著者 賀東 招二 イラスト 四季童子 富士見ファンタジア文庫
戦うボーイ・ミーツ・ガール
初版発行 平成10年9月25日 定価 本体620円+税
ISBN4-8291-2839-9
放っておけない一匹狼(ローン・ウルフ)? (1999.5.7 追加)
初版発行 平成10年12月25日 定価 本体520円+税
ISBN4-8291-2857-7
疾るワン・ナイト・スタンド (1999.5.7 追加)
初版発行 平成11年3月25日 定価 本体560円+税
ISBN4-8291-2875-5
本気になれない二死満塁? (1999.5.26 追加)
初版発行 平成11年5月25日 定価 本体520円+税
ISBN4-8291-2887-9
自慢にならない三冠王? (1999.10.17 追加)
初版発行 平成11年10月25日 定価 本体480円+税
ISBN4-8291-2926-3
揺れるイントゥ・ザ・ブルー (2000.2.22 追加)
初版発行 平成12年2月25日 定価 本体580円+税
ISBN4-8291-2953-0
同情できない四面楚歌? (2000.6.18 追加)
初版発行 平成12年6月25日 定価 本体480円+税
ISBN4-8291-2974-3
終わるデイ・バイ・デイ(上) (2000.11.30 追加)
初版発行 平成12年11月15日 定価 本体420円+税
ISBN4-8291-1307-3
終わるデイ・バイ・デイ(下) (2001.4.23 追加)
初版発行 平成13年4月25日 定価 本体480円+税
ISBN4-8291-1349-9
舞台は、恐らく現代だけど、「AS(アームスレイブ)」と呼ばれる人型機動兵器や低温核融合システムなどのテクノロジーが稼働してて、ソ連などの共産主義国家も崩壊しておらず、北朝鮮も経済を回復しつつある世界。
世界最強の武装集団「ミスリル」のエリート兵士である相良宗介軍曹は、女子高生の千鳥かなめの護衛任務のため、彼女と同じ高校に入学するが、世間知らずで常識外れの相良軍曹は、思いこみだけで銃は乱射するは、ストーカーのように、かなめを追っかけるわ、高校は修羅場と化す・・・。
・・・面白いわ。これ(^^)
この作品、ラブコメ&巨大ロボットもの&軍事スリラー&ファンタジーな要素をうまく詰め合わせていて、しかもその調和がよく取れており、凄くいい感じです。
リアル志向な作品と思いきや、「生まれる前から知っている<存在しない技術>の知識」「人間の意識を増幅して、物理的な力に変化するシステム」など、ファンタジー的な要素も多いですし。
続刊も出そうですので、非常に楽しみです。
放っておけない一匹狼(ローン・ウルフ)? (1999.5.7 追加)
ドラゴンマガジンに連載された短編5編と、書き下ろし1編をまとめた本です。
いわゆる「スレイヤーズ」の「スレイヤーズすぺしゃる」、「魔術師オーフェンはぐれ旅」の「魔術師オーフェン無謀編」の関係のように、書き下ろしで出版される多少シリアスが入った本編とはまた別に、ドラゴンマガジンで連載されるギャグタッチの短編集といって良いでしょう。アームスレイブを用いたロボット戦も無いですし。
しかし、こういう形になるということは、富士見出版の方では相当、この作品を高く評価しているみたいですね。メディアミックス展開の可能性も有りということでしょうか。個人的には”まだ”やって欲しくは無いですが。
内容的には、相変わらず面白いです(*^^*)。
『愛憎のプロパガンダ』の朝の準備の比較とか、「だって、PC−FXなんか貰ってもなぁ」という台詞とか、『恋人はスペシャリスト』でギャルゲーをプレイする相良相介とか、色々とナイス過ぎます。
こちらは書き下ろしの本編。
一応、謎のテロ組織「A21」との死闘を描いた作品な筈なのですが、相良相介軍曹が所属する部隊の指揮官、テレサ・テスタロッサ大佐(といっても10代半ばの美少女)の本格的な活躍によって、ラブコメ度がさらに爆発してます。
テレサ・テスタロッサ大佐、通称テッサの人物描写は巧いというか、そこら辺のツボをわきまえたキャラになっていて、恐らく「大佐どの〜」と萌えて壊れる人も続出してます。私は、かなめの方が好みですが(壊)
今回は、ドラゴンマガジン連載の短編集第二弾。ドラゴンマガジン連載収録分は、題名に何らかかの数字が入っているのが識別方法で、この本の場合、「二」という字が入っているので、短編集の2巻だという事がわかります。
