皇国の守護者
著 佐藤大輔 イラスト 塩山紀生/しけたみがの(8巻から平野耕太、9巻が獅子猿、巻末がまたのり) 中央公論新社 C★NOVELSファンタジア
1巻 反逆の戦場
初版発行 1998年6月15日 定価 本体800円+税
ISBN4-12-500525-7
2巻 勝利なき名誉
初版発行 1998年6月15日 定価 本体800円+税
ISBN4-12-500537-0
3巻 灰になっても (1999.2.26 追加)
初版発行 1999年2月15日 定価 本体850円+税
ISBN4-12-500542-7
4巻 壙穴の城塞 (2000.1.28 追加)
初版発行 2000年1月20日 定価 本体850円+税
ISBN4-12-500631-8
5巻 英雄たるの代価 (2001.1.25 追加)
初版発行 2001年1月25日 定価 本体900円+税
ISBN4-12-500676-8
6巻 逆賊死すべし (2001.6.22 追加)
初版発行 2001年6月25日 定価 本体900円+税
ISBN4-12-500700-4
7巻 愛国者どもの宴 (2001.9.23 追加)
初版発行 2001年9月25日 定価 本体900円+税
ISBN4-12-500725-X
8巻 楽園の凶器 (2004.3.27 追加)
初版発行 2004年3月25日 定価 本体900円+税
ISBN4-12-500802-X
9巻 皇旗はためくもとで (2005.2.24 追加)
初版発行 2005年2月24日 定価 本体900円+税
ISBN4-12-500875-2
架空戦記を主に書いている佐藤大輔の作品です。
C★NOVELSファンタジアから出てますし、ファンタジー風味もあるので、ライトノベルのジャンルに入れてますが、内容は、いつものいわゆる「佐藤節」が爆発してます(笑)。
作品の舞台は、”<大協約>世界”と言われる架空世界。
技術的には、19世紀の西欧と同じレベルですが、「導術」と呼ばれる魔法のような存在があり、「龍」という人間とは別の、高い知性を持った生物も生息しているのが特徴です。
これらの世界設定は、凄くうまいです。さすが佐藤大輔。普通の作家とは明らかに一線を画してます。
この話は、その世界の<皇国>と呼ばれる島国(イギリスと日本を併せたような国家)の若手将校 新城 直衛を主人公として進んでいきます。
1巻 反逆の戦場
皇暦568年、<皇国>北辺の島「北領」に突如、来襲した北方の強国<帝国>(ロシアに少しドイツ風味が混ざったような国家)の軍隊。 <皇国>軍は、<帝国>東方辺境鎮定軍総司令官である東方辺境領姫ユーリアに直率された<帝国>軍に大敗北を喫し、「北領」から”転進”という名の敗走に追い込まれます。
独立捜索剣虎兵第11大隊第2中隊 中隊本部付き将校の新城 直衛中尉は、撤退時の戦闘で上官が全て戦死したため、大尉に戦地任官して大隊の指揮をとるはめに。ちなみに「剣虎兵」というのはいわゆる剣歯虎(サーベルタイガー)を運用する部隊のことです。
そして、彼に任された任務は、他の<皇国>軍が船で「北領」を脱出するまで、兵力数万の<帝国>軍、怒濤の進撃を10日間食い止めること。現在、大隊の残存人員は補充を含めても約600名足らず・・・。
ファンタジーの筈なのに、いつもの佐藤 大輔の文体はまったく変わって無いので、ちょっとだけ違和感を感じますが、やっぱり面白いです。
しかし、この作品ホント良い場面で終わってますね。同時に2巻も出ていなかったら、フラストレーションが溜まって仕方なかったと思います(笑)。
あと、佐藤大輔の最近の作品の特徴として、『無能な働き者』を非常に憎悪するというのも、変わっていませんね。
実は自分がその『無能な働き者』に属しているのでは無いかと思っているので、結構、精神的に痛いところが有ります(^^;;。
徹底的な遊撃戦闘により、新城大尉率いる独立捜索剣虎兵第11大隊は<皇国>軍が「北領」から脱出する時間を稼ぎ出すのに成功しましたが、武運つたなく、彼とわずかな生き残りの部下達は<帝国>軍の捕虜に。
何とか、捕虜交換で<皇国>に帰り少佐に昇任しましたが、彼を待ち受けていたのは、今は恩人の妻となっている、幼い頃からの想い人とのつらい出会い。そして、無謀な反撃作戦を主張している者たちとの戦いでした。
1巻でたいして描かれていなかった、主人公の生い立ちや、世界設定の補完が主のような気がしました。
あと典型的な”官僚”の描き方など、人物描写も相変わらず、凄くしっかりしてますね。
この巻で、<皇国>陸軍少佐に、新城は昇進しますが、同時に<皇国>水軍(いわゆる海軍)にも昇進したのは、これからの伏線でしょうか?
