま引用するのは禁止されているので、私がカイル・バス氏のインタビュー記事の内容を要約しました。カイル・バス氏はこれから18ヶ月以内に日本の国債バブルの崩壊が起きると予測しています。日本国債のバブル崩壊は、即日本政府の財政破綻を意味します。なぜなら国債が消化できなければ、日本政府は予算が組めないからです。
・・・<「日経ヴェリタス」のインタビュー記事の要約開始>・・・
○日本の構造変化
去年は震災後の原発停止で割高な液化天然ガス(LNG)の輸入が急増し、31年ぶりに貿易赤字になった。自動車や電機などの製造業は拠点をアジアに移している。2014年半ばには、経常収支でも赤字になると見ている。
日本の人口は過去3年半で290万人も減った。少子高齢化はいよいよ深刻となる。これまでは個人が銀行に預金し、銀行がそのお金を国債に投資する流れがずっと続いてきた。しかし加速する高齢化は預金の引き出しを招き、金利の低下を支えてきたこの循環は断ち切られることになるだろう。
○日本政府の公的債務
日本の公的債務はGDPの229%と世界最悪だ。2011年度の税収はざっと41兆円で、これに対し国債費の利払いが11兆円にも達している。
政府の12年度の予算案では、社会保障費は一般会計ベースで26兆3900億円と前年度から8%減っている。一般会計の総額も90.3兆円と前年度を下回り、一見すると立派な予算案だ。しかしこれにはトリックがある。
一般会計から切り離し、『年金交付国債』なる耳慣れないものが登場している。これは基礎年金の国庫負担分2.6兆円を、将来の消費税増税で償還して穴埋めするというものである。まだこの世に存在せず、実現する保証もない増税をあてにして、交付国債を発行するなどということが許されていいのだろうか。こうした交付国債や震災復興債を合わせると、総額は50兆円に達し、財政赤字のGDP比は10%を超える。見かけをとり繕ってやりすごそうとする日本政府に、もはや何の信認もない。
○バブル化した日本国債
過去20年間で日本の名目GDPは減り、株価はピークから8割下げ、住宅価格は7割下落した。そんななかで、唯一価値を失わなかったのが日本国債だ。長期金利は低下(価格は上昇)を続け、日本国債は最も運用成績の良い金融資産だった。
米国でも、ほぼすべての人は絶対に下がらないと信じ込んできた資産が住宅だったが、米国の住宅バブルは崩壊した。果たして日本国債の安全神話はずっと有効なのかと言われれば、答えは明らかにノーだ。
私の試算では金利が今の水準より1%上がるだけで、10兆円規模の利払い負担が増える。2%の上昇となれば、計算上日本の財政は持続不可能となり、実質的に破綻することもありえる。ギリシャがそうだったように、金利の上昇はある日突然起きるものだ。それまでは国債入札の札割れといった深刻なイベントが何も起きなかったのに、唐突に金利が上がり始め、一気に欧州危機が訪れた。人々の見方は一瞬で変わる。日本だけが例外でいられる理由はない。
私は日本の国債バブルの崩壊が、今後18ヶ月以内に起きるとにらんでいる。
○今後の投資戦略
借金が膨れ上がった国は投資に値しない。2002年から2010年にかけて政府や民間を合計した世界の債務は年率で11%増えてきた。これに対し、世界のGDPの伸び率は平均で4%前後にとどまる。実体経済の規模に比べ、信用創造が明らかに過剰だったことがわかる。これはもう限界で、特に厳しい状況にあるのが日本や欧州、米国などの先進国である。
これからは、自立的な経済成長が可能で、金融の膨張や信用創造に頼ってこなかった国に投資すべきだ。生産性の高さや若い労働力がいる人口構成も重要な要素で、条件に合致するのはカナダやノルウェー、豪州、インドネシア、インドなどである。
我々はこれまで、中央銀行のバンカーたちが提示する世界観を受け入れるように求められてきた。まるで彼らだけが真実の箱の中身が何かを知っているかのように。その彼らは今、無制限にお金を刷り、経済の安定を何とか保とうと躍起になっている。しかし、この経済政策は限界に来ていることは明らかで、もはや国家を信用することはできない。自らの力で考え、生き残っていかなければならない時代が来ている。
・・・<要約終了>・・・
カイル・バス氏の言うように、日本国債のバブル崩壊が18ヶ月以内に起きるかどうか、私にはわかりません。野田政権が不退転の決意で推進する消費税の増税が実現する方向性となれば、問題は少し先送りになると思われます。しかしそうだとしても、日本政府の財政破産が起きるのは、そう遠くない未来だろうと思います。はっきり年月は示せませんが、数年以内には起こるとみています。
では次に日本が財政破産したときの、シミュレーション」を紹介します。
『国家破産 これから世界で起きること ただちに日本がすべきこと』(吉田繁治著、PHP)から抜粋して紹介します。
・・・<『国家破産 これから世界で起きること ただちに日本がすべきこと』、p351〜p362から抜粋開始>・・・
日本で財政破産が起こったときの仮想風景
米国のノーベル賞経済学者クルーグマンは、デフレを終わらせ、日本の期待インフレ率を高めるためには、日銀が国債を買って、いくらでもマネーを刷ればいいといまも主張しています。レスター・サローも同じ主張ですが、これらは、以下の展開をみない無謀な論です。
クルーグマンのすすめで、日銀が「債券市場から国債を物価が上がるまでいくらでも買う」という姿勢を見せれば、
@債券市場では国債価格の下落を恐れたPIIGS債のように売りが殺到して金利が上がり、
A満期が来る国債も、日銀引受けを迫られるでしょう。
この結果は、どうなるか?
借換債158兆円、新規債40〜50兆円で、1年に200兆円くらいの「1万円札の発行」になる可能性もあります。200兆円が金融機関の当座預金(金利ゼロ)に貯まります。金融機関は、金利ゼロのマネーを200兆円ももてば、赤字になります。
このため、なにかで運用しようとする。国債は下落リスクがあるので買えないとなると、投資信託やヘッジ・ファンドへの預託、または金利がつく外貨預金でしょうか。企業への貸付は、リスクが高い。
こうして日銀が刷った日本円の膨大なマネーが、海外に流出します(キャピタル・フライト)。円の海外流出は円売り・ドル買い、またユーロ買い、元買いなので、為替市場で、円は暴落します。
円暴落の気配があれば、海外が日本にもつ債券(日本の株や国債)の312兆円は、大挙して売られます。遅れれば、円安差損の損をするからです。
(注)マンデル・フレミングモデルは、グローバル化した開放経済での、中央銀行のマネー印刷がキヤピタル・フライトによる通貨の下落をもたらすことにしかならないことを証明しています。
円債券を海外から大きく売られた日本の金利はいっそう上がって(10%以上か?)、950兆円規模の既発国債の価格と株価は、再び底なしに下がるでしょう。国債を買う日銀も、バランス・シートに埋めきれない巨大な損失をかかえます。信用を失った日銀が発行する円の価値は、下がるのです。
・・・(中略)・・・
このとき、日経平均はジェット・コースターのように下がり、5000円以下でしょうか。$1=200円という円安(1980年代初期)に、回帰するかもしれません。輸出は、徐々に増えるでしょうが、それ以上に、輸入の資源がいまの3倍に向かって上がります。貿易は赤字になります。これが、所得増のないインフレ、つまりスタグフレーションを生みます。通貨が下がると、輸入資源と商品は即日に上がります。しかし輸出は、海外の顧客への販売なので、徐々にしか増えないのです。これが、円安のときの逆Jカーブ効果です。
1日500兆円の外為売買と、国際資本移動が想像を超えるくらい多い現代経済では、大きな政府債務をかかえた国の中央銀行がマネーを刷る政策は、無効になりやすい。円とドルの交換は、このうち50兆円です。
外為市場での通貨の売買は、国際資本移動を示すものです。筆者の記憶では、11年前の2000年では、世界の外為市場での1日での売買額は、いまの5分の1の、100兆円規模でした。いま500兆円です。通貨売買の増加は、ほぼデリバティブの増加と同じです。それも当然です。外為市場での売買は、個人のFXも、海外旅行のときのような通貨の現物交換ではなく、通貨先物(デリバティブ)だからです。
米国FRB、日銀、欧州ECBに限らず、「中央銀行が債券市場を通さず、国債の買い切りをする」と表明した目から、その通貨は売り浴びせにあって、下落します。これによって中央銀行のマネー印刷の、全部ではなくても大半が、無効化されます。FX(外為先物の売買)を実際に行っているミセス・ワタナベのだれかに尋ねれば、わかることです。
中央銀行の国債買い、つまり国家財政の破産を想定した金融の動きは、以上のようになります。是非をいわず、避けねばならない。
・・・(中略)・・・
一般にいえば、通貨価値の下落は、ハイパー・インフレに向かう物価の高騰です。しかし10年代の経済では、戦後にあったような、物価が10倍、100倍、300倍に上がるハイパー・インフレは起こりません。
先進国での国家財政の破産を、即、ハイパー・インフレとする多くの論は、世界の商品供給力が増え、グローバルなコンテナによる商品流通が急増したことをみない粗雑な俗論です。500兆円ものマネー(購買力)が日々、巨大に移動し、商品も高速で国境を越えるグローバル化した経済では、60年前の資本にも商品にも移動の障壁があった時代とは、根本的に異なるのです。
●インフレの性格が異なる
新興国の工業化と、先進国での生産力余剰(日本は、20兆円の生産力の余剰があります:2010年)があって、消費者物価は上がりにくい。ハイパー・インフレになるのは、たとえば戦争で、工場、農地、商品流通が破壊され、必需の商品や食品需要を満たせないときです。
ただし、供給量に限界がある資源・エネルギー・穀物・食品等の基礎生活物資は、財政破産を起こした国にとって数倍の価格に高騰するでしょう。それらを販売する会社の売上は、基礎生活物資のインフレで増えます。その株価も、数倍に高騰するでしょう。
実効レートで計る通貨が、2分の1に下がった国の輸入物価は、2倍に上がるので、それを原因にした商品インフレは必ずありますが、ハイパー・インフレとはいえません。ハイパー・インフレは物価が10倍以上です。
わが国で国家の財政破産があったときの、消費者物価のインフレは、5〜100%と想定します。不動産も、10年後の人口が大きく減らない地域では、2倍の価格になるでしょう。人口が1年1%以上で減る地域の不動産は、価格を維持はしても、上がることはないと予想しています。
固定金利のローンで住宅を買っている30代、40代の世代に、富の移転が起こります。変動金利のローンは、期待インフレ率に比例して金利が上がるのでダメです。他方、負債のない純金融資産をもっている50代以上世代は、預金、生命保険、年金の価値が半分に下がって、金融資産の2分の1を失うでしょう。こうした富の移転は、将来の日本のためにいいことかもしれません。高齢者世代の金融資産の維持があり続ければ、若年者の所得が、税、年金の掛け金、医療費の保険として、高齢者世帯に移転し続けるからです。
企業も、固定金利の借金で借りているところは、資産と売上上昇の恩恵を受けるでしょう。その代わり、現在、設備投資を抑えてキャッシュ・リッチになっている大企業が、損をします。ただし円安で輸出が増えるので、その点もカバーされます。財政破産の翌年くらいから、円安で日本の輸出は再び増えるように変わります。
政府部門は、財政が破産すると、400万人の公務員を100万人以上削減し、給与水準を70%におさえる削減を図らねばならなくなります。金融機関がもつ過去の国債の価格は下がりますが、新たに発行する国債の金利が、仮に5%に上がっても、借換債の利払いが年々増え、1000兆円の政府負債に対し必要な利払いが、現在の10兆円の5倍の50兆円に向かうからです。なお繰り返せば、国債金利の5%が正常な金利です。現在が異常なのです。
現在の国債の利払いは、過去15年の超低金利のため、前述のように1年で10兆円にすぎません。インフレは過去の政府債務は軽くしますが、新規債の金利が上がって、その後の国債発行の利払いを増加させます。いずれにせよ、いまの30%以上の減少(一般会計70兆円)に向かう政府財政の緊縮が必要になるのです。債券市場がそれを余儀なくさせます。これも、将来の日本にとっていいことです。
債券市場が国債を買わないこと、あるいは国債先物が売られることによる国家財政の破産は、将来の日本のために、悪いことだけではない。避けるべきは、日銀が財政破産を避ける目的で国債を買うマネーを刷り続ける量的緩和の継続から起こる、ハイパーに近いインフレです。これは、国債と金融資産の価値を紙くずにします。
●国債残高が多すぎるためマネー印刷政策は危険になる
政府債務が950兆円ではなく、半分の500兆円ならGDPの100%であり、クルーグマンがいうマネー印刷策も、有効だったでしょう。2000年当時はまだ、国家財政破産の可能性が低かったからです。日本の現在は、異なります。クルーグマンのマネー印刷の主張は、10年遅かったといえます。
ただし、国家が、国債の利払いと償還をしない債務不履行はありません。政府は、満期がきた国債の償還の期限延長(リスケジューリング)もできるからです。金融機関へは、財務省が国債売却禁止令(行政命令)を発動するかもしれません。いずれも、この2つの非常策は、いまEU当局が、PIIGS債をもつフランスとドイツの銀行に対し、要請、いや強制していることです。
普通の時期なら、異常な策です。PIIGSのような非常時なら許容されるかもしれません。ただし、これは海外から国債先物を売るヘッジ・ファンドに、1990年の株価暴落のときのような、巨大利益を与えてしまいます。
●国債が下落したときは金融市場の閉鎖という政策も想定できるが結果は同じ
