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外来魚問題関連報道

新聞等の媒体で見かけた外来魚問題関連の記事を紹介します。

UPDATE 2007/11/12


 
テーマ 媒体名 掲載日
ブルーギル大繁殖「心痛む」 読売新聞 2007,11,12
光が見える―再生への助走「琵琶湖」 共同通信 2007,5,10
ブルーギルは産卵初期にたたけ 産経新聞 2007,1,20
ブルーギルは浅瀬嫌い 産経新聞 2006,8,17
淀川の象徴魚、保全が急務 共同通信 2006,8,2
ブラックバスを全国一斉に駆除 共同通信 2006,5,18
駆除から利用へ 読売新聞 2006,4,22
琵琶湖の駆除外来焦を飼料化 産経新聞 2005,10,27
琵琶湖にコクチバス放流か? 京都新聞 2005,9,16
琵琶湖で外来魚本格駆除 読売新聞 2005,8,19
今日から「外来生物法」スタート 産経新聞 2005,6,1
オオクチバスなど規制6月1日から 日経新聞 2005,4,22
再放流禁止は「適法」 日経新聞 2005,2,8
オオクチバスなど外来種37種類規制 読売新聞 2005,1,31
ブラックバス釣りは北米で 日経新聞 2005,1,20
バスの外来生物法指定は流動的 産経新聞 2004,12,20
生息湖沼3割で生態系に被害 日経新聞 2004,12,8
ブラックバスにより43都道府県で被害 読売新聞 2004,12,8
釣り業界と族議員により法律骨抜き 読売新聞 2004,11,25
フロリダバス大量繁殖(琵琶湖) 産経新聞 2004,10,13
北海道で外来魚の電気駆除ボート進水 北海道新聞 2004,7,10
琵琶湖のフナなど漁獲が増加 京都新聞 2004,4,5
琵琶湖のブルーギル激減 読売新聞 2003,11,29
琵琶湖レジャー条例施行 京都新聞 2003,4,1
環境省が移入種を積極駆除 京都新聞 2002,10,24
琵琶湖レジャー規制条例成立 毎日新聞 2002,10,16
市民らが再放流禁止等の独自条例案を県に提出 京都新聞 2002,9,3
琵琶湖での再放流規制の条例化検討 京都新聞 2002,3,8
ウナギ使って外来魚を抑制 熊本日日新聞 2002,2,16
失業者による外来魚駆除 毎日新聞 2002,1,17
琵琶湖周辺の魚類分布と外来魚の影響 産経新聞 2001,11,14
琵琶湖の漁業を通してみた外来魚問題 朝日新聞 2001,10,21
  

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平成19年11月12日 読売新聞 夕刊
 
ブルーギル大繁殖「心痛む」 天皇陛下、50年前持ち帰り寄贈
 
 天皇陛下は11日、大津市の琵琶湖畔で開かれた「第27回全国豊かな海づくり大会」に皇后さまとともに出席し、式典のお言葉で、琵琶湖をはじめ全国で大繁殖が問題になっている外来魚ブルーギル(*)に触れ、「ブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰り、水産庁の研究所に寄贈したものであり、当初、食用魚としての期待が大きく、養殖が開始されましたが、今、このような結果となったことに心を痛めています」と心情を吐露された。魚類分類学者である陛下が、公式に外来魚の間題に言及されたのは初めて。
 宮内庁や滋賀県によると、陛下は皇太子時代の1960年に訪米した際、シカゴ市長からブルーギルを贈られ、釣りや食用になればと魚を持ち帰って水産庁に寄贈、それが滋賀県水産試験場に分与された。
 試験場は琵琶湖で網を二重にして試験的に飼育したが、何らかの経緯で60年代には琵琶湖で生息が確認されたという。大繁殖の結果、近年はニゴロブナなど固有種の漁獲量が激減した。
 食糧増産が図られた時代だったとはいえ、陛下は琵琶湖の生態系を壊す結果につながったことにかねて心を痛め、以前から思いを話されていたという。
 陛下はお言葉の最後で、「永い時を経て琵琶湖に適応している生物は、皆かけがえのない存在です。かつて琵琶湖にいたニッポンバラタナゴが絶減してしまったようなことが二度と起こらないように、琵琶湖の生物を注意深く見守っていくことが大切と思います」とも述べられた。
 
(*)ブルーギル 北米原産の淡水魚。体長は10〜20センチ程度と小型だが、小魚や魚の卵、昆虫などを食べ、繁殖力が強い。全国の湖や池で繁殖し、在来の生態系を脅かすとして、1990年代から自治体などが駆除に乗り出している。
 

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平成19年5月10日 共同通信配信
 
共同通信・国内通年企画「光が見える―再生への助走」(20)「琵琶湖」
エビ、モロコに復活の兆し 官民挙げての外来魚駆除  在来魚守る食文化大切に
 
 横なぐりの雨が降る四月下旬の日曜日。滋賀県東部の、琵琶湖に流れ込むヨシの茂った川べりには、ウキ釣りでホンモロコを狙う太公望たちの姿が目立った。
 「今日は雨でいまひとつだが、多い人は一日に百も百五十匹も釣る。それを見込んで、京都・祇園の料亭から一匹五百円以上の高値で買いに来るんや。琵琶湖のモロコは日本一の美味だから」と、休日のたびにサオを出しに訪れる地元の男性。
 ホンモロコはコイ科の淡水魚で、琵琶湖の固有種。成魚で十―十五センチになり、炭火であぶってからしょうゆや酢に付け食べるのが最高とされる。
 一九九五年には百八十トン捕れたが、外来魚の食害に遭い、三年前に十トンを割るまで激減。このため、滋賀県はブラックバスとブルーギルの駆除に力を入れる一方で、フナズシを作るのに使うニゴロブナと、ホンモロコの稚魚を毎年重点放流して資源回復を図ってきた。
 漁師が網で捕るホンモロコの漁獲量は低迷したままだが、釣り人の間では「昨年あたりから増えてきた」という話が広がっている。
 ▽信じたい駆除効果
 滋賀県によると、二〇〇二年からの四年間で、ブルーギルとブラックバスを合わせた外来魚がほぼ半減したとの推計もある。
 「外来魚は減ったと言っても、二千匹釣って在来魚が一匹交じる程度。浸水したボートから水をかき出しているようなもので、今後五年間に徹底的な対策を取らない限り、琵琶湖に未来はないと思う。行政はもっと積極的に動いてほしい」
 こう語るのは、同じ日に草津市の湖岸で外来魚駆除大会を開いた「琵琶湖を戻す会」代表の高田昌彦(たかだ・まさひこ)(45)だ。
 淡水魚ファンのパソコン通信仲間が「画面で駆除を訴えるだけでは問題は解決しない」として結成した集まりで、二〇〇〇年五月の第一回大会以来、二十八回目。延べ二千五百人が参加して計一・九トンのブラックバスとブルーギルを釣り上げた。最近はバスが減り、小型のギルが大半という。
 この駆除大会に最初から参加する守山漁協の戸田直弘(とだ・なおひろ)(45)は「自分がこの道に入った四半世紀前、外来魚を見ることはわずかだった。それが在来魚の稚魚や卵を食べ尽くし、ここまで爆発的に増えるとは予想もつかなかった」と振り返る。
 復活の兆しはホンモロコばかりでなく、ブルーギルのエサにされていたスジエビについても水揚げが増えている。
 スジエビは体長数センチで、大豆と一緒に煮て作るエビ豆が湖国の家庭の伝統総菜。九九年当時百四十二トンまで落ち込んだ漁獲量が〇三年二百五十八トン、〇四年二百六十六トン、〇五年二百八十五トンと少しずつ回復してきた。
 「この四年間に毎年四、五百トンもの外来魚を捕り続けているので、効果が出てきたと信じたい。産卵場の浅瀬で二隻の船を使ってトロール網を引くなど、駆除のために今まで規則で認められていない漁法でもやらせてほしい」と戸田は訴える。
 ▽楽観は大敵
 スジエビの回復について琵琶湖北部の竹生島周辺で操業する朝日漁協の松岡正富(まつおか・まさとみ)(54)は「駆除の成果も出ていると思うが、水草が繁茂しエビが育つ環境になったことも理由の一つ。湖水の富栄養化も進んでいるので、楽観はできない。ブルーギルの稚魚は弱い光を当てると集まるので、もっと駆除できる。外来魚対策は手を抜かないことが大事だ」と話す。
 滋賀県は外来魚対策として捕獲と回収処理にかかる経費を県漁連に補助したり、〇三年から釣り上げた外来魚を湖へ戻すことを禁じたリリース禁止条例を施行している。
 「稚魚のいる浅瀬は船を入れるのも難しいし、大型トロール網では在来魚を混獲する恐れもある。限られた予算の中でベストの方法を探りたい」が県水産課の立場だ。
 昨年、与野党相乗りの現職を破り知事の座に就いた嘉田由紀子(かだ・ゆきこ)(57)は「外来魚がここまではびこった以上、根絶は無理でも六、七割までは減らしたい。そのためにもリリース禁止条例を釣り人にもっと認識してもらわなければ」と言う。
 環境社会学者として琵琶湖周辺を長年歩いてきた嘉田は持論を続ける。「エビ豆やフナズシのおいしさは琵琶湖食文化の象徴。こうしたものを大事にすることが、在来魚を守る姿勢につながっていくことを多くの人は知ってほしい」(敬称略、文・上野敏彦、写真・有吉叔裕、グラフィックス・金子紫延)
 
