6月2日 死者行方不明者13万4000人、投票率98.12%
ビルマ(ミャンマー)サイクロン(5月2日〜3日にかけて発生)被災地のラブタで、医師4人、
看護師7人を含む計23人の日本の国際緊急援助隊医療チームが31日から医療活動を始めた
という。8日まで活動し、10日には帰国の予定だそうだ。被災から約1ヶ月後の活動開始で、
活動予定期間も短い。
片や四川大地震(5月12日に発生)で派遣されていたチームは、5月22日から活動し、1日に
活動を終了し帰国の途についている。
軍政は国際社会の被災地での医療活動を受け入れ初めている報道の一方で、避難民を
キャンプから強制的に排除し、生き延びる術のない村に追い返しているという報道が増えて
いる。30日、ヤンゴン市内のカレン民族が集まるキリスト教会に避難していたラブタからの
避難民約400人は、11台のトラックに乗せられて、デルタ管区内の別の町に連行されたという。
ユニセフの担当者は、ボガレでは8つの避難キャンプが空っぽになったと現地から戻ったばかり
の救援スタッフが涙ながらに語ったと話している。
軍政の強攻策は、緊急援助の段階が終了し、「復興」を強調するシナリオに沿ったもので、
「被災者が援助依存症なってはいけない」ことも強調している。援助されていない被災者が
どうしたら援助依存症になれるのか?
かつて、戦時下で発生した大地震の被害は、極力報道されなかった軍国主義下の日本の姿が
重なって見えるようだ。
タンシュエ王朝と言い換えた方が相応しい現政権にとり、最大関心事は新憲法案の
国民投票以外にはない。26日の国営新聞の一面トップは、「92.48%が新憲法に賛成」とある。
TBSテレビはこう報道した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミャンマー軍政、新憲法案承認と発表
ミャンマーの軍事政権は26日、今月実施した新憲法案への賛否を問う国民投票で賛成が
9割以上に達し、承認されたと発表しました。
新憲法案をめぐるミャンマーの国民投票は今月10日に行われ、サイクロンによる被害が
大きい地域では延期されて24日に実施されました。
ミャンマーの国営メディアなどは、10日に実施した分で賛成票が92.48%に達したと報じて
いましたが、被災地での投票分を加えた最終結果でも賛成票が92.54%と、新憲法案の
承認に必要な過半数を大きく上回ったと発表しました。投票率は全体で97.45%に達したと
しています。
新憲法案には軍部が強い影響力を維持する内容が盛り込まれていることから、国内の
民主化勢力だけでなく、国際社会からも批判が相次いでいました。また、賛成票を投じるよう
強要されるなどの不正が多数報告されているということです。
軍事政権は、直前に大型サイクロンが直撃したにもかかわらず、被災者救済を後回しにして
投票を強行していました。(27日01:49)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私も運営委員の一人として活動するビルマ市民フォーラム(PFB)では、30日に声明を出した
ので以下にコピーし広報したい。この声明は転載転送大歓迎です。また、被災者支援の募金も
受け付けています。ご協力ください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【ビルマ市民フォーラム 声明】 2008年5月30日
---------------------------------------------------
日本政府は国民投票の結果を認めるべきではない
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5月10日、軍政は一部のサイクロン被災地域を除き国民投票を
予定通り実施し、26日には国営放送を通じて最終投票率98.12%、
賛成票92.48%に達したと発表した。
5月2日〜3日に同国を襲ったサイクロン「ナルギス」による死者・行方
不明者は13万人を超え、被災者は260万人にものぼると見られている。
23日、潘基文国連事務総長の説得により軍政はようやく国際社会から
の支援受け入れを許可したが、未だ最大被災地のデルタ地域においては
支援スタッフの移動や物資運搬に制限が加えられている。既に雨季に
入った被災地では、支援の遅れに伴い、コレラや感染病が急激に広がって
いる。現在進行形の二次災害の拡大は、もはや軍政による「人災」といわ
ざるを得ない状況である。
こうした中、軍政は国民投票を実施し憲法草案は承認されたと発表した。
しかしながら、この国民投票は1990年の総選挙の結果を完全に無視し、
当選議員・民主化勢力・少数民族代表者らとの対話もないまま、法的な
正当性に欠ける軍政が自らの権力維持を第一の目的に強行した、「政治
的儀式」にすぎない。投票前からビルマの国民は賛成票を投じるよう様々な
形で強要され、投票所でも不正が行われていたとの証言が数多く報告され
ている。98%を超えたとする投票率にも客観性・現実性はなく、92.48%の賛成
という数字も国民の意思とは程遠いものであることは明らかである。
サイクロン被災の影に隠れ、平然と人命を軽視し、自らの動きを合法化しよう
とする軍政のこうした茶番劇は許されざるものであり、ビルマ軍事政権が発表
した国民投票の結果を認めてはならない。これを受け入れてしまえば、ビルマの
民主化・連邦制の確立が遠のくことは明白である。
国際社会はサイクロン被災者支援の影で、この国民投票の結果をビルマの
国民による意思表示として決して認めるべきではない。とりわけ、軍政への対話
による民主化の促進を働きかけてきた日本政府においては、この“非民主的
プロセス“による結果は受け入れられないと軍政に明確に伝えるべきである。
また、軍政の「合法化」を許すことなく、自宅軟禁下にあるアウンサンスーチー氏を
早期に無条件で釈放し、民主化への建設的な対話を進めるよう、国際社会は
一致団結して軍政を説得するべきであり、日本政府はその説得のためのイニシア
ティブを発揮するべきである。
加えて、ビルマ市民フォーラムは、軍政がアウンサンスーチー氏の自宅軟禁期間を
延長したことについても強く抗議するとともに、日本政府が釈放にむけて軍政に
これまで以上に強く働きかけることを要請する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10日に帰国予定の日本の国際緊急援助隊医療チームが、活動報告でどこまで被災者の
実情を明らかにするのか注目したい。
戻る