いやあ、相変わらず今回も大爆笑ですね(^^;。完全に安心して楽しめます。ラブコメ要素も爆発してますし。
「ヤンキー語こと、”西部方言の亜流”を操る生徒会長」とか「日本が勝つ架空戦記を、スポ根小説として、大真面目に読む相良宗介」「大晦日には、1年の締めくくりとして、持っている銃を全て分解整備する」とか、色んなシチュエーションがナイスすぎです。
もしかしたら、こういう無茶苦茶に不自然でも、相良宗介という非常識なキャラのフィルターを通せば、ある程度説得力のあるシチュエーションに変えられてしまうって事が、このシリーズの神髄なのかもしれません。
あと、四季童子のイラストも、巻を重ねるごとに確実にうまくはなっていますが、個人的には、最初の頃の絵柄の方が好みだったりします。
今回はドラゴンマガジン連載の短編集。このシリーズの場合、短編集は必ず最後に「?」が付くのと、数字がタイトルの中に入っていることで見分けがつきます。この巻は短編集3冊目なので「三冠王」という単語がタイトルに入っているわけで。
あとイラストがだんだんコミカル調になってます。
というわけで各話ごと感想。
・「すれ違いのホスティリティ」
ギャグのパターンの一つ、「当人は気が付かないウチに敵を撃滅」というお話ですね。
あと、一応ヒロインの(いや、テッサをヒロインだと主張する人もいるので(笑))千鳥かなめも、かなりキレた性格だということが、さらに実感出来ます。
・「大迷惑のスーサイド」
自殺の阻止方法は流石(笑)
・「押し売りのフェティッシュ」
この巻では一番笑えました(^^)。
「顔はもちろん、体格さえも巧妙に隠せる衣服だ。さらに各種センサーとデジタル通信機……そしてライフル弾もストップする防弾性能を与えた」
「一種の強化服だ。うまくすれば、現代戦の様相を一変させるかもしれん。」
に爆笑。そりゃあ、確かに現代戦の様相は変わりますな。兵士全員が「着ぐるみ」を着て行動するようになれば(笑)
婦警さんもいい味出しすぎ。
・「雄弁なポートレイト」
軍事しか知らない相良宗介に恋愛関係の伝言ゲームをやらせてはいけない、というのが良く分かる話です(笑)
・「暗闇のペイシェント」
一応、怪談ものですが、そういうのがまったくわからない相良宗介にかかれば…。
・「猫と仔猫のR&R(ロックンロール)」
書き下ろし作品。
テスタロッサ大佐って、可哀想にいつも職場でいびられていたんですね(笑)。
書き下ろし本編の3巻目。
内容は、激しい潜水艦軍事スリラー&ダイ・ハードやってます。熱いです。
あとがきでも書かれているとおり、軍事用語が炸裂しまくってますが、まあ意味なんて細かいことを気にしなくても、面白く読めるでしょう。
それと、巻末にこの巻の主要な舞台でもある、強襲揚陸潜水艦《トゥアハー・デ・ダナン》の図と簡単な解説が載っているんですけど、この潜水艦の原型となったのが、ソ連の「プロジェクト985」と書かれていて、結構ぶっ飛んだり。
私の記憶では「プロジェクト985」って、旧ソ連末期に計画された強襲揚陸型原子力潜水艦で、1個戦車大隊を艦体内部に格納して揚陸できるという、正気の在り処を疑いたくなる代物だったはず。
もちろん、ホバークラフトなんて搭載できる訳無いですから、直接海岸に乗り上げて揚陸するわけですが、その間に軽火器で攻撃されただけでも、潜水不能になりそうです(笑)
タイフーン級弾道ミサイル原潜より、建造コストがかかる癖に、どうやって運用すれば良いのかよく判らないという至極もっともな理由で、この計画はボツになったはずですが、この世界では、少なくとも建造には取りかかっていたみたいです。
しかし、この種の潜水艦、実用化しようと思うなら、確かに《トゥアハー・デ・ダナン》みたいに、搭載兵器が長距離移動能力持たないと無理そうです。
《トゥアハー・デ・ダナン》は水中から泳ぎ出したり、またはカタパルトやロケット等を使って、ASの遠距離投入が可能ですしね。
あと、テッサの台詞から、1巻の最初でミスリルに保護されていた「ウィスパード」と思われる少女が療養中らしきことが判明。
じきにストーリーに関わってきそうな感じがします。本編か短編か、どちらかは判りませんが。
ドラゴンマガジン連載分の第4巻です。というわけで、各話ごとの感想を。