(関連記事)
総合開発も在来魚減少要因 産卵のヨシ原復元で苦闘
 
 四百万年以上の歴史を持ち「湖のガラパゴス」とも呼ばれる滋賀県の琵琶湖。貴重な水生生物の宝庫に北米産のブラックバスが初めて出現したのは一九七四年で、密放流が原因とみられる。
 次いでブルーギルも繁殖、ホンモロコやコアユなど在来魚への食害が深刻化したため、漁民が駆除に立ち上がり、行政もさまざまな支援策を講じていった。
 八九年に三十トンの駆除量は十年後百トンを超え、二〇〇一年二百七十七トンから〇六年五百二十五トンへと増大。外来魚の推定生息量は〇二年春で三千トン(ギル二千五百トン、バス五百トン)が〇六年春千七百トン(同千三百トン、同四百トン)まで半減した。
 琵琶湖で在来魚が減少した理由は、一九七二年から二十五年間に総額二兆円を投じた琵琶湖総合開発も無視できない。京阪神地域への利水目的の事業で、湖の周囲には道路と水門が造られヨシ原は消滅する一方、浅瀬が埋め立てられたからだ。
 「琵琶湖総合開発は在来魚が産卵、成育する場所を奪う一方で、外来魚のすみかを造った」と語るのは、琵琶湖お魚ネットワーク事務局長で、琵琶湖博物館特別研究員の水野敏明(みずの・としあき)(33)。
 産卵場所のほか、水質浄化など多くの機能を持つヨシ原。滋賀県は九二年にヨシ群落保全条例を制定して、植栽も進めているが、自然回復への道のりは遠い。
 

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平成19年1月20日 産経新聞夕刊 より
 
ブルーギル 産卵初期にたたけ 滋賀県立大調査 琵琶湖は6月
 
 湖沼や河川でコイやフナの卵を食べるなど在来魚に被害を与える外来魚のブルーギルは、繁殖期の初期の卵ほど孵化して育ちやすい−という調査結果を、沢田裕一・滋賀県立大助教授(生態学)と同大学院生の中尾博行さんらがまとめた。水温の上昇が遅い琵琶湖では夏が繁殖期だが、特に産卵を始める6月に駆除すると効果的ではないかという。

 中尾さんらは平成14、15年に、滋賀県西浅井町の琵琶湖で湖岸から約10メートル、幅約130メートルの浅瀬を調査した。
 それによると、ブルーギルは水温が約20度になる6月から8月にかけ産卵。水深約0.5〜2メートルの浅瀬に雄が尾びれですり鉢状に穴を掘って「産卵床」を作り、そこに雌が卵を産み、雄は孵化数日後まで卵を守る。複数のブルーギルが隣接して産卵床を作り、集団(コロニー)を形成する。
 調査で確認した産卵床は1日平均で、6月が41個、7月が8個、8月が7個。コロニーの規模は6月が最大だった。卵が孵化して育った繁殖成功率は6月は約75%、7、8月は50%前後だった。
 中尾さんは「集団で産卵すれば外周部しか襲われない。より大きく育ってから寒い冬を迎えられるよう早く産卵するのだろう」と話している。
 滋賀県によると、18年春には推計で琵琶湖にブルーギルが1300トン、ブラックバスが400トン生息。県は駆除した漁業者に1キロ当たり350円を補助、17年度は計約420トンを駆除した。県水産課は「実際に6月の駆除量は多く、産卵初期にたたく必要を示すデータだ」と語している。
 

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平成18年8月17日 産経新聞朝刊 より
 
ブルーギルは浅瀬嫌い 在来魚の保護、育成に応用期待 琵琶湖博物館の研究員ら調査
 
 琵琶湖の生態系を乱す外来魚のブルーギルが流水や浅瀬を嫌うことが分かり、滋賀県立琵琶湖博物館(草津市)の研究員らが研究論文にまとめた。6年間にわたり市民らとともに琵琶湖岸やその流域の生物分布をくまなく調査し、データを収集した。被害にあっている在来魚の保護、育成を浅瀬で進めるなど今後の対策への応用が期待されている。
 データを収集したのは、同博物館の研究員と博物館に事務局を置く市民団体「うおの会」のメンバーら。平成9年から15年にかけ、琵琶湖の湖岸付近や内湖、流域の水路、小河川などの計2703カ所で水生生物計72種類1万匹以上を採取し、分布状況を調べた。
 その結果、湖岸や内湖など水の流れが少ない止水地域ではブルーギルが比較的多く確認できたが、川や水路など流水地域では採取率が極端に下がった。さらに採取した地点を水深ごとに見ると、水深30センチ以下が13地点▽同30センチ以上90センチ未満が93地点▽同90センチ以上が98地点−と、ブルーギルが浅い地域を嫌う傾向にあることが分かった。
 こうした結果は研究員らが中心となって論文にまとめ、日本生態学会(事務局・京都市)に提出。研究員らは「ブルーギルは体の縦幅が長いため、体が底につくような浅瀬は苦手で、川を上って産卵する習性もないので流水に近づかないのではないか」とみる。
 実際、近畿地方整備局が在来種保護のため、琵琶湖畔に水深の浅い水路をつくって進めている実験でも、ブルーギルが一度も進入してこなかったという報告があるという。
 ブルーギルは、ニゴロブナやホンモロコなど固有種の生息地を奪い生態系に影響を及ぼすため、県などがブラックバスとともに駆除に力を入れている。
 県の昨年春の調査では琵琶湖とその流域に生息する外来魚の総数は約1800トンで、このうちブルーギルは約1400トンと8割近くを占めた。研究成果を応用すれば、浅瀬を利用して在来魚の卵や稚魚を守ることも可能になる。
 同博物館の水野敏明・特別研究員(33)は「研究成果は全国のブルーギル対策の基本指針になるはず。在来魚の生息環境の保護に役立てられれば」と語している。
 

