公的書類の性別欄削除について
筒井 真樹子
1.トランスジェンダー(性別越境者)の立場から
※トランスジェンダーとは、生物学的に規定される性別を越えた性別を生きる人々のことを言い、医学上は「性同一性障害」と呼ばれる場合もあります。
(1)元の性別がわかってしまう。
トランスジェンダーのうち、公的書類の性別とは異なる性別の外観をもち、改名等を済ましている場合、公的書類の性別が違っていると、トラブルが起こることがあります。
→他人に知られたくない法律上の性別を知られることは、プライバシー保護の点で問題
(参考:住民票の本籍地、続柄表記はそれぞれ、部落や婚外子差別防止の点から非表示)
△「性同一性障害特例法」によって戸籍上の性別変更が認められたのではないか?
→「特例法」には非常に厳格な要件(医師の診断を受けている、婚姻していない、子がいない、性別適合手術を受けている、など)。適用されるのはごくわずかの人
(2)性別を書かされる/書かれたものを見ること自体が苦痛である。
外観から元の性別がわかる場合でも、改名等をしていない場合でも、わざわざ元の性別を見たり書いたりすることは、精神的に苦痛を感じます。
→本人がどういう性別であると自認するかは人格権の一部(立命館大・二宮周平教授など)
2.性別の平等、男女共同参画を求める市民の立場から
(1)男女共同参画基本法、男女雇用機会均等法などにより、性別による区別が必要な場面はほとんどない。
日本において、宗教、民族などは公的書類に記載されない。これは宗教、民族による区別の必要が乏しいから。
→不要な性別記載をなくすことが、性別の平等、男女共同参画の推進にもつながります。
その他の問題点
1.性的多様性を持つ者(トランスジェンダーの他に、ゲイ、レスビアン、バイセクシュアル、インターセックスなど)に配慮した、男女共同参画条例または人権条例の制定を。
例:宮崎県都城市
2.市役所窓口、市の施設(スポーツ施設、トイレ等)などでの、性的多様性を持つ者への配慮を。市職員への十分な研修を
3.市立学校、市民向け講座等での、性別と性の多様性についての啓発を。
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