雑記帖2001年7月分
| ここでは、21世紀を記念して、このWebの管理人「にん2」の身の回りに起こったことを不定期更新お気楽日記風に書いていこうと思います。 |
| 二口再訪
2001年7月31日
週末、またまた二口山塊大行沢へ行ってきた。今回は新人さんの顔見せ山行。沢を登ると言うより、楽しく宴会が第一の目的だ(それって毎回なのでは・・・)。水量が平水だったため、前回散々苦労した個所が、6人の大パーティーにも係わらず嘘みたいにスムーズに、全て水線通しに通過できてしまいちょっと驚く。水位にして15cm程の違いなのだろうが、これは大きな15cmだ。”テン場まで竿を出さない”と厳に戒め真面目に遡行したため、12時間かかったところを5時間ほどでやっつける。でも、途中走ったイワナを見逃せず、隠れた石に大の男3人が抱き着いてガットリング。良型のイワナ一匹となかなか面白い写真がとれた。
渓の素晴らしさもさることながら、メンバーに恵まれたことも今山行のポイントを集らしめている。かつて渓中でこれほど笑ったことがあるだろうか。ことあるごとに繰り広げられる酒宴と飛び交うジョークと唄。なにせギターまで担ぎ上げたのだからただで済むはずがない。下山の日。カケス沢をやっつけた後にテン場に戻り、再び焚き火を起こして始まった酒盛りは、時の流れが惜しくなるような至福の一時であった。 仙台は遠い。片道どうがんばっても6時間。こんな場所が家の近くにあったらなぁ、そればかりを繰り返し呟く、一言で言えばそんな山行だった。 ps それにしても、今回の文章はやけに堅いね。どうも、今読んでいる「始祖鳥記」飯嶋和一著(小学館刊)の影響らしい。久し振りに面白い小説に出会った感じ。もったいないので少しづつ読み進めて、ようやく物語りもクライマックスに突入してきた。今夜中に読み終わるかな。では、明日はこいつで一発ぶち上げましょうかね。 ps2 スペシャルゲストの「暁のゲン」こと牧さん。色々お世話になりました。だいぶブランクがあると伺っていましたが、どうしてどうして、あれでブランクとか登れないと言われたら、私など立つ瀬がございません。やっぱり本物は違います。是非またご一緒して下さいね。 |
| 不自由な音楽
2001年7月27日
例によって仕上げ室で有線放送を聞きながら仕事をしていると、ロック信奉者のSピー君がのたもうた。 「○○のこのフレーズって××のパクリだと思いません?」 すかさずにん2。 「たかが音符の羅列に真似だパクリだって騒ぐのって大概ロックの人だよね。そんなの、聞く人が楽しいけりゃそれでいいじゃん。」 最近MSCC内部でも、炊き火を囲んでのロック論争がよく行われる。それを聞いていて思うのが、自由や反骨、反体制を拠り所に生まれたはずのロックという音楽が、実はとっても不自由な音楽なのではないか、ということ。 ロックの人の主張で、一番耳にする(と感じている)のが、 「ロック以外は音楽じゃねぇ。」 というもの。これなど実に噴飯ものの言で、そこにはもう自由も主張も存在せず、ただ”ロック”という「伝統」に縛られた老体が垣間見えるだけだ。こういう人は、音楽におけるロックの不在を嘆く前に、自らの感受性の喪失もしくは麻痺を忌むべきであろう。 前述のSピー君の言葉もそうであるが、たかだか数小節の音符の羅列やギターコードの近似で、そのアーティストの技量や才能を全否定してしまうロック人の視野の狭さや不自由さには、さしものにん2も些か辟易としたものを感ぜざるを得ない。これに比べれば、同じフレーズを使い回していながら、それでも聞く人をして感動させる力も持つレゲエや演歌の方が、よっぽど自由であり音楽として輝いていると言えるような気がするのだか、どうだろうか? ビートや旋律のカッコ良さに心動かされてロックになる人も多い。