では、国債先物市場と、オプション市場も、同時に閉鎖するのか。そうすれば、外為市場で、円が大きく売られます。円はまた、暴落します。全市場閉鎖でも、下落した価格の確定の時期が、先に延びるだけで、円と国債の価値が下がることは同じです。
(注)EUが敷いている、PIIGS国債の空売り禁止は、空売り市場の閉鎖策です。
次は、貿易通貨で必要なもの以外の、通貨売買になる外為市場の閉鎖でしょうか。外貨がなかった日本では1970年代以前は、円とドルの交換は、一回の旅行につき5万円以内に制限されていました。通貨の売買は禁じられていました。ただし$1=400円の闇市場はありました。資本が順次自由化されたのは80年代からです。
(注)97年のアジア通貨危機のとき、アジア諸国は、外貨買い(自国通貨売り)を制限しました。
中国が行っている外為の売買制限は、資本の移動禁止令と、同じです。金融機関は、売れない国債をかかえ続け、膨大な含み損をかかえ続けることになります。それでも、「やむをえざる政策」とされ、非常時の国会で、金融の非常事態法が通るかもしれません。銀行に現金を求めた取付けが起こると、商取引と生活費以外の、1日での現金引き出しは、制限される可能性もあります。
以上はいずれも、アジア通貨危機(97年)のときインドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ、韓国政府がとった策に似ています。翌98年は、ロシア国債のデフォルトでした。99年は、ブラジル危機でした。いままで、こうしたことは日本とは無縁と思われていました。
欧州もいま、この危機にあります。米国もです。どこが早いかの違いです。金融危機(信用恐慌)は、90年代以降、世界ではしょっちゅう起こっています。国家財政では、いつの時代も「今回は違う」という論が多い。しかし、その後の事実では、今回も同じだったのです(『国家は破綻する:金融危機の800年』邦訳2011年3月:カーメン・M・ラインハート、ケネス・S・ロゴフ)
国家財政の破産は、官僚組織(国家+地方+独立行政法人:400万人)の財政破産(支払い資金の不足)です。この世の終わりではない。公務員は給料が減らされ、定員が削減され、年金と公的医療費、および社会福祉費が減って、増税に向かう変化です。これは選択肢ではない。いまのPIIGSのように、そうせざるをえないのです。
通貨下落と金利上昇で、民間経済には、大きな影響をおよぼします。国債の、事実上のデフォルトがあると、国民の金融資産は価値を減らします。世帯の金融資産1500兆円のうち、950兆円は政府債務になっているからです。金利の上昇があると、何回も示したように、国債価値が下落します。それが金融資産の価値下落に直結します。Aさんの金融資産=Bさんの負債だからです。
戦争とは違い、信用危機・恐慌は、工場、店舗、オフィス、ホテル、レストラン、インフラ設備、国土と自然、そして人材と技術は残ります。街の外見は変わらない。海辺の街を一瞬で瓦礫にした悪夢のような、人々の命を根こそぎ奪う津波ではない。大震災と原発問題を経験した日本人にとって、これ以上にこわいものはない。3.11にくらべれば、たかがお金です。国家財政破産があっても、悲観しないことです。
以上のような、風景として描いた国家破産に類することを経験したのは、アジアでもこの十数年で、数多い。いずれも、まず通貨が下落してそのあと数年で輸出が増え、立ち直っています。97年のアジア通貨危機で、ウォンが崩壊した韓国はその典型です。
通貨、国債、金融資産の大きな下落後も(金額は同じでも実質価値の低下です)、その後の世界と経済がある。先進国10億人には、これまで無縁とされてきたことです。そのため、イマジーネーションが湧かない。われわれは、可能性が、3カ月サイクルの時間を追って、高くなっている「そのとき」を想定しておかねばならない。
・・・<抜粋終了>・・・
本山です。
補足すると、文中に出てきたミセス・ワタナベというのは、渡辺さんという個人を指すものではありません。FX(外国為替証拠金取引)をやったことのある人なら知っていることですが、日本のFXを行なう個人投資家の総称です。主婦がFXをやっているというイメージが広がったので、こうした呼び名がついたのだと思います。
さらに補足すると上記の引用文の中で、中略とした部分に日本の世代別の金融資産から負債を引いた純金融資産の表がありました。以下です。
・20代以下... +66万円(ローン負債285万円)
・30代 ... −45万円(ローン負債754万円)
・40代 ... +223万円(ローン負債935万円)
・50代 ... +1127万円(ローン負債602万円)
・60代 ... +2127万円(ローン負債252万円)
・70代 ... +2401万円(ローン負債115万円)
日本政府の破産は、深刻な金融資産の減価をもたらします。その痛手を被るのは、この表からわかるように40代から上の世代です。しかし40代から下の世代には恩恵をもたらします。吉田氏は、これを世代間で富の移転と言っています。40代以下の若い世代に富が移ることは、経済活性化という面からはプラスになるに違いありません。
当HPは、私が本や雑誌、その他で仕入れた情報をお知らせするという主旨でやっています。
でも今回は、そうした情報提供とは全く違う記事を書きました。何らかの情報が載っていることを期待されている訪問者の方には、最初にお断りしておこうと思います。今回の記事は、私にとって思い出深い、あるボロアパートの物語です。それゆえ暇で時間潰しにちょうどよいと思われた方のみ読んでいただければと思います。
それは、かつて東京の足立区東和にあった東和荘(とうわそう)という名のボロアパートです。私の両親は、元々は九州の長崎の軍港で有名な佐世保近辺の出身です。父の仕事が炭鉱関係だったために、炭鉱閉山とともに私が10歳にときに家族で東京に出てきました。話はそこから始まります。
○九州、石炭、父
今でもそうでしょうが、子供を大学まで進学させる親御さんは大変だと思います。
さらにそれが国公立の大学ではなく、私立大学ならなおさらだと思います。まして私の両親は、九州からコネもない東京に出てきたわけなので、懸命に身体を酷使して働く以外にありませんでした。そういう意味では、私は大学まで行かせてくれた両親に感謝しています。
さらに私の父は人間関係が苦手で、九州とは風土が違う付き合い方の東京で苦労したようです。せっかく就いた仕事も人間関係のトラブルで長続きしないことが間々ありました。生来酒飲みの父は、昼間から仕事もせず酒を飲む日々が多くなりました。その分の負担を母が背負うことになったのです。夫婦中は険悪になり、一時期本当に離婚の危機を迎えたこともありました。ここまで書くと、ベストセラーになったホームレス中学生ではありませんが、一家離散して私は実際にホームレス中学生となっていてもおかしくありませんでした。でも我が家は不思議と、貧乏ながらなんとか細々と生活を維持することができていました。
その理由は、父が若い頃に懸命に働いて、ある程度の資産を造っていたからでした。
父が社会に出た頃は日本の高度経済成長期で、北九州の各地で黒いダイヤと言われた石炭採掘事業が行なわれていました。父は石炭を採掘する山の現場から、トラックに石炭を積み込み港まで運ぶ仕事をしていました。父は独立してトラックを購入し、この仕事を請け負っていました。それゆえ働けば働くほど、収入は増えます。最盛期には父は午前3時に起きて仕事に行っていたそうです。これは大変実入りの良い仕事だったとのことで、一般庶民にとってはささやかな資産ができたようです。
○東和荘登場
その石炭事業ですが、社会のエネルギーが石油に置き換わるにつれて、急速に廃れてゆきました。次々と石炭関連の会社が閉鎖になり、町には大量の解雇者があふれました。この時、父は東京に出る決意をしたのです。
私と違い、兄は九州にいた時から成績抜群でした。父は兄を東大に入れようと思っていました。それゆえ九州から東京に出てきたのちに、私達兄弟を大学に出す為にと、アパート経営を始めることにしました。そして東京足立区に東和荘という小さな中古で木造のアパート経営ができる物件を買ったのです。アパート経営と言うとリッチなイメージかもしれませんが、6畳と4畳半の部屋が1階に4つ、2階に4つで8世帯。各部屋には半畳の炊事場と押入れだけで、風呂なし、共同便所という典型的な安アパートでした。
両親は子供達の大学進学費用を、このアパートからの収益で賄うことを目論んでいたのですが、これが見事に当たりました。両親の期待を裏切り、子供達は国公立の大学には合格しなかったのですが、私立大学に無事行かせてもらうことができたのです。
私が大学時代に車の免許を取ると、私は母から東和荘に住む住民から家賃をもらうように仰せつかることがありました。住んでいる家から東和荘はけっこう離れていて、車で40〜50分かかるところにあったのです。私はこれが嫌で嫌で仕方なかったのですが、仕事に忙しい母に言われたらやるしかありません。
ある時、母に言われて東和荘の家賃をもらう為に来ると、ある部屋だけ人がいません。住民には、いつもこの時間に家賃を取りに行くと事前に連絡してあったのです。仕方なく帰ってくると、その住民から家賃を取りに来るというので待っていたのに、なんで取りに来ないんだという苦情の電話があったのです。私としては、なんとも変な話だと思ったのですが、とにかく翌日また家賃をもらいに行くことになりました。そうしたら、またしても部屋にいないのです。そしてその翌日、その住民は夜逃げをしました。結局のところ、家賃を払うと言って時間を稼ぎ、夜逃げの準備をしていたのだと判明しました。
30年程前の当時と今とでは物価の水準が違うのですが、それでも4畳半の家賃が1ヶ月で1万4千円で、6畳が1万6千円だったと記憶しています。この程度の家賃でも夜逃げする人がいるんだと感心しました。私は世の中には我が家よりずっと貧しい人達がいるんだという、リアルな勉強をしたのでした。
○廃墟と化した東和荘
両親にとって東和荘は、あくまでも子供達の大学進学の費用を賄うものであったようで、私が大学に通っていた時点で、学費にめどが立ったためにアパート経営を止めてしまいました。アパート経営というと、黙っていても家賃が転がり込んでくるような楽なイメージを持っておられる方もおられるかもしれません。でも東和荘のような社会階層でもっとも貧しい層を相手にする場合は、家賃を回収すること自体がけっこうな仕事です。また人間が集まって暮らすのですから、様々なトラブルが起こってきます。両親はそういったことに、うんざりしていたのかもしれません。東和荘の運営を放棄したのです。ただでさえ古い東和荘は、廃墟と化しました。家は人手がなくなると、あっという間に朽ち果ててしまいます。
人が住まなくなって数年経った東和荘に、新たな住人が入居しました。私の兄です。
父の血なのか、兄もサラリーマンには向かない性格だったようです。大学卒業後、会社勤めを数年経験したのち退社し、会計の資格を取るため東和荘に住んで勉強することにしたのです。兄によると、人が住まなくなって数年経った東和荘に乗り込んで掃除したときは、すごかったそうです。何かすると埃が舞い上がるという状態だったそうです。
そしてそれからしばらくして東和荘に新たな住民が加わります。私です。大学を卒業し、サラリーマンとなった私にとって、家賃がただの物件は魅力的でした。そして私もまた父と似てサラリーマンが苦手でした。サラリーマンをしばらく経験した後、あっさりと会社を辞め、アルバイトで生計を立てる浮き草のような生活を始めました。当時はプータローという言葉すらなく、数年経って世間でプータローという言葉が流行り始めて、やっと私はプータローという呼び名で世間に認知されるようになったのです。
○東和荘の住民達
兄が東和荘に住むようになって、東和荘が新たな時代を歩み始めることになりました。
私と違って、場末の飲み屋が大好きな兄は、近所の飲み屋で顔を広げてゆきました。今もそうかもしれませんが、当時も格安で住めるアパートの需要は多かったのです。飲み屋の人伝てに東和荘の名が広がり、空いている部屋に住みたいと人が集まるようになってきたのです。大家はもちろん兄です。東和荘の新たな時代の幕開けでした。当然ながら東和荘に集まるのは、社会の最低辺を形成する層の住民であり、もちろん私もその一人でした。
高橋留美子さんの人気の漫画で、映画化された『めぞん一刻』をご存じの方がおられるかもしれません。『めぞん一刻』は、美人で後家さんの管理人さんがいるめぞん一刻という集合住宅での人間模様を描いたものです。高橋留美子さんは、最初はめぞん一刻に住む、とんでもない住民達による人間模様をメインにするつもりだったとのことですが、結局は5号室に住む五代君と美人の管理人さんの恋愛物語となりました。そのめぞん一刻が物凄く古い木造の建屋で、ボロボロのところが東和荘にそっくりだというので、私の友人は東和荘をめぞん一刻だと呼んでいました。でも東和荘は美人の管理人さんがいるような、心ときめくものではありません。ただ極めて人間臭い、クセのある人間達の集まりというところが似ていたかもしれません。
その人間臭いところを紹介したいと思います。
東和荘の住民で、元山口組系の暴力団に所属していた本物のやくざがいました。東和荘に流れてきた時は、すでにやくざ組織から足を洗ったとのことですが、私は本当にそうだったか疑うところがありました。その元やくざをAさんとしましょう。Aさんは、当時は長距離トラックの運転手をして生計を立てていましたが、やくざ時代のクセが治らないのか、若い女性に声を掛けては、取り込もうと盛んにしていました。そして若い女性をタコ部屋のような所に住まわせて、客の相手をさせて儲けようと画策していました。東和荘に若い女性を連れてきたこともあったと言っているのですが、私は信用しませんでした。東和荘はまともな人間が住むような所ではなく、妖怪が住むのに相応しい所です。当時ですら少なくなったなった“ぽっとん便所(要するに汲み取り式の便所)”は、夏になると異様な匂いを醸し出します。冬になれば、壁の隙間から冷たい風がビュービュー洩れてくるボロボロの家です。若いお年頃の女性なら、東和荘を見ただけで悲鳴を上げて逃げていくような感じなのです。信用しない私に、Aさんは若い女の子と撮った写真を見せてくれました。その写真には、たしかに東和荘内のAさんの部屋で撮った若い女性が写っていました。私は、当時50歳を超えていたAさんの手腕に感心してしまいました。ムムッ、さすがにプロのやくざの手腕は凄い・・・。
