16. パフリングの溝掘り

難易度 : ★ ★ ★ ★

材 料

今 回 使 用 す る 道 具


前回の作業で、美しいアウトラインが出来たでしょうか? 今回はまず、パフリング カッター、パフリング クリーナの仕立てからです。

パフリング カッター

「パフリング カッター」。一般には馴染みのない道具ですね。カッターというと、これでパフリングを入れるための深い溝を直接掘る道具かと思われるかもしれませんが、そうではなく、パフリング カッターは、パフリングのラインを罫描くための道具です。
パフリング カッターにもいろいろな形状のものがありますが、私の使っているタイプを例にとって説明していきます。他の形状のものでも原理は同じなので、参考にして下さい。
パフリング カッター
  1. パフリング カッターの切っ先はよく切れますか? もし、切れ味が悪いようなら、刃を留めてあるネジをはずして、砥石で砥いで下さい。
  2. パフリングにも様々な太さのものがあるので、自分が用意したパフリングの幅をノギスで測ります。(図1)
  3. パフリングの幅と同じ厚さの木の板(硬めの木がよい)、もしくはアクリル板などを、図2の赤い部分のように、刃と刃の間に挟める大きさにカットします。
    ※ パフリングそのものは軟らかいので、挟んでネジを締めると寸法が変わってしまいます。パフリングを挟むのはやめましょう。
  4. 3. で作った板を刃と刃の間に挟み込んだ状態で左右のネジを調整し、図2の青矢印の間隔が4mmになるようにします。
図 1
パフリングの幅を測る
図 2
パフリングと同じ幅の板を挟んでパフリング カッターを調整する

パフリング クリーナ

パフリング クリーナは、パフリングを入れる溝をほじる道具です。第12回 「ライニングの曲げと接着」 でちょっとだけ使用しましたね。
これにもいろいろな形状のものがありますが、それぞれ、ここで説明する方法を参考にして仕立ててみて下さい。

  1. 購入したままのパフリング クリーナは刃幅が太すぎますので、自分の使用するパフリングの幅よりやや細くなるように、ヤスリと砥石を使って削ります。(図3の赤線部)
  2. パフリング クリーナは、テコの力で溝の木をめくり取っていきます。自分で使いやすいと思われる形に、ヤスリと砥石で削ります。(図4の赤線部)
  3. 刃先は平ノミのように砥いで下さい。切れ味はほどほどで充分です。
図 3
パフリング クリーナの刃幅をととのえる
図 4
刃の形をととのえる

パフリング カッターとパフリング クリーナの仕立てができたら、いよいよめんどくさい溝掘りです。

  1. 仕立てたパフリング カッターで、アウトラインとパフリングの外側の間が4mmの均等な幅になるように罫描いていきます。
  2. ボタンの部分は、パフリング カッターでは罫描けないので、フリーハンドで、ラインがきれいに連続するように書き足します。0.3mmのシャープペンシルで構いません。(図5の赤線部)
図 5
ボタン部はパフリングのラインをフリーハンドで描く
  1. プンタの部分は、自分でデザインし直します。
    パフリング カッターで罫描いた線は、先端がプンタのど真ん中を狙っています。
  2. ど真ん中より、上のプンタでは少し下を、下のプンタでは少し上を狙うようにします。0.3mmのシャープペンシルで、線を修正して下さい。(図6・図7の赤線)
図 6
上のプンタ
図 7
下のプンタ
  1. パフリング カッターの線(ボタンとプンタはデザインし直した線)の通りに、ナイフで何度も切りつけます。この時、垂直にナイフを入れるよう留意して下さい。
  1. ある程度の深さまでナイフの刃が入ったら、パフリング クリーナで、線と線の間を削り取っていきます。
  2. 5. と 6. を繰り返して、だいたいパフリングが裏板の表面からとび出さないくらいの深さまで掘ります。(図8)
図 8
パフリングはアウトラインから4mm内側です
パフリングの溝完成

パフリングについて

パフリングには、装飾的な意味合いと、経年による板の端からの割れが内側にまで広がらないようにするという役割があります。
また、パフリングを入れる作業の手順としては、当講座で解説しているようなやり方の他に、アーチを作ってから入れる方法があります。Stradivariなどは、プンタ部にパフリング カッターの痕が残っていることから、アーチ完成後にパフリングを入れたと思われます。当講座のやり方では、パフリング カッターで罫描いた痕は消えてしまいますが、いずれの方法でも問題はないでしょう。


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