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平成18年8月2日 共同通信配信
 
「核心評論」シンボルを絶滅させるな ◎淀川の象徴魚、保全が急務 琵琶湖水系重視は政府方針
 
 暑い夏、身近な水辺の環境問題にも目を向けてみたい。大阪・淀川のシンボルフィッシュ(象徴魚)であるイタセンパラという淡水魚が今、姿を消そうとしている。
 タナゴ亜科に属する体長十センチ程の平べったい小魚で、国の天然記念物。淀川下流にできた堰(せき)の影響で水位に変動がなくなったことや、外来魚の繁殖による生息環境悪化などが原因だが、河川を管理してきた国土交通省の対応も気になる。
 淀川の水源は近畿の水がめ、琵琶湖であり、政府がこの水系の環境保全を重視してきた経緯を思い起こし、国交省の現地事務所はシンボル保全に全力をそそぐべきだ。
 イタセンパラは国内希少野生動植物種にも指定され、淀川の本流脇にある「わんど」という水たまりのほか、富山平野などにわずかに生息が伝えられるだけだ。
 淀川では地元の中学校教諭河合典彦(かわい・のりひこ)氏が一九九四年以来、下流部の城北わんど群で稚魚の生息調査を続けてきた。二〇〇一年には七千八百匹余りが確認されたが減少が続き、昨年は約五百匹まで減り、今年はついに一匹も確認されなかった。
 国交省の淀川河川事務所は「外来魚が原因とみられるが、絶滅したとはいえない」として外来魚の産卵期段階での駆除に力を入れたいとしている。しかし、長年イタセンパラの保護に取り組んできた「淡水魚の窓」主宰木村英造(きむら・えいぞう)氏(84)は「下流部では生息する魚類の四割は外来魚。電気ショッカー船などを使わなければ間に合わない。それより上流部での復活策などに全力を投入するべきだ」と訴える。
 淀川では河口から十キロ上流に淀川大堰が一九八三年にできて以来、堰の上ではダム湖化が進み、わんどにはイタセンパラの産卵場所となる二枚貝も生息しなくなった。追い打ちをかけるように、ブラックバスやブルーギルが繁殖、イタセンパラは捕食され尽くしたという。
 木村氏は、淀川河川事務所と交渉を続け、〇一年に上流部の枚方市にある流水域に人工わんどを五カ所造成する約束を取り付けてきた。しかし二カ所が造成されただけで、これから三カ所目の設計に入るなど計画は大幅に遅れている。
 同事務所が環境保護団体から喝采(かっさい)を浴びたのは二〇〇〇年六月。イタセンパラを守るため淀川大堰を開閉し、わんどの水を入れ替える実験をしたからだが、現在の事務所にそうした気迫が感じられないのも残念である。
 ところで、淀川の環境保全については政府の都市再生本部が〇三年に「琵琶湖・淀川流域圏の再生」というプロジェクトを立ち上げ、わんどの再生やイタセンパラの保全を重点項目に決めたことを忘れてはならない。
 一九九七年には河川法が従来の治水・利水優先から自然環境を重視する方向に改正され、琵琶湖をかかえる滋賀県では環境重視派の嘉田由紀子(かだ・ゆきこ)知事も誕生したばかり。
 新しい風が吹く時代に、琵琶湖・淀川水系のシンボルフィッシュを見殺しにするようでは悔いが残る。イタセンパラ保全に向け関係者は英知を結集し、さらに一歩を踏み出す努力をしてほしい。(共同通信編集委員 上野敏彦)
 

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平成18年5月18日 共同通信 より
 
ブラックバスを駆除しよう 全国で市民団体が一斉に
 
 希少な在来魚を脅かすブラックバスを駆除しよう―。湖沼河川の生態系保護活動を行う市民団体や研究家らでつくる「全国ブラックバス防除市民ネットワーク」(事務局・東京)は、5月20日から28日まで、「STOP!ブラックバス」と銘打った、駆除活動や密放流防止のキャンペーンを実施する。
 期間中、茨城県や秋田県など全国10数カ所で、子供たちを交えてバスを産卵床ごと駆除したり、「食べて減らそう」と捕獲したバスの料理会や講演会を開く。
 通称「ブラックバス」と呼ばれるオオクチバスやコクチバスは、ルアーフィッシングの人気が高まるとともに愛好家らが海外から持ち込んだ。繁殖力が強く、各地に広がって固有種を捕食していることが問題化。昨年6月施行の外来種被害防止法で特定外来生物に指定され、放流、飼育が原則禁止になった。
 

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平成18年4月22日 読売新聞朝刊 より
 
<今日のノート> 駆除から利用へ
 
 琵琶湖の生態系を脅かす外来魚から飼料を作る。そんなバイオマス(再生利用可能な生物資源)利活用事業が4月から始まった。
 ブラックバス、ブルーギルの繁殖が各地で問題化している。特に琵琶湖ではニゴロブナ、ホンモロコなどの固有種が食害で減少し、滋賀県は有害外来魚ゼロ作戦を展開、その一環だ。
 これまで外来魚1キロにつき350円を漁師に補助。釣り人のリリースを禁止してきた。年間約400トンを捕獲し、大半を京都の業者に処理してもらっていた。
 今年度から県内での有効利用に変更、新事業は地元の淡海再資源化協同組合が行う。高田士朗・開発部長らが開発した「低温真空乾燥」技術がそれを支える。
 外来魚を丸ことドラムに入れて高温で煮て滅菌、真空下で低温乾燥粉砕し、魚粉にする技術。県の補助金を受け、立命館大と連携で取り組んだ。試行錯誤を重ね、5年かかった。
 タンパク質が通常の魚粉より多く、脂肪が少ないのが特長。地鶏の飼料として試験的に使い、「卵の色が濃い。肉の味がいい」と好評という。この2月には農林水産省などが共催するバイオマス利活用優良表彰を受けた。
 連日、各漁協から魚を回収、飼料を製造している。
値段は通常より高いが、養鶏業者などから引き合いがきているという。高田部長は「付加価値をより高め、ペット用にも」と話す。
 嫌われ者を栄養飼料に。環境保全と循環型杜会への一石二鳥。湖国での試みが注目される。(加藤譲)
 

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平成17年10月27日 産経新聞朝刊 より
 
琵琶湖の駆除外来焦を飼料化
 
  淡海再資源化協同組合(大津市)は、琵琶湖で固有種の魚を食い荒らすブラックバス、ブルーギルといった外来魚を、家畜飼料やペットフ一ドの原料に加工する工場を開設した。駆除した外来魚を真空状態で乾燥させ、粉末状にする。従来の魚粉より栄養価が高く、全国のペットフードメーカーなどから購入希望が寄せられているという。
 

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平成17年9月16日 京都新聞 より
 
外来魚のコクチバスを放流か 琵琶湖、生態系への影響懸念
 
 琵琶湖博物館(草津市)は16日、滋賀県西浅井町の琵琶湖で8月20日−9月15日の間に、外来魚のコクチバスを計7回確認した、と発表した。琵琶湖のブラックバスはオオクチバスが大半を占め、コクチバスは昨夏までの10年間で5匹しか見つかっていない。同博物館は放流された可能性が高いとみている。

 同博物館によると、確認したのは滋賀県立大大学院の外来魚研究グループ。同町菅浦の沿岸部の2カ所で体長約25センチのコクチバスを計五、6匹見つけたほか、同地域で5回にわたって1匹ずつを確認した。群れで泳いでいたこともあったという。

 同博物館の中井克樹主任学芸員は「2年前から西浅井町で進めている調査でもコクチバスは見つからなかった。オオクチバスと違って川をさかのぼる能力があり、生態系への影響が懸念される」としている。

 コクチバスは北米原産の肉食魚。オオクチバスやブルーギルとともに今年6月、特定外来生物被害防止法に基づく特定外来生物に指定され、放流や飼育などが禁止されている。
 

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平成17年8月19日 読売新聞 夕刊 より
 
オオクチバス駆除 琵琶湖などで実施 来年度予算要求へ
 
 希少な在来の魚や毘虫などを保護するため、環境省は19日、ラムサール条約登録湿地の伊豆沼・内沼(宮城県)など6か所で、在来生物を捕食するオオクチバスの本格的な駆除に取り組むことを決めた。来年度予算の概算要求に、他の外来生物も含めた駆除の予算計4億5千万円を盛り込む。
 駆除を実施するのは、伊豆沼・内沼のほか、ミヤコタナゴの生息地の羽田沼(栃木県)、片野鴨池(石川県)、犬山市内のため池(愛知県)、琵琶湖(滋賀県)、ベッコウトンボの生息地の藺牟田(いむた)池(鹿児島県)。
 

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平成17年6月1日 産経新聞 朝刊「主張」 より
 
外来生物法 ブラックバスに限らない
 
 「特定外来生物被害防止法(外来生物法)」が今日から施行される。地質時代から悠久の時間をかけて日本列島の自然風土の中で育まれてきた生態系や野生動植物が、海外から導入された外来生物によって攪乱されたり、絶滅に追い込まれたりするのを防ぐための法律だ。
 この法律をめぐっては、ルアー(擬餌)釣りで人気のあるブラックバス(オオクチバスとコクチバスの総称)の取り扱いが大きな議論を呼んだ。ニュースでも度々報道された。あまりにもブラックバスに話題が集中したので、北米原産のこれらの魚の密放流などを取り締まるための法律と思われがちだが、それだけではない。
 ブラックバスのほか、アライグマなどの哺乳類をはじめ、鳥類、爬虫類、昆虫類から植物までの三十二種と四属と一科・計三十七種類の外来生物が、この法律での防除対象に特定されている。環境省は、さらに広報活動に力を入れ国民に広く徹底させなければならない。
 ペットなどとしてこれらの動植物を所有している人は、六カ月以内に環境省に届け出て許可を得ることが必要だ。逃げ出さないようにしていることなどが確認されると、これまで通り手元に置ける。
 バス釣りも従来と変わりなく楽しめる。釣った魚を逃がしてやるキャッチ・アンド・リリースもかまわない。ただし、釣ったブラックバスを別の池や湖に放流することなどは厳禁だ。個人には最高で百万円の罰金が科せられ、密放流の場合はこれが三百万円になる。会杜組織が関与していれば一億円の罰金となっている。
 罰金の額は大きいし、懲役刑もあり得る。これほどの罰則にしないと効果が期待できないほど、日本の湖沼や山野の生態系は危機的な状況に置かれている。悲しい現実である。
 生態系は、それを構成する動植物が多様性を保っていることで安定的に機能する。それを破壊して爆発的に増えてしまうのが外来生物だ。
 逃げ出したり捨てられたりした輸入ペットや、人の手で放流されてきたブラックバスなどがこの外来生物なのだ。外来生物の拡散には、個々人の意識改革で防げる部分がかなりある。この列島固有の生態系を守りたい。
 