家賃が当時でもかなり安かった東和荘には、そうした奇々怪々な人物が、どこからともなくボウフラのように湧いて住むようになりました。もちろん私もそのボウフラの一人ですが、住民達と交流することはあまりありませんでした。しかし大家である兄は、夜な夜なそんな住民達と近所の場末の飲み屋に繰り出していました。それゆえ兄とはよく飲んでいた私は、住民の誰と誰とがどんな理由で喧嘩しているといった細かい情報を聞かされていました。
ある時、そんな住民の一人が私の部屋をノックしてきました。
そしていきなり、「5千円貸してくれ」と言ってきたのです。私はそれまで口をきいたこともない人から、カネを貸して言われて戸惑ってしまいました。断ると、あっさり引き上げてゆきました。貸してと言っていますが、もちろん返す気もないのだろうと思います。その日の酒代がなかったので、誰かにたかろうとしたのでしょう。私は漫画『めぞん一刻』の4号室に住んでいた(たかり屋の)四谷さんが頭に浮かびました。やっぱり東和荘は『めぞん一刻』そっくりかも、と思ってしまいました。
○ヤス登場
そんな東和荘に突然、犬がやってきました。
管理人の兄とその大学時代の友人で同じ会計の資格試験をめざしていて、まるで貧乏神のような風体の友人と、聴覚障害のあるおじさんの3人で拾ってきたというのです。捨てられていて可哀相なので、東和荘で飼うことにしたというのです。
3人は、この犬をヤスと命名しました。なんとなく犬の顔を見ていて、ヤスという名が相応しいと感じたとのことです。私はヤスの顔を初めてみたとき、なんとなさけない顔をしているのだろうと思ってしまいました。でもそんなヤスの雰囲気は、東和荘という環境にマッチしていたと言えたかもしれません。
聴覚障害のある男性は、兄によると都合の悪いことを言われると聞こえないふりをするのが得意技という、やや年配のおじさんです。
彼はヤスの食事として、ドッグフードをヤス専用の鍋にいれ、水を入れて火で煮詰めて与えていました。火から降ろした直後だと熱過ぎて火傷する危険性があるとのことで、しばらく冷ましてからヤスに与えていました。その鍋の冷ます場所ですが、ヤスの首輪がちょうど届かない場所に置くのです。腹が減って餌を食べたくてしょうがない犬の目の前の数センチの場所に、美味しそうな匂いのする鍋があります。腹ペコのヤスは必至になって鍋ににじり寄ろうと悪戦苦闘します。それを彼は、にたにた笑いながらじっと見ているのです。彼が、ぼそっと、「これが楽しみでなあ〜」と言っていたのを私は忘れることができません。彼はヤスを可愛がっているのでしょうか、それとも虐待しているのでしょうか。
私の兄のヤスの楽しみ方はもっと直接的です。
兄に撫でられて気持ち良さそうに地面にゴロンと横になり、お腹を出して服従の姿勢をとっている(オスの)ヤスの金玉を兄は、おもいっきり指でひっぱたくのです。ヤスはたまらず飛び起きてキャイーンと鳴いて痛がります。この痛みは男性だとよくわかるはずです。そのヤスの痛がる様を、兄はいかにも可笑しそうに笑って見ていました。痛みが治まり、また撫でられて服従のポーズをとったヤスの金玉を兄はまた、おもいっきり指でひっぱたくのです。そしてまたヤスは悲鳴をあげるのです。これはとても可愛がっているとは言えないものです。人間同士のいじめでもそうですが、いじめている方はいじめている意識は薄く、ふざけていると言います。そういう人は、いじめられている方がどんな思いでいるかなんて想像もしないのでしょう。
犬の世話をするというのは、犬好きの人でない限りは色々とストレスのかかることだろうと思います。住民は、そうしたストレスと本来から持っているストレスを虐待まがいのことで発散していたのでしょう。ただそうしたヤスを虐める姿を目の当たりにして、私だけはヤスを可愛がってやろうかという気になったのです。それでヤスを虐めることを一切しないことにしました。そして時々、酒のつまみの残りなどをヤスに与えていました。するとヤスは私にとてもなついてしまいました。ヤスの世話をしている3人の住人からすれば、これは面白くないことだったかもしれません。
○再度捨てられたヤス
そんな折、私がアメリカに旅立つ時が来ました。東和荘から重いスーツケースと手荷物を持って、飛行機の時間を気にしながら近くの駅に向かって歩いていました。するとヤスが私に付いてくるのです。なんと、どういうわけか首輪が外れていたのです。私は何度も東和荘に帰るようにヤスに言うのですが、相手は犬なので言葉が通じません。ますます尻尾を振って付いてくるのです。飛行機の時間があるので、東和荘に戻りヤスに首輪を付ける時間はありませんでした。
駅につくと大勢の人がいますが、それでもヤスは私にどこまでも付いていこうとします。
そして改札で、ヤスはついに駅員に止められました。そして駅の階段を登っていく私のことをじっと見つめていました。振り返ると私の姿を目で追うヤスの姿がありました。これが私が見たヤスの最後の姿となりました。
アメリカに着いて数ヶ月すると、東和荘に住む兄から手紙が来ました。ヤスが肺炎のような症状になって死にかかったというのです。それで3人の住民でヤスを獣医のところに連れていったそうです。その処置のおかげで、ヤスは元気になったとありました。私はヤスを虐めていた住民達のやさしい処置に感心しました。なんだかんだいってもヤスは、住民にとって可愛い愛犬なんだなと思ったのです。
それから数ヶ月経って私がアメリカから帰ってくると、ヤスに関する衝撃的な話が待っていました。東和荘にヤスがいないので不思議に思った私は、兄にヤスはどうしたのか聞いたのです。すると、「捨てた」というのです。私はショックを受けました。
ヤスは夜鳴きをして、近所からかなり苦情が来ていました。また食事や下(しも)の世話や散歩を3人で交代でやっていたのですが、それも疲れてしまったのでしょう。兄によると、犬は帰巣本能があるので遠くに捨てないと戻ってきてしまうということで、車にヤスを乗せ千葉県の田舎まで行ったそうです。そしてそこでヤスを放したら、最初は喜んで歩き回っていたそうです。その隙を見計らって3人は、車で遠ざかろうと発車させると、ヤスは自分が捨てられたことに気付いたらしく、必至になって車の後を追ってきたそうです。でもついに力尽きて、車から見えなくなったと言っていました。
この話を聞いて、私は心が痛みました。
「捨ててしまうんだったら、なんで拾ってきたんだ!」という言葉を何度も飲み込みました。私は3人のようにヤスの世話をしていたわけではありません。部外者が外から綺麗事を言うのは簡単です。世話をした3人の大変な思いを無視して、自分勝手な意見は言えないなと思いました。私はヤスのいかにも寂しそうで、しょぼくれた顔を思い出していました。
寂しそうで、しょぼくれた顔をしたヤス。
○東和荘の解体
大家をしていた兄ですが、本来は会計の資格試験のために、東和荘に住んでいたのでした。それゆえ夜な夜な飲み歩くような住民と暮らすのはまずいと考えたのか、次第に人を入れないようになってゆきました。少しづつ住民が減ってきて、最後は大家の兄と私だけになりました。その兄も数年後に結婚して東和荘を出て行くことになり、ついに私一人だけが住むようになったのです。
こうして朽ち果てていくだけとなった東和荘ですが、私の地元のテニスクラブの友人で、家を出たいという人がいました。そこで私は、空いている部屋がたくさんあったので、管理人のような仕事はいっさいしないかわりに、月3千円で住んでいいよと言いました。その友人がテニスクラブの中心となってやっていた人だったせいで、東和荘に多くのテニスクラブのメンバーが夜な夜な集まるようになったのです。後にそんなメンバーの一人が懐かしそうに言っていたのは、「毎日が合宿みたいでとても楽しかった」でした。
そんな東和荘を解体するという話が持ち上がってきたのです。
私も仕事の関係で八王子にアパートを借りていて、そこと東和荘の二重生活のようになっていました。東和荘は、建物としてはとうの昔に耐用年数を超えていて、地震や台風で倒壊しかねないという状態だったので、解体の話が出るのは無理もありません。私としては、家賃の掛からない東京23区内の拠点が失われるのがとても残念でしたが、仕方ないことでした。
○私にとっての東和荘
亡くなった父が私に言ったことは、「あれ(東和荘)があったから、(お前達に)良くなかったのかもしれん」、でした。父が言いたかったことは、社会に出れば家賃を払って住む所を見つけねばならないので、ちゃんと働かざるをえないだろう。しかしただで住める東和荘があったがために、安易に私達兄弟がサラリーマンを辞め、プータローのような浮き草のような人生をおくれるようになったということです。
父にとってまともな人生とは、東大のような名のある大学を出て、官公庁や日本を代表する一部上場の大企業に勤めるということでした。それゆえ父からすれば私達兄弟は、“ダメ”なやつという評価なのでしょう。
私はそうした父の評価について、何もコメントすることはありません。
価値観は人それぞれなので、それについて良い悪いということはありません。ただ私に言えることは、東和荘で過ごした日々は、私にとって得難いものだったということです。元来、規則や規制で縛られた中で生きることが苦手な私は、学生生活は楽しいものではありませんでした。またサラリーマンにも向いていないようです。それが東和荘に来て、誰からも、どんな組織からも束縛を受けることなく、自由に行動できる素晴らしさを味わいました。年に100万円ほどをアルバイトで稼ぐと、十分に生活していけます。家賃がただなので、後は食費と光熱費のみです。昼は兄とテニスをして、夜は兄と一杯やりながらテニス談義をするという生活でした。時には旅行にも行くし、好きな本はどんどん買っていました。傍から見れば、ボロボロのアパートに住む、社会階層の最底辺にうごめく貧乏人にうつったと思います。いい歳なのに定職に就かず結婚もしないのですから、ちゃんとしたらと言いたくなる人もいたかもしれません。でも私は楽しかったのです。
東和荘がなくなった今でも、兄と酒を飲むとあの東和荘の話が出てきます。
兄にとっても東和荘の日々は忘れがたいものだったようです。青臭い言葉であまり使いたくはないのですが、暗い学生時代をおくった私にとって、20代の大半を過ごした東和荘の日々は、私にとっての青春時代だったかもしれません。もし戻りたい時代があるかと聞かれれば、私は迷う事なく東和荘と答えるでしょう。
ありし日の東和荘。郵便受けの上に「東和荘」の文字が見えます。ボロボロのアパートに見えますが、実際はもっとひどいです。
フォーブスという経済誌で記者をしていたベンジャミン・フルフォード氏ですが、現在はノンフィクション作家として、1〜2ヶ月に1回程度、講演会をしているようです。時々私はその講演会DVDを購入して観ているのですが、先月久々に申し込んでみました。
すると前払いのDVD代金を振り込んだにもかかわらず、全然送られて来ないのです。そこで商品が送られて来ませんと苦情のメールを送ったのですが、それでもしばらく反応がありません。2週間近く立って、配送ミスがあったということで、2枚DVDを送ったとのメールが来ました。(別の日に行なわれた講演会DVDの)1枚は、遅れたことのお詫びとしてサービスしますということでした。しかし、さらに先方は私が注文したDVDを送ったのではないことに気付いたとのことで、もう1枚DVDを送ったとのメールがきたのです。結局私は、1枚のDVDを注文して、3枚も受け取ることになりました。配送係りの人が二重のミスをしてしまったせいで、私は3つの別々の講演会DVDを観る機会を得たのです。
私は千さんのお爺ちゃんセッションで、配送係りの二重のミスは偶然なのか聞いてみることにしました。以前にも(霊的な)ガイドが、色々な仕掛けをすることがあったからです。ひょっとすると、ガイドがフルフォード氏の講演会DVDを、私が注文していないものまで届けさせようとしたのかと思ったのです。千さんの答えは、やはりそうでした。私のガイドは、今の時期にフルフォード氏の講演会を観ることに意味があると言っているそうです。
そのフルフォード氏ですが、以前はテレビに出ていたこともあったようですが、最近はマスコミ全般から干されているように見えます。ネットでも、フルフォード氏は頭がおかしくなったと攻撃しているサイトもあります。そういえば、私がよく行く本屋では、フルフォード氏の本は経済・金融のコーナーではなく、スピリチュアルのコーナーに置かれるようになっていました。オカルト扱いを受けているようです。
こうした現象をみると、私は逆にフルフォード氏に興味を持ってしまいます。
フルフォード氏の語っていることは、マスコミからすると絶対に国民に知ってほしくない内容なんだろうなと思ってしまいます。もちろんフルフォード氏の言っていることが真実かどうかは、私にはわかりません。ただ私にとって、非常に面白い話であることは確かです。これから機会をみつけて少しづつフルフォード氏が語る内容を紹介していこうと思いますが、真偽に関しては、訪問者の方々のご判断にお任せする以外にありません。フルフォード氏は、元記者ということで裏が取れた情報を流していると言っていますが、それはあくまでもフルフォード氏が持つ情報源での話です。あくまでも真偽は、読まれた方々で判断していただくしかありません。
