ティーガー 無敵戦車の伝説 1942〜45  

  著 エゴン・クライネ フォルクマール・キューン 訳 富岡 吉勝  大日本絵画

 

上巻

 初版発行 1991年1月  定価 本体2,913円+税

 ISBN4-499-20563-8

下巻

 初版発行 1991年5月  定価 本体2,718円+税

 ISBN4-499-20563-8


 第2次世界大戦において無敵を誇り、連合軍から悪魔のように恐れられた重戦車ティーガー(英語読みではタイガー)。この本ではティーガーが配備された全ての独立重戦車大隊の戦記を通じて、ティーガー並びにケーニヒスティーガーなどティーガー系列の重戦車、そしてそれを扱う戦車兵達がどのように戦ったかを描いています。

 上巻では1942年のレニングラード戦でのデビューから、アフリカ戦線やチタデレ作戦などを経て1944年のソ連軍の大攻勢の直前まで。下巻ではノルマンディー上陸と、ソ連軍のパグラチオン作戦を始めとする大攻勢の連続からナチスドイツの滅亡までです。

 ただこの本の場合、ティーガーが戦闘でどのように活躍したかだけでは無く、運用にどのような苦労が伴ったかなども詳細に書かれています。例えばイタリア戦線ではフランスやロシアと比べて山がちな地域だったので、ほとんどのティーガーは戦闘ではなく事故で回収不能になって爆破処分にしたとか。下巻には「重戦車大隊の整備作業部門」という章まで存在し、第502重戦車大隊が1944年6月21日から8月22日までの間に使用した整備部品数、全損もしくは損害を受けて修理したティーガーの損傷理由などの詳しい一覧が掲載されていたりします。JSU122とJS2スターリン重戦車が装備する122mm砲&SU152の152mm砲による損害の他に、ソ連軍がドイツ軍から捕獲して使用した71口径88mm対戦車砲による損害がかなり多いですね。

 しかし読めば読むほど、ティーガーが整備のやっかいな戦車であることがわかります。当時はドイツ軍以外の軍隊では使えたものではないでしょう。

 整備部隊が後方にいて充実した整備を行えるならともかく、普通は不利な戦況のもと、普通は数両単位。場合によっては1両で戦場に投入され満足な整備も受けられないまま動けなくなり自爆していったティーガーがほとんどでした。でなければ圧倒的多数の敵戦車を相手に戦い、大損害を与えるも最後は袋叩きにされるか。

 結局、どの重戦車大隊も戦闘で敵に多くの損害を与えますが、1945年5月の敗戦の頃までにほとんど全滅してしまいます。残ったのはただ滅び行く国家のために奮戦した無敵戦車の伝説のみ・・・。

 

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