・「磯の香りのクックロビン」
ギャグとしては、あまりにも正統的な作品。オチも展開もありがちですが、作りがきっちりしていて、単純に楽しめました(^^)。
・「追憶のイノセント」(前・後編)
林水生徒会長の隠された過去のお話。一応シリアスなお話な筈なんですけど、相良宗介の性格からして、まともな話の導入にはなりませんね(笑)
・「おとなのスニーキング・ミッション」
えーと、こういう怪しげな風俗ネタと、相良宗介を組ませたら無敵では無いかと。
・「エンゲージ、シックス、セブン」
書き下ろし番外編で、相良宗介、クルツ・ウェーバー、メリッサ・マオが出会ったときの話。
敵のテロリスト組織(?)『こだわりのある革命家の集い』の方々には爆笑。
あと、あとがきにも書かれてましたけど、この話の舞台はベリーズという南米の小国なんですが、実在している国にも関わらず、適当に描いてますね(笑)
まあ、普通の日本人は誰も知らないから、問題無いといえば問題無いのですが。むしろ、一般によく知られている日本やアメリカと言った国を舞台にして、あんな現実離れしたネタはやりにくいですし。
時たま、昔の外国の小説で、とんでもない日本の描き方をしているのがありますが、これって絶対、同じような理由で書かれているのが大部分だと思います(笑)
終わるデイ・バイ・デイ(上) (2000.11.30 追加)
今度は本編で、上下巻です。
今回は登場人物達が大ピンチに陥ってます。ラブコメとしてもアクションとしても。
こういうライトノベル系統の本では、ピンチがあっても大して危機感が無いことが多いのに、ちゃんとピンチをピンチとして書いていて、緊迫感有りまくりで良いですね。
続きの下巻が楽しみです。別に急がなくても良いですので、良い物を仕上げてくれることを願ってます。
しかし、<ミスリル>の作戦部長として登場したボーダ提督って、あとがきにもあるとおり、数年前、米海軍の<アーセナル・シップ>計画の推進者で、謎の自殺を遂げてしまったお方がモデルなんでしょうね。彼の死後<アーセナル・シップ>計画は葬り去られることになります。
一応、<アーセナル・シップ>について説明しておくと、「ステルス型ミサイル戦艦」と思っておけば良いかと。ちょっと乱暴な説明ですが。
この計画には、既得権を侵される米海軍の空母派及び潜水艦派からの強硬な反対が有ったと言われてますので、かなりの揉め事があったようです。というわけで「自殺」というのも、かなり怪しく見られている訳で。
しかし、この人がアメリカ海軍じゃなくて、<ミスリル>にいるって事は、やはりこの世界でもアメリカの<アーセナル・シップ>計画は潰されているのでしょうか。反対に<ミスリル>にはアーセナル・シップで構成された部隊が有りそうですが。
前の巻から引き続いて、私的にも、色々とピンチに陥っていく宗介&かなめのカップル。
あとがきでも書かれてますが、いわゆるありがちな「元のさやに戻る」という話ではなく、たとえ結果は同じにしろ、きちんと主人公達の成長を描いている、という点でよく仕上がっているかと。
環境に流されることなく、懸命に生きていこうとする、かなめ&宗介のコンビはもの凄く好感が持てます。ここまで「前向き」で「気持ちの良い」ヒロインも珍しいです>かなめ
どちらかというと、この「終わるデイ・バイ・デイ(上・下)」は、富士見ファンタジア文庫の主力読者層の学生よりも、社会に出て挫折などを経験した年代の読者の方が「感じる」ものが多いかも知れません。
しかし、この分だと、「フルメタル・パニック」は、まだマンネリに陥ることなく、これからもレベルは伸びていきそうで嬉しいです。
あと、この世界では中国が社会主義を奉ずる北中国と、民主主義を奉ずる南中国の2つに分裂していて、その余波を受けて、香港も2つに分割されているんですね。
この小説では、宗介達ミスリルのメンツが、影より表に知られずに、香港での北中国軍と南中国軍の衝突を防ぐ、というのが主筋ですし。
こちらの史実では、ソ連崩壊の一因となったアフガニスタンでのゲリラ戦も、ソ連軍がASを実戦投入したことにより、ムジャヒディンは制圧されて、ソ連側の勝利となっているようです。
その他<中華南北戦争><第5次中東戦争><ソ連内戦>とか、この世界で起こった戦争が多数あるようですが、そういう歴史設定とかを中心にした資料を一度見てみたいですね。