フルフォード氏の語る内容は実に多岐にわたっているのですが、今回は封印された科学技術について紹介したいと思います。フルフォード氏の最近のDVDでは、封印された科学技術が公開される可能性があると言っているからです。封印された科学技術と聞いて、天才科学者と言われたニコラ・テスラを思い浮かべる方は多いかもしれません。ニコラ・テスラに関してはすでに色々と語られているので、ここでは私が面白いと思った2つの技術について紹介したいと思います。
1つは、水からエネルギーを取り出す技術を確立したアメリカの技術者、スタンリー・メイヤーの研究についてです。
『闇の支配者に握り潰された世界を救う技術』(ベンジャミン・フルフォード著、ランダムハウス講談社)から抜粋します。
・・・<『闇の支配者に握り潰された世界を救う技術』、p75〜p83から抜粋開始>・・・
水から取れる画期的エネルギー「ブラウンガス」
テスラはすべての人たちが科学技術の恩恵を受けられる未来を頭に描いていた。無線による電力供給が止められたのは、電気がタダになると誤解した金融マンと産業界の仕業であることはすでに述べた。ただし、これも制度の問題であって、技術的には無料にすることもできたはずである。
電力に限らず、エネルギーをタダで調達する方法はないのだろうか。たとえば、空気や水といった、目の前にいくらでもあるようなものが燃料になったり、永久機関のようなものがあれば、生活は一変するはずだ。高いガソリン代を払ったり、電気料の値上げに苦しんだりすることもない。いわゆるフリーエネルギーがあれば、われわれの生活は科学の進歩に合わせて豊かになるはずである。
「フリーエネルギーなんて、空想の世界の話。錬金術と同じ幻想だ」
そうおっしゃる人がほとんどだろう。権力によって規格化された科学知識しか教えられてこなかったためである。
実は、フリーエネルギー技術は存在する。一番簡単な方法は、水そのものを燃料として使うものである。
皆さんは「ブラウンガス」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これはブルガリア出身のブラウンによって発見された水素と酸素が2対1の混合ガスのことである。水素・水素・酸素でできていて、自らの水素を燃やすことでエネルギーを出す。ブラウンガスを、ZETガス(Zero
Emission Technology Gas)やCPガス(Clean
Power Gas)と呼ぶ人もいる。
ブラウンガスを燃やすと炎の温度は280度と低いのに、タングステンも溶かすことができる。相手の物質次第で温度が上がるのだ。タングステンの融点は3480度だから、5000〜6000度以上になっていると思われる。また、注入したエネルギー以上のエネルギーが取り出せる可能性を持つ。水素を燃やすがプロパンガスのように爆発する危険はなく、燃えて水になる。
水で走る車はすでに実現している
この原理を使って、水で走る自動車を開発した人がいる。アメリカの技術者、スタンリー・メイヤーである。水を電気分解して取り出したブラウンガスで自動車のエンジンを動かしている。100リットルの水で、自分の車をアメリカの西海岸から東海岸まで走らせることに成功した。
普通に電気分解しただけでは、加えた電気エネルギー以上のエネルギーを取り出すことはできない。彼の装置では、直流をパルス状にして電気分解を行うことで、非常に少ない電力で分解できる。
メイヤーは子どものころからいつも何かを作っていた。高校生のとき、水に電気を入れて水素を取り出す実験をやらされた。入れる電気の量は出る熱の量より多いと、学校では必ず教えられる。出てきた水素に火をつけると爆発し、また水に戻るのを見て、彼は「違うんじゃないか」と思った。
ユール・ブラウンも同じように水を電気分解して水素と酸素を発生させ、ガソリン車のエンジンを少し改造して実際に走らせている。1リットルの水から2千リットルのブラウンガスを発生させ、350〜400キロメートル走行できたという。
一般の熱力学の法則では、これは不可能とされている。エネルギーはゼロから取れないのだ、と。しかし現実に水を分解して燃料にできたのだ。ここでも、科学が“Law”「法律・法則」に従わなくてはならないという倒錯した考え方がある。科学においては、現実が最高の法律なのに。
自由にエネルギーを取り出すこうした発見は、すべての宇宙空間はエネルギーでできているという事実が根底にあるから成り立つものである。ところが、電気に関する物理学は、ジェームズ・クラーク・マクスウェルの1870年代からずっと拘束されている。つまり、物質と物質の間には空白があって、真空にはエネルギーは存在しないことが前提になっている。本当は、その学説自体が間違っているのだ。
ブラウンガスが示すように、現実は、アインシュタインが言ったように、地球を含め宇宙はすべてエネルギーの海であるはずだ。宇宙空間を海にたとえれば、氷のような塊があったり、薄くなっているところ、濃くなっているところの違いがあるだけである。真空が無でないということがわかれば、異次元に行くことさえ可能である。
太陽エネルギーが普及しない理由
そもそも、われわれがお金を払ってエネルギーを買う行為は、魚がお金を払って水を買うようなものではないか。目の前にいくらでもあるのだから。そのことに気づかせないように、科学の知識をゆがめ、タブーをつくっている連中がいるのだ。
既存の概念をひっくり返す新たな学説を発表できない状況は、本書の冒頭でたとえたように、ガリレオが地動説を唱えた時代と変わらない。旧来の学説を支える宗教の下で飯を食っている人がたくさんいるからである。
フリーエネルギーの場合、タブーをつくっている大本は石油利権である。具体的には中近東の国々と石油産業、そしてそれらの売り上げ金が回っている軍需産業など。中央銀行も持っている連中だから、すべての科学研究費を握っている。
一般に、数ある産業分野の中でどれが伸びるかは、金融機関からの資金供給をどうするかで決まる。同じように、細分化した欧米流の現在の科学においても、研究が進むか進まないかはお金の振り分け方によって決まる。つまり、技術の命運を握るのは、残念ながら科学者ではなく金融マンであるのが現実だ。
代替エネルギーの実用化が進まないのも、その一例だ。わたしは雑誌『フォーブス』の記者をしていた10年ほど前、大手家電メーカーを何社も取材したことがある。当時彼らがよく言っていた。
「あと2、3年で太陽エネルギーが石油エネルギーとコスト競争できる」
しかし、いまだにコストが高く、値段が折り合わない。それどころか、パネルの原材料になるシリコンの値段は5倍に上がっている。シリコンは砂であり、地球で3番目に多い物質なのに。
理由は、シリコンの精製工場をつくる名目だと、お金を貸してもらえないからだ。石油が値上がりしているから、それに合わせて値段をつり上げているのがわかる。これは国際金融資本による操作以外の何者でもない。
彼らの計画は普通、大きなスパンで立てられる。20年先、50年先の実用化をにらんだ大掛かりなプロジェクトがつくられ、たくさんの科学者を雇う。その中で働いている人たちの社会的評価はもちろん、ノーベル賞をもらえるかどうかもお金を支配する人に全部握られている。
そのため、個人レベルなら実験程度までは辛うじてできるが、本格的な研究開発を進め実用化するのはまず不可能になっている。それどころか、フリーエネルギーのように従来の利権を脅かす研究開発については、徹底して潰しにかかるのだ。
革命的な発見や発明は妨害されるせいで、人類の進歩は大幅に遅らされる。しかし、さらに理不尽なのは、一般市民に封印した技術が一方で秘密プロジェクトとして開発されていることだ。その意味で世界はもう、『ハリー・ポッター』のような状況になりつつある。魔法使い、つまり封印された技術を使って自由にUFOに乗っている人と、その存在を否定されている一般の人たちとの間に、大きなギャップが起きてしまった。
謎の死を遂げたスタンリー・メイヤー
利権を脅かす技術は潰されると述べたが、定説を覆す発明をした研究者の多くが命の危険にさらされている。先ほど、水で走る車を開発したスタンリー・メイヤーを紹介したが、彼は成功直後に命を落としている。
水を燃料にした自家用車でアメリカ大陸横断を果たしたメイヤーは、1998年3月20日、2人のベルギー人投資家と祝杯をあげた。物理学では絶対に無理とされていたことを実現したからだ。乾杯の後、クランベリージュースを口に含んだメイヤーは、急に喉を押さえて外に走った。そうして吐き始めた。弟がどうしたのかと尋ねると、「毒を盛られた」と言って意識を失った。
地元の警察も、彼の死は非常に不思議だと漏らしている。一緒にいたベルギー人にメイヤーが死んだことを告げると、「そうですか。大変だったね」と無表情に答えるだけ。悲しみや怒りといった感情の伴わない反応だったという。
表に出る彼の評価も不自然なものが多い。
メイヤーの研究は、1995年にイギリスBBCテレビがドキュメンタリー番組として取り上げたことがある。この番組に出て彼の発想を紹介したのが、『2001年宇宙の旅』などの作品で知られるSF作家、アーサー・C・クラークだった。ところが彼は、メイヤーが亡くなると、とたんに豹変した。「あいつは詐欺師だった」「だましていただけだったことが裁判で証明された」などと、でたらめな話をマスコミでするようになったのだ。その姿はあまりに不自然であった。何者かに「お前もああなりたいか」と脅されていたのだろうか。
ただし、その不審な死はかえって彼の発明への関心を引き起こした。さまざまな勢力が彼に接近したことを、一部のメディアが伝えている。『TIME』誌によれば、1980年代、メイヤーの自宅に電話がかかってきて、80億ドルで買いたいと提案されたという。弟が「チャンスだ」と促したが、彼は断った。「わたしはお金のためにやっているんじゃない。人類のためを考えているんだ」と。
あるとき、家の前にたくさんの黒いリムジンが止まり、丸一日交渉に付き合わされた。しばらくした夜、軍人の車がやって来た。別の日はアラビア人が来て2億5千万ドルを提示した。「あなたの家族がそれで一生ぜいたくに暮らせるはずだ。だから、この技術はあきらめろ」と。再度軍人が来たとき、彼らは「外国人とはどういう話し合いをしたのか」と聞いてきた。アメリカの軍部内でも、この技術を一般に開放しようと主張する勢力と、武器として使っていこうとする勢力、あくまで封印しようとする勢力がいる。
封印しようとする人たちの屁理屈というのは、石油の利権がないと、アメリカは世界を支配できなくなるというものである。これを失ったら、アメリカは落ちぶれると。メイヤーの発明は石油への依存を終わらせるはずだったが、彼の死によって利権は延命した。
しかし、真実を隠し続けることはできない。彼のパテントは一般公開され、いろいろな人がそれを作り始めているからだ。水で車を走らせる技術はネット上にも出回っており、装置を買うこともできるようになっている。
・・・<抜粋終了>・・・
もしメイヤーの研究が封印されることがなければ、福島第一原発の事故は起きなかったかもしれません。フルフォード氏は、現在の人類の産業の約7割がエネルギーに関連したものだといいます。かりに、ただ同然のエネルギーを人類が手にすることができれば、化石燃料や原子力による環境破壊をすることなしに、私達は今と比べて信じがたいほど豊かな生活をおくれるようになるのは間違いありません。
参考までにメイヤーの研究に関するサイトを紹介します。
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-10328859717.html
次に紹介するのは、画期的なガンの治療法についてです。
・・・<『闇の支配者に握り潰された世界を救う技術』、p111〜p120から抜粋開始>・・・
すべての病気が完治するライフ博士の技術
科学技術は発達しているのに、病気は減ることがない。それどころか増えているのが現実だ。現代の医療は、本当に治すためにあるのかと首を傾げたくなる。たくさんのよい治療が止められているからである。
20世紀前半、ウイルス性のすべての病気を治す方法を考えた学者がいる。その名はロイヤル・レイモンド・ライフ。20世紀前半、20年かけて電磁波を使った治療方法を開発した。これが普及していれば、何10億人が救われたことだろう。解禁されれば、これからでも確実に人類の幸せにつながるはずである。
治療する方法も顕微鏡と電磁波を使う、実に簡単なものだった。彼の臨床実験の結果は1930年代まで科学雑誌や医学雑誌などにデータとともに発表され、効果が立証されていた。普通なら大変なお金持ちで、有名人になるはずである。ところが、そのすぐ後、立ち消えになった。情報が封印されたのだ。
それどころか、どこからか悪評を流され、今では詐欺師呼ばわりされているありさまだ。実際「ウィキペディア」を見ると、「ニセ科学」の分類に入れられ、「理論がでたらめ」「効かない」などと紹介されている。しかし、証拠を一つも挙げていない。紹介記事の情報源として列記している本や論文をきちんと読んでいないのだ。
革新的なアイディアを持つ発明家は、いつの時代も笑われるものである。特に最初はそうだ。パスツールは細菌が病気を引き起こすと主張して、学会からも世間からもバカにされた。エックス線を発見したドイツのレントゲンも、最初はそうだった。「身体の中が見えるわけないだろう」「大嘘つき」と。
ライフも例外ではない。彼はお医者さんや看護婦に、手術の道具を消毒するように言い聞かせていた。最初はみんなに「何だ、お前は」と不審がられた。神経質なのか、変な信仰に取りつかれているのかと思われたのだ。ほかの天才たちと同様に、ライフの説いていたことは今、当たり前になっているのだが。
ウイルスも見える高性能の光学顕微鏡
