2月16日 「fotgazetフォトガゼット」の船出
昨日はfotgazet創刊号の発行日だった。ネットメディアを使った挑戦がこれから本格的に
始まる記念すべき日。果てしのないネットメディアの大海に、fotgazetというちっぽけな船が
漕ぎ出したといえるかもしれない。
わずか10数人の乗組員はフリーランスのフォトジャーナリストであり、ビデオジャーナリスト。
経験も数年から30年をこえる者まで開きはあるが、個性豊かで癖があり、能力の出方の異なる
顔ぶれがそろっている。誰が船長(編集長)をやってもおかしくないのだが、二人船長体制で
漕ぎ出し、年4回、船長を交代する。一度船長をやってみると、疲れることこの上ないからでも
ある。肝心の取材に出かけて、長期留守にすることもできにくいからでもある。
このfotgazetという船が、手漕ぎなのかエンジン付きなのか、はたまた帆船なのか、
いまのところはっきりしない。
発行部数の個人的な目標は、創刊号発行の時点で1000部。年間4回発行するので、
第2号までにその目標がクリアできれば、100%自前のオンラインマガジンの船出としては
上出来ではないか。4冊で2400円。1冊600円の計算になる。上質の月刊誌よりも安いが、
紙媒体の半額程度の値段設定がふつうの電子書籍からすると割高に思われる。
だが、けっして高いとはいえない。販売サイトの手数料を差し引いて設定した価格ということ
もある。読者にとって重要なのは、購読料に値する中身があるかどうかだろう。その点は
自信がある。
世界中の戦地や紛争地だけでなく、地球上での人間の様々な営みの中で取材活動をして
きた乗組員が、自分たちで編集して制作するのがfotgazet。新聞やテレビなど、不特定多数の
マスに向けたメディアとは自ずから存在理由が異なる。だからといって、影響力がないと
思われる発行部数でもいけない。
発行部数が3万以下は影響力のあるメディアとはいえないと強気な人もいるが、ネット
メディアによる多様な情報源があふれる時代に、初めから安定部数で船出ができる電子雑誌
=オンラインマガジンは理想だろう。fotgazetの強みの一つは、よそよりも、大手出版社よりも
早く具体化し創刊できたことにある。JVJAのミーティングでオンラインマガジン発行を討議した
のが昨年7月。創刊号発行まで7ヶ月かかっている。理想的な体制作りを整えて発刊しよう
としても、読者にとっては遅すぎる面もある。多数の定期購読者を抱えるDAYS JAPAN
電子版よりも一足早いこともプラスに働く。様々な読者層や世代に向け、1誌よりも3誌4誌と
競いあってよりよい内容を発行するネットメディアが増えることが望ましいのは明らか。
底辺が広がることが必要なのも明らか。将来は全くの未知数でも、漕ぎ出す意欲がきっと
苦境を打開できる力になるだろう。
fotgazetは、数千万から億単位の資金を投入し、制作からコンテンツ代の支払い、販促までを
一括して取り組め、利潤を追及する雑誌の電子書籍化と異なる。瞬時に生情報・生ニュースが
飛び交うtwitterやfacebookが、国境を取り払って情報交換される時代に、fotgazetの果たせる
役割は自ずと異なる。人の関心は熱しやすく覚めやすい。多数派の関心が覚めても、
既存メディアが報道しなくなっても、解決しないテーマは国内外に山のようにある。
ニュース的なアプローチとは違う取材の積み重ねを続けた独自の視点を持つジャーナリストが、
読者に直接伝えていく媒体がfotgazetだと思う。願わくば、村上龍さんのG2010のような
サイトでダウンロード販売できると注目度が格段と上がるのだが。
fotgazetがどんな航跡を描くのかは、岸壁に並んで船出を見送り、乗組員の伝えようとする
メッセージに耳を傾け、反応してくれる大勢のサポーターに声の大きさにもかかっている。
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