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平成17年4月22日 日経新聞 夕刊 より
 
外来種の規制 6月1日から オオクチバスなど37種
 
 政府は二十二日、外来種から国内の生態系を保護する特定外来生物被害防止法に基づき、ブラックバスの一種「オオクチバス」など三十七種類の動植物を規制対象に指定する政令を閣議決定した。六月一日に施行する。
 オオクチバスのほか、アライグマ、カミツキガメ。タイワンザルなどが対象。指定された外来の動植物は飼育などに国の許可が必要となり、野外に放つと罰則が科せられる。
 ブラックバスは小池百合子環境相の強い意向で指定対象となった経緯がある。一般から意見を募集したところ、指定反対の意見が約九万五千通寄せられたが、専門家会合は、結論を変更する必要がないと判断した。
 

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平成17年2月8日 日経新聞 朝刊 より
 
琵琶湖の外来魚 再放流禁止は「適法」 大津地裁判決 補助金支出も 釣り愛好家敗訴
 
 琵琶湖のブラックバスなど外来魚をめぐり、釣り愛好家が、再放流(キャッチ・アンド・リリース)を禁止した条例に従う義務がないことの確認や、駆除のための滋賀県漁業協同組合連合会に対する補助金の支出差し止めなどを県側に求めた訴訟の判決が七日、大津地裁であった。稲葉重子裁判長は「琵琶湖本来の生態系回復のためには外来魚を減らすことが不可欠。再放流を禁止した条例は合理性があり適法」として、いずれの訴えも退けた。

 稲葉裁判長は判決理由で、さらに「外来魚が在来魚を捕食し減少させて漁業被害も出ており、駆除事業は必要で補助金支出も適法」と述べた。
 原告側は「条例は釣りを楽しむ権利を奪い、幸福追求権を保障した憲法に違反する」と主張していたが、稲葉裁判長は「釣りを楽しむことが、憲法の保障する基本的人権に含まれる余地があるとしても、特定の魚類の再放流まで含むものではない」と判断した。
 原告側は「釣った魚を殺したくないという願いが届かず残念」と述べ、控訴する方針を示した。
 訴訟で原告のタレント清水国明さん(54)は「条例はリリースが前提のバス釣り自体を禁止するもので不当」と訴え、大津市の会杜員浅野大和さん(30)は「定置網の駆除では在来魚も混入してしまう」と主張。県側は「在来魚の減少は外来魚の増加の影響を受けている」と反論していた。
 県は一九八五年度以降、外来魚の駆除事業に約六百万−四億干二百万円の補助金を支出。二〇〇三年四月には外来魚の再放流禁止などを定めた「琵琶湖レジヤー利用適正化条例」を施行した。
 訴訟でも問題となったブラックバスの一種オオクチバスについては、環境省の専門家会合が六月までに施行予定の「特定外来生物被害防止法」による規制対象の候補としている。
条例の妥当性認められた 国松善次滋賀県知事の話
 ブラックバスなどの外来魚が琵琶湖の生態系に大きな影響を与えるという事実を科学的な根拠に基づき主張し認められた。条例で外来魚の再放流を禁止し、駆除事業に補助金を支出した妥当性が認められた。引き続き外来魚の駆除に徹底的に取り組みたい。環境省も(特定外来生物被害防止法による規制対象の候補として)一定の方針を示しておりタイムリーな判決だ。
自然に親しむ機会奪われる 原告で釣り愛好家のタレント清水国明さんの話
 釣った魚をむやみに殺したくないとの願いが届かず残念だ。条例は釣りをスポーツとして楽しんできた人を落胆させ、外国からも笑われるものだ。条例施行後も生態系保全に実効性がないことが明らかなのに見直しされていない。不当な判決で自然に親しむ機会が奪われる。再放流禁止条例と判決に抗議したい。
 

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平成17年1月31日 読売新聞 夕刊 より
 
オオクチバスなど外来種37種類規制 環境省選定
 
 環境省は三十一日、特定外来生物被害防止法の規制対象となる外来種の種類を決める専門家会合を開き、ブラックバスの一種オオクチバスなど三十七種類を選定した。外来種による国内生態系の被害を防止する同法は六月に施行が予定されており、閣議決定を経て正式に指定されると、輸入や飼育などを罰則付きで禁止する本格的な規制が始まる。
 外来種間題の象徴でもあるオオクチバスを巡っては、同省の対応が混乱。オオクチバス指定の是非を討議する小会合では、規制に強く反対する釣り団体「日本釣振興会」や超党派の国会議員で作る「釣魚議員連盟」などに配慮し、半年間の指定先送りを決めていた。
 しかし、小池環境相が今月二十一日の訂者会見で、「指定すべきだ」と発言し、再検討を指示。同じ日に開かれた魚類専門家会合で、一転して指定の方針を確認した。
 専門家会合では、オオクチバスについては、小会合の結論も報告されたが、「生態系への被書は明らかで、早急に指定すべきだ」との意見が多数を占め、規制リストに追加した。リストは国民の意見を闇いた後、四月に閣議決定される。
 

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平成17年1月20日 日経新聞 朝刊「社説」 より
 
ブラックバス釣りは北米で
 
 何とも不可思議な決定だ。北米原産のスズキ目の淡水魚、オオクチバス、いわゆるブラックバスが、日本の淡水生態系を破壊する外来生物であることを認めながら、環境省はその移動や輸入を禁じる決定を、半年間先送りした。昨年公布された「特定外来生物被害防止法」は、対象生物を今月末までに指定し、五月末に施行する予定で、同法は最大の狙いであるブラックバスの処遇が宙に浮いたまま、心もとない船出となる。
 釣り具メーカーや釣具店、バス釣りの愛好者などの猛烈な圧力に、環境省は指定を当分は見送る公算が大だとみられている。バス釣りの市揚規模など「利」を論じるのは大切だが、利益が正当な「理」にかなっているかがまず問われるべきだ。
 ブラックバスは淡水魚だから、太平洋を泳いで日本に来たわけではない。小骨が多くて処理に手間がかかるから、食用として持ち込まれたわけでもない。「ゲームフィッシング」のために、ひそかに不法に放流された疑いが濃厚である。近年の全国の湖沼への拡大ぶりは、意図的な密放流以外には説明がつかない。
 日本魚類学会は昨年十二月、国内四十三の都道府県にブラックバスが広がり、うち八十六の湖沼では、在来種、日本の固有種などが絶滅・激減の危機にあると発表した。
 ブラックバスは、他の魚種の稚魚を丸のみにする大食漢の「フィッシュイーター」である。モロコやタナゴ、トミヨなどの小さな魚なら成魚も一口。湖沼の生態系は一種の閉鎖系だから、こんな暴れん坊を放たれたらひとたまりもない。琵琶湖でもブラックバスが増え、モロコは幻の高級魚となり、ニゴロブナの「ふなずし」の未来にも影を落とす。
 ブラックバス釣りはどうぞ北米ツアーで。どうしても日本で釣りたいのなら、完ぺきに密封された専用釣り場を自分たちでつくるべきだ。
 暮らし方が変わり、国際的な物流が活発になって、固有の生態系も不変ではいられない。ただ、在来種を根こそぎ駆逐する外来種を意図的に広げるのは厳禁だろう。豊芦原の瑞穂(みずほ)の国が育ててきた繊細で豊かな淡水生態系と、ブラックバス釣りの快楽と、どちらを選ぶのか。国会でも議論を深めてほしい。
 

