平成イリュージョン (2000.2.9追加)
小だまたけし 電撃コミックス
初版発行 2000年2月25日 定価 本体850円+税
ISBN4-8402-1468-9
20世紀中頃、欧米諸国からの経済封鎖などを受けた大日本帝国は、ドイツ、イタリアと組んで、アメリカ、イギリスに戦争をしかけるよりも、満州国や謀略で独立させたアジア諸国以外との交流を完全に絶ち、「冷戦」状態に入る。もちろん、第2次世界大戦直前の閉塞した雰囲気を引きずったまま。
しかし、長らく続くと思われた閉塞状況も、新年号「平成」の訪れとともに崩れ始める。
日清戦争から100周年の平成6年、当時大本営が置かれた廣島で、帝国は威信回復のため、様々な記念事業を行おうとしていたが、もはや帝国の凋落は避けられぬ運命にあった。
第5回電撃3大賞コミック部門の大賞に輝いた作品です。
設定からもわかる通り、思いっきり架空戦記してるパラレル・ワールドな世界の話です。今の日本より、少し貧乏くさくて、軍人が威張りまくっている世界ですね。
登場する軍人は、WW2時の日本軍の軍服を少しアレンジした軍服を着ているのですが、結構これ良いデザインで中々格好良いです。
話は、かなり面白いです。こういうのには珍しく、軍事関係の知識も全く必要無しですし。
雰囲気的には、審査員の一人の永井豪も言っているように、東西分裂してしまった日本を描いた矢作俊彦の小説「あ・じゃぱん」に近いです。
あくまで、軍事などの普通の人には判りにくい特殊な面から改変世界を描くのではなく、日常的な視点から、歴史改変を描いているという感じですか。
マニア的な視点の架空戦記とは違って、読んでいて新鮮な感じがして良いですね。
この世界を描いた「平成イリュージョン」の短編は3篇収録されていて、さらに、他の短編が3篇収録されています。
こちらの方も、それなりにレベル高いです。