バルジの戦い 上巻
ジャン・ポール・ジョーンズ著 岡部いさく訳 大日本絵画
ISBN-4-499-22609-0 C0049
実はこの本は、上巻しか私は買ってない。下巻は図書館で借りて済ませた。なぜ上巻だけ買ったかというと、上巻の最初の方に、ナチスドイツ軍の参加部隊の紹介があるのだが、それを見ると、編成が完全な末期的な症状に陥っていて面白かったからだ(^^;)。私は不謹慎ながら国や組織が滅びたりするときのドタバタが結構好きなもので(笑)。
いくつか例を挙げると、
これでも一応、ドイツは他の戦線をほっぽらかしてまで最精鋭部隊&残った物資をかき集めてるはずなのだが。やはりこの段階で既に勝負はついていたことがよくわかる。
しかし参加部隊の履歴を見てみると「1944年夏の東部戦線での戦闘で大損害を受け再編成」というのが圧倒的に多い。ナチスドイツ軍を決定的に壊滅させたのが、1944年夏に行われたソ連軍の大攻勢であることがよくわかる。1944年6月の「パグラチオン作戦」などはギネスブックに載っているほどの大損害を受けてますからねえ。ノルマンディー上陸作戦の陰に隠れて目立たないけど。
あと戦闘の様子を見てみると、戦闘の様相を決定的にしているのは、連合軍の物量ではなく、当時世界で唯一、機械式コンピュータや無線機の効率的な使用により極めて効率的に支援砲火を浴びせることの出来たアメリカ軍砲兵部隊だ。バルジの戦いの後半で登場した連合国の空爆も無視できないが、大部分の攻撃はそれほど数は多くないが、的確な支援を行うアメリカ軍砲兵部隊に阻まれている。ハード面では並の兵器しか持たないアメリカの砲兵部隊は強力なソフト面で他の国を圧倒的に引き離していたというわけだ。
まとめとして、末期のドイツ軍を知るには一級の資料と思う。