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平成16年12月20日 産経新聞 朝刊 より
 
規制種指定は流動的 「外来生物被害防止法」来春にも施行 生態系に影響及ぼすブラックバス
 
 宮城県の伊豆沼・内沼で、カイツブリやコサギなどの水鳥が激減している。その背景に、外来魚ブラックバスが水鳥のエサを大量に食べるという因果関係がヂータなどで明らかになりつつある。ブラックバスが原因とみられる生態系への「異変」は全国の湖沼で広がっている。生態系保全で期待されるのは来春施行予定の「外来生物被害防止法」だ。だが、同法の規制対象にブラックバスを含めるかどうかは、釣り業界などの反発もあって曲折も予想される。
文化部 栫井千春
”新参者”で異変
 伊豆沼・内沼はラムサール条約の登録湿地で、ハクチョウやマガンの飛来地。この水鳥の楽園に「異変」が起きたのは平成九年。モロコやモツゴ、タナゴなどの小魚の漁獲量がピーク時の約三分の一にまで激減したのである。時を前後してそれまで見られたかったブラックバスの一種である北米産オオクチバスが急増していた。この時期、沼では魚類の生息に影響を及ぼすようた水質悪化は確認されていない。オオクチバスの腹を開くと、小魚が出てくるケースが多く、小魚の減少は”新参者”の急増という見方が強まった。
 小魚の激減は、水鳥の生息数にも影響を与えたようだ。最初にこの兆侯に気がついたのは、宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎研究員らだ。
 オオクチバス急増前の平成五、六年と急増後の十二、十三年を比べたところ、水に漕って魚を取るカイツブリは93.1%、水上で待ち伏せて魚を取るコサギが87.3%減っており、嶋田研究員は「くちばしが短い鳥の減少幅が大きい。減少はオオクチバスの影響と考えられる」と分析する。
 日本に生息する約三百種類の淡水魚の約四分の一にあたる七十六種が絶滅危倶種に指定されている。護岸工事や水質悪化による影響が大きいが、ブラックバスが食べたことも要因の一つに挙げられている。

京都でも被害
 「異変」は氷河時代からの貴重な動植物が生息し、国の天然記念物に指定される京都市の深泥池でも起きている。オオクチバスが生息する前の昭和四十七年に十二種類いた魚が、生息が確認された後の平成九年には六種類しかおらず、メダカ、ニッポンバラタナゴなど絶滅危惧種が姿を消した。
 釣り愛好家に人気のあるブラックバスは、放流などによって全国の湖沼に広がっていったとみられている。全国内水面漁業協同組合連合会によると、オオクチバスは全都道府県で生息が確認され、最近、滋賀県の琵琶湖では体が大きく生態系への影響がより強いフロリダバスの生息も判明した。

釣り業界は反発
 今月七日、日本魚類学会が発表した調査では、ブラツクバスが生息し、水質悪化などの環境変化がない全国の百九十九水域で、在来生物が絶滅や激減していることにブラックバスが「影響している」水域は半数を超えた。客観的なデータはそろいつつある。
 生態系の重要性に気づいた住民たちは、伊豆沼・内沼や琵琶湖などでブラックバスの駆除に乗り出している。
 環境省と農水省は来年一月にも、外来生物被害防止法の規制対象となる「特定外来生物」の侯補を決め、春に施行する見通しだ。
 近畿大学の細谷和海教授(魚類学)は「日本も締約した生物多様性条約では、外来種は生物多様性の最大の脅威であるという認識が国際的に示されている」と日本も諸外国と同じように外来種の規制を強めるべきだと主張する。
 これに対し、「ブラックバスは青少年の釣り入門に適した魚」と主張する日本釣振興会は「国による全国的な外来魚の生息数調査はまだない。何年か時間をかけて調査して対応すべきだ」と、現段階でブラックバスを特定外来生物に指定することに反対しており、法規制の行方は流動的だ。
 ただ、そうした議論の間にも、水鳥やメダカなど古くから親しまれてきた生き物たちは失われていく。ブラックバスを特定外来生物に指定すべきか、日本の生態系を守るという大きな視点をもって議論することが求められている。
 
プラスα
 外来生物被害防止法
 人の行為によって連れてこられ、生態系などに被害を及ぼす生物を「特定外来生物」に指定し、国の許可なく輸入、飼育、移動などを禁じる。違反した場合、法人には1億円以下の罰金、個人には懲役1年以下または300万円以下の罰金。すでに、都道府県の規則でブラックバスの放流を禁止しているが、罰則は懲役6月以下またはlO万円以下とゆるく、拡散を招く形となった。

 プラックバス
 オオクチバス属の魚7種類の総称。日本ではオオクチバスとコクチバスの2種類の生息が確認。繁殖力が強く、魚、エビ、昆虫、鳥まで食べる。
 

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平成16年12月8日 日経新聞 夕刊 より
 
オオクチバス 生息湖沼の3割で生態系に被害 魚類学会調査
 
 ブラックバスの一種であるオオクチバスの生息が確認できている湖やため池の三割近くでは、護岸工事など環境変化の影響がないのに在来種が激減するなど生態系への被害が生じていることが八日までに日本魚類学会が明らかにした調査で分かった。同学会の専門家は、オオクチバスの被害はさらに広がっているとみている。
 調査は同学会が十一月に各地の魚類研究者などを対象にアンケート方式で実施したもので、結果をこのほど開かれた環境省の専門会合に報告した。
 それによると、北米原産のオオクチバスだけが侵入していることが確認できたのは全国の湖沼のうち三百三カ所。護岸工事などの環境変化の影響がないのにい在来種が絶滅・減少するなど顕著な被害が認められたのは八十六カ所だった。
 

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平成16年12月8日 読売新聞 夕刊 より
 
ブラックバス侵入 43都道府県で被害 魚類学会調査
 
 釣りで人気の高いオオクチバスを、在来の魚や昆虫に被害を与えるとして規制対象に指定するかどうかを巡り、釣り愛好家らと自然保護団体、研究者の間で議論が続いているが、日本魚類学会は七日、オオクチバスなどのブラックバス類が、少なくとも四十三都道府県の七百六十一のため池や湖沼に侵入し、メダカやタナゴなどに被害を及ぼしているとのアンケート調査の結果を明らかにした。
 同学会が先月、全国の魚類、水生昆虫の研究者に、オオクチバスとコクチバス、ブルーギルによる在来生物への影響を聞いた。
 オオクチバスだけが生息しているため池などは三百三か所で、このうち八十六か所では、水質悪化などの環境変化がないのに、オオクチバスの侵入でメダカなどの魚やゲンゴウなどの昆虫が絶滅したり、著しく減少したりしていた。
 
(関連記事)
麻生氏が会長辞任 日本釣り振興会
 
 日本釣振興会は七日、理事会を開き、麻生総務相の会長職辞任を了承した。副会長が会長代行となる。
 特定外来生物被害防止法の規制対象に、釣りで人気のオオクチバスを指定するかどうかを巡り、指定から外そうとする同会は、自然保護団体などと激論を交わしている。指定には閣議決定が必要。自然保護団体などから、オオクチバスが政治力で外されるのではないかという懸念も出ていた。
 麻生氏の事務所の話「会務に直接関与していなかったが、誤解を生まないように立場をはっきりさせた」
 

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平成16年11月25日 読売新聞 夕刊 より  (※全国版1面トップ記事)
 
外来種規制 釣り業界「反対」 ブラックバス 網の外 保護団体批判「法律骨抜き」
 
  アライグマやブラックバスなど、海外から日本国内に持ち込まれた生物(外来種)による生態系破壊を防ぐため、今年六月「特定外来生物被害防止法」が公布されたが、問題の発端となったブラックバスを駆除を含む規制対象から外そうと、釣り具業界や議員連盟がロビー活動を展開。これに対し「同法が骨抜きにされる」と批判する自然保護団体との対立が表面化している。このため環境省は二十六日、ブラックバスだけを個別に検討する小委員会を設置することになったが、期限内に結論を出せるか微妙な情勢だ。
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 同法は、生態系破壊や農業被害をもたらす外来種の輸入や飼育、野外放棄を罰則付きで禁ずるもので、必要に応じて駆除も行う。環境省は来年六月までの施行に向け、規制対象種を選定中だ。

