9月28日  牙をむいたビルマ(ミャンマー)の軍事政権に最も寛容な日本政府

 僧侶殺害につづき、日本人ジャーナリストも殺害され、一気に19年前に逆戻りだ。
ビルマ(ミャンマー)のラングーンで取材中の日本人ジャーナリスト、長井健司さんが軍隊の
発砲で殺害されたという。まったく残念なニュースだ。昨夜の8時頃から、私の安否を確かめる
電話と殺害された日本人についての心当たりがないかという問い合わせがテレビ局や新聞社
から次々にかかってきた。

 驚くべきニュースだった。日本人の同業者が殺害されたという悲しい知らせから想像できる
現地の事態が、全国的な民主化運動が軍隊による武力弾圧で数千人の犠牲者を出した19年前
の最悪の事態を彷彿とさせたからだった。一人の日本人ジャーナリストの死の回りには、間違い
なく多数の民間人が死傷していることが容易に想像できる。だからこそ、悲しくて虚しいのだ。

 燃料価格の値上げをきっかけに全国で散発的に始まった軍事政権に対する抗議デモが、
数日前からは僧侶と市民による民主化デモに発展し、一昨日はついに警察隊と軍隊が武器で
襲いかかり、死者4人(このうち3人は僧侶という)、負傷者100人、逮捕者200人と報じていた。
今日の無防備な民間人多数の虐殺で、ビルマ情勢は19年前に逆戻りだ。

 今回の最悪の事態を招いた責任の一旦は、実は日本政府の人権感覚の欠如と責任ある
アジアの経済大国(または国際社会)の一員としての無策無能外交にある。軍政下にある
ビルマの民主化を早期に実現させるために最大限の努力を払う政治公約責任を19年間放棄し
てきた結果でもある。国連常任理事国入りを要求する国の素顔だとしたら何とも空々しい。

 日本政府・外務省は、8月下旬から事態が悪化することが十二分に予想できたにも関わらず
静観に徹した。二日前に国連議長がビルマ軍政に自制を促す声明を出してから初めて外務省
がおざなりの公式声明を出した。

 ビルマ軍事政権のやることに極めて寛容で、民主化勢力の期待を完全に裏切り、民主化進展
の足を事実上引っ張ってきたのが我が日本政府である。

正門が閉ざ
されたビルマ
大使館


 昨日の品川にある在日ビルマ大使館前には100人ほどの在日ビルマ人が集まり、僧侶の
殺害報道に対する抗議のデモを行った。19年前には高校生として民主化デモに参加したという
30代の若者から、当時は幼児だったので軍政の武力弾圧を全く知らない20歳そこそこの男女
も多数参加していた。

「独裁軍政に対し、あいまいな態度はやめてください。ビルマ民主化に日本の役割に期待を
寄せているビルマ国民を裏切らないでください。」

 大使館前では在日ビルマ人の日本政府に対する期待を込めたスローガンが虚しく響いた。

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