しかし、それを作ったアーティストの想いに触れないまま、そればかりを追い求めてしまうと、上記のような伝統に縛られた奇妙なロック人に成り下がってしまう。どうも日本にはこの型のなんちゃってロック人が多いよな気がしてならないし、それが老若男女を通じてまかり通ってしまっているふしがある。自分がロックの人であり、日々突っ走っていると信じている方は、一度もう一回り広い視野で自らのスタンスを確認してみることをお勧めする。案外自分がただの小市民だったことに気がつくかもしれない。小市民はただの小市民だ。しかし、小市民とてその根底に自由な気概が流れていれば立派にロックである。決して侮ってはいけない。 ps さて、今夜も何の準備もしないまま仙台郊外の二口山塊へ沢登りに出発です。今度こそ、再三リベンジを誓ったカケス沢を遡行してこようと燃えているワタクシ(それ程のものでもないか・・・)。台風もそれたことだし、前回へつりまくったゴルジュも果敢に泳いで突破して参りますよ〜。 おっとその前に、参員選の不在者投票に行ってこなければ。いくら沢屋でもそれくらいのことはしなけりゃですよね。さ〜て、誰に入れようかな。 |
| 近況報告
2001年7月23日
毎日更新を謳っていた雑記帖もとうとう近況報告に・・・このままだと週一更新も危ういですな。ハイシーズンとは言え、もう少しがんばらねば。 さてさて、ナルミズ沢は無事終了致しました。いつものようにのんびり出発だったので、二日目のことを考えると結構時間が押してしまい、ほとんど釣りができなかったのが残念でしたが、東黒沢から山越えで入って、朝日岳、笠ヶ岳、白毛門と長い縦走もこなして完璧な周遊コース。パーティーの不平不満はさておいて、それなりに充実した山行になったんじゃないかな? 今年はピークを踏む沢はあんまりやっていなかったので一発位はビシッと決めたかったところでもあるし・・・。とかなんとか言いながらも、土合に着いた時にはみんなヘロヘロ。迷わず東黒沢に飛び込んで、露天風呂?を満喫してしまいました。服も靴もきれいになって、汗も流して良かった良かった(あっ、石が!・・・)。 ナルミズ沢。雪渓は奥の二俣の先にちょっとあるだけ。これとてまるで問題無し。二俣の手前の8m滝下でビバークしたのだけれど、夕方からヌカカが少し出てみんな被害に遭いました。例によって薪はあまりなく、魚止め滝を越えたあたりから薪を拾いながら歩いたので、それなりに焚き火もできたし、上流部としては比較的快適なビバークサイトでした。魚影はそれなりにあるものの、型が小さく食料とするにはいまいち。まあ、そんなところがナルミズ情報です。そうそう、詰めで天候に恵まれ、天国の草原を堪能できたのも今回の白眉ですね。その後の縦走のきつさのせいで忘れちゃったよぅ、と言う意見もありますが・・・。 昨日は会社の部下の結婚式。あんまり暑いんで、礼服はパスして明るい色のスーツで行ったにも係わらず、目黒雅叙園に着いた時には汗ぐっしょり。都内で働くサラリーマン諸兄、特に外回りの方々の苦労を想って涙してしまいました。ほ・ん・と・に、毎日お仕事ご苦労様です。早く秋になれば良いですね。 それにしても目黒雅叙園というのはすごい建物ですなぁ。バブルの絶頂期に建てられただけあって、豪華絢爛意味不明、それしか言い様がありません。和洋中折衷の巨大な空間を「千と千尋の神隠し!」と表現した社員が居りましたが、云い得て妙だと思いました。特にエスカレータのある吹き抜けに面したトイレは圧巻。出入り自由ですから、一度見学に行ってみることをお勧めします。「なんじゃこりゃ!!」とぶっ飛ぶこと請け合い。 式の後、時間が早かったのでスピルバークの話題の映画「A・I」を観ました。結構泣ける、と聞いていたのですが、かなり期待はずれ。何が言いたいのか、今ひとつはっきりしない感じがしました。