 日本国内で繁殖しているブラックバスは、北米産のオオクチバスとコクチバス。オオクチバスは、釣り人に特に人気が高い。ルアー・フィッシングブームで全国の湖沼に密放流され、フナやタナゴなどの在来魚を食い荒らすなど、大きな環境問題になっている。

 対象種に指定されても釣り自体は規制を受けないが、釣り具メーカーなどで作る日本釣振興会(会長・麻生総務相)は、この“ブラックリスト”からブラックバスを外すよう、強力な働きかけを進めている。

 日本釣振興会によると、ブラックバス釣り人口は約三百万人、関連市場は約1000億円にのぼる。経済的影響を考慮した環境省は、オオクチバスを切り離して評価することにし、専門の検討会を二十六日に設置、指定の是非を議論することになった。

 同振興会は「在来魚の減少は水環境の悪化が原因」と、駆除の可能な規制には強く反対。超党派の国会議員で作る釣魚議員連盟も「バス釣りは、釣った魚を再放流する“キャッチ・アンド・リリース”が特徴で、命の大切さを教える教育にも役立つ」と、同様の主張だ。

 来年六月までの施行には一月までにリストを作る必要があり、合意できるかどうか微妙な情勢。指定には与党の承認と閣議決定が必要で、「政治力で外される」(濁川
にごりかわ孝志・立教大教授)とみる関係者もいる。

 日本自然保護協会などは規制すべき種として三百五十四種を公表しているが、第一陣で指定されるのはアライグマやコクチバスなど四十種以下の見込み。北米産のミドリガメなども「広く飼われており、影響が大きい」として、リストから外れる公算が大きく自然保護団体は反発を強めている。
 

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平成16年10月13日 産経新聞 夕刊 より
 
フロリダバス 大量繁殖 琵琶湖に新外来魚 
密放流裏付け、生態系に深刻な影響
 
 ブラックバスの繁殖が問題となっている琵琶湖(滋賀県)に、「フロリダバス」という新たな種類が繁殖していることが県立琵琶湖博物館の研究者らのグループの調査で分かった。これまでバスの大半を占めていた「ノーザンバス」との交雑が急速に進み、交雑種が七割を超えたエリアも。新種の繁殖は、密放流がまだ続いていることを墓付けるとともに、ノーザンバスよりも大型のフロリダバスや交雑種が増えることで生態系へのさらに深刻な影響が懸念される。

 調査は、同博物館主任学芸員の中井克樹氏(理学博士)や元香川県水産試験場主任研究員の横川浩治氏(農学博士)らが行った。
日本に生息するブラックバスは、口の大きさなどからオオクチバスとコクチバスの二種類に分かれる。北米原産のオオクチバスのうち北米大陸東部に分布するのがノーザンバスで、主にフロリダ半島に分布するのがフロリダバス。フロリダバスはノーザンバスに比ベて大型で、交雑種も含め大きいものでは体長七〇センチを超える。
日本で、フロリダバスの生息地として有名なのは奈良県下北山村の池原ダム。釣りファンのために放流されており、力強いバスを求めて多くのファンが集まる。
研究グループでは、オオクチバスの体の組織からノーザンバスとフロリダバスを判別する遺伝的研究を続けている。琵琶湖のオオクチバスについては、平成四年に約百匹を調査した結果、すべてが純粋なノーザンバスであるとの結果を得ており、琵琶湖のバスは少量のコクチバスなどを除けば、すべてノーザンバスとみられていた。

 しかし、その後の調査で、純粋なノーザンバスの特徴を保有しないバスが見つかり、琵琶湖に新たな種類が侵入していることが判明。平成十二年から十五年にかけ、琵琶湖北の西浅井町と南の大津、守山両市、西の志賀町の四カ所でバス計約二百匹を詳しく調べた結果、いずれの場所でも純粋のノーザンバスは約三割にも満たず、大半がノーザンバスとフロリダバスの交雑種であることが分かり、純粋のフロリダバスも見つかった。
中井さんらは「フロリダバスの侵入が自然に発生するとは考えられず、密放流があったと推定できる」といい、琵琶湖で純粋なノーザンバスがほとんど生息していない状況について「持ち込まれたフロリダバスの個体が相当数であったと考えられる」と指摘、放流時期や量についても明らかにしていきたいという。
滋賀県では漁業調整規則で、フナやコイなど指定された十六種類を除く水産動物の放流は禁止され、違反者には「六月以下の懲役もしくは十万円以下の罰金」の罰則が設けられている。しかし県が民間の警備会社に委託して湖岸のパトロールを続けているにもかかわらず、密放流の情報は頻繁に聞かれるという。
またブラックバスは、来年四月に施行される「特定外来生物の生熊系被害防止法」で、輸入・飼育などを原則禁止する特定外来生物に指定されるかどうかが注目されている。

 瀬能宏・日本魚類学会自然保護委員会副委員長の話
 「今回の結果は、バスの密放流が行われていることを科学的に裏付けたという意味で非常に重要だ。フロリダバスは大きく成長するため、ノーザンバス以上に在来生物への悪影讐が心配される。ブラックバスが特定外来生物に指定され、適正に管理されるよう一層強く働きかけていきたい」
 
約40種、推計3000トン 外来魚

 滋賀県水産課によると、琵琶湖の外来魚は平成十三年現在で約三千トンと推計されている。県が記録を取り始めた六年以降、新たに発見された外来魚は約四十種類に上り、大半は熟帯魚などペットとして飼われていたものが捨てられたとみられる。オオクチバスやブルーギルなど一部の魚は繁殖し、外来魚が急増した昭和六十年ごろから、タナゴやフナ、ホンモロコなどの在来魚が激減した。
 県では、昨年度から琵琶湖岸約六十カ所に回収ボックスやいけすを設置、さらに釣り上げた外来魚と、地元で買い物ができる地域通貨と交換する「ノーリリースありがとう券事業」を実施。昨年四月から先月までに約六十トンを回収するなど、新たな駆除事業が成果を上げている。
 

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平成16年7月10日 北海道新聞 夕刊 より
 
電気で気絶 外来魚駆除  ボートに捕獲装置  道、南幌で13日試験
 
 ブラックバスやブラウントラウトなどの外来魚を電気ショックでしびれさせ、駆除する特製ボートを道が国内で初めて導入する。水中に電気を流し、しびれて動けなくなった魚の中から、外来魚だけを選ぶ作戦だ。ボートは九日に組み立てが終わり、十三日、ブラックバスが出没する空知管内南幌町の沼で、さっそく「試験運航」する。
 一番の特徴は、舳先(へさき)から伸びる二本の「腕」にある。長さ二・五メートルで、その先端には六本のワイヤ。これを水中に沈め、足ペダル式のスイッチで発電機から最大電圧千ボルトの電気を水中に放つ。

 水質などの条件次第だが、「腕」の数メートル範囲の魚たちが、ぷかりと水面に浮かぶという。魚は二、三分間は「気絶」した状態で、その中から外来魚だけを網ですくう。

 船外エンジン付き全長四・四メートルのボート本体は、国産の救命ボートを転用。発電機や腕などのシステム一式は、こうした捕獲方式が広まっている米国から輸入した。

 外来魚駆除の主流だった刺し網は、一緒に網にかかった在来魚も死ぬという難点があった。水中に電気を流す方法は、人が背負うタイプの機械は日本でも普及している。ただ、「背負い式は約二時間でバッテリーが切れ、湖や沼で使えない」(道漁業指導課)のに対し、特製ボートは発電機を使用するため、時間制限もないという。

 道は、南幌町の「なんぽろ親水公園」の沼と調整池で十三、十四の両日、特製ボートを使った後、ブラックバスの捕獲記録がある余市ダム(後志管内余市町)と大沼国定公園(渡島管内七飯町)の湖沼で七月中に使用する。その後、ブラウントラウトが生息するとみられる河川で使っていく。道によると、ブラックバスとブラウントラウトは道内四十数カ所の川や湖、沼で生息し、在来種への悪影響が懸念されている。
 

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平成16年4月5日 京都新聞 より
 
琵琶湖のフナなど漁獲が増加  捕獲禁止や外来魚駆除が効果
 
 滋賀県の味覚を代表するフナずしに使われる琵琶湖のニゴロブナの漁獲高に、回復の兆しが現れている。春から夏にかけて産卵期のフナを守るため、琵琶湖の12カ所を4月1日から7月末まで捕獲禁止となっているほか、稚魚の放流、外来魚の駆除などの対策も行われており、県は「これらの相乗効果が出ている」と見ている。