新城直衛少佐は、<皇国>皇主の御前にての、軍状報告奉上の席において、無謀な反攻上陸作戦を企む上層部に対して、痛烈な抗議を行った。その結果、陸軍を追い出されるような形で、名前とは逆に、弱兵揃いの近衛部隊へ転属させられる。
近衛衆兵部隊の指揮官、実仁親王に気に入られた新城は、新編成の近衛衆兵鉄虎第501大隊を率いることになり、北領での戦いに生き残った、旧独立捜索剣虎兵第11大隊の残兵を中心に、部隊編成と猛訓練を行った。
しかし、大隊の編成開始から、わずか1ヶ月足らずで<帝国>軍は、<皇国>本土に上陸作戦を開始。1,000頭の翼龍を保有する<帝国>第1教導戦闘龍兵団が行う空中からの激しい爆撃により、大損害を受ける<皇国>軍。
新城は、敵の空からの攻撃を無効化するべく、訓練不足&弱兵の近衛衆兵部隊を率いて、敵本営への夜間浸透攻撃を実行する。
目的はただ一つ、海岸の<帝国>軍本営で総指揮を取る東方辺境領姫ユーリアの抹殺!!
2巻から、ざっと8ヶ月。ようやく、発売されましたね。最初は去年の11月発売予定だと、思いましたが(笑)。
相変わらず、佐藤節は炸裂してるし、主人公の性格は悪いはで、面白いです(^^)。
結構、ショックを受けたのが、<皇国>では、商品取引や市場出荷に導術が当たり前のように利用されて、一般民衆もそれに慣れているという記述でした。導術というのは、この世界の魔法にあたります。どっちかというと、テレパシーに近い存在ですね。
ファンタジーの世界で、「ファイアーボール」や「サンダーボルト」と言った攻撃魔法は、多く現れますけど、商取引に大々的に利用しているという世界も珍しいと思います。確かに、そういう力があったら、商売に利用するというのが、普通は筋というモノでしょう。
<皇国>軍を苦戦に追い込んだ<帝国>軍の、第1教導戦闘龍兵団とは、人を乗せた飛龍が、目標に急降下爆撃を行う部隊です。この部隊の存在によって、<帝国>軍は戦車を持って無くても、電撃戦らしきものが可能なレベルになりました。<皇国>軍も、導術による通信を活用して、極めて柔軟な戦術を取ることが出来るようになってますが。
しかし、主人公が自分の部隊に訓練を施す様を見ていて、個人的には絶対、将校としては、彼の下に付きたくないと思いました。戦場で生き残れることは、確実かもしれませんが、よほどの能力が無いと、絶対に潰れるか、もしくは使い捨てにして追い出されそうです。少なくとも、楽はさせてもらえそうに有りません。下っ端の兵隊は、他の部隊よりも、厚遇されるので良さそうですが(^^;。
この作品から、同じ<皇国>軍内部での、新城のライバルが登場しますが、私は、彼が可哀想になってきた口です。それなりに優秀な人だとは思いますが、相手が悪すぎだって(笑)。
あと、佐藤大輔の作品にしては、パロディは少ないですね。新城の率いる部隊名称の元ネタが、ナチスドイツのSS第501独立重戦車大隊としか思えないなどで、多くないと思います。
さて、次の4巻の発売日ですが、帯を見ると、恐るべきことに「次巻発売予定3月25日」などと書かれています! その隣にあるC★NOVELSファンタジアの3月25日の発売予定には、「皇国の守護者4」などという文字は、当然書かれていません。すると、これは来年の3月25日と取るべきなのでしょうか(笑)
海岸付近での<皇国>軍の抵抗を圧倒的な力で打ち砕いた<帝国>軍は、総追撃に移った。
思いのままに快進撃を続ける<帝国>軍。しかし、その進撃はある一点で2ヶ月間の遅滞を余儀なくされる。
それは、主要街道を扼する位置にある未完成の要塞「六芒郭」。守備兵力は、新城直衛陸軍剣虎兵少佐率いる、敗残兵を寄せ集めて構成された約九千人。
