楽園の魔女たち

  樹川 さとみ  イラスト むっちりむうにぃ    コバルト文庫

1巻 〜賢者からの手紙〜

初版発行 1996年1月10日  定価 本体563円+税

 ISBN4-08-614153-1

2巻 〜とんでもない宝物〜

初版発行 1996年5月10日  定価 本体534円+税

 ISBN4-08-614193-0

3巻 〜7日間だけの恋人〜

初版発行 1996年9月10日  定価 本体505円+税

 ISBN4-08-614232-5

4巻 〜銀砂のプリンセス〜

初版発行 1997年3月10日  定価 本体437円+税

 ISBN4-08-614298-8

5巻 〜ドラゴンズ・ヘッド〜

初版発行 1997年7月10日  定価 本体457円+税

 ISBN4-08-614341-0

6巻 〜この夜が明けるまで〜

初版発行 1998年4月10日  定価 本体476円+税

 ISBN4-08-614444-0

7巻 〜スウィート・メモリーズ〜 

初版発行 1998年7月10日  定価 本体419円+税

 ISBN4-08-614475-0

8巻 〜大泥棒になる方法〜 (1998.12.15 追加)

初版発行 1998年12月10日  定価 本体419円+税

 ISBN4-08-614475-0

9巻 〜課外授業のその後で〜 (1999.4.6 追加)

初版発行 1999年4月10日  定価 本体419円+税

 ISBN4-08-614572-3

10巻 〜不思議の国の女王様〜 (1999.10.4 追加)

初版発行 1999年10月10日  定価 本533円+税

 ISBN4-08-614644-4


1巻 楽園の魔女たち 〜賢者からの手紙〜

 魔術師の塔”楽園”のエイザードは、魔術師組合からの強制に近い要請で4人の少女に手紙を出して、少女達はその手紙を受けて様々な思いを描きながら”楽園”に弟子入りする。

 高等教育機関「北の学園」で主席をとるほどの天才少女 サラ。

 貧乏貴族の娘でどんな動物とも仲良くなれる マリア。

 美少年と間違えられてばかりの容姿を持つ女剣士 ファリス。

 帝国の王女で権力に興味がないのに命を常にねらわれている ダナティア。

 魔法とはこれまでまったく縁のなかった彼女たちが、様々なトラブルに巻き込まれながらも”楽園2の存亡をかけて魔術師初級試験を受験するまでを描いてます。

 ・・・なんていうとえらくシリアスな雰囲気な話に思えてしまうが(^^;、実際はコメディタッチでニヤつきながら読める本です。近頃ありがちな勢いやパロディで笑わせたりするようなことはなく、しっかりと性格が構築されたキャラクタ同士の掛け合いでしっかりと楽しませてくれる良質のコメディでしょう。

 

2巻 楽園の魔女たち 〜とんでもない宝物〜

 第2弾の本巻は2本立て。

 まず、いつもクールなサラの隠された過去が明らかになる「夏の訪問者」。サラは男性ファンの人気がなぜか高いみたいですね。きっと俗に言う「綾波属性」を持つ方々のポイントをビビシ!とついているキャラだからに違いないと思います(笑)。

 もう一編が「とんでもない宝物」。完全に活劇物のノリ。いつものことながらファリスは男と間違えられたあげく不幸な奴(笑)。ドタバタながら起承転結もしっかりとしていてよくまとまっていると思います。

 

3巻 楽園の魔女たち 〜7日間だけの恋人〜

 まずあとがきにもあるとおり、この話は「海賊と盲腸とホモ」の話です(笑)。

 長身で美少年顔の少女ファリス・トリエが、ホモの船乗りの跡取りフレイ・アルフォイ少佐に「結婚、結婚」とうるさい実家の人間をごまかすために偽装婚約させられるというラブコメの1パターンの王道!!。いや〜ギャグも展開もパターン通りとはいえ笑わせていただきました(^^)。

 それにしてもサラ、ちょっと怖いぞ(^^;。

 

4巻 楽園の魔女たち 〜銀砂のプリンセス〜

 今度は、帝国の王女であらせられるダナティアのお話。

 皇帝である祖父の命令で灼熱のゴルダ砂漠に使者として送り込まれることになったダナティア。師匠のエイザードの魔法でいきなり砂漠の真ん中に送り込まれたのまでは良かったが、突然現れた巨大砂ナマコ(by ダナティア)に襲われたあげく、砂漠に住む遊牧民に捕らわれてしまう。しかし持ち前のタカビーさでいつの間にか立場が逆転して・・・(^^;。ダナティアのタカビーだけでストーリーの大部分が進行する恐るべき構成の話です。

 この作品にはダナティアの兄が一人登場するけど、彼も可哀想に(^^;。あんなのが妹にいたら確かに暗殺者差し向けたくもなるよな(笑)。

 

5巻 楽園の魔女たち 〜ドラゴンズ・ヘッド〜

 王家の土地である”楽園”からエイザードを追放すべく日夜頑張っている、ヨンヴィル国騎士団虹の谷支部長アシャ・ネビィ。小鳥を助けようと木に登って転落してから数日、食欲対象が生肉に限定され口から火を吐くという体質に何故か変化してしまった。どうもドラゴンに憑依されているらしい。マリアが勝手に魔法を使ったことで状況はますます悪化してしまう。はてさてどうなることやら(^^;)。

 この巻ではアシャがなぜこんなところに左遷されてきたかの理由が、明らかにされます。・・・情けない奴(笑)。1巻で登場したときから、うすうす予感はしていたけど。

 

6巻 楽園の魔女たち 〜この夜が明けるまで〜

 この巻では、税金の取りたて中、差し押さえ物品の「呪いの壷」を割ってしまった、税務官のヴェラトラム・ササ氏を救うべく、おなじみ4人の見習い魔女たちが活躍します。呪いといっても、ヴェラトラム氏は異常といえるほどの、クソ真面目&「霊的不感症」なので、どんなにひどい目にあっても、迷惑を被るのは全て周りの人たちで、本人はなんにも感じないという状態です(笑)。

 しかし4人揃って、活躍するというのも1巻以来ですね。というか、ゲストキャラのヴェラトラム・ササ氏が強烈な個性を持ちすぎていて、それなりに個性が強いはずの他のキャラクタが目立たないのが、真相のような気もしますけど(^^;;;。一応、話の流れからすると、マリアが主役格のはずだし。

 まあ、相変わらずサラだけはぶっ飛ばしまくってます(笑) 