 ニゴロブナの漁獲高は、1985年ごろには200トンあったが、97年には18トンまで激減。しかしその後は、2000年が24トン、01年が32トン、02年が33トン(農林水産省調べ)で増加傾向にあり、「漁業者からは、今年も前年よりよく採れているという声を聞く」(水産課)という。

 琵琶湖の在来魚を増やすための対策として、県漁業調整規則は1991年からフナとモロコについて、天然のヨシ帯がある湖北町尾上・今西付近の1カ所と、県が人工の産卵床やヨシ帯を設置している増殖場の11カ所の計12カ所を産卵期の捕獲禁止区域に指定。違反者に、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金などを科している。

 このほかにも、ニゴロブナで年間約750万匹、ホンモロコで556万匹の稚魚の放流や、在来魚やその卵を食べるブラックバスやブルーギルの駆除が行われている。水産課は「小さなフナは湖に戻すなど、漁業者の努力も合わせて在来魚の増加に努めたい」としている。
 

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平成15年11月29日 読売新聞 夕刊 より
 
ブルーギル激減  琵琶湖の生態系回復の兆し  駆除効果 一網2年で25分の1
 
 滋賀県の琵琶湖で在来種を食い荒らしている外来魚「ブルーギル」の生息数減少が29日、県の調査で明らかになった。2002年度から始めた駆除作戦の効果が表れたとみられ、捕食していたスジエビは漁獲量が回復。全国内水面漁業協同組合連合会は「漁業に影響を与える外来魚が減った珍しいケース」、県は「琵琶湖の生態系回復への兆しが見えた」としている。

 ブルーギルは琵琶湖で1965年に初めて見つかった。琵琶湖で約40種確認されている外来魚のうち、生息数は約8割を占めるという。県名産のフナずしの原料となるニゴロブナや、ホンモロコの卵や稚魚の被害は絶えない。
 県水産試験場は毎年6―8月、草津市沿岸で数十回網を引いて生息数を調査。01年度には一網平均370匹の稚魚が取れたが、02年度には42匹、今年度は15匹と減った。
 定置網「えり」の調査(7月)でも、昨年は産卵可能な体長10センチ以上の割合は58%だったが、今年は15%まで減少。一方、昨秋からはスジエビの漁獲量が増え、県漁連によると、多い時には一網で約100キロと昨年の約3倍にもなる。
 県は昨年度から3年事業で集中駆除を始めた。昨年度はブラックバスも含めて521トン、今年度(10月末現在)は320トンの外来魚を駆除。外来魚リリース(再放流)禁止で釣り人から約8トンを回収した。
 京都市の深泥池で生態系回復に取り組んでいる竹門康弘・京都大防災研究所助教授(生態学)は「安定的な生態系回復には、次世代まで駆除努力を続けることが大切」と指摘する。
 

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平成15年4月1日 京都新聞 より
 
琵琶湖レジャー条例施行
 
 滋賀県の琵琶湖レジャー利用適正化条例が1日、施行された。外来魚のブラックバスとブルーギルの再放流や、住宅地に近い航行規制水域内でのプレジャーボートの航行が原則禁止となる。水上レジャーを総合的に規制する条例は全国で初めて。

 大津市内の琵琶湖では、この日も朝から熱心な釣りファンの姿が見られた。宇治市から来た中学生(12)は「再放流禁止は面倒だけれど仕方がない。(釣った外来魚は)クーラーボックスに入れて持って帰る」と話した。一方で「再放流を続ける」=京都市山科区の高校生(15)=と言う釣り人もいたが、現場で大きな混乱はなかった。

 条例は、琵琶湖の生態系や生活環境を守るのが目的で、昨年10月の県議会で可決、成立した。2006年4月からは、2サイクルエンジンを積んだプレジャーボートの使用も禁止される。
 

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平成14年10月24日 京都新聞 より
 
ブラックバスは「有害鳥獣」 環境省、移入種を積極駆除へ
 
 環境省は二十四日、ブラックバスやマングースなど、外国から入ってきて日本固有の生態系に悪影響を与えている移入種(外来種)を「有害鳥獣」とし、積極的な駆除に乗り出す方針を決めた。来年四月に施行される改正鳥獣保護法の基本指針に盛り込む。

 現行の鳥獣保護法は、鳥獣を捕獲できる場合として有害鳥獣駆除のほか、学術研究目的などを定めている。移入種もその一つに含まれているが、ペットにするため捕るなど、「有害鳥獣駆除以外の目的」という位置付けにとどまっている。

 新たな基本指針では、移入種を「有害鳥獣」の項目に盛り込み「農林水産業や生態系への被害防止のため、根絶または抑制に向け積極的に捕獲する」と強い姿勢を打ち出した。

 移入種は、もともと日本にはいない生き物で、ペットにするなどの目的で持ち込まれたことがきっかけで爆発的に増加。他の動植物を食べるなど被害が深刻化している。日本生態学会によると、約二千二百種類に上る。(共同通信)
 

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平成14年10月16日 毎日新聞 より
 
琵琶湖条例:ブラックバスの再放流禁止 水上バイク禁止区域も
 
 釣った外来魚の再放流(リリース)禁止などを盛り込んだ滋賀県の琵琶湖のレジャー利用適正化条例案が16日、同県議会で全会一致で可決、成立した。リリース禁止条例は今月4日に可決した島根県平田市に次いで2例目。水上バイクを含むプレジャーボートの航行禁止区域を設けるなど、水上レジャーを総合的に規制した条例は全国初。来年4月施行される。水上レジャーの一大スポット・琵琶湖での規制導入は全国に影響を与えそう。 

 条例で、ホンモロコなど琵琶湖固有魚減少の要因とされるブラックバスやブルーギルなどの外来魚のリリースは全面禁止となるが、罰則はない。

 また住宅密集地の沿岸部に、琵琶湖面積の数%にあたるプレジャーボート航行禁止区域を今後設定、禁止区域での停止命令違反には30万円以下の罰金を科す。うち未燃焼ガソリンが水中に多く排出される従来型2サイクルエンジン搭載機は、禁止区域外でも、06年4月(既に所有している人は08年4月)から全面禁止(罰則なし)となる。

 自然環境と生活環境の保全が目的。県が今年6月、条例の素案となる要綱案を公表して以来、リリース禁止を巡っては賛否両論が噴出し、「釣りの自由を束縛し幸福追求権に違反する」と違憲訴訟を起こす動きも出ている。 【岡村恵子】

◇マナー任せでは環境保全に限界

 滋賀県がリリース禁止など琵琶湖のレジャー規制に踏み切ったのは、レジャー客のマナー任せではもはや環境を守れないと判断したからだ。

 琵琶湖は400万年前に生まれた世界有数の古代湖で、ホンモロコなど50種以上の固有種をはぐくんできた。しかし主に80年代から外来魚のブラックバス、ブルーギルが増え、沿岸域で大半を占めるなど生態系が変化。フナやモロコなどの年間漁獲量は約20年間で、約1100トンから200トン台に落ち込み、漁業への影響も深刻化している。

 一方、琵琶湖のバス釣り客は年間約70万人。リリース禁止になれば釣り客の7割が琵琶湖に来ないというアンケート結果もあり、釣った魚を琵琶湖に返さないだけで駆除につながるか、罰則を設けなかったこともあって、条例の実効性を疑問視する声も少なくない。

 島根県平田市でも来年4月、リリース禁止に関して同様の条例が施行され、秋田県もリリース禁止を検討中。「外来魚ゼロを目指す」条例が、全国の環境保全の在り方に投じた意義は大きく、運用が今後問われることになる。 【岡村恵子】
 

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平成14年9月3日 京都新聞 より
 
漁業者らがレジャー規制案作製  独自案 滋賀県に提出
 
 滋賀県が提案した琵琶湖のレジャー利用適正化条例の要綱案に対し、県内の環境市民団体や漁業者などによる「市民がつくる『琵琶湖を守るためのレジャー規制条例案』」作成委員会が独自の条例案をまとめ、三日、国松善次知事に提出した。

 同委員会は、県の要綱案の実効性を疑問視する「びわ湖自然環境ネットワーク」(寺川庄蔵代表)など二団体の呼びかけで、七月に結成。六回の会議や現地調査、シンポジウムを行い、ホームページに寄せられた意見も参考にして、最終案をまとめた。

