6月25日 福島菊次郎講演会の終了、山本宗補写真展の開始
福島菊次郎さんの講演会は大盛況、大好評だった。用意した明大の教室は立ち見だけでなく
通路まで埋まってしまった。出入り口は入りきれない人がつめかけていた。会場準備と進行上
の不手際もあり、来場者には随分と窮屈な中で、86歳になる福島さんのエネルギッシュな講演
を傾聴していただいた。全体で3時間という長時間だったが、来場者はもっともっと聞きたかった
ようだ。アンケートを見ると、14歳の中学生から70代の高齢者まで、実に幅の広い世代が福島
さんの「遺言」を共有することができる希有な講演会となったようだ。
アンケート集計から少しだけ引用させてもらい、来場できなかった方たちに福島さんの話の
中身をいくらかでも共有してもらいたい。
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・日本は戦争を終えると同時に再び新たな戦争へと歩んで来たような気がした。この国がいか
に表面的な国であり、いかに危険な状態であるかわかった。いままでは、「国が悪い」という意識
で何かと批判してきたが、その責任の源流が国民にあったのだということを思い知らされるような
講義だった。このまま恐ろしい未来が訪れるのをただじっと待っているだけというのも非常にむな
しいことだと思うが、正直な気持ちとしては、未来は変えられない気がした。(男性・18歳)
・一言一言に考えさせられました。先日20歳になったばかりで、まだまだ子どもつもりでいました
が、もう自分も責任を負う人間なのだと思いました。自分の子どもや孫の世代に胸を張って生き
て欲しい、戦争のある世界を残したくない。今の自分にできること、しなければならないことを
考え、行動に移していきたいと思います。(女性・20歳)
・戦争責任というのは戦場責任のことのみを指すのではない。戦争とは戦前―開戦―戦中―
終戦―時には戦後までのすべての局面を言うのであって、すべての局面に責任は生ずるとの
メッセージが印象に残りました。既に「戦前」の局面に入っていると思われる現在、主権者たる
我々一人一人の「戦争責任」が既に問われ始めているのですね。(男性・34歳)
・自衛隊や三里塚闘争などの、戦後の問題を示した写真の迫力がすごいと感じました。また、
それ以上に天皇問題や日本の将来に対し語られる福島先生のすごさにも圧倒されてしまいま
した。(男性・44歳)
・初めて話を聴くが、すごい人だと感じ入る。「戦場体験」「戦争体験」「裕仁の戦争犯罪」「大本営
発表」「権力のウソ」「ジャーナリズムの堕落」「被害者立場のみ主張」「加害者意識の欠如」
(男性・74歳)
・「誰かがなんとかしてくれるだろう、という考えでは(憲法改正までの)時間は権力者のいい
ように利用されるだけ」との言葉にギクリとさせられました。福島さんが言うとおり、今、多くの
人が、主権者としての能力を失いつつある、というよりその事実自体に無自覚になっているに
かもしれません。今日聞いたことを肝に銘じながら、せめて日々のニュースに接していきたいと
思う。講演会パート2を是非やってください。(男性・24歳)
・86歳の福島さんががんばっているのを見て、私もがんばらねば、と思いました。(男性・60歳)
・今回の否定的な情況の中で出された問題提起は大変重いものがあると思います。自分自身
の生き方が問われていると考えます。天皇制について、私は、昭和天皇は日本で最低の人間
であると思っていました。憲法の天皇条項はすべて削除すべきと思います。マスコミ批判につい
てはまったく同感です。(男性・61歳)
・我々自身を告発する作業からはじめようという福島さんの発言は、私にとっても重いもの
でした。(男性・68歳)
・お話のひとつひとつが重い言葉でした。「今度の戦争はアメリカの戦争だ」「子どもを大切に
しない国は滅びる」…大きな課題をつきつけられたような気がします。(女性・51歳)
・子どもの頃からずっと戦争がこわくて、今でもその想いが根本にあって生きています。だんだん
と自分で本を読んで、活動(?)に参加して、自分で考えていくことができるようになったと思って
いましたが、常に自分自身に戻して自問するということを忘れることが多いと気付きました。自分
が“当事者”だという意識がなくては、結局、実のないものになってしまうと感じました。こういう
場にいて、逆にこわいことは、私がやらなくても活動している人がたくさんいる、と安心してしまう
ことです。何だかまだまだ自分が甘っちょろいな、と思います。(女性・24歳)
・参集した人数の多さに驚きました。どういう方たちが何を考え、何を求めてこの場にいるのか
知りえませんが、この国の現状をよしとしない、危惧を抱く点は共通かと。第一部は氏ならでは
の部分はありとはいえ、ややテンポを欠きました。二部は論点を絞って、熱のこもった『遺言』。
胸にひびきます。事実、真実を知る努力。「情報」を洗う智恵を学び、自分なりに行動して、自分
なりの責任を考えつつ、この局面を生きようと思います。(女性・71歳)
・貴重な「大人」の厳しき視点に、目の覚めるような思いでした。改憲阻止を実現した社会への
想像に具体性ある視点が見つからなかった私には、護憲ですら護憲にならない社会観に胸の
つかえがとれたようです。灰からの再生に真の期待を持ちたいとの力説でしたが、「民衆は愚に
して賢である」との楽観主義で、私は抵抗していきたいと考えております。(男性・40歳・会社員)
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感想の一部だが、改めて福島さんのメッセージの核心が各自に伝わっていることを実感でき、
やはり希望を感じるし、講演会を主催した一員としても嬉しい。
翌日、新幹線で柳井に帰った福島さんは疲労困憊の様子で、「二日ほど休養するよ」との電話
の声にいつもの張りがないように感じた。おつかれさまでした。
変わって、24日の昨日からは私の写真展「また、あした 日本列島老いの風景」を、キッド・
アイラック・アート・ホール(京王線明大前徒歩2分)で開催している。写真集刊行後、沖縄、神戸
と開かれてきたが、都内では初めての写真展だ。思い切って90点ほど展示している。
新作も10数点加えてある。4月のマンデープラスで放送された、新橋の靴磨きの沢村さんの
写真も展示した。嬉しいことに、初日の昨日、沢村さんが息子さんと会場に見にきてくれた。
昨日は館主の窪島誠一郎さんと対談をさせていただいた。30名近い参加者が窪島さんの
トークを堪能してくれたようだ。私は相変わらずしどろもどろ。
3階のスペースは昨年から取り組み始めた戦争体験を語るお年寄りの肖像写真と語りの一部
を解説文で紹介した。どこにでもいそうなおじさんとおばさんが、かつて体験した一人一人の戦争
体験を感じてほしい空間にした。7月1日までなので、どうかお出かけください。
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