まあ、種を明かしてしまうと何ナノでここでは多くを語りませんが、愛とはその対象の存在そのものであり、それを納得できる形で失った時に初めて完結し、なおかつ救われるものなのかもしれないなぁ、などと想えました。 ストーリーはともかく、スピルバークはかなり日本のアニメを観ているようで、これってパロディ?というシーンがかなりあります。中でも主人公の”メカ”デイビットが、自分が作られた研究室に辿り着くシーンは、「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイの生まれた部屋のイメージそっくりで、ご丁寧に「光の巨人」を彷彿とさせるカットもあったりします。真相はスピルバークご本人しか知らないので、この説の責任は持てませんが・・・(笑)。 ま、だいたいそんな週末でした。はてさて、明日は何か書くことがあるでしょうか。ケセラ セラ、ですな。 |
| かなわぬ願い
2001年7月19日
ああ、もう全然時間が足りない。一日24時間じゃ足りないぞ。やらなけりゃならないことの半分もできやしない。見積りは溜まる一方だわ、エンドミルは折れるわ、データ変換の依頼メールは引っ切り無しだわ、山行の手はずも整えなけりゃならないし、雑記帖書いたり、写真のスキャンしたり、記録の整理したり、どれもこれも中途半端で、終わらせる見込みが全然ないよ〜。一日20時間も活動してるのにぃ。 そんでもって、今夜も谷川方面へ。例によって全くパッキングしておらず、食料の買い出しも何もしていない。もう最近は自分の部屋の山道具がすっかり車の床下に移動して、走る倉庫と化している。渓流シューズなんかも濡れたままつっこんであるので、何だか異臭漂う車になってしまった。車と言えば、にゃんちゅうさんの家の前でぶつけてベッコリへこんだドアの修理もしなけりゃなぁ。しかし、先立つものが・・・。こんなに忙しいのにどうしてお金が無いんだろう。まあ、心当たりは無いでもないけど。果たしてボーナスは出るのでしょうか。 こういう状態、いったい何がいけないのか実に判断に窮するね。欲張り過ぎるのか、能力が無いのか、みなさんどうしているのでしょう。残業しても7時か8時に仕事を終えて、充実感いっぱいで居酒屋でビールなんか飲める世の人々は本当にスゴイと思う。きっと集中してビシッと仕事をする才能があるんだなぁ。あれもしなきゃ、これもしなきゃで、気がつくと何も終わっていない自分が情けなくなる午前0時のCAD室。何か良い解決策はあるのかね。一日が35時間になるとか、ボーナスが3桁出るとか、そうすればほとんどのことは目処が立ちそう。いやいや、時間もお金も、あればあっただけ使っちゃうだろうな、今のにん2では・・・。 しょせん、かなわぬ願いですなぁ。 |
| ジジババの狭間へ
2001年7月16日
谷川連峰湯桧曽川の支流東黒沢の更に支流の白毛門沢を登ってきた。2週連続の谷川訪問。今週末はナルミズ沢の予定だから、このまま行けば3週連続ということになる。なるほど「近くて良い山」と言われているだけあって谷川連峰は近い。八王子から2時間もあれば着いてしまう近さに加え、豪雪の恩恵?に容易に触れることができるのだから、良い山というのも肯ける。山をやる誰もが憧れるわけだ。 で、沢はどうかというと・・・とにかく暑かった。白毛門沢そのものがほぼ南面を向いているので、始終背中をカンカン照りの太陽にあぶられることに加え、全体に水量が少なく、雪渓の全く無い源流部のスラブから流出してくる水はあまり冷たくない。それでも下流部はたびたび深みに胸までつかってクールダウンしながらでしのいでいたのだが、水涸れも早く、その後は乾いたゴーロとぬるい染み出しの薮スラブ登り。薮が草原に変わって風が通るまで、まるでサウナを歩いているようだった。 下流部は滝も多いし、そのどれもがナメっぽくフリクション登攀になるので、たまに緊張させられたりする。