徳源 徳売門とくもと とくえもん人生を語る
■プロフィール

○性別  ♂ 

○生年月日 明治38年5月16日  年齢 100歳 

○身体
・足腰衰えなし、 ・血圧正常、・視力 1.5 ・聴力抜群
(悪口には特に敏感) ・歯極めて良好
(虫歯なし、治療経験なし)

○趣味   
・養生訓を読むこと・経済新聞を読むこと・株式をやること・ネット囲碁をやること・野菜、
果樹を栽培すること 

■翁との対談集 

●健康について


Q1 100歳というのに、頭の回転、目、歯、肌のつや等20歳代に感じますが、その秘訣
を教えてください。?


A1.まあ これといって特別のことをやってきた訳じゃない。ただ日の出とともに起き、日
没とともに寝ることかな。


Q 2 好きな食べ物、嫌いな食べ物はありますか。?

A2 食卓に並んだものは何でも有難く、感謝の気持ちで頂くのじゃ。肉も、魚も、野菜も
ありとあらゆるものをこの気持ちで食べるのじゃ。


Q3 毎日の生活態度を教えて下さい。


A3 日の出とともに起き、日没とともに休むことじゃ。天地自然と共に生きてきたというも
のじゃ。所詮人間は自分の力で生きていると思い上がっているが、自然に生かされてい
るということじゃ。自然に逆らってはろくなことはない。

Q4 今までに病気をしたことはありますか?

A4 病気なんかかかったことはないのう。毎日自然と共に生きてきたから。人間は自然
に生きることが一番じゃ。そうじゃ、指に棘がささって一度病院に行ったぐらいじゃ。

Q5 100歳を迎えた今の心境を教えてください。

A5 人の命は有限であるが、20代の頃に思った「死も老いも自分には縁がない」こんな
心境じゃよ。明治、大正、昭和、平成と4つの時代を生き、その時代時代にときめきを感じ、
好奇心を持ち、あれもやってみよう、これもやってみようとこんな気持ちで生きてきたもの
じゃ。人間好奇心とやる気をなくしたら終わりじゃ。平成の次の時代が、自分にどんなとき
めきを与えてくれるのか楽しみにしているのじゃ。お前さんら若い者も、些細なことで心を
悩まさず、大きな気持ちで生きていくことじゃ。

●お金について

Q1.今までお金に関してどのような考えてきましたか?
A1.若い時は、山程欲しい、預金通帳が桁外れするぐらい欲しいと。日本という国は、教
育も機会均等であるし、門地による差もないと教えられてきた。そのために、猛烈に勉強
をし、有名大学を出ていい会社に入ろうと考えたものじゃ。しかし、現実は、経済的な余裕
がなければ大学教育を受けられない。門地による差別がないと言いながらも、門地のあ
るものは、経済的にめぐまれている。差別は厳然として存在するのじゃ。今になって思え
ば、自分のゆとりや、文化的な豊かさを犠牲にして、経済的に豊かになるために、モーレ
ツに働いてきたが、今日と明日を生きるための食とお金があれば充分じゃ。


Q2.お金儲けの方法について教えてください。
3.金は天下のまわりものというではないか。お金、お金とぎらぎらしていると、ますます
縁遠くなるものじゃ。何のためにお金を儲けるのかという目的を持つことじゃ。ただがむし
ゃらに、ご馳走がたらふく食べたい、いい車、いい家に住みたい、これも立派な動機じゃ
が、わしから見ると、ちょっと動機が不純だ。ある著名な作家がこんなことをいっておる。

”人はそれぞれ背負うべき荷物がちがう。背負うべきものを背負って生きたかどうかによ
って人生の
価値が決まると”、なる程いい得て妙である。とはいってもわしら凡人には、
お金、お金と頭から離れないものじゃ。そこで、小財を築いたわしの経験をちょっとだけ
披露しようか。ここに汗水たらして得た100万円の金があるとする。銀行がつぶれたら、
元も子もないと箪笥にしまい込む人もいる。利子が付き、まあ信用もあるから銀行・郵便
局に預ける人もいる。世の中の人の動き、金の動きを研究し、株式、銀行、郵便局、土地
投資にと幅広く運用する人もいる。どの人が最適な金の運用をしているのかは、ある一
時点で判断できないものじゃ。”チャンスの頭は禿頭”というが、わしら凡人には、チャン
スが目の前にあるのに掴もうとせず、過ぎ去ろうとする時に掴もうとするから、禿頭を掴
むようにするっと掴み損ねるのじゃ。そこで、わしからの助言だが、日々眼光鋭く、頭を
フル回転し、世の中の動きを観察することに尽きる。とは言っても、武器なしでいくら鞭
を入れても、成果はゼロにひとしい。少なくとも、経済のABC、人間心理等世の中の仕
組み、動きを読み解くための勉強は最低限必要じゃ。かくいうわしも、大した勉強をした
訳ではないが、一つ経験という誰にも負けない貴重な財産があるのじゃ。何せ、明治、
大正、昭和、平成を生きてきたからのう。しかし、わしらが100年かけて蓄積した貴重
な経験、体験も、インターネット全盛の時代の若者は瞬時に手にいれてしまう。わしも若
者に負けぬよう、インターネットに精通し、最新の情報をを手に入れ、最大の成果を上
げるため、日夜奮闘しておるのじゃ。 


