ステルス艦カニンガムV 攻撃目標を殲滅せよ (上・下) (2002.10.18 追加)
著 ジェイムズ・H・コッブ 訳 伏見戚審 文春文庫
初版発行 2002年10月10日 定価 本体581円+税(上・下 共に)
ISBN4-16-766114-4(上)
ISBN4-16-766115-2(下)
「ステルス艦カニンガム」「ストームドラゴン作戦」「シーファイター全艇発進」に続くアマンダ・ギャレットシリーズの第4弾です。
今回、主人公のアマンダ・リー・ギャレット米海軍大佐は、ステルス駆逐艦<カニンガム>、「シーファイター全艇発進」で出てきたシーファイター戦隊、海兵隊を乗せた強襲揚陸艦<カールソン>で構成されたシーファイター任務部隊を率いて暴れまくります。
戦いの舞台はインドネシア。
今回の敵は、表の顔はカリスマ的で有能な大富豪、裏の顔は「海の王(ラージャ・サムドゥラ)」と呼ばれる大海賊王なマカラ・ハーコナン。
敵の親玉が格好良くて燃える奴、というこのシリーズのパターンはちゃんと守られていて、このハーコナンは凄く魅力的なキャラです。
アマンダと、これまで恋愛関係にあったヴィンス・アーカディは、日本の海上自衛隊の航空機搭載護衛艦計画に携わり、日本で戦闘機パイロットの仕事をしているので、作中に全く登場しません。既にアマンダとは半分別れているような感じです。
その代わりにアマンダと恋愛関係に落ちるのは、シリーズを通してアマンダの上司なマッキンタイア海軍中将と敵のマカラ・ハーコナンの2人になります。
ストーリーは相変わらずのラブコメ的な展開で、今回は主人公のアマンダは囚われのお姫様な役どころです。
話の途中で、アマンダがハーコナンに攫われてしまい、アマンダを取られて嫉妬に燃えたマッキンタイア中将が自らの独断で、アマンダのシーファイター戦隊を勝手に動かし、ハーコナンの秘密基地を彼自ら先頭に立って襲撃してアマンダ奪還作戦を決行するという、公私混同な痴話喧嘩が繰り広げられます。
ただの痴話喧嘩では無く、アメリカ軍の最新兵器テクノロジーや、マッキンタイア中将のアメリカ政界へのコネも総動員するという極めてスケールの大きな痴話喧嘩です。
ちなみに、マッキンタイア中将はもう良い年をしたお方で、奥さんは既に死んでますが娘はティーンエイジです。
つまり、彼は自分の再婚願望のためにハーコナンに戦争を吹っかけた訳ですね。
あ、ラブコメな部分だけじゃなくて、戦闘シーンとかストーリーそのものも、これまでどおり非常に面白いですよ(付け足し)
それと、外国小説の巻頭謝辞は、普通は編集者とか家族に謝辞を捧げてますが、この作品ではイアン・フレミング&ジェームス・ボンドなど作者がこれまでハマって、このシリーズの着想の源になった作家やキャラクターに捧げてます。
その捧げられた中に「カワモリ・ショウジ、ミキモト・ハルヒコ、ハヤセ・ミサ」という文字を見て絶句。
つまり河森正治、美樹本晴彦、早瀬美沙となり、それぞれアニメ「超時空要塞マクロス」のメカニックデザイン、キャラクターデザイン、ヒロインですから。
「ストームドラゴン作戦」の頃から、予測してましたけど、この作者って、やはり日本アニメヲタクだったのですか。
となると、「ストームドラゴン作戦」の日本潜水艦の一条晃艦長と柿崎速夫副長は、マクロスネタという事が完全に確定(笑)
あと、巻末で作者のメールアドレスが公開され、「忌憚のない批評と意見を歓迎します」と書かれているって事は、「日本人で、アニメネタが判るファンの方歓迎」ってことでしょうね。
はっきりいって著者自身が、こういうカミングアウトをしてくるとは予想が付きませんでした。