ドウドウノセン、その手前の10m滝などの巻き道も意外に踏まれておらず不明瞭。入門の沢とは言えども、初心者同士でいきなり入るのは危険だ。極めつけはルートファインディングで、一番楽で気持ちの良い、ジジ岩、ババ岩の間を抜けるスラブにたどり着くには「本当にここでいいの〜?」といった風情の薮沢を登らなければならない。かく言う我々も、草原に出てから垂直な滝に行き当たり、一本左の沢を登っていたことに気がついてスラブ壁をトラバースをするはめになった。 まあ、そんな苦労をしても、このスラブは明るく開けていて気分最高。傾斜も緩いし、フリクションもよく効くので、両側にジジ、ババの岩塔を見ながらノーロープでグイグイ登って行ける。時折ある大テラスはビバークしたくなるような優良物件だけど、雨が降ったらヤバそうだから、そうはいかないだろうな。 そんな感じで、魅力いっぱいの白毛門沢だけど、下山の道も長く急でかなり大変だから、その暑さを考えると二の足を踏まないことはない。実際、この登山道を登路に使う人の忍耐強さには頭が下がる思いだ。まみちゃんが会の山行で来週登るそうだけど、やっぱりご愁傷様としか言い様がない。白毛門沢は盛夏に登る沢ではないのかもしれないな。もし次があるとしたら、秋の紅葉シーズンか、他の沢を目当てに来て雨でも降られた時の控えかな。「困った時の白毛門」という言葉もあることだし・・・。 |
| KGBの話し
2001年7月13日
KGBと言っても、旧ソ連の秘密警察ではない。ネット上で検索するとこの名前で熱狂的?なマニアがいるらしいある生き物のことである。 にん2の会社の裏(いつもの土手の下)でも、雨上がりなどに時々見掛けることがある。グロい外観に加え、あまりにも毒にも薬にもならないため敢えて研究しようという学者もいないらしく、体系的に調査研究した文献は極めて少ないという。だが、気をつけて見ていればそれほど珍しい生物ではない。むしろ山の特定の場所に行かなければ出会えないヤマビルやクガビルの方が見るチャンスは少ないかもしれない。どこにでもいてわりと見かけるのに、そんなわけでいざ何者か調べようとすると意外に梃子摺る。謎の生き物として、ネットのあちこちで話題になっていたりする。 そいつの名前を「コウガイビル」と言う。コウ=K、ガイ=G、ビル=B、というわけ。ヒルとついているが、ヒルの仲間ではない。ヒルは環形動物でミミズの仲間に属するが、こいつは扁形動物。再生実験でお馴染みのプラナリアの仲間である。頭とおぼしき部分が銀杏の葉のような形をしており、それが笄(コウガイ=日本髪にさすかんざし)に似ているのでこの名前がついたのだろう。プラナリアは大きくても2〜3cm程のものだが、こいつは幅5〜8mm、長さは10cmから時として1.5mオーバーなどというとんでもない大きさのものもいる。あくまでも個体差での話しでだ(!!)。プラナリアの仲間だから、切ればそこから2匹になっちゃたりもする実にいいかげんな奴なのだ。 体は粘液で覆われていて偏平。動作は鈍い。だが、この粘液を蜘蛛の糸のように使って空中を上り下りしたりするとんでもない芸当ができたりする。粘液質だから乾燥に弱く、よく干乾びているのも見るが、こういうとんでもない奴は案外もう一度水をかければ再生したりするのじゃないかしら(あくまでも予測)。 で、こののろのろと這い回る鈍臭い生き物がいったい何を食べて生きているのかと言うと、これがまたびっくり!立派な肉食性で、ミミズやカタツムリを食べると言うのだ。ミミズは見ての通り結構俊敏に動くことがある、カタツムリがいくら鈍いと言ってもこいつよりは早いだろうと思うのだが、往々にして人は?見かけに寄らないものなのだ。 はてさて、いったいどうやってこいつは獲物を食べるのだろう。まさかあの銀杏型の頭がガバッと開いておおきな口になるのでは(ぞ〜っ)!