●生き方について

Q1.変化の激しい世の中、人間にとってストレスの溜まることばかりのですが、組織に属
していた時代、リタイアして地域での時間が多くなった今、それぞれの時代にどのような
気持ちで暮らして来ましたか?

A1.サラリーマンとして約40年の長きを組織に属してきた。駆け出しの頃は、会社イコ
ール家族の意識が強く、何もかも会社優先、労働優先で、平日に休んでいると怠け者と
思われので、外出するのも気がひけたものじゃ。大きな会社にいれば一生安泰という気
持ちで何の疑問も持たず、会社優先の生活をしてきたものじゃ。しかし、国が豊かになり
、外国文化に触れる機会が増え、やがて日本国中が欧米文化一色に染まり、人々の思
考・行動様式が一変したのじゃよ。”他人に笑われない”、”恥ずかしい”という思考・行動
基準が吹っ飛んでしもうた。しかし、わしはこのような変化には、びくともしなかった。何故
なら、わしはこのような時代が来ることを予測していたのじゃ。歴史を紐解けば、水が高い
所から低い所に流れるように、文化もある時を境に先進国から後進国に雪崩れをうって
伝播していくのじゃ。まあそういう意味で、わしの行動基準は、40年前に確立されておっ
たから、すんなりと受け入れられたものじゃ。しかし、その当時から会社及び世間的には
、変わり者であったのかもしれないが。でも、わしは人が何と言おうが大変満足した生活
をしてきたと思っているのじゃ。いつも人の目、組織の目を気にして浮き草のような思考・
行動をするより、自己の信念に基づいて行動することの方が大事じゃ。はぁはぁはぁはぁ
ー 痛快 痛快

●子供の教育について

Q1たくさんの子供、お孫さんがおりますが、子供の育て方について教えてください。


A1.わしには、孫子合わせて100人いる。どれもこれもわしの目から見て、立派に育っ
ている。決して出来はよくないが、賢く育っていると思うのじゃ。そういう意味では、わし
の育て方、教育方針は間違っていなかったとひそかに自負しているのじゃ。人によって
は、幼児教育が大切だと、小さなうちに、やれ英語だ、やれ算数だ、やれピアノだと子
供を追い立てている。わしにはそのようなものにかける金もなかったが、子供を自然に
触れさせ、子供の意の趣くままに育ててきたのじゃ。しかし、放任して来たわけじゃない
。母親が毎日、朝早くから暗くなるまで夢中に遊ぶ子供の相手をしてきたのじゃ。子供
が目に触れ興味を示すものには、きっちりと説明をしてやり、時には、疑問を投げかけ
てやるのじゃ。子供との散歩、お遊びが母親と子供のコミュニケーションを図ってきたが
、自然を通して切磋琢磨する時間、場であったようじゃ。幼稚園に言った時、語彙が多
く、筋道を立てて話せる子供であると言われことがあるが、母親との散歩、お遊びの時
間がこのような結果になったのではないかと思っているのじゃ。子育てに手抜きは禁物
じゃ。

Q2子供の教育をどのようにやってきたか教えてください。

A2.特に勉強、勉強といってきたわけじゃない。勉強は本人の適正、能力もあり親がい
くら望んでもだめじゃ。"とんびは鷹を生まない"を肝に銘じてきたものじゃ。ただ、社会経
験、人生経験の長い親の義務として、いろいろなことを話してきたものじゃ。勉強につい
ては、試験のための一夜漬けの勉強をするな。暗記するのでなく、きっちりちりと理解せ
よと。そして、人から与えられたものを吸収する力ではなく、自分の力で興味あるものを
探し、それに向かって努力する力、さらに苦難に遭遇したとき解決する力、耐える力、こ
んな能力が何にも優るものであると。常々いってきたものじゃ。また、組織、社会との関
わり、付き合いについても、付和雷同的に行動するのではなく、常に自分の考えで行動
、判断ができるようにと言ってきたものじゃ。
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