 水上バイクの全面禁止や自然湖岸への車両の乗り入れ禁止などすでに発表した内容に加え、プレジャーボートの速度規制(湖岸から四百メートル内は時速十キロ、四百メートル外では六十キロ)や、放流を目的とする琵琶湖からの外来魚持ち出し禁止などを盛り込んだ。

 条例違反者に適用する罰則として、新たに湖岸清掃活動の義務化を加えた。レジャー用品の製造、販売業者の社会的責任も明確にした。

 独自条例案を知事に手渡した寺川代表は「できるだけ県の案に反映させてほしい」と要望。国松知事は「市民側からこのような提案が出たのは画期的。参考にしたい」と述べた。
 
※琵琶湖を戻す会はこの独自条例案作成に賛同し、作成活動に参加しています。
 

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平成14年3月8日 京都新聞 より
 
バスの琵琶湖 再放流を規制  滋賀県知事が条例化検討
 
 ルアーフィッシングで人気のブラックバスなどの外来魚が増加し、琵琶湖の漁業や生態系に影響が出ている問題で、滋賀県の国松善次知事は八日、釣ったバスの再放流を規制する条例の制定を目指すことを明らかにした。

 国松知事は「釣ったら放さずに全部食べてもらいたい。どういう形で条例に盛り込めるか検討し、六月中に素案を示したい」と述べた。

 県水産課によると、外来魚はひそかに放流されるなどして増えたとされ、琵琶湖に約三千トンが生息。コイ、フナ、モロコなど在来種の稚魚や卵を好んで食べる。

 外来魚の増加が指摘され始めた一九八○年代半ばから、これら在来種が激減。九九年の漁獲高は約二百トンと、最盛期の約六分の一になったという。
 

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平成14年2月16日 熊本日日新聞 朝刊より
 
ウナギ使って外来魚を抑制  琵琶湖で取り組み開始へ
 
 ブラックバスやブルーギルなど外来魚の増加で、琵琶湖の漁業に大きな被害が出ているため、滋賀県は二〇〇二年度から、県内の漁業団体と連携し、ウナギに卵や椎魚を食べさせる技術を研究するなど、捕獲駆除や繁殖抑制に向けた本格的な取り組みに着手する。
 ウナギはブラックバスなどの卵や椎魚を食べる天敵とされる。琵琶湖にウナギを放流し、外来魚の活動が鈍る夜間に、湖底に産み付けられた卵などを食べさせて繁殖抑制を狙う。

 県はこの技術の確立と、沿岸で群をなすブラックバスの椎魚を網ですくい取る駆除事業などを併せ”一網打尽”にし、二〇〇四年度末ま
でに外来魚の数を現在の半数以下に抑えたいとしている。
 同時に、外来魚一キロの漁獲につき最大で五百円の助成を実施。駆除に必要な刺し網や小型定置網の改良にかかる漁業者の費用負担を軽減する。

 同県水産課によると、外来魚は琵琶湖に約三千トンが生息。コイ、フナ、モロコなど在来種の稚魚や卵を好んで食べる。
 

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平成14年1月17日 毎日新聞 滋賀県版より
 
有害外来魚と失業者対策 緊急課題を一網打尽 捕獲へ雇用70人計画
 
 琵琶湖の固有種ニゴロブナなどを食い荒らす有害外来魚対策として、県は新年度予算で、失業者らにブルーギルとブラックバスを網で捕獲してもらう雇用創出事業を計画している。県水産課は財源として、国からの緊急地域雇用創出特別交付金約2億円を見積もっており、実現すれば、失業と外来魚という緊急の課題を“一網打尽”に、と期待がかかる。

 県は99年度から10年間で、当時、約3000トンと県が試算した琵琶湖のブルーギルとブラックバスを1500トンに減らす計画を進め、買い取りや漁業者による駆除漁などを行ってきた。

 しかし今年度、進ちょく状況を試算したところ、外来魚の個体数は変わっていないとの結果が出た。ブルーギルやブラックバスには背びれなどにとげがあり、刺し網からとる時に、網が破れて使えなくなることが多く、漁業者が利用を控えるようになったことなどが原因とみられる。

 このため、ブラックバスやブルーギルが多数生息している湖岸沿いの地点で、タモ網で稚魚をすくう▽産み付けられた卵を守っているオスの親魚を投網で捕獲する▽刺し網で親魚を捕まえる仕事を計画。約70人の新規雇用を見込んでいる。別枠で見積もった事業と併せて年間400トンを捕獲すると共に、稚魚や卵を捕獲することで新たに生まれる魚を減らし、05年3月までに琵琶湖の外来魚を1250トンに減らしたいとしている。

 国松善次知事は「なかなか良いアイデアと思っている。実際に効果が上がるのか、担当課の話を聞いて判断したい」と、予算案計上に前向きの姿勢を示している。 【河出伸】
  

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平成13年11月14日 産経新聞 夕刊 関西版社会面より
 
琵琶湖のメダカ 内陸地にいた  水田伝い”新天地”  「絶滅危惧種」復活へ期待  湖沼会議で発表
 ブルーギルなど外来魚の繁殖で生息数が激減したとみられているタモロコやメダカなど琵琶湖南湖の在来種が、水田用の水路などを伝って滋賀県南部の内陸の集水域に生息地を拡大していることが、滋賀県立琵琶湖博物館が主宰する民間研究グループの調査で十四日までにわかった。
 
 これまで琵琶湖集水域の魚類分布のデータはなく、絶滅に近い在来種が内陸に”新天地”を見いだしていた事実に、グループは「外来魚の駆除に成功すれば絶滅危惧(ぐ)種の琵琶湖での復活の可能性も見えてきた」と話している。
 調査したのは同博物館の学芸員や魚類愛好家ら約百三十人で組織する「魚の会」。大津市で開催中の「第9回世界湖沼会議」で発表された。平成十年三月から昨年末までの間、大津や草津、守山など県南部の十市町村の琵琶湖集水域の約九百地点で調査。魚類五十五種のデータが集まった。
 調査ではブルーギルが内陸部の小河川や水路にまで生息地を拡大。二百二十六地点で観測されたのに対し、琵琶湖沿岸を追われたタモロコやメダカなどはこれらの地域からも駆逐され、壊滅に近い状態にあるとみられていた。
 ところが同会でさらに内陸部に遡(そ)上した扇状地を調べたところ、タモロコは百七十六地点で、メダカでは七十三地点で生息を広範囲に確認。扇状地まで遡上できないブルーギルから逃れるため生息地を湖南平野部一帯に広げている事実が確認できた。
 一方で近年、県南部の内陸も都市化が急激に進んでおり、メンバーで同博物館の中島経夫学芸員は「(水田や水路など)最後の逃げ場所をつぶす前に外来魚を駆除する方法ができればメダカなどを絶滅の危機から救え、かつての琵琶湖に戻せるかもしれない」と話している。
 

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平成13年10月21日 朝日新聞 朝刊 「天声人語」より
 
 先日、琵琶湖の漁師さんに、えりと呼ばれる定置網を揚げる様子を見せてもらった。1回網を揚げると、40キロほどの魚が入っているのだが、驚いたことに、その大半が本来は琵琶湖にはいないはずの外来魚だった。

 大きいのはブラックバス。体長50センチを超える大物もいる。ブルーギルはやや小型だが、数ははるかに多い。おまけに全長2、3センチの稚魚が山のように積み重なって網にかかっている。

 話には聞いていたけれど、ここまでとは思わなかった。漁期を外れていたせいもあるが、琵琶湖に生息しているはずのフナやエビやモロコは、ほとんどいない。外来魚がはびこって在来魚がとれないという漁師さんの嘆きがよく理解できた。

 なぜ、こんなことになったのかと聞くと、だれかが目的を持って放流したからだろうという。それが繁殖し、在来魚を食い荒らしている。その証拠に、大型のブラックバスの腹を割いてみると、胃袋からエビやモロコがどっさり出てくる。

 琵琶湖だけではない。大げさにいえば、外来魚は日本中の湖やため池や河川に生息し、いまも繁殖区域を広げている。それによる生態系の破壊を懸念する人がいる一方で、バス釣りを楽しみに、その繁殖を擁護する人たちがたくさんいる。双方の主張がかみ合わないから、水産庁も環境省も、この問題には手を出しかねている。

 フナやメダカを守ることは、彼らが生育する環境を守ることでもある。しかも大半の自治体では、規則でこうした外来魚の放流を禁じている。そろそろ問題の解決に取り組むときがきている。
 

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