US Airborne Units in the Pacific Theater 1942-45 (Battle Orders)  (2007.6.1 追加)amazon

 著 Gordon L. Rottman  ospray
 


(洋書です)

 オスプレイから出た第二次大戦の太平洋戦線で活動したアメリカ軍空挺部隊(主に第1海兵落下傘連隊と第11空挺師団)の解説本です。

 この本を読んで初めて知ったのですけど、太平洋戦線では8回もアメリカ軍による空挺作戦が行われてるのですね。
 最初の大規模降下作戦は1943年9月の東部ニューギニアNadzabに1個連隊が降下し、退路を防がれた日本軍は険しいサラケワット越えを強いられています。
 あとはフィリピン戦での空挺降下作戦が多いです。

 この本では、アメリカ空挺部隊が戦った戦場をカラー地図で紹介していて非常に判りやすいです。
 空挺部隊が落下傘降下を行った戦場だけでなく、普通の歩兵部隊と同じように船で上陸して地上戦を繰り広げた戦場も紹介されていて、1944年12月にレイテに空挺降下した日本軍を迎え撃ったのは第11空挺師団であること等が判ります。
 基本的には空挺降下が行われた作戦は全て成功していて、地図を見るだけでも「綺麗」な作戦だということがよく実感できたり。
 地図をほとんど見かけなくて、どういう戦いが繰り広げられたのか良く判らなかった1945年マニラ南方進撃、コレヒドール制圧、ルソン島北端制圧とかマイナーな戦いも取り上げられてます。

 あとアメリカ空挺部隊の装備・編成も載ってますが、異常に豪華で驚きました。
 重装備を持てない替わりに個人火器が異常に充実しているという感じですね。
 例えば主力の歩兵部隊だけではなく、通信部隊とか迫撃砲部隊など全ての兵種で、ほぼ全員が1丁づつライフルやSMG、カービンなどを持っているうえに、更に全員がピストル装備していたり。
 落下傘降下を考慮するという点でこんな装備になっているのだろうと思われますが、通信部隊とかの後方部隊にまで全員そんな装備をさせる必要は無いような気がするのですが。
 空挺工兵小隊は38人で全員が個人火器とピストル1丁づつ持って、さらにブローニング重機関銃2丁と火炎放射器9個持ってたりします。
 ドイツが大戦初期にやったように 降下後に敵要塞を即座に制圧するための装備ですが、もはや「工兵」とは呼びにくいような気が。

 そのほかオーストラリア空挺部隊とか、日本占領下のフィリピンに工作員を隠密降下させた第5217部隊などの太平洋戦線で戦闘参加した空挺部隊についても紹介されてます。
 
 これまで、ほとんど知られていなかった戦いについての戦記でもあり、その意味でもこの本は非常に貴重です。
 そもそも太平洋戦線でアメリカ軍による空挺作戦が多数行われたこと自体、全く知られていませんし。
 日本軍側による記録がほとんど無いマイナーな戦場についても、アメリカ軍の立場から解説されています。
 まあ、太平洋戦争の地上戦ってアメリカ海兵隊による強襲上陸が行われたところが主戦場で、それ以外の地上戦場はマイナー扱いされるので、この本で取り上げられている戦いは目立たない傾向があるので仕方ないのかもしれませんが。
 
 一応英語で書かれた洋書ですが、英語で軍隊の編成表を読める程度の英語力があれば読めるかと。
 文章がよく判らなくても地図とか編成図を見るだけでも、色々な発見があるかと思います。
 英語がそれほどわからない軍事マニアの人にも充分にお勧めです。

 

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