一方「六芒郭」を包囲する<帝国>軍は、<帝国>本領からの増援部隊も含め、約27万人。
進撃のストップに怒り狂った東方辺境領姫ユーリアは、<帝国>本領からの部隊で構成される東方辺境鎮定軍第2軍団に10日以内の「六芒郭」攻略を命じた。
要塞攻略命令を受け、龍兵部隊の空からの爆撃と、膨大な数の攻城砲の支援を受けつつ、要塞の防御火力圏内に、密集隊形で突撃する<帝国>軍歩兵部隊。彼らは、撃ち倒されても、撃ち倒されても、撃ち倒されても、生き残りが仲間の死体を踏み越えて、突撃を続行する。
まさに、「六芒郭」は敵味方の死者を大量生産する壙穴(はかあな)と化した。
結局、4巻が発売されたのは、2000年1月28日になりました。意外と早かったです。このところ、著者の執筆ペースが早くなっているので、5巻「彷徨える英雄」(仮題)も予告通り、夏に出そうです。
ちなみに、4巻の英語副題は、"Princess's own LOVERS"となっています。まさに、この巻のストーリーを言い表してます。
この巻では、要塞攻略戦が描かれています。要塞技術などはナポレオン時代と同じものっぽいですが、導術を用いての夜間精密砲撃、飛龍から行われる爆撃などによって、日露戦争の旅順か、第1次世界大戦のヴェルダンかと思わせるような凄惨な戦場と化します。
あと、途中から展開を予想できたとはいえ、最後は急展開でしたね。
「あの台詞」で締めるかい。
要塞「六芒郭」での戦いで、寡兵を持って<帝国>軍の侵攻を食い止めたのみならず、敵将ユーリアを捕虜として味方前線に帰還した新城直衛。
しかし<帝国>軍の脅威がそれで去ったわけでは無かった。
<帝国>史上最高の名君とまで言われる皇帝ゲオルギィ三世の采配のもと、在<皇国>の<帝国>軍は指揮官を変えて再編成される。皮肉なことに、皇族であり通常の指揮システムを通さずに指揮を取れるユーリアが司令官から抜けたことで、高度に整備された<帝国>軍官僚システムが、その力を完全発揮できるようになったのだ。
<帝国>軍に押されつつあった、<皇国>軍はあえて敗北に終わった龍州戦線に参加した部隊による凱旋式を行う。支隊を率いてパレードに参加して、民衆の大歓呼を浴びる新城直衛。
しかし、その凱旋式の背後では、彼が生存する事自体が許せない人間たちが不穏な動きを見せ始めていた。今まさに<皇国>は史上最大の政変を迎えようとしている。
結局、前の巻から1年が過ぎました。次の6巻は3月発売予定のようですが、何時の3月でしょうか(^^;。
相変わらず、格好良くてひねくれた台詞回しで、その「佐藤節」に酔いきって何回も繰り返し読んでしまいます。
次の巻で描かれるであろう、<皇国>大政変へのインターミッション的な巻かと思ってましたが、ラストの展開でその予想を完全にひっくり返してくれました。
相変わらず良いところで終わり過ぎです。あの展開には思わずガンダムを思い出してしまいましたが。
それと、このファンタジー世界のドラゴンたる龍族が今回は良い味出しまくってます。
龍族の名前は、完全に日本風でお互いに「吉田」とか「田中」とかいう名字を名乗り、「鈴木さん」とか「山田さん」とお互いを呼び合ってます。
異様なまでに、ひねくれた会話を喋ることが多い、この作品の中でコミカルな人間らしい会話をしているのが、龍族達だけというのも皮肉かと(^^;。
あと、冒頭の凱旋式で、新城直衛の個人副官な天霧冴香に嬌声を上げている婦女子たちは「冴香さまぁ〜」って感じで叫んでいるのでしょうか(笑)
それと、相変わらず巻末のしけたみがの氏のイラストは素晴らしいです。巻末の見開きイラストは思わず格好良いと思って、浸ってしまいましたし。