と思ったらそんなことはなく、もっとスゴイらしい(ぞっ・ぞ〜っ)。ナント、口は胴体のほぼ中央(1.5mの真ん中!)にあって、入り口はそれだけ出口無し(肛門が無い)。あの長い粘液質の体で獲物に絡みつき、体外で消化して、その溶解液をちゅうちゅうと・・・・ひ〜、もうやめてくれ〜。 いやはや世の中にはすごい生き物がいるもんだ。きっとあなたも見かけたことがあるはず。そして、これはいったい!!と思いながら忘れてしまっているアノ生き物の正体は、実はこんなにとんでもない奴だったのだ。 まだ見たことが無い人は写真が見たくなった? よ〜し、じゃ、下のURLへGOだ。食事前だったら覚悟せよ(ちょっと大袈裟)。もしかしたら、はまるよ〜。 http://www.asahi-net.or.jp/~dv5m-wd/u/u1.htm もっと詳しくはこちらへ |
| アルピニズムによろしく
2001年7月11日
にゃんちゅうさん筆の湯桧曽川本谷の記録をアップした。なんだかパーティーが上手く機能していないように書かれているけれども、そんなことは全然ないので一応フォローしておこう。まああれは、言ってみれば洒落みたいなもの。みんな少々の意見の不一致におたおたしたりしない大人の沢屋?なのである。いやむしろ、逆にそれを楽しんでいる風情さえあったりする。 実を言うと、今回のチーフリーダー・ケマ兄は泊りの沢は初めて。それどころか、沢登りそのものにも、長い彼の山生活を通して数度しか行ったことがない。それで何故チーフリーダーなのかと言うと、MSCCには、その沢に最初に行きたいと思った人、つまり、モチベーションが一番高い人がリーダーになるという不文律があるからだ。 ケマ兄は現役バリバリのアルパイン・クライマーで、某有名老舗山岳会の次期代表と目されている男である。岩登りの腕は我々と桁違いにうまい。彼が何気なく登った同じ場所を我々が登ろうとしても、下手をすると一手も出ないことがままあり、今山行でも度々そういう場面に出くわした。所属する山岳会の連中がことごとくそれに近い能力を有しているためなのか、自分が登れた場所は後続も楽勝で登れると思い込んでいるきらいがある。う〜ん、総じて、危険に対する感覚が一段嵩上げされているような印象かな。雪渓に対する意識もそれがベースになっているんだろうな。 エベレストのアイスフォールに比べれば、湯桧曽の雪渓なんて鼻歌ものだよ、とまでもは言わないにしても・・・。 同じように彼の山行時計には、長いアルピニズムの歴史に培われた「スピード」というものが流れており、早出早着、素早い行動は当たり前なのだ。 そういう人が、遅出、深酒、夜更かしは当たり前、ピークなんか踏まなくたって、途中が楽しければそれでいいも〜ん、という沢屋根性丸出し3人組のリーダーになったのだから、それなりの意見の食い違いがあって当然なのである。 本当なら多少パーティーがギスギスしても良いところなのだが、ケマ兄もオタクとミーハーの両面を併せ持った不思議な人で、困難極まりない登攀が好きな反面、バーベーキューグリルを囲んでの飽食キャンプも好きだったりするから、「アルパイン・クライミングがスポーツや修験道の感覚を楽しむ遊びだとしたら、沢登りは旅のプロセスを楽しむ遊び、言わば、歩いてやる林道ツーリングみたいなものかな?」という言葉も容易に理解できたようだ。まあ、「アルピニズムの呪縛から逃れた自由な山(沢)遊び」と言えば聞こえは良いかもしれないけど、要は人間、楽なことの方が好き、ということかもしれないね。もっとも、ただ楽なだけではなく、ちょっとスパイスが効いているところが沢の魅力でもあるけれど。 実家が有名料理店のせいなのか、ケマ兄自身食にも拘りがあるものだから、普段山で食べているジフィーズなどの乾燥食料に対して、生の食材や山菜が次から次へと飛び出す喜びが、より一層沢の感触を知る手助けになったようだ。