思わず隠居したくなる? 腐ったピトンにご用心

瑞牆山カンマンボロンリベンジ山行(記録者にゃんちゅうさん、三吉くん)

[山行日] 2001年11月18日 前日発日帰り

[参加メンバー]  にゃんちゅうさん  三吉くん

[天候] 晴れ

今日もそびえるカンマンボロン。天気良好。この間の雨敗退のリベンジ だ。

(にゃん)植樹祭のおかげで、アプローチが断然楽になった。かつての”うらさびれたムード”は、なくなってしまったが、相変わらず、静寂は保っている。これが、瑞牆の魅力だ。

(サン)なんとなく今年中にケリをつけなければならない課題のようになってしまったカンマンボロン。しかし遠目にも恐ろしくそそり立つ岩峰、日本離れしたその異様な姿に緊張が高まる。

(にゃん)とりつきは、なんだかんだで10時頃。出遅れた感はぬぐえないが、朝は寒いし、暗かったから・・・・まぁよしとしよう。

(サン)うーん、心配していた通りの遅い取り付き、良くないよなあ。とはいえ天気も良いし・・・・まぁ、よしとしよう。

見上げるルーフは今日もエグイぜ! 写真左下のボコボコ岩が1Pの出だ し。

(にゃん)本来のルートは、真っ正面のルンゼを登って C.S2発をやっつけて、壁の基部にとりつくことになっているが、僕らは、左側のフェースをフリーで登る。真っ正面のルンゼは、いつもドロドロで、C.Sの乗越しもいたってつまらない作業だ。左側フェースのボコボコ岩から登るのが断然お勧め。

(サン)左側のフェースは、見たところそれほど悪く無さそうだ。ピンは少ないが、 最近整備したらしい新し目のリングボルトが所々に打ってある。「結構イケそうじゃん。」

1P  50m フェイス カンテ にゃんちゅう リード

(にゃん)ボコボコ岩は、一見簡単そうだけど、ランニングがとりづらく、案外怖い。水晶混じりの砂岩の様な岩で、ガバガバだが、手が痛い。何となく脆い感じがするのもいやだけど、楽しいルートだ。上に行くに従って、ガバからピンチホールドに変わる。C.Sの下をくぐり、ランナアウト気味のフェースを右上し、カンテにでる。ここからも、相変わらずランナアウト気味なので、緊張を強いられる。カンテから、垂壁でて、丁度、丸めた体がすっぽりはいる窪で、1P終了。このカンテから窪までのフェースがこのピッチの核心。ちょっち難しい。 三吉くんも緊張気味。

(サン)C.Sまではやや振られるものの難しくは無い。狭いC.Sの下をくぐっ て、フェースにかかる所でにゃんちゅうさんから声がかかる。「おい、三吉。そこで落ちたら二人共アウトだぞ!」「支点が悪いんですか!?」「うん。俺がボディビレーで持ちこたえられなければ多分抜ける。」ひえー。とはいえ、フェースのスタンスは細かく、スリップなんかはありそうだ。「なんとかならないですか? ちょっと マズイッすよ、そりゃ。」しばらくして、フレンズでバックアップが取れたとのこと、安心して登りはじめる。スタンスは細かく、バランスも悪く、予想外の難しさだ。A0で窪に到着、スペースが無いのでそのままリード。

がんばれ三ちゃん!

もう少しだぞ!

2P 10〜15m トラバース  三吉 リード

(にゃん)ここからは、人工とフリーのミックスでトラバース。いきなりフェースの窪から、アブミに乗り換えるところと、正面壁にとりつくところが、これまた怖い。

(サン)1本目のボルトはロッククライミングの歴史を語るかのような年代物。アブ ミを掛けてそっと乗り込む。「いやはや、心細いなあ。」バンドをトラバースして正面壁へ。もうどうでもいいや、って気がするほどの高度感。オマケにハンギングビレイ。ここはボルトが新しいのが安心材料。

2P目の出だし 素敵な岩にはにかむ三ちゃん。シャイなんだからぁ〜 「はにかんでるんじゃなくて、あんまりボルトが古いんで、笑うしかないんスよ。トホホ・・・。」

トラバース終了。ここからボルトラダーのA1だ。「ピッチ切ってもいいですかぁ〜。」眉間にしわが・・・・三吉。

「OK! じゃ、ビレイしてくれ!」にゃんちゅう  ご機嫌・・・三 ちゃん。

3P 25m ボルトラダー にゃんちゅう リード

(にゃん)ここからは、アブミのボルトラダー。かぶり気味のフェイスは、上に行くに従い角度を増す。アブミ最上段に乗らないと次に届かないところもぼちぼちある。 セカンドが楽なように、長めのランニングを混ぜながら、高度を稼ぐ。う〜m これがカンマンボロンだ! イケてるぜ!

