相続
1.相続と期間
相続は、人の死亡(被相続人といいます)によって開始します。
死亡した人の家族・親族(相続人といいます)は、被相続人の財産上の一切の権利(不動産・動産・貸付金など)と義務(借金など)を受け継ぎます。
よく受ける質問に、相続の登記をいつまでしなければならないのか、があります。
まず、相続税の申告は、被相続人の死亡した日の翌日から10か月以内に行うことにな
っています。
もっとも、5,000万円+法定相続人の数×1,000万円が相続税の基礎控除額ですので、相続税の課税価額の合計額が基礎控除額以下であれば、相続税もかかりませんし、申告も不要です。相続税については、国税庁「タックスアンサー・ホームページ」が参考になります。
これに対して、相続による所有権移転の登記をするかしないかは自由です。登記をしなければならない期間があるわけではありません。
しかし、相続登記をしておかなければ、不動産を売ったり、担保に入れたりすることができません。また、相続が開始してから長く放置しておきますと、後で述べる遺産分割協議が複雑になりかねません。
したがって、なるべく速やかに(あまり期間をおかないで)、相続登記をするのが望ましいことになります。
2.相続放棄
被相続人のプラスの財産よりマイナスの財産(借金)が多い場合を考慮して、相続人は、相続の開始を知った後3か月以内に相続放棄をすることがでる、としています。相続放棄をしようとする者は、家庭裁判所にその旨を申述しなければなりません。相続を放棄した者は、初めから相続人にならなかったとみなされます。家庭裁判所の住所・電話・交通機関・地図は、最高裁判所のホームページの「各地の裁判所の御案内」をご覧下さい。相続放棄をした場合には、裁判所から「相続放棄申述受理証明書」の交付を受けておくとよいでしょう。
もちろん当事務所でもで手続をしますが、最寄りの司法書士は、各地の司法書士会で紹介してもらうとよいでしょう。
3.相続人の確定
相続登記や遺産分割協議をするためには、相続人を確定する必要があります。たとえば、被相続人に妻と子供2人がいれば、その3人が相続人ですが、そのことを戸籍によって証明する必要があります。
相続人については、戸籍謄本です。
被相続人については、若干複雑です。なぜなら、子供が2人ならば、他に子供がいないことを証明しなければならないからです。そのため、被相続人の、死亡事項が記載されている戸籍謄本と、8歳ぐらいまでさかのぼれる原戸籍・除籍謄本が必要です。司法書士に相続登記を依頼すれば、この若干複雑な戸籍の収集を行ってもらえます。
4.遺産分割協議
民法では、相続人が複数ある場合には、共同相続を原則とし、その相続分は法定されています。妻と子供2人であれば、妻は2分の1、子供はそれぞれ4分の1です。しかし、遺産の範囲等、遺産の分け方に意見の対立がなければ、任意の遺産分割協議ができます。遺産分割は、法定相続分に応じた割合により、遺産を分割するのが原則ですが、妻が全財産を相続するとすることも可能です。この場合、子供2人が放棄すると俗にいうことがありますが、正確には遺産分割協議です。
遺産分割をするためには、遺産の範囲を確定しなければなりません。特に重要なのが、不動産・預貯金・有価証券です。遺産分割をした場合、印鑑証明書を添付した遺産分割協議書がなければ、その相続の不動産登記はできません。また、この場合、被相続人の預貯金を払い戻すために、遺産分割協議書が必要です。
遺産分割協議書は、司法書士、相続税の申告を依頼した税理士、弁護士に作成してもらえます。
もし、相続人間で意見の対立があって任意の遺産分割協議書が作成できない場合には、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができます。家庭裁判所の遺産分割調停によっても話し合いができない場合には、家庭裁判所において審判をしてもらう必要があります。
5.相続登記
相続人の確定、遺産分割協議書の作成が完了すれば、相続による所有権移転登記を登記所に申請することができます。
登記申請に必要な書類は、3.相続人の確定で集めた戸籍謄本、被相続人の除住民票と相続人の住民票、遺産分割の場合は印鑑証明書付の遺産分割協議書、固定資産評価証明書です。登記申請のためには、固定資産評価額(土地の場合はその3分の1)の1000分の6の登録免許税を納めなければなりません。
もちろん当事務所で登記手続の代理を受託できますが、最寄りの司法書士は、各地の司法書士会で紹介してもらうとよいでしょう。
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