ライフはもともと理工学会社に勤めていて、顕微鏡の研究開発をしていた。それが、1920年代の大不況のときに失業した。お金持ちの運転手の仕事を見つけてやっているうちに、そのお金持ちを説得して自分の研究に出資してもらえるようになった。そうして開発したのが、論理的に不可能だと言われていた光学顕微鏡である。
不可能というのは、光学理論では光の分子(フォトン)より小さいものは見えないとされているからだ。だから、光学顕微鏡には限界がある。当時、顕微鏡の拡大率は3千倍程度だったが、彼がつくったのは6万倍。理屈を超える精度だった。写真も残っている。
彼の時代には、電子顕微鏡の初期型がすでに出回っていた。しかし、これを使うと、見ている対象が死んでしまうという欠点があった。電磁波が飛ぶからである。そのため、生きている細胞や細菌、ウイルスなどを見ることができない。しかも、倍率はライフが開発したものを超えてはいなかった。
ライフは電子顕微鏡の欠陥を研究するうち、一つの発見をした。光にはいろいろな周波数があることだった。光には人間に見えるものと見えないものがあるし、化学作用を引き起こす紫外線や、熱を発生させる赤外線など、さまざま。すべての分子や細胞には、それぞれに響く周波数があると考えた。違う周波数を持つ2つの光を合体させ、必ず人間が見えるものを開発したのである。画像が確かなことは、電子顕微鏡でも裏付けられている。
ライフの気づきは画期的なことだった。しかし、6万倍の光学顕微鏡は市場に出るときになって、妨害を受ける。電子顕微鏡を開発していたRCAというメーカーが許さなかった。自社の顕微鏡を世界の研究所に売ろうと考えていたこの会社に、精度の高い光学顕微鏡の誕生は厄介に映ったのだ。
ライフはニコラ・テスラやトーマス・ブラウン同様、途中までは認められた。それも国民的に高い評価を得て、発明で14の賞を受賞している。彼の発明した技術は、今も飛行機や光学製品、電子機器、化学製品で使われている。彼ら天才たちに共通するのは、みんな独学によること。今の科学は細分化されすぎ、ほかの知識が見えなくなっている。それに対し、彼らは広く考えることができたのだ。
わたしは実際に、ライフの顕微鏡をのぞいたことがある。最後につくった器械が、イギリスの科学博物館に残っているのだ。彼の顕微鏡で見えた75パーセントの物質は、ほかの顕微鏡では見えないものだった。
ガン細胞だけを殺すことができる周波数の発見
ライフにとってこの発明は、病気を治療しようとする新たな研究領域を開くものになった。彼は顕微鏡でガンを研究し始めたのだ。
自分でつくった光学顕微鏡でガン細胞をのぞくうち、ウイルスがガンを引き起こしていることに気づいた。今もこれを否定している人がいるが、その当時は誰も考えていなかった。彼が理解したのは、すべての細菌は化学物質でできていて、それぞれが破壊される特有の周波数を持っているという事実である。
これは、先ほども例に挙げたが、オペラ歌手がある音域で歌うとガラスが割れるのと同じ原理である。ライフはそれぞれの物質に害を及ぼす周波数を探していく。そうしてさまざまな周波数を送る実験を繰り返して、小児麻痺やインフルエンザなどを治療する方法を見つけた。連日の徹夜の末、最終的にはガン細胞を殺す周波数があることも知る。
周波数の違いによって、エネルギーはさまざまな形に変化する。
たとえば短波ラジオの周波数を変えていくと、受信する局が変わる。周波数をさらに上げていくと、長波ラジオがある。その延長線上に光がある。……と言っても、わたしたちが見える光は限られていて、エックス線やガンマ線など見えない光が無数に存在する。電波も光も、物質も、すべてはエネルギーでできていて、それぞれの周波数が違うだけなのだ。
昔も光と同じように、人間にわかるものとわからないものがある。これも周波数の違いによる。わたしたちに聞こえない高い音が、小さなネズミには聞こえる。逆にゾウは、わたしたちに聞こえない低い音を出している。最近まで知られていなかったことだが、ゾウにも言語がある。単純な会話だが、「あっちで水を探そう」とか「こっちでバナナを食べよう」などと、お互いにしゃべっているのだ。
軍に悪用された殺人周波数兵器
この原理を利用して、兵器を開発した男がいる。フランスのウラジミール・ゴヴロー博士は、人を殺す周波数を見つけ、本来禁止されている兵器をつくろうとした。
きっかけは、彼が軍事ロボットの研究所に勤務していたとき。みんな気分が悪くなり、吐き気を催した。しかし、どの研究員もその理由がわからなかった。
「一体、何がおれたちを苦しめているのだろう」
あるときゴヴローは、ある窓が開いているときにみんなの体調が悪くなることに気づいた。その窓の下には機械があった。最初はその機械から排出ガスでも出ているのではないかと思ったが、調べると何も出ていない。やがて、機械から出ている音であることがわかる。その昔は、1秒に7サイクルの周波数を持っていた。機械から出る音と建物の構造が重なり合って、偶然にこの周波数が生まれていた。
ゴヴローはこの気づきから研究を始め、人間を死に至らしめるという恐ろしい音を開発するに至った。
この原理は、われわれも身近に経験しているはずである。わかりやすい例を挙げれば、黒板を爪で引っかいたとき、「キーッ」という嫌な音がする。誰もが鳥肌が立って、耳をふさぎたくなるだろう。
イギリスでは、デパートの入り口に若者にしか聞こえない高くて不快な周波数の音を流している例がある。若い人たちがたむろするのを防ぐためだ。音の周波数を応用した兵器は、こうした装置の延長線上にある。
この兵器を用いるときの問題点は、敵に向けて発信するとき、自分たちも周波数を浴びてしまうことである。ゴヴローはロボット工学が専門だったから、ロボットを遠隔操作して、そこから殺人周波数を発信しようと考えていた。その後軍事機密になったが、今も存在しているはずである。
ナチス時代のドイツでは、アドルフ・ヒトラーが演説するとき、人には聞こえない周波数をスピーカーから発信していたと言われている。それには人の怒りをかき立てる効果があったそうだ。
また、ときどきクジラが陸に打ち上げられるニュースが報道される。これはアメリカ海軍のソナー(超音波探知器)から逃げようとするのが原因だと、最近わかってきた。
あらゆる生き物には、それぞれに苦しむ音や死に至る音が存在する。ある特定の病原菌だけを殺す周波数を見つけ、医療に役立てることは可能なはずである。
医療・製薬利権による徹底的な妨害工作
ガン細胞を殺す周波数を見つけたライフは、臨床を試みた。
1934年、カリフォルニア大学が特別研究チームをつくり、末期ガンの患者をライフの元へ送った。90日間もつかどうかが心配された患者たちだったが、90日経過した時点で86.5パーセントの人が治っていた。そして、残り13.5パーセントの人も次の4週間で治った。つまり、100パーセントの末期ガン患者が生き残ったのである。
ライフは毒を飲ませてばい菌を殺すのではなく、そのばい菌だけが死ぬ周波数を身体に発信して治療した。しかも、すべての患者を治すことができた。これは人類にとって大きな発見である。それゆえ、大きなパーティーが開かれた。しかし、この後状況は暗転した。薬に頼らない医療に対する製薬利権側の反発があったからである。
当時、モリス・フィッシュベインという男がいて、アメリカ医師会の株を買い占めて幅を利かせていた。薬草でガンを治す方法を見つけたへリー・ホックスウェイという技術者に特許を売るよう迫った。拒んだホックスウェイは15ヶ月の間に125回も逮捕された。明らかな嫌がらせである。毎回無罪にはなったが、これでは精神が参る。
フィッシュベインはライフにも近づき、周波数装置の独占権を得ようとした。断ったライフの研究所にはやがて、泥棒が入った。写真や顕微鏡の部品、映像や文書などが、何度にもわたり少しずつなくなった。彼の顕微鏡は非常に複雑で、4682個の部品からできていたが、一部でも欠けたら使い物にならない。
次に、ニュージャージー州のバーネット研究所がライフの研究を発表する前に火事になった。彼の研究が本物だと宣言するつもりだったが、準備が無に帰した。
最悪だったのは、警察が彼の50年間の研究成果をすべて押収したことだ。これはまったくの違法行為だ。おまけに、彼の治療機械をつくった医療機器メーカーは、どこも訴訟を起こされてしまった。彼の研究を支持する勤務医や研究所の技術者は、みんなクビになった。そして、これとは逆に、彼の研究を無視する医者や研究者には、お金がたくさん回るようになったのだ。
この背景には、病気をめぐる大きな利権がある。特にガンは、医療産業にとってドル箱だ。健康にするために診ているのではない。ライフが生きていた1905年、ガンで死んだアメリカ人は20人に1人だったが、今は3人に1人。技術の進歩とは裏腹に、確実に増え続けている。
ガン患者一人当たりの平均治療費は3千万円だが、ガン治療に従事する人は、ガン患者よりも多いと言われる。製薬会社にとって、一回の治療でガン細胞が死滅するのでは困ってしまう。彼らの理想は、凄く高い薬を一生買ってくれることである。これを実現するため、日々さまざまな画策をしているのだ。
・・・<抜粋終了>・・・
もし(日本人の)私達が病院で検査を受けてガンが発見されたら、医者は切除手術、抗ガン剤、X線のどれかで治療するように迫ってくるはずです。フルフォード氏は知らないようですが、アメリカではこうしたガンの三大治療を反省する機運が高まり、代替・統合医療が模索されています。こうした取り組みでアメリカでは、今ではガンによる死亡率が急速に減り始めているのです。
しかし日本では相変わらず切除手術、抗ガン剤、X線だけです。日本で代替医療を行なう医者は、厚生労働省から執拗な弾圧を受けている実例があります。こうした日本の実情は、ガンが死亡率1位で年間15兆円の産業となっていることから容易にわかります。ライフの治療法が普及して、ガンが1回で治ってしまっては困る人達がいるのです。
番外編として、西丸震哉(にしまるしんや)氏の記事を紹介したいと思います。
西丸氏は大腸ガンが発見され、知人の医者に切除手術するように勧められます。手術しないと死ぬとまで言われたようです。しかし西丸氏は、このとき一般の日本人で取るであろう行動とは全く違った行動をとります。ライフの治療法が封印されている現状では、こうした対応も一つかなと思います。
『滅びの大予言』(西丸震哉著、三五館)から抜粋します。
・・・<『滅びの大予言』、p171〜p173から抜粋開始>・・・
ガン対策の誤りがはっきりしてくる
1968年のニューギニア調査に行く直前に知人のドクターが、念のため身体全部を診てやるといった。ニューギニアで病気になったら大変だろうという友情の発露にちがいない。
「じゃぁ、頼むよ」と診てもらったら、「大腸ガンだから切り取ろう」とあっさりいう。なにしろ東大医科学研究所内科医長殿のお見立てだ。ふつうの人ならおとなしく従ったかもしれない。大腸ガンは肛門に近いところが多いが、私のは上向結腸が横向結腸となる角のあたりだ。
「ちょっと待ってくれ。いま切られたんじゃ、ケガ人になって探検に行かれない。帰ってからにしてくれ」
「いつ帰る?」というから「半年後」と答えたら、「途中で死ぬなあ」と彼は断言した。好きなことをやって死ぬのだから、まあ、いいかと内心思い、研究途上で死ねば、戦死みたいなものだとも思った。
ニューギニアに行ってから、ときどきそのあたりがチクチク痛む。さすりながら「抗ガン剤なんかで痛めつけないから、そのかわり悪さをするなよ」とガンに言い聞かせた。そして「おまえが暴れたらおれが死ぬ。おれが死ねばおまえだって死ぬんだ。だからこの際共存していこうじやないか。おたがい、いじめっこなしでいこう」
と言いきかせた。するとすぐに痛みが治ってしまう。同じ身体の中だからテレパシーがよく通じるのだろう。以来30年、こうやってつきあってきている。自分の分身か、できそこないの子と思えばいい。バカな子ほどかわいいと思えばいい。
患部と覚しきところが大きくなったり小さくなったりする。大きくなると痛むのだが、そこに数分手を当ててやると、半日くらいで小さくなってしまう。
この話をある医者にしたら、「そりゃあ誤診だ」と言い切った。そう思う読者も多かろう。私は、「キミは誤診だっていうけど、それを見つけたのは○○先生だ」と、名前を出したら、「誤診とはいえない」と撤回した。私を診た先生は彼の大先輩に当たるのだった。
私はその後、検診は受けないことにしている。すぐに見つけられて、また切ろうと言われ、ゴタゴタと騒ぎになってしまうだけで面倒だから。いまさら切ったってしょうがないと思っている。抗ガン剤を使うとか、切除するというのが最高の治療法なのだろうか。
ガンは極端にいえば、精神に関わる病気かもしれない。国立がんセンターの所長、部長の多くは、ガンで亡くなられている。日々ガン患者ばかり診ているから「おれもガンになるんじゃないか」という意識が自然と湧いてしまい、それがストレスになってガンになるのではないか。
いま、主流の西洋医学に対する反動だろうか、自然治癒力を生かす、ガンは治さない、といった思想が出てきた。ガンには玄米穀食がいい、という食餌療法も、その流れに入ろう。
それも悪くはないだろう。そうやって、自信をもってガンとつきあえばやられない可能性は高い。「もうだめだ」と思えばだめで、「なにを!」と思えば、免疫力、抵抗力が出てくるのではないか。ガンを敵と考えずに、仲良しになって共存していこうという平和な考えをしてはどうか。敵も友達をいじめるようなことなどしたくないだろう。いまの、西洋医学の手術とか抗ガン剤療法だけが、ガン治療法ではないだろう。もしかするとガン対策はまったく方向ちがいのことをやっているのかもしれない。
ずっと未来の人類がもし存在するなら、かれらは20世紀の連中はすごい愚かな考え方をしていた原始民族だったと、学校で子どもたちに教えるだろう。
ガンになると身体を切り刻んだり放射線を当てたりしたんだって、ウワー野蛮だ!
