著者 荒川 佳夫 イラスト 大津 匠 歴史群像新書
1巻 艦戦「隼」発進セヨ!
初版発行 1998年2月13日 定価 本体760円+税
ISBN4-05-400832-1
2巻 ナイル要塞攻略セヨ! (1998.3.13追加)
初版発行 1998年3月14日 定価 本体760円+税
ISBN4-05-400854-2
(以下続刊)
1巻 艦戦「隼」発進セヨ!
史実より早く昭和13年に起こったノモンハンの戦いで辻正信戦死、東条英機が捕虜になって再起不能となった結果、石原莞爾が陸軍の実権を掌握、中国大陸から撤兵した世界が舞台の話です。日独伊3国同盟を結んだ日本は北アフリカ戦線に部隊を派遣、ロンメル将軍の指揮の元に戦います。
この本の凄いところは、日本の空母5隻の艦上機による敵艦隊への空襲や、日本艦隊のジブラルタル海峡突破などの活躍が描かれているにも関わらず、日本の海軍軍人が一人も登場しないところです。なぜなら登場する空母は全部日本陸軍所属の空母で、操るのは陸軍の船舶工兵だったりします。当然、搭載している飛行機もカタパルト射出に耐えられるように改造した「一式戦”隼”」、「九七式司偵」、「九七式軽爆」、「九九式襲撃機」です。
日本陸軍が北アフリカに派遣されるという筋書き自体は、兵隊元帥欧州戦記と似てますね。個人的には会話の軽妙さや読み易さなどで、あちらの方が上だと思いますが、こちらも結構面白く読めました。著者はこの作品がデビュー作でもあり、これから期待が持てそうです。
ただ残念なのは挿絵が下手なこと(--;;。いやもちろんキャラクタ・イメージが重要なライトノベルとは違い、普通の小説の挿絵にそれほど高度な絵が必要であるとは私も思っていません。しかしいったい何を描いているのか、さっぱり見当がつかない子供の落書きか現代抽象画のような絵は勘弁して欲しいところです。カバーイラストはCGっぽいですが、そこらへんのCG系のホームページを捜せば、これよりレベルが上の絵は簡単に見つかるような気がします(笑)。それとも実は私のようなCG素人にはわからないような技巧がこらされているのでしょうか? もしそうならどなたか私に教えてください、マジで。
2巻 ナイル要塞攻略セヨ! (1998.3.13追加)
連合軍で北アフリカ戦線をのイギリス第8軍司令官のニール・リッチー中将が解任されて、後任にバーナード・ロー・モントゴメリー将軍が着任しました。
史実では、エル・アラメインの戦いで、ロンメルのアフリカ軍団を敗走させた人物ですね。この作品ではなかなか、けれん味たっぷりな性格に描かれていて素敵です(笑)。個人的にWW2の司令官達で、ドイツのヴェンク、ソ連のチュイコフとともに、一番気に入ってる人物ですが、絶対に上司や同僚や部下や友人には、持ちたくなかったりします(^^;;;。
というわけで、モントゴメリーの元で再編成されたイギリス軍と、ドイツ、イタリア、日本の連合部隊はトブルクや、エジプト・ナイル地帯で死闘を繰り広げるのが、この巻です。登場人物達のキャラも立っていて、なかなか面白く読めました。イタリアのフォルゴーレ空挺師団は大活躍するし(^^)。
しかしイタリア海軍のロンバルディを、あれだけ簡単に戦死させてしまうとは・・・。生き残らせて、これからも活躍するのかと思ってました(^^;;;;;;。
そういえば、他にも同じ事を仰ってた方がいましたが、日本軍アフリカ派遣部隊の司令官の本城 鏡太郎少将って、性格も仕草もまるっきり「銀河英雄伝説」のヤン・ウェンリーですね。しかも、作者があとがきで認めているように、戦闘シーンが古代から中世にかけての会戦や合戦のイメージで描写されているため、同じような戦闘シーン・イメージを持つ「銀河英雄伝説」とデジャブーを起こしそうになります(爆)。まあ面白いから、問題ないですが(^^;。
挿絵は、前巻よりは少しましになって、「何を描いているのかは、何とかわかる」レベルにはなってます。ただカバーイラストの色使いを見ていたら、目がチカチカしてきました。まるで出来の悪い印象派の絵画を見ているようです。この絵描きさんの味だと思って、あきらめるしかないのでしょうか(笑)。