戦国の長嶋巨人軍 

  志茂田 景樹   実業之日本社 JOY NOVELS

  ISBN4-408-60037-7


 1995年4月に発行された本です。というわけで巨人軍の選手の構成はその当時に準じてます。

 長嶋監督の発案により、読売巨人軍は精神鍛錬の一環として自衛隊に体験入隊し、相馬原演習場で実弾射撃をばりばり撃ちまくっていました。ところが突然の地殻変動によりなんと彼等は戦国時代、1560年桶狭間の戦いにタイムスリップしてしまいます。これだけでも充分頭がトリップしそうな内容です。

 しかし「実戦向き」のトレーニングをやるために、自衛隊に体験入隊して銃を撃ちまくるとはさすがは長嶋監督ですね。その発想は常人には伺いしれません。しかも長嶋監督は戦車が気に入って投手の槙原と外野手の原を戦車兵として90式戦車に搭乗してるし。個人的には落合の「実弾を使うなんて、税金の無駄遣いじゃないか」という台詞に大賛成なのですが。

 タイムスリップした後の読売巨人軍のお仕事は、90式戦車や64式小銃を用い織田信長の家臣として軍事行動を行うのは当然なことですが、この時代の人々への野球の技術指導も極めて重要な仕事です。新しいものが好きな信長は何か祭りがあるたびに野球の試合を行い、巨人軍VS織田家臣団や徳川家臣団との野球の試合が繰り広げられます。

 さらに戦国時代の人達に、20世紀の文化を啓蒙することも長嶋監督をはじめとする巨人軍の面子は忘れません。牛乳や卵などを付近の住民に売りさばいたり、桑田は軍鶏にはまったあげく、清洲城下に饅頭の店を作り「巨人軍饅頭」として販売しますが、下請けに作らせた饅頭が粗悪だったため売り行きが不振になり、人件費等がかさんで借金を抱えてしまいます。

 祭りの席でも「先着30名のお子さまに巨人軍選手のサイン入り色紙プレゼント」、「槙原が上半身裸になった川相のお腹に『天才バカボン』の親父の絵を描いて、川相が裸踊りを踊る」、「織方が女装してステージの上に登ってジュリアナダンスを踊り、大久保はパラパラを踊る」など文化啓蒙活動に余念がありません。さすがは読売巨人軍。

 最後にこの話は中途半端な所で終わっていて、明らかに続編を意識しています。未だに続編が出ないのは非常に残念なことです。

  

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