海軍どくろ軍団 山本五十六秘蔵の影の軍団 (2000.8.31追加)
山崎晴哉 白石ノベルス
初版発行 2000年8月10日 定価 本体857円+税
ISBN4-7866-3004-7
連合艦隊司令長官、山本五十六の麾下に編成された特殊部隊『どくろ軍団』。
『どくろ軍団』とは、隊長の瀬名中尉が、海軍の中から札付きの人材を集めて編成した7人の部隊で、メンバーには格闘の達人、ナイフ投げの達人、弓矢の天才、女装が趣味の同性愛者などがいます。
彼ら、どくろ軍団は1941年、開戦寸前の日米関係悪化な情勢のもと、各地でスパイ活動を行って活躍するというのが、この本の簡単なストーリーです。
さらに、この作品には2つの「超兵器」も登場して、作中の登場人物のみならず、我々読者の度肝も抜かせてくれるのは、サービス精神旺盛と言えるでしょう。
まずは『どくろ号』。全体が緑色に塗装され、両側にどくろのマーキングの描かれた「どくろ軍団」専用の水陸両用車です。操縦席に設けられたレバーを引くことによって、小型潜水艇に変形します。
車両状態では、ソ連のBT戦車と同じように、タイヤ及びキャタピラのどちらでも走行可能なスタイルになってます。
潜水艇状態での性能は、全長20メートル、最大幅4メートル、機関出力三千馬力、水上速力25ノット、水中速力30ノット、潜行深度150メートル、定員10名の性能です。最大航続距離は20万メートルとなっていて、これだけは妥当な数字かと思ったら、前後の文脈から判断すると、これは「キロメートル」の誤植のようです。
この恐ろしいとしか表現できない性能を実現できたのは、ドイツの魚雷艇に使用されている高性能なディーゼルエンジンを搭載できたからだそうです。ただ、同じ技術を利用できる筈のドイツのUボートの性能が、ここまで良くないのは、とっても不思議ですね。
搭載されているレーダーは、鉱石検知器を利用したもので、潜望鏡の先端に装備され、5万メートル先の艦船の探知が可能です。
さらに、潜水艦探知にも利用でき、相手からのレーダーやソナーの探知を回避する、避雷針の原理を応用した対探知回避装置も備えています。
しかし、どうやって、避雷針の原理で潜水艦を探知したり、さらにレーダーやソナーを回避できるのか、浅学な私にはわかりませんでした。誰か教えて頂ければ幸いです。
あと、もう一つが戦艦空母「大和」。
性能要目は、基準排水量8万2千トン、全長286メートル、全幅38メートル、飛行甲板260メートル×40メートル。最大速力38ノット、航続距離1万5千海里(20ノット)、搭載機数102機。
兵装は、53.34センチ(21インチ)主砲×15(3連装5基、1基が前部飛行甲板の真下に。あと二基づつ両舷に配置、最大射程距離5万5千メートル)、20.5センチ副砲×6、15.7センチ高角砲×18、25ミリ機銃×165。
艦載機用のエレベータが飛行甲板に3基、それと、戦艦として直径12メートル、高さ33メートル、13階建ての前檣楼も備えています。艦載機の運用に邪魔にならないのか、老婆心ながら心配です。
ちなみに史実の戦艦「大和」の性能が、基準排水量6万4千トン、全長263メートル、速力27ノット、46センチ砲×9(3連装3基)にしか過ぎなかったことを考えると、この艦の恐ろしさがよく判るのでは無いかと思います。
さらに凄いことに、この「大和」は太陽電池で推進する事が可能で、その場合の航続距離は、10ノットで無限大です。
ただ、太陽電池が張られている箇所についての描写が、少なくとも私が読んだ限りでは見あたりませんでしたので、どういう風に太陽電池が張られているかは不明なのは、非常に残念です。
一方、アメリカ海軍も戦艦空母「アメリカ」を保有しており、こちらは 55.88センチ(22インチ)主砲×15(3連装5基)を搭載し、何とも恐ろしいことに距離2万メートル、高度3千メートルに滞空する飛行機に、通常弾で対空射撃が可能です。さらに、幅33メートルのパナマ運河も航行可能な極めて細い体型の艦です。
しかし、この人の作品って、何だか昔のアニメみたいな感じがしますね。この人の経歴を見ると、昔、アニメの脚本家をやっていますし。
例えば、登場人物達が、かなりオーバーアクション的な体の動作をしている所なんか、いかにもアニメ的です。
で、登場する兵器も、昔のアニメに登場するようなスーパー兵器のノリがあって、他のトンデモ火葬戦記に出てくる「超兵器」と比べると、そんなに腹が立たなかったりします。
個人的なイメージでは、昔のタイムボカンシリーズに出てくる、スーパーな性能だけど、かなり間抜けなメカ達に近いですね。
作品自体も架空戦記にしては、全然、殺伐した雰囲気が無くて、他のトンデモ架空戦記と比べると、読みやすかったです。あくまでも比較形ですが(笑)
とりあえず、この本は日本軍の真珠湾攻撃の直後、日本の戦艦空母「大和」と、アメリカの戦艦空母「アメリカ」が対決寸前!! な場面で終わっているので、次の巻に続くのでしょう。
次の巻を、楽しみにはしてます。いやマジで。