オートキャンプと違って飽食にならないのは、自分で背負えるだけ、という制限があるからで、これもまた善し、と思うんだ。 そんなわけで一夜明けた翌日、膝の痛みも手伝ってかもしれないけれど、起床後のケマ兄の行動パターンは沢屋のそれそのものだったりする。この辺りの適応能力もさすがと言うべきなんだろうなぁ。 でも、ケマ兄・・・この感覚に慣れ過ぎて、うっかりアルパインの時に同じパターンで行動しないように。あっ、それは我々も同じことか。にゃんちゅうさんに言わせると、沢もアルパインも変わらないよ!、なのだそうだが、注意するに超したことはないよね。アルパイン感覚が必要な困難な沢もあるし、その感覚で駆け抜けてしまってはもったいない沢もある。要は見極めが大切ということなのでしょう。 ということで「アルピニズムによろしく」なのです。 |
| 早過ぎた湯桧曽川
2001年7月8日
天候次第でどうにでもできるよう、3案の計画書を携えての週末山行。例によって天気予報は外れに外れ、土曜日の谷川連邦は素晴らしい青空に恵まれました。 そんなわけで勇躍臨んだ第一案の湯桧曽川本谷。リーダーに現役アルパインクライマー・ケマ兄を据え、サブリーダーににゃんちゅうさんを擁した今回のメンバーは、言ってみればMSCCの最強メンバー。よもや3級の沢、それも完全なる晴天の下で敗退など有り得ないはずだったのですが、結果はと言えば敗退・エスケープ。核心の40m大滝さえも拝むことができませんでした。 原因は先々週の山行で傷めたケマ兄の膝の悪化、と言うのはいつも所属山岳会の山行で敗退のダシに使われている可哀相な三吉くんへの義理立てで、あにはからんや、雪渓にはもうウンザリというのが本当です。 確かに今年は豪雪でしたが事前に集めた情報では谷川岳周辺は例年より雪の消えるのが早いようだ、ということでした。過去の話を聞くと、7月半ばで雪渓が殆ど無かった、というものと、全面べったり、というものの両極端。それならば・・・と、希望的見解の前者に賭けたわけです。 ところが賭けは大はずれ。白樺沢出合い直後にいきなり現れた大雪渓に、「ブ〜〜」とはずれのブザーは鳴り響いたのでした。雪渓も全面べったりならまだ楽だったのですが、ところどころで切れている上に、量も多くて流れは大抵遥か下。殊に十字峡直後のゴルジュに残った微妙な厚さのスノーブリッジは、巻くことも上に登ることもままならず、下を潜っての通過となりました。ここで色々なトラブル?があったのですが、詳しく書くと長くなるので、記録に譲ることと致しましょう。どうぞお楽しみに。 肝を冷やしたり笑ったり、楽しくも恐ろしい遡行を続けて七ツ小屋沢を分けてしばらく行くと核心の10m滝40m滝を擁するゴルジュに突入です。けれども、ゴルジュ入り口の10m滝前はぽっかり雪渓が口を開けていて、スノーブリッジの上から釜の中に懸垂下降でもしない限り取りつけません。閉じ込められているならいざ知らず、スノーボラードをこしらえてまで懸垂する程せっぱ詰まっているわけでもないし、巻くにしたって側壁への取りつきは細くてとても乗る気にならない雪の橋。少し戻っての大高巻きも考えたのですが、滝の上に続くゴルジュの中には見るからに不安定な雪渓が続いています。時計を見ると15時30分。いくら日が長いとは言っても、この時間に雪渓いっぱいの核心に入ってただで済むわけはありません。鳩首相談(こらこら、雪渓の上で集まっちゃダメでしょ)の結果、本谷遡行はここまで、七ツ屋沢まで戻ってエスケープということになりました。 で、七ツ小屋沢に入り、出合い直後の25m滝を登ってちょっと行った台地でビバーク。日曜日の本日、同沢を登山道まで詰めて下山してきたわけです。 やれやれ、長くなりましたね。もう眠いので続きはまた明日かな。つっても、様子は大体書いてしまったのでこれ以上書いても仕方ないか。ま、気が向いたらパーティーの様子など書いてみることにしましょうね。例よって非常におもしろ可笑しかったので・・・。 湯桧曽川本谷。あの様子だと8月いっぱいまで位は雪渓に悩まされるかな? 入渓予定のみなさん。どうぞお気をつけて。 |