・・・<抜粋終了>・・・
ある訪問者の方から、魂が生まれる前に行なう計画についてのご質問をいただきました。
それについて考えているうちに、こうした疑問は多くの方々が持つのではないかと思えてきました。そこで魂が行なう計画についての私の考えを、記事にしてまとめることにしました。
魂の計画について語る際には、どうしても「あらゆる出来事は必然」という命題にふれないわけにはいきません。未来に起こる出来事は、すべて(物理次元を超えた高次の世界から見れば)事前に決められていたことなのかというのは、魂の計画を考える際には避けて通れないテーマです。
○この世のすべては必然か?
スピリチュアルに関心のある方と話していると、時々「この世のすべては必然」と言われて、私は戸惑うことがあります。
どういう思いで、「この世のすべては必然」と言われたか判然としないのですが、言葉の文字通りの意味だとすると、この世で起こるすべてのことは計画されたことであり、偶然というのは全くないということかもしれません。
例えば、私が朝起きて寝ぼけてドアに足をぶつけたのも必然なのでしょうか。あるいはこうした日常の些細な出来事は偶然もあるが、人生の大きなイベントは必然という意味でしょうか。スピリチュアルの本を読んでいると、私達の次元では偶然と思えることも、次元の高い上から見ると必然なのだという記述があります。おそらく「この世のすべては必然」と言われる人々は、こうした記述からそうした表現をされているのではないかと推察します。
私自身は、そうした見解に全面的には賛同しません。
私達の次元では偶然と思えることも、次元の高い上から見ると必然というのは、たしかにある一部分ではそうだと思います。しかしすべてがそうだとする見解には反対です。
なぜかというと、すべてが必然であるとするなら、私達は結局は、(自分自身でないが高い次元の存在が結果を知っている)人生を生きていることになります。どのくらいの高さの次元かわかりませんが、“すべての結果を知っている”存在がいる一方で、私たちは悪戦苦闘しながら先の見えない人生を、暗中模索して進んでいることになります。そうした人生を送る意味はどこにあるのでしょうか。
○宇宙の存在の意味
私達が住むこの3次元の物理次元の世界を4次元の世界から見ると、ある程度未来が見通せるだろうと思います。さらに5次元の世界からみると、もっと見通せるはずです。6次元や7次元なら、さらに深く遠く見通せるはずです。しかし次元を上げていって、“すべてを完全に”見通せるのでしょうか。
私は、この宇宙を創造した創造主ですら、それはないと思っています。
逆に、それが創造主がこの宇宙を創造した一番大事な根本的な動機ではないかと私は考えています。つまり創造主はこの宇宙を創造し、そしてこの宇宙がどのように進化していくのかを、私達が想像を絶する長い年月を掛けて見届けているではないかと思うのです。神秘家ゲリー・ボーネルさんは、魂を“創造の観察者”と定義しました。魂(トライアード)はこの宇宙が創造主によって創造されたとき、この宇宙の進化を観察する存在として造られたといいます。宇宙は進化していくのです。もし創造主が、この宇宙の“すべてを完璧に把握して”結果を知っているなら、なぜ観察者が必要なのでしょうか。結果がわからないから、観察者が必要なのです。人間は肉体と進化する存在としての肉体意識(ダイヤード)の上に、観察者としての魂(トライヤード)が宿った存在だといいます。私達人間は、進化を体験すると同時に、その進化を観察する存在です。
繰り返します。なぜ観察する必要があるのでしょうか。それは結果がわからないからです。
○未来は私達が創造する
私が直接ゲリーさんから聞いたわけではありませんが、ゲリーさんの個人セッションを受けた友人から聞いた話だと、ゲリーさん自らアカシック予言の的中率は2割程度だと言っていたそうです。ゲリーさんは以前、年初の1月にその年のアカシック予言のセミナーをやっていたことがあって、そこで発表したアカシック予言の的中率のことを言っているのだと思います。
2割という数字を、多くの人はちょっと低いと思うかもしれません。
私はここで的中率が高い低いということを問題にしたいわけではありません。アカシャに書いてあることが全部実現するのではないことに注目したいのです。もちろんゲリーさんがアカシャに入る達人であることは間違いありません。それゆえゲリーさんは正確にアカシャの情報を読んでいるはずです。注目すべきは、1年というスパンでみると、8割程度は結果が変化しているということです。
アカシャの情報を読むということは、その時点での情報を見たということにしかすぎません。未来は私達の集合意識やその他の要因で、時々刻々と変化していくからです。それゆえ今日アカシャから得た情報は、明日には全く別物になっているかもしれません。個人の未来は、その人の意図によって大きく変化します。また私達全体に起こる出来事も、私達の集合意識によって大きく変化します。未来は、私達が創造していると言えます。
もしあらゆるものが必然だというなら、アカシャから得た未来の情報は、100%実現していなければ理屈に合いません。アカシャの情報が時々刻々と変化しているということは、未来が確定していない明白な証拠だといえます。
○魂の人生の計画
魂は地球での数百の転生で、様々な経験をすることを望んでいます。魂は過去から未来といった直線的な時間軸にも縛られず、経験から経験を旅していると言われています。例えば、大金持ちの人生を経験した後は、ド貧乏の人生を経験するといった具合です。
魂はその人生において、望む経験をするために人生のポイントにおいて、必要なイベントを計画しておきます。そのイベントが起こったときに、私達はそのイベントに対して反応するわけですが、それが人生の道程だという言い方をゲリーさんはしていました。イベントに対して常にポジティブな反応をしていれば、その人生はポジティブなものになり、ネガティブな反応ばかりしていれば、ネガティブな人生となっていくのだと思います。
では魂のそうした計画は、すべて上手くいくかというとけっしてそうはならないようです。チェコ人のシャーマンであるペトル・ホボットさんは、人生は実験だと表現していました。自分の未来は自分が作るものである以上、時には失敗もあります。なぜなら実験なのですから。
これは私の勝手な考え方ですが、私は魂の計画として自殺を選ぶというのは、よほどの例外でないかぎり無いと思っています。人生の計画でもうこれ以上生きていても、何も得るものがないという場合は、ガイドが病気や事故などを用意してくれて(これも計画の内ですが)自然に、この世を去るようにしてくれるはずです。自殺というのは、魂の計画が破綻した印だと私は考えています。
現在の日本の人口は1億2500万人程度です。平均寿命を80歳として計算すると同じ年齢の人口は156万人ほどです。現在日本では1年に3万人を超える自殺者が出ています。すると、3万人÷156万人=0.019で、全体の1.9%ほどの人が、魂が立てた人生の計画を完了しないで自殺しているといえます。いい加減な計算ですが、一つの目安になります。
例えば人生において結婚というのは、多くの人にとって極めて重要な人生のイベントです。しかし魂の計画で結婚の約束をしたパートナーが、出会う前に自殺していたら、出会えないことになってしまいます。こうしたことは、可能性としてはかなり低いですが、ありえることだと思います。
○切れた私の赤い糸
魂レベルで計画していたことが実現しなかったという、私自身の例を紹介したいと思います。
私は50歳を越えて独身の身ですが、実は魂のレベルで結婚の約束をしていた相手がいました。そうした魂レベルの約束を私は全然憶えていなかったのですが、30代でその相手と出会った際に、記憶に甦ってきました。
魂レベルでは結婚の約束をしたのですが、この3次元の物理世界に出てしまうと、結婚は極めて難しい状況になるということがわかっていました。その極めて難しい理由ですが、ひょっとするとその女性がこの文章を読む可能性があるので、伏せておきます。私達は、生まれる前に何度もその状況が打開できないか協議しました。私達は次元の高いマスターのところに相談に行ったりもしました。でも結局マスターから言われたことは、「結婚できぬ」でした。私はその女性(生まれる前の魂)に、このままでは結婚できないので、別の転生はないかと訊ねました。するとその女性は、もう他に空きはないと言っていました。結婚するためには、年齢と地域を合わせる必要があるし、そのときの生活の状況などが整っていなければなりません。別の魂には別の計画があるのですから、私達2人だけの都合で転生が選べるはずもありません。
その為、私は少しでも状況を打開しようと、結婚のためにあるイベントを用意しました。そのイベントはたしかに起こったのですが、全体の流れを覆すには至りませんでした。結局その女性は、他の男性と結婚したのです。やはり魂レベルで相談したマスターの言う通りになってしまいました。私もまた別の女性と結婚することも、私が意図すれば可能かもしれませんでした。でもこうした魂の計画の記憶が蘇ってくると、他の女性を探すという気にはなれませんでした。
○ある訪問者の方からのメール
これまで色々と書いてきましたが、ここで魂の計画に関するある訪問者の方からのご質問を紹介したいと思います。
・・・<ある訪問者の方からの結婚に関する質問>・・・
・・・(略)・・
それで、質問といいますのは、結婚についてのことです。
あるブログのサイトで、そこの管理人さんがゲリーさんのリーディングを受けたとき、「あなたは生まれる前に結婚は計画していませんでした」と言われたそうですが、その管理人さんは結婚してお子さんもおられるそうです。また、結婚するとゲリーさんに言われた方でも独身の方がおられるようで、この結婚というテーマは何なんだろう!! 実際結婚したりしなかったりという現象は他のテーマよりも不確定な要素が多いのかな、と最近どうしても不思議でしようがなくなりまして。。。
本山さんは、ゲリーさんの結婚に関するリーディングと実際の現象に食い違いがあることについて、どうお考えでしょうか。どうしてもお聞きしたいんです。
ゲリーさんに「あなたは結婚しません」と言われた人でも結婚してしまう可能性はあると思いますか? ちょっと次元は変わりますが、プロの四柱推命の先生から「あなたは必ず結婚します」と同時期に言われた人がいるとして、ホントに赤面してしまうんですけど(こんなつまらないことを本山さんに真面目に尋ねて)、どう考えたらいいんでしょう?