前巻で、少佐の身ながら、病気で倒れた義兄、駒城保胤中将の代理として、虎城山脈を守る駒洲軍の指揮権を掌握してしまった新城直衛。
そして、再び開始された<帝国>軍の駒洲軍への攻勢。結局、新城直衛が行くところ、常に鉄と血の豪雨が降り注ぐ。
さらに、少佐が一軍の指揮権を握るという非常事態を聞き、<皇国>内で新城を排除しようとする者達の蠢動も激しくなっていくのであった。
題名からして、5巻で予告のあった<皇国>内でのクーデター騒ぎの話かと思ったら、前の巻の最後で起こった<帝国>軍の攻勢に対する戦いを描いてます。今回描かれている戦闘は砲兵戦がメインです。
しかし、佐藤大輔って相変わらず小説の構成巧いですね。
5巻の最初に時間的には6巻の後になる凱旋式を持ってきて、その後に控える反新城派のクーデターへの伏線を張って、いつ<皇国>で内乱騒ぎが起こるんだろう? と読者に期待を抱かせつつ、実際に書きたかったと思われる、初めて新城が軍単位の大軍勢を率いて戦う戦闘を描くのですから。
もし、5巻の最初に凱旋式を持ってこず、そのまま虎城での戦闘シーンに移っていたら、かなり緊迫感が薄れたストーリー展開になったと思います。5〜6巻に散りばめられたクーデター騒ぎの中で起こるであろう展開の伏線も張れなかったでしょうし。
それと、新城の幼い頃からの敵にして、現在は同じ<皇国>軍内でのライバルな佐脇俊兼は可哀想すぎますね。
多少、硬直的なところはあるにしろ、部下にも優しく、能力も高く、人間的にも優れている一級の人物な彼が、「完全な異常者」たる主人公、新城直衛を敵に回したおかげで、とことんまで落ちていきます。
こういうまともな性格で有能なキャラは、普通のファンタジー戦争系統ライトノベルでは主人公の良き仲間として活躍するモノなんですけど、この主人公の性格の異常さが引き立っている、このライトノベルでは悲惨な役どころになってます。
さて、巻末で「今冬発売予定」となっている、7巻「愛国者どもの宴(仮題)」で、今度こそ<皇国>での内乱騒ぎが描かれるのでしょう。楽しみにしてます。
虎城山脈での<帝国>軍冬季攻勢を、少佐の身ながら一軍を率いてはね除けた新城少佐。
公式には、新城少佐が何もしないことになってはいるが、一時的ながら一軍を率いて活躍したという事実は、各所に影響を及ぼす。
もうじき起こるクーデターに向けて、各勢力が裏でしのぎを削る<皇国>政界。
互いに、自分のことを「愛国者」だと思いこむ、もしくはそう思いこもうとしている者たちが、その国のためにぶつかり合う「宴」が繰り広げられようとしていた。
まだ、5巻の冒頭で語られているクーデターまではいかず、その前哨的なお話です。
この小説は、戦闘シーンを売りにしているところもあり、これまでの作品では、どの巻にも戦闘シーンが入っていましたが、この巻では戦闘シーンは無く、まさに「政治の季節」な話です。
これまでに比べると、かなり地味な話で、戦闘シーンを期待している人には少し地味に感じられるかもしれません。 と言っても、クーデターを前提とした「政治の季節」なので、内容はかなりきな臭いものですが。
あと、産業革命された<皇国>の産業界や、女性の地位上昇も描かれていて、かなり興味深かったです。
1巻で描かれていた設定とも、話が繋がる展開になりましたし。
ちなみに、この巻は、前巻では「今冬発売」となってましたが、出たのは9月でした。
「冬」に出るという予告ならば、実際には次の「春」か「夏」に出るのが、佐藤大輔の作品として当たり前でしたが、ここまで早まるとは、何か悪いことが起こる前兆でしょうか(笑)
さて、次の「煉獄の皇都(仮題)」は、来春の発売の予定ですか。
