世界の駄作っ機 3 (2003.9.7 追加)  

 岡部ださく 著 大日本絵画
 初版発行 2003年9月30日  定価 本体2,400円+税
 ISBN4-499-22823-9


 2000年9月に2巻が出てから、3年。
 遂に世界の駄作っ機も3巻目を迎えました。

 この巻からは遂に大戦中の日本機が収録されています。
 収録されているのは、

・川西E5K1高速水上偵察機「紫雲」
・中島18試局地戦闘機J5N「天雷」
・立川キ70
・立川飛行機キ106
・川崎キ5
 
の5機です。
 日本機の場合、信奉者が多い飛行機があったりして、下手に書くとまずい場合がありそうですが、一応収録されているのは誰もが認めざるを得ない失敗機ばかりですね(笑)

 あと、特別編として駄作機ではないものの悲惨な運命を辿ることになったXB−70Aヴァルキリーが収録されています。

 私的に一番大受けしたのが、

・コンソリデーテッドPB−2A(P−30A)
・サヴォイア・マルケッティSM85

の2つです。

 まず、コンソリデーテッドPB−2A(P−30A)は1930年代にアメリカ軍が配備した単葉複座戦闘機で、要するにイギリスのデファイアントのアメリカ版ですが、後席の後方機銃席は大変搭乗員に負担を強いる配置で、ちょっと高機動を行うとGのためすぐブラックアウトしてしまうので、戦闘時の射撃が不可能な状態でした。
 部隊運用すると1回の空戦訓練で、後方銃手が10回以上ブラックアウトするのが普通だったそうですから、全く後方銃手は役に立たないと言って過言では無いでしょう。
 流石に、この飛行機以後にアメリカ陸軍航空隊は複座昼間戦闘機を作らなくなりました。

 サヴォイア・マルケッティSM85の方は、イタリアが第二次大戦当初に実戦配備した急降下爆撃機で、「上昇力が貧弱で高度4000メートルに達するまで45分かかる」「急降下爆撃後の引き起こしに時間がかかって対空砲火に狙われやすい」「脚の構造が弱くて爆弾を積んだまま着陸出来ない」など様々な欠点を持ちますが、その程度は愛嬌です。
 この飛行機の最大の欠点は配備して1ヶ月ほどすると、昼の過酷な陽光、夜の寒気と湿気によって、木製の機体がそりかえって変形してしまい飛行不能となってしまうことでした。
 ダメダメですね。
 しかし、大戦中に木製飛行機を大々的に運用したのはイギリスとソ連ですが、どちらも運用地帯は北ヨーロッパやロシアといった寒冷地帯であり、木製なイギリスのモスキートをビルマ戦線で運用したら、高温多湿な環境であっという間に使えなくなったという記録がありますから、温暖な地域では使えないのかもしれませんが、それでもこれは(笑)

 とりあえず、これまでの既刊からレベルが落ちることも無く、非常に面白かったです。
 次の4巻はやはり3年後でしょうか?

 

 

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