僕の血を吸わないで (1999.7.7追加)
著者 阿智太郎 イラスト 宮須弥 電撃文庫
1巻
初版発行 1998年2月25日 定価 本体550円+税
ISBN4-07-308070-9
2巻 ピーマン戦争
初版発行 1998年8月25日 定価 本体550円+税
ISBN4-07-309424-6
3巻 ドッキンドッキ大作戦
初版発行 1998年12月25日 定価 本体550円+税
ISBN4-07-310344-X
4巻 しとしとぴっちゃん
初版発行 1999年2月25日 定価 本体550円+税
ISBN4-07-310870-0
5巻 アクシデントはマキシマム
初版発行 1999年7月25日 定価 本体550円+税
ISBN4-8402-1238-4
(全5巻)
明るさと、とっさの言い訳だけが取り柄で、あとは全てにおいてダメダメな高校3年生 花丸森写歩郎(はなまる しんじゃぶろう)の部屋に、突然、シルバーブロンドの美少女が窓から飛び込んできた。彼女の名前はジルコニア、通称ジル。
実は正体が吸血鬼な彼女は、いつのまにやら森写歩郎に恋してしまい、そんなことは気が付きもしない彼と同居生活に。その他、森写歩郎を「調教」しようとする同級生の倉地香など、訳のわからないメンツが出てきてドタバタを繰り広げる……
うーむ、ストーリーだけを説明すると、もの凄く安易なラブコメ話ですね。ギャグもベタなのばかりですし。
ただ、この作品の凄いところは、材料自体はありがちな物ばかりで、さらに、それをありがちに配置することをせずに、何と言ったらいいか、微妙にタイミングをずらして配置しています。だいたいは予想通りというか、パターン通りにストーリーが展開するんですが、細かいところで予想を外しまくってくます。
これは、作者の阿智太郎氏のセンスの賜物でしょうね。その結果、凄く笑えるラブコメ小説に仕上がってます。ここまで、笑える小説も珍しいです。
ギャグの内容も、最近よく有る「ディープなヲタクねたのジョーク」とか「不条理系」とかは皆無ですから、笑いとともに安心感を覚えて、とても気分が良いです。それはもう「心が癒される」ような感じさえ受けるほど。
話自体は、全5巻で綺麗にまとまっています。最終巻なんか情勢が緊迫しまくっている筈なのに、全然、緊迫感を感じないのは凄いセンスなんでしょうな(笑)
もう、この作者は、これ以上変に成長しないで良いから、このままの雰囲気で笑える小説を書いてもらいたいところです。すでにこの人のセンスは、完成の域に達していると思います。
とりあえず、新作の「住めば都のコスモス荘」では、今までのセンスが継続しているようで一安心(^^)。
あとこのシリーズをこれから読み始めようとする方に、一言だけ注意を。
「1巻を最初に読むのは、止めましょう」
はっきり言って、このシリーズの1巻は出来が良くないです。デビュー作のせいか、2巻からの卓越したセンスに比べたら文章は滑りまくっているし、イラストも同じ人が描いているはずなのに、何故か合ってない感じがします。ある程度、後の巻を読んでから、ストーリーの確認用に読むだけで充分でしょう。どうせ、設定は王道パターンですから、どの巻から読んでも簡単に話に入っていけると思いますし(笑)
私も2巻「ピーマン戦争」から読まずに、1巻から読んでたら、即座にこの作品見捨ててましたね。