幾らなんでも、こんどはきちんとクーデターなお話でしょう。 これまでの例からして、実際の発売日が全く予想できなくなってきたので、期待せずに待とうと思います。
8巻 楽園の凶器 (2004.3.27 追加)
結局、7巻から2年半かかってようやく出ました。
前巻で予告されていた「来春」という予定は、「次の次の次の春」だったという訳で。
ストーリー的には、5巻から引きずってきていた皇国でのクーデターがようやく発動。
いや〜長かったです。
あくまでもクーデターの「発動編」であって、ストーリーの進み方はこれまでどおり非常に遅いですけど。
内容については、主人公の直衛は相変わらず性格は悪いし、その他燃え燃えな登場人物ばかりで大満足。
思わず、既刊を全冊読み返して、処理された伏線とかを確認してニヤニヤしてました。
1巻の冒頭の手紙で出てきた、牧嶋の名前を持つキャラも出てきましたし。
登場キャラクタの中では、クーデター首謀者側で段々存在感を増しつつある守原定康が気にいってます。イラストもほぼイメージ通りかと。
初登場した頃は、ただのバカな貴族のボンボンだったのに、いつの間にこんなに発展したのやら。
しかし、「佐藤大輔」の新刊としても久しぶりの本なので、本屋で発見してかなり興奮してしまったのには、自分が熱烈な佐藤大輔ファンであることを再確認してしまいました。
あと噂どおり、この巻からイラストが「ヘルシング」の作者、平野耕太に変わりました。
その人選には全く文句が無いですが、もっとイラスト枚数を増やして欲しかった感じがします。
できれば、<帝国>宰相デュブリック公爵とか<皇国>執政利賀元政のようなオヤジキャラのイラスト化を希望(笑)
9巻 皇旗はためくもとで (2005.2.24 追加)
戦闘舞台は皇国の首都「皇都」。
遂にクーデターを決行し、皇国の政治中枢を掌握した守原軍。
クーデター開始とともに放たれた刺客の手を逃れた新城中佐は、手兵の近衛嚮導聯隊を掌握し、「近衛」の名の下に反撃に移る。
反乱を起こした守原軍の兵力は、5個銃兵聯隊、2個砲兵大隊、1個剣虎兵大隊、1個近衛騎兵大隊。
圧倒的な兵力差をものともせず、新城は僅か1個聯隊で「逆賊殲滅」に乗り出した!
ようやく皇都でのクーデター編に突入。
何だか長かったです。
しかし結局、平野耕太がイラストを描いていたのは8巻だけですか。
ここまでイラストレーターが変わるのも珍しいような。
あ、今回のイラストレーターが悪いというわけではないですよ。
女性キャラのイメージ的には、今回の獅子猿氏が一番ぴったりな気がしますし。
あと、またのり氏が巻末のイラストに起用されたのには驚いたり。
今回も色々と意外な展開を見せてくれました。
ストーリー的にもメカニズム的にも。
メカニズム的には、ボルトアクションライフル(鎮西府謄録の『皇国の守護者』9巻、試製64式旋条銃についてによると、「遊底扛起式」と呼称される初期の後装銃だそうです)と近代的後装砲が登場。
特にボルトアクションライフル遊底扛起式銃は、軍事技術がナポレオン時代に相当するこの世界において革命的な威力を見せてくれます。
戦法の方は、19世紀的な世界において、ある意味とんでもない戦術が登場。
この世界では、いつかは生まれた戦術だとは思いますけど。
登場するキャラクタも、敵味方共に燃える行動と台詞ばかり。、
いわゆる「佐藤大輔」的に、燃える名台詞が大量に出てきて堪えられません。
個人的には、丸枝中尉の「活躍」に驚愕しました。
しかし、これで皇都でのクーデターも決着して、ストーリー的にも第一部完な感じです。
果たして、この続きはいつ出る事やら。佐藤大輔は、続きが出ないことで定評(?)がありますから。
しかも、この巻で極めて綺麗な終わり方をしているだけにその心配が強いです。