| 10000の日
2001年7月6日
ようやく1万ヒットを達成いたしました。皆様のご愛顧に感謝申し上げます。つたない文章、いい加減な記録、へたくそな写真、思えばよくお付き合い下さいました。これを機により一層研鑚努力を重ねていく所存ですので、これからもMSCC八王子通信をどうぞよろしくお願い致します。 ちなみに10000人目のご訪問は、7月6日17時7分、八王子在住の「た!」様でした(たった今メールでお知らせ下さいました)。公約ですから豪華?景品を差し上げます。もし差し支えなければ、追ってご住所をお知らせ下さいませ。月曜日には発送できるように致します。 それはさておき、今夜から谷川岳方面へ沢登りです。またまた雑記帖をお休みすることになるのですが、沢のハイシーズンゆえどうぞお許しを。例によって、天気がいまいちはっきりしないため、3案の登山計画書を携えての出発です。ケマ兄がリーダーなのでその辺はしっかりしているのでしょうな。携帯電話から掲示板へ最終確認を入れる予定ですので、関係各位様にあられましては、よろしくお願い致しますね。 ps 今週末は三吉くんの第一子御誕生の可能性とのこと。10000ヒットと合わせて実におめでたいことで御座います。 もしかしたら豪華?景品と出産祝いは谷川岳のお土産かな? |
| 夏の準備
2001年7月5日
髪を切った。もちろんセルフカット。 渓流シューズを秀山荘のウエーディングシューズDXに新調した。 新しいスリング、お助けひもをこしらえた。 カラビナ数枚とカム式のナッツを新規導入した。 ポリエステルの登山シャツを新しくした。 夏に思い描いている山域の地形図数枚を買った。 前回の墜落で延びてしまったと思われるザイルはここまでで資金が尽きて買えなかった。もう落ちなければいいんでしょ? 梅雨明け十日を思わせる好天が続いている。それなのに、週末はやっぱり雨なのだと言う。晴れる可能性のある地方は見当たらないから転進も意味が無い。山域は谷川岳周辺一本で行く。ここのところお気楽山行ばかりだったので、多少の雨でも突っ込もうと思う(でも、確約はできない・・へへへ)。できることならば、すっきり晴れた国境稜線を拝みたいものだ。 強い日差しとドライヤーのような熱風に吹かれると、渓水のきらめきが無性に恋しくなる。逃げて行く夏を追いかけようと、ついソワソワしてしまう。60歳まで登ってもあと20回そこそこ。もしかしたら10回も無いかもしれない。夏が暑いことをありがたく思えるようになった昨今だが、どちらかと言うと海は苦手。それは本当に暑いから。海岸道路の渋滞と人混み、カーエアコンとエンジンの熱気、べたべた塩水と汗に濡れた肌にまとわりつく砂、バーベキュー跡のキャベツの芯。どうもそんなものしか思い浮かばない。ああそれから、外で泳ぐのに裸というのもなんとなく落ち着かないかな。いつも服を着て泳いでいるせいかもしれないけど。 そう言えば今週の土曜日は7月7日、七夕だ。物心ついてから、七夕に星空を眺めた記憶など全然無い。多分いつも雨が降っていたのだろう。1年で一番雨の降り易い日だと聞いたことがあるような気もする。そんな日に年に一度の逢瀬を約束してしまったご両人も気の毒だが、沢行を決めてしまった我々も因果なのである。日頃の報いか、天の采配か。いずれにしても雨は降るだろう。 とにかく夏は来た。天を怨んでいても仕方ない。準備OK。どんと来いだ。 |
| 最近読んだ(買った)本
2001年7月2日