・・・<終了>・・・
ゲリーさんが「あなたは生まれる前に結婚は計画していませんでした」と言ったのは、生まれる前の魂の段階で、結婚の計画をしていなかったという単にそれだけの事実を伝えただけだと思います。それ以上でもそれ以下でもありません。今後、結婚を望み、それを意図されるなら、それに相応しい伴侶が現れるかどうかは、ご本人の持つ可能性次第と言えます。ただ仰るように、結婚というのは他のテーマよりも不確定な要素が多いというのは事実だと思います。なぜならそれは双方の意思が、絶妙なタイミングで合致する必要があるからです。大事なのは、あなたの意思です。何を望むかです。
ゲリーさんが「あなたは結婚しません」と言ったというのは、現在のアカシャの情報では、その可能性はないという意味だと思います。それはその人の未来の可能性を否定するものではないはずです。あくまでの現在のアカシャの情報を伝えただけだと思います。
ポジティブで本物のサイキックならば、相手の未来の可能性を摘み取るようなことは言いません。ネガティブな存在であれば、相手をコントロール(操作)しようとするので、相手の未来の可能性を限定するような言い方をすると思います。ゲリーさんに言えることは、アカシャの現在の情報を読む限りでは、あなたは将来結婚する/しない可能性があるということだけです。ゲリーさんであれ誰であっても、あなたの未来を決める権限などありません。自分の人生を決めるのは、自分の意思なのです。
人間とは心弱い生き物で、未来をよく当てる霊能者や、未来の相場を華々しく断定的に予想する経済・金融評論家の言葉に、ついつい惹きつけられてしまいます。それはよくわかります。私達一般庶民には一寸先は闇ですから、その一寸先を断定的に言う人々の言葉は、私達を大いに揺さぶります。しかし実際のところ未来は決まっておらず、それを決めるのは私達一人一人の総意なのです。そう思えるようになれば、未来の予言を聞いても、「うんうん、まあそれも一つの可能性だな」と受け取れるようになると思います。
民主党は消費税を、平成14年4月に8%に、平成15年10月に10%に増税する素案を取りまとめました。野田首相は、「ネバーネバーネバーネバーギブアップ」と言い、不退転の決意で消費税のアップを遂行しようとしています。
そもそも日本国民が負担する消費税のアップを、国内でコンセンサスを得る前に、国際公約として打ち出したところに財務省と野田政権の狡猾さを感じます。外に向かって宣言してしまったのだから、国民に仕方ないと納得してもらおうという、安易で姑息な手段と思えてなりません。先日のニュースを見ていたら、国民の7割以上が、消費税アップに対する野田政権の説明が不十分と感じているというアンケート結果が報道されていました。日本国民は本当にお人好しだと思うのですが、政府が消費税アップの必要性を十分に説明すれば、容認するということでしょうか。
私は消費税のアップに反対の立場です。
政府が言うように、増税しなければ日本国の財政が立ち行かなくなるという話が事実であっても反対です。なぜなら今の日本の政治体制を今後も維持していくことは、日本国民の不幸だと思うからです。逆に、政府が執拗に増税を迫るということは、日本国内に資金が本当に枯渇しつつある証拠だと思え、日本政府を破綻させる千載一遇のチャンスと言えるかもしれません。
苫米地英人(とまべちひでと)という脳機能学者がいます。
苫米地氏は、『君は1万円札を破れるか?』(マキノ出版)の中で、国民は政府によってマスコミを通じて洗脳を受けているといっています。
一例として、本のp127から抜粋します。
財務省のホームページ内にある子ども向けの「キッズコーナー」というページには、「公債残高を国民1人当たりにすると約500万円、4人家族では約2000万円の借金をしていることになります(数字は2010年末見込み)」などと書いてあります。新聞やニュースでも同様の表現をよく見かけますが、国債が日本国民の借金だと思わせるのは、とんでもないミスリードです。「国民が日本政府に貸してあげている」というのが正しいのです。
国民は政府にお金を貸している債権者なのに、お金を借りている債務者のように表現されているのです。つまりこれは「日本国民=日本政府」というイメージを植え付け、大借金をしてしまったのだから、増税は仕方がないと国民に思い込ませる洗脳というわけです。
もちろん日本国民と日本政府は別物です。
日本国民の了解もないまま、政府は湯水のように国民のお金を使い込み続け、それで足りたくなってきたので、増税してさらに国民から搾り取ろうというのが真実の姿です。こうしたやり方を許してしまうと、さらに際限のない増税が国民を苦しめることになるのは必定です。日本国民の財産を勝手に食い潰してきた人間達に責任を取らせて、辞めてもらわなければなりません。その責任を国民が増税という形で背負う理由など何もないのです。
苫米地氏は、日本政府を破綻させるべきだと主張しています。
私はこの苫米地氏の意見に全面的に賛成です。多くの国民は日本国が破産すると、とんでもない破滅的なことが起こると考えていると思います。これは苫米地氏が指摘しているように、政府による国民への洗脳が見事に成功している事例です。日本政府が破綻して困るのは、これまで「収賄や天下りなど、さまざまな権益の甘い汁を吸ってきた一部の政治家や高級官僚たち」だけです。そうした寄生虫のように日本国の富を食い潰してきた政治家や高級官僚が一掃されることは、多くの国民にとって恩恵となるのは間違いありません。
では苫米地氏の本から抜粋して紹介します。
・・・<『君は1万円札を破れるか?』、p139〜p145から抜粋開始>・・・
現実的な解決策は?
少なくとも、日本という国の運営をこのまま、旧来の支配体制にどっぷりの政治家や官僚たちに委ねていたところで、財政の再建など望めるわけがありません。
このような状況下で、私たち国民はどのように考え、行動すべきでしょうか。結局のところ、私たちの一人ひとりがこれまでに仕掛けられてきた洗脳支配を脱し、新たな価値観をもって日本社会を再生していく道しかないと、私は考えます。
「お金=資本主義だけが絶対的な価値基準だ」「アメリカのいうことは絶対だ」「財政破綻したら日本は終わりだ」といった洗脳を解き、それによって生じていたスコトーマ(心理学的盲点)を外して、その先にあるものを見なければなりません。
先に述べたような形での「自主的な財政破綻と再建」という可能性だって、国民の一人ひとりがもっと真剣に考えてみるべきでしょう。財政破綻というのはどういう状況なのか、そうなると何が困るのか?
おそらく、多くの人がイメージする財政破綻とは、次のようなことでしょう。国債と円の大暴落が起こり、インフレや金利の高騰によって多くの企業が倒産。大量の失業者が出る。国民の預金は封鎖される……。
しかし実際には、財政破綻が起こったとしても、そこまでの事態には陥らないで済みます。これは、政府の借金を国民の借金と思い込ませるのと同様で、「政府の破綻=日本国の破綻」だととらえさせて、国民全体が甚大な被害を受けると思い込ませるミスリードなのです。
日本政府が破産して本当に困るのはそこで働くことによって高い給料をもらってきたばかりでなく、収賄や天下りなど、さまざまな権益の甘い汁を吸ってきた一部の政治家や高級官僚たちです。
これは企業の破産になぞらえて考えると、イメージしやすいでしょう。たとえば、会社更生法を適用された日本航空(JAL)の場合、旧経営陣は責任を取らされてクビになり、新経営陣はほとんど無給で働いています。だからといって、飛行機が飛ばなくなったかといえば、そんなことはありません。今まで通りに運行しています。
つまり、企業が破産したからといって、多くの社員の生活に大きな変化はないのです。一部に不当解雇の憂き目に遭った人もいたとはいえ、ほとんどの若手社員はクビになどなっていません。経営責任のある人たちだけが、その責任の重さの度合いによって公平に罰せられるだけなのです。
日本国の破産も企業倒産と同様に考えればいいのです。この場合の旧経営陣というのは政治家になりますから、彼らは全員クビ。官僚も、経営責任を問えるレベルの役職、次官クラスまではクビということになるでしょう。さらに、国債保有者から訴訟を起こされ、損害賠償を求められる可能性も高い。彼らはそれを避けたいがために、お金(税金)を払って日本株式会社によるサービスを利用しているお客さん(国民)に対して、「うちが潰れたら、あなたたちも困りますよ」と脅しをかけているのです。
たしかに、現在の日本政府が破綻するとなれば、行政サービスに支障が生じる可能性はあるでしょう。ですが、行政サービス機関を順次、民営化していくなど、講じられる対策はあります。というよりも、政府の支出を削減していくためにも、本当に必要なものを峻別し、不要なものは切り捨てていかなければなりません。膨大な数の公益法人や国にぶら下がっている半民半官の企業、それらに天下りする官僚たちには、撤退してもらわないことには、しかたありません。
私たち国民が行政に完全に依存しているサービスは、意外と限られています。水道を除く、電気・ガス・通信などのライフラインはすべて一応は民営化されていますから、なんら問題ありません(水にしろ、民間会社から購入可能です)。国公立の教育機関や医療機関は、地域格差が生じないように配慮して全国均一に設置したら、それ以外のサービスは民間の自由競争に委ねればいいでしょう。また、行政が担う中で、経済の論理の中に置くと困る治安維持や国防の機能、つまり警察や自衛隊などは民営化するわけにいきませんから、別途、対策が必要でしょう。でも、そのほかに行政に提供してもらう必要があることといえば、住民票などの証明書類くらいのものではないでしょうか。
一方、日本国自体は何も変わりません。あなたが買った家も土地も貯金も、そのままです。
変わるのは、日本国家の株である国債の価値がゼロになるということですが、実はそれも計画的な国家の自己破産を行うのであれば、対策が可能です。
この場合、本質的な債権者は国民ですが、すでに紹介したように実際に株(国債)を所有しているのは国内の金融機関です。金融機関が倒産し、預金が引き出せなくなるような事態に陥るのでは……と思われる方も多いでしょう。
預金封鎖に関しては、日本国憲法第29条に定められている財産権に抵触するため、これを行うには憲法の改正が必要です。もし、国会議員が自らの利益を守るために、そんなことを決議しようとするなら、それこそ国民が一致団結して潰せばいいのです。
そもそも、過去に発行された国債のすべてがデフォルト(債務不履行)になる心配はありません。日本政府には資産もあるからです。
先ほど触れたように、財務省が公表する「国の財務書類」によれば、資産も660兆円あります。もちろん国有資産のすべてを現金化できるわけではないし、額面通りの価値があるかどうかも疑問ではありますが、少なくとも、負債があるというとき、資産を並べて考えないことには意味がありません。マスコミはなぜか借金のことばかり騒ぎ立て、資産について取り上げることがほとんどありません。1000兆円近い借金があるといっても、道に落としてなくしたわけではないのです。このこと一つ取ってみても、常識的に考えれば、おかしな話です。
要は、この国有資産を国債保有高に応じて分割し、国債の償還に充てればいいのです。もっとも、現実的には国有地などの資産を公平に分割することは不可能でしょうし、仮にできたとしても、日本の資産を本当にバラバラにすることは得策ではないでしょう。そこで、民間が管理する「日本国有資産株式会社」を作り、国債の保有高に応じて株券を分けていけばいいのです。これはいわば、国債の管理を今までの日本政府から、私たちの代表である破産管財人に移管するということです。
破産した国の株券に価値などあるのか、と思うかもしれませんね。しかし、破産によって日本が実質的に破壊されたわけではありません。金融破産しただけです。それも、日本国が国民に対して、「借金が払えないので、少し待ってください」といっているだけなのです。私たちは借金の返済を待ってあげて、ともに再建の道を歩んでいけば、いずれ日本国の株券の価値は上がるのです。
そうした中で、労働者・生活者としての私たちに及ぶ悪影響も、一時的にはあるでしょう。「円」という通貨に対する信用は間違いなく下がりますから、ある程度のインフレが起こるのは避けられません。ですが、仕事をしていて収入がある人、すなわち、現在「価値」を生み出している(生産している)労働者は、物価の上昇に追随して収入の上がります。
インフレで困るのは、今、お金を貯め込んでいる人たちだけです。結果的に、金持ち老人から若者への所得移転が進むわけですが、日本の将来を考えれば、それはむしろ必要なことだといえます。
ただし、インフレ率が高すぎると、年金で生活している高齢者や健康上の理由などで働けない人は困窮します。ここでも、一定程度のセーフティネットを準備する必要はあるでしょう。
こうして書いてくると、「なんだ、やっぱり国家が破産したら、大変なんじゃないのか?」と思われるかもしれません。たしかに、一時的にある程度の混乱は起こるでしょうし、国民がある程度の痛みを引き受けることも覚悟しなければなりません。
