軍事介入 

 著者 ハロルド・コイル 訳 村上 博基     新潮文庫 

 初版発行 1998年2月1日  定価 本体781円+税

 ISBN4-10-235903-6


 政界・官界が腐敗するメキシコで、若手将校によるクーデターが成功。彼らは「十三人評議会」という組織を作って統治を行い、腐敗勢力の一大粛清にのりだした。最大のターゲットは麻薬王アラマン。特殊部隊が彼のアジトを襲撃するが、アラマンは何とか脱出に成功、新政権に復讐を誓う。

 アラマンは部下の傭兵を使って、アメリカとメキシコの国境でメキシコ軍の仕業に見せかけた数々のテロ活動を実行。てっきりメキシコ軍の活動と騙されたアメリカは、メキシコへの軍事介入を決定。ついにアメリカ正規軍が国境を越えメキシコに侵攻するという事態にまで陥ってしまうのだった・・・。

 「第三次世界大戦−チームヤンキー出動−」「ブライト・スター作戦」などを書いたハロルド・コイルの新作です。アメリカ&メキシコ間の戦争だけではなく、第16機甲師団に新任の歩兵小隊長として配属されたナンシー・L・コザーク少尉の成長物語でもあります。

 あと個人的に好感が持てたのは、アメリカ軍にも、メキシコ軍にも、あと麻薬組織の傭兵達など主な登場人物達に馬鹿がいないということです。こういう戦争物では、

「どうしてそんな不自然な馬鹿な行動をとるんだ?!」

と言いたくなるようなミスをする人物(主に敵側)の存在で、ストーリーが進んでいくのが結構ありますが、この話は登場人物達が全員、出来る限りのベストを尽くしているという感じを受けます。

 敵のアジトへの突入作戦時などの場面で、建物の見取り図や部隊の進行方向などが詳しく解説されているのもわかりやすくて良いですね。

 

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