(サン)このピッチは、リーダーの心づくしのおもてなしおかげで、大変楽させてもらいました。アブミの掛け代えというより、フィフィの掛け代えって感じ。ほとんど力を使いませんでした。にゃんちゅうさん、これからもこの調子でお願いいたします。

ボルトラダーの途中から、パチリ! ビレイする三吉くん。余裕のピー スサイン!

もう一枚、股間からパチリ! ここからが、大変だ。更に傾斜を増す。

(にゃん)ルーフ基部に近づくに従い右上するラインにかえて、洞穴を目指す。真っ直ぐ登れば、ルーフの人工A3になる。ルーフ基部のC.Sに立ち上がって、3P終了。更に、一段上がれば、洞穴の奥でビバーグできそうなテラスがある。

(サン)モクモクと登ってルーフ下に到着。もの凄い高度感と花崗岩の大ルーフ、ま さしくBIG WALL。いやあ、もうすっかり満足しました。この辺で切り上げましょう。ね、にゃんちゅうさん。

3P終了点からルーフを撮る。流動分散した支点が空に続いている。次の ピッチは左に見える小さな空を目指して登る。洞穴ルートだ。

左端のつららをズームアップ。こんなの落ちてきたら、と思うとぞっとす るね。(三吉注:にゃんちゅうさんが4P登っている時に本当に落ちたんですよ、こ のつらら。)

3P終了点から見るもう一方の風景。鎌形ハングの横っ面。

ハングから顔を出す三吉君 ご機嫌だ!

ハングを乗越すリッツ君 。

う〜。

もう ちょいだ!

ハングクリアー。ここが3P目最後の壁。ここまでくると立って歩けそうな感覚に陥る。だがしかし、実際には、ここで、ほぼ垂直。この下は結構かぶってた んだね。

4P 25m 洞穴ルート リード にゃんちゅう

(にゃん)ここは本来、三吉がリードするはずのピッチだが、リードさせてくれるというので、僕がリード。人の記憶とは、曖昧なもので、そんなに難しくなかったと、思って取り付いたが、思いっきり手強い。何が手強いかというと、トラバース気味に左上して、洞穴に向かうのだが、とにかく支点がプアー。少ないと言うよりも、まともな支点が、まるでない。フリーで行くか? アブミを使うか? これも微妙なところ。フレンズとナッツでランニングを補強しながら、丁寧に登る。やがて、ステミング、 バック・アンド・フットのチムニー登りで、内面のC.Sに取り付く。ひょっこり、表に顔を出して、このピッチは終了。

(サン)とにかく悪い。墜落に耐えそうな支点は全く無く、ルートは大きくトラバースし、下は80mのハングだ。ここで落ちたらハングに宙吊りになるのでリカバリーできないだろう。リードしても、フォローしても、どのみちミスは許されないのだが、もうリードする気力はない。生きて帰れたら、岩登りをやめてガーデニングなんかして過ごすことにしよう。そうだ、春に向けてチューリップの球根を植えよう。 実際、フォローも最悪だった。ルートがどうのという問題ではない。持てる力をフルに出し切り、ピトンの形をしたクズ鉄とともに崩れ落ちそうな集中力を振り絞り、な んとかC.Sまで登ることができた。ここで16:00、もうだめだ。

いよいよ洞穴ルート。まずここに来るまでが大変。

股下は80m。この状態になれば、もう勝ったようなもの。

5P にゃんちゅう

(にゃん)最終ピッチに取りとりつくものの、時間切れ。左のボルトラダーを横目に、クライムダウンで、懸垂降下。完全な空中懸垂。この醍醐味はたまらない。三吉 くんが降りてくる頃には、ヘッ電状態。写真が撮れなかった・・・・う〜残念。

(サン)ここからの退却も容易じゃなかった。これこそが空中懸垂、というような大懸垂。凄まじい高度感。ちょいと下りすぎてしまった都合上、夕闇の中、壁の途中で ピトンを打ち足し、ボルトを打ち、2Pの懸垂で岩壁基部に帰還。18:00くらいだったかな。まぁ、怪我が無かったので、よしとしようじゃありませんか。

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