そうですが、私がここでいいたいのは、「国民は自分たちの手で再生手続きに入る選択をするべきだ」ということです。今、そのくらいのことをして膿を出し切ってしまわなければ、早晩、にっちもさっちも行かなくなり、外圧に押し切られる形で内政の自由を奪われ、国民に大幅増税を突きつけられるのは間違いないのです。それは、日本人のさらなる奴隷化が進むということにほかなりません。
・・・<抜粋終了>・・・
本山です。
私は現在の日本政府が破綻することを望んでいますが、破綻の際に絶対に譲れない線があります。それは、破綻処理としてIMFが日本に乗り込んでくることです。これだけは絶対に避けなければなりません。IMFが破綻処理としてこれまでやってきたことは、、現体制のさらなる強化です。トップの首だけ替えて改革を行なったようにみせかけ、厳しい規制をかけ、社会福祉の大幅カットとさらなる増税を行なうのです。韓国がそうでした。IMFがやることは、トップの寄生虫を別の寄生虫に替えて、さらに国民から搾り取るというものです(IMF自体が寄生虫の親玉のような存在なので当然といえば当然なのですが)。
日本国債の94%は国内で消化されています。
日本政府の借金は1000兆円を超えていますが、対外債務は45兆円に過ぎないといいます。つまり日本政府の破綻は、国内問題なのです。それゆえIMFが乗り込んでくる正当な理由などありません。しかし破綻の際に日本の政治家や高級官僚は、自分達の権益を失うまいとしてIMFを呼び込もうとするでしょう。私達は、これだけは絶対に譲ってはならないと思います。
2012年が明けました。
2001年1月1日にスタートした当サイトも11年目を迎えることとなりました。
当初は2〜3年は続けてみようという程度でしたが、多くの方々が訪問されるようになり、止めるに止めれなくなってしまいました。でも10年続けてこれたというのは、意味があったと思っています。
これまで訪問していただいた方々に本当に感謝致します。
有難うございました。
これからも細々と続けていきたいと思っております。更新が遅れることも多々あると思いますが、長い目でみていただければと思います。
日本は昨年、東日本大震災という未曾有の大地震に襲われました。しかしさらに東海地震のような巨大地震が襲ってくるという人々もいます。地球規模の気候変動が起きている現状では、熱波や水害などの自然災害は今後も激しさを増すことは確実です。また世界恐慌のような経済・金融の大変動が来るという人々もいます。こうした経済・金融の大変動の波に飲み込まれ、全財産を失う人もでてくるかもしれません。そうした可能性は否定しようもありません。こうした大変動が、私達のこれまでの社会システムを根本的に変えるかもしれません。
しかし私は一見暗い世相とは逆に、2012年以降に大きな期待を持っています。
それはシフトに対する強い思いです。神秘家ゲリー・ボーネルさんによれば、1000年間のシフトのエネルギーが地球に降り注いでおり、現在はちょうど500年目で、その中間点になるといいます。そのピークは2011年の冬至から2012年の冬至までの1年間であり、シフトの象徴的な体験として光の12日間があるといいます。人類の集合意識が選択しなかったために人類全体としてシフトすることはないが、(本人が望めば)個人としてシフトしていくといいます。
私は最近、確信したことがあります。
私がこの時代に生まれた最大の目的は、シフトを体験することであったということです。私は生まれる前に、魂のレベルで今の人生を計画していたという(断片的な)記憶があります。その計画を立てている段階で、ものすごくワクワクしていた記憶があるのです。私という魂(トライヤード)にとってシフトを体験するということは、何事にも替え難い大きな喜びのようです。そしてそれは、このHPを訪問されている方々の多くにとっても、同じではないかと思っております。
ではシフトでどのような体験をするかということですが、もちろん今の私に正確なものはわかりません。しかしペトル・ホボットさんやドランヴァロ・メルキゼデクさんが語っているものを読むと、大まかなイメージを持つことはできます。
今回はそれらを紹介したいと思います。
まずペトル・ホボットさんからです。
・・・<『「UFO宇宙人アセンション」真実への完全ガイド』、p261〜p267から抜粋開始>・・・
浅川 それは波動が変わることによる変化ですか。
ホボット まず太陽の活動が変わり、波動も変わってきます。時間は引力に関係があるので、物質が変わると時間の流れや時間の濃さも変わります。そして、太陽のリズムは銀河の中心からの影響を受けて変わります。そのように、物質的な宇宙は徐々に変わってきているのです。
浅川 今回の波動の変化について私はこう考えています。銀河の中心から強い生命エネルギーが注がれはじめ、それによって太陽の活動が変わりはじめた。そのように太陽の活動が変わると、当然その影響は地球にも及ぶ。
そして、地球は銀河の中心から直接生命エネルギーを受けると同時に、変化した太陽からも新たな影響を受けて、結果的にかなりのスピードで波動が上がりはじめた……こういうふうに思っていますが、正しいでしょうか。
ホボット はい、そのような波動の変化は、物質を構成するサブクォークの成分が変わるサイクルでもあります。現時点は新しいサイクルが始まるところであり、時間の濃さや物質の組成や性質の大きな変更がまもなく行われる可能性があります。
・・・(中略)・・・
すべてのことがうまくいけば、これからの数年間で、波動の上昇に備えて準備のできている人たちは、3次元と同時にアストラル界に存在できるまでに波動が上がります。彼らは自分の体を非物質化させたり再び物質化させたりして、好きなときにアストラル界に出入りできるようになるでしょう。それは不可能ではありません。
たとえば、私は体を非物質化させることを3回経験しています。最初は約15年前、最後に経験したのは2年前のことであり、3回ともすべてシャーマンの訓練中に体験しました。それは、体が魂に吸い込まれる現象です。体はマインドの1つの形態であり、物質は実際には存在していません。サブクォークの成分はエネルギーと情報だけであり、それを最小単位として物質が成り立っています。
その非物質化の体験では、私はマインドとなってアストラル界へ行きました。ただし、私はそのプロセスをコントロールできなかったのです。意識的にコントロールできたほうがいいのですが、私の場合、それは突発的に起こりました。
非物質化のプロセスでは、まるで自分の肉体が溶けてしまうような感覚に襲われ、しばらくすると透明になり消えてしまいました。その状態でアストラル界に行ったのです。なお、非物質化したときには自分の体の形を意識で自由に変え、老人や若者になることもできます。
ブラジルで起きた非物質化の体験中、アストラル界から戻って再び物質化したときにはチェコのプラハに現れていました。そして、そこには私の知人がいたのです。この状況を作ったマインドやある種の力でそのようなシンクロニシティが作られたのでしょう。しばらくしてから再び私は非物質化して、元いたブラジルで再物質化しました。
そしてその後しばらくして、ブラジルからチェコに帰ったとき、私はその知人から、「前からプラハに帰っているのに何で連絡してくれなかったの」と問われました。つまり、その人はプラハで物質化した私の姿を3次元的存在として、その目で確認していたのです。それを言われたとき、あの非物質化の体験は主観的な私の想像ではなく、本当に起きたことなのだと理解しました。
浅川 つまりそのときの体験は、体外離脱してアストラル界に行った体験とは違うということですね。
ホボット 違います。今ある肉体を非物質化してアストラル界に移行し、再び戻ってきて物質化したのです。これから波動が上がる人々も私と同じような体験をすると思います。予期しない体験に驚く人も多いと思いますが、各自の潜在意識が正しい導きとなってくれるでしょう。そして、次第に自らの意思でコントロールできるようになってきます。
・・・<抜粋終了>・・・
本山です。
私はこの文章を初めて読んだときに、大いに興奮してしまいました。
肉体を非物質化してアストラル界に行き、さらに再物質化して戻ってくることができるなんて、素晴らしいと思いました。アストラル界を冒険できるだけでなく、地球の裏側にも瞬時に移動できるとなると、タダで簡単に世界旅行できると下世話なことまで考えてしまいました。
次に紹介するのは、ドランヴァロさんのインタビュー記事です。
ドランヴァロさんがこの3次元世界から4次元世界に移行するために必要な知識を述べています。
・・・<『StarPeople 2011 Winter Vol.39』、p12〜p13から抜粋開始>・・・
−−− 5次元とはどんな世界ですか。
ドランヴァロ この3次元の世界では、私たちの身体は純粋な質量を保ちながら、ごく少量のエネルギーで形成されていて、この世界のすべてがそのようになっています。4次元に行くと、私たちは身体を保っていますが、質量はほんの少しで、ほぼすべてがエネルギーに変容します。4次元の世界では、3次元と同様に身体は有形に見えますが、すべてがエネルギーです。そして、5次元の世界では、質量は全くなく、すべてが純粋なエネルギーとなり、通常は身体としての形状はなくなり、球体状の大きな白い光となります。この球体状の光となるのはひとつのステップで、その後はさまざまに変容します。これを説明するのはとても難解なことですが、ひとつの可能性としては、やがてその光は宇宙そのものとなり、それが私たちの身体になるのです。しかし、このようなことは私たちの理解を越えた範囲ですから、いま知っても私たちの助けにはなりません。
私たちがいま知らなければならないのは、「3次元からどうやって4次元の世界に向かい、その際にどのようにして自分の身体を次の次元へもっていくのか」ということです。これは、アセンションする上で最も重要なカギのひとつです。どうしてかというと、4次元の世界では、この3次元の身体が赤ん坊となるからです。4次元の世界に移行したとしても、同じ地球の別の周波数に存在するということで、景色はすべて変わります。そこでは、いまの私たちの身体は、経験として2年ほどで身長約3.5メートルにまで成長し、次のレベルの5次元へと移行する準備ができます。これまで私たちが転生を繰り返してきた理由は、3次元の世界に身体を置いたまま無意識的に死んでしまい、向こう側へたどり着いたときに身体がないことに気づいて、また3次元に戻ってこなければならなかったからです。そして、また違う人生を送って、意識的に亡くなることで、この身体をもち帰るチャンスを得るためでした。
−−− では、どうやって身体を4次元にもっていくのでしょうか。
ドランヴァロ それにはまず、自分の身体はイメージだということを知らなければなりません。この3次元は、私たちが思っているような世界では全くなく、実際はホログラムであり、すべてが意識(コンシャスネス)で作られています。つまり、身体だけではなく、すべては意識の中のイメージでしかないということです。これを理解すれば、身体を4次元にもっていくのは容易なことです。科学的に言えば、この身体を次の次元に波動としてもっていって、それをイメージとして形成すればいいことで、肉体を実際にもって行く必要はありません。これは、誰にでもできる簡単なことで、肉体をもって3次元に生きている限り、たとえ車いす状態だとしても、腕や足がなくても、この変容は可能です。
4次元の世界にたどり着くと、そこでは見えるもの全てを自分で作り出しているということをすぐに習うことができ、それを理解すれば、同じ方法を自分の身体に応用できます。つまり、自分の身体を完壁に修整して、自分の理想的な身長や体重など、すべて好きなように作り変えられるのです。なぜそれが可能かというと、身体は意識であり、すべての現実がそうだからです。
本来、私たちはみんなこの方法を知っていますが、ただ忘れてしまっているのです。でも、この方法は、すべての人のハートの中に情報としてしまわれているので、何かを新しく習う必要などは全くなく、自分のハートとつながることが必要なのです。そうすることで、私たちは自分が誰なのか、何が可能なのかを思い出すことができます。
南アメリカのごく一部のシャーマンたちは、身体は意識でしかないことを理解していますから、瞑想中に光り出したり、宙に浮いたりしますし、イメージを変えることによって、鷹やヒョウなどに姿形を変えることも可能です。このような話は、映画で見たりなどして知っているかもしれませんが、多くの人はその方法を知りません。
・・・<抜粋終了>・・・
ドランヴァロさんが言う4次元とはホボットさんが言うアストラル界と同じものだと私は考えています。ホボットさんが言うように、アストラル界に非物質化して移行して戻ってくることも可能だし、ドランヴァロさんの言うように4次元世界の身体を形成し、その世界に住むことも可能なのだろうと思います。それは自由意志なんだろうと思います。
もちろんこの3次元世界が大好きで、これまでの地球環境と全く経験を望む人々も多くいると思います。
私自身は、シフトの体験にワクワクしています。こうした変化は宇宙でもめったに起こるものではないといいます。私はこの千載一遇のチャンスを逃すことなく、体験したいと強く願っています。