仕事と私事に忙しく、なかなかHPが更新できずにいた。たまたま予定の無かった金曜夜から土曜日朝にかけて、徹夜でたまっていた写真をスキャンして、どうにか5本の記録をアップすることができた。でも、文章にまで手が回らず、内容は雑記帖の速報の焼き直し。まあ、今更事細かに内容を書いたところで、色んなところで解説されているメジャーな沢ばかりなのでそれに価値があるとも思えないし、ようはいかに楽しみ遊んだかが伝われば良いんじゃないのかな。写真からイメージを掴むこと位はできるでしょう。 というようなわけで、この雑記帖も停滞気味。毎日更新のはずが、いつの間にか週一更新になってるしぃ。最近は小説とかを読む暇も無く、本を読める時間がある電車通勤の人が羨ましかったりする。それでも、トイレの中や食事中にこつこつ”眺めた”本が数冊。本屋に行く機会もなかなか無い田舎に住んでいるので、たまに本屋へ行くとたちまち財布が軽くなってしまって非常に危険なのだが、その誘惑を押し切り厳選して(嘘)購入したものばかり、ちょっと解説でもしてみよう。 「道迷い遭難を防ぐ最新読図術」(村越真著)山と渓谷社刊 今までこの手の解説書は無かったそうだが、なるほどそうかもしれない。実際の遭難事例と照らし合わせて検証しつつ地図の携行の大切さを説いている。基本的なナビの方法だとか、回りに教えてくれる人がいないとなかなか知る機会がない読図の常識が述べられていて、それなりにまとまっているのではないかな。周辺の用具として、実際の商品名がバンバン出て来るあたり、NHKなら怒られるかもしれないが、現代的で面白いと思った。1,700円。 「沢登り」(中村成勝編)山と渓谷社刊 久々に出た沢登りの解説書。ロクスノブックスシリーズの一冊。ケマ兄に、MSCCが載っているぞ!と教えられて買った。知らないうちにHPのアドレスが掲載されていてちょっとびっくりだ。内容は今まで出ている解説書と大差無いが、豪華執筆陣が各コーナーを分担しているせいか、なんとなく嗜好がチグハグな印象が無くもない。後半のルートガイドには、今まであまり取り上げられなかった中部や南紀の沢も載っていて興味深い。名古屋ACCのつちのこ氏ががんばったんだな。1,900円。 「アルパインクライミング」(遠藤晴行編)山と渓谷社刊 上記の「沢登り」を買ったついでに、同じシリーズとして並んでいたので買った。用具の使用方法や紹介があっさりし過ぎていて、つっこんだ解説が無いので、技術書としては今ひとつという印象。我々みたいな初心者が、クライミングの何たるかを知る最初の一歩には良いかもしれないな。これ以上のことがしたかったら山岳会に入って教えてもらって下さい、といスタンスなんだろう。確かにそうかもしれないけど、それをできない人を導く手段があっても良いんじゃないのかなぁ。後半は、例によってルートガイド。でも、この本を買って奮起した初心者同士では、どこもいきなりは行けないやね。アルパインクライマーへの道は遠いのである。1,900円。 「ジパング」1〜3巻(かわぐちかいじ著)モーニングコミック 「沈黙の艦隊」で一世を風靡したかわぐちかいじ氏の最新作。人によっては右翼的な印象を受け拒否反応を抱くかもしれない。が、必ずしもそうではないことが読めばわかるだろう。要は、終戦からこっち日本人が失ってしまった民族の誇りやアイデンティティの重要性を謳いあげようというものかな。まだまだ継続中なのでこの先どうなるか解らないが、「沈黙の艦隊」とテーマとしては大差ないだろうと思う。映画「戦国自衛隊」の太平洋戦争艦隊バージョン。表紙を見るだけでそれは予想できた。一冊480円、だったけ? ということで、極めて私的な感想なので反論などしないように。興味ある方は是非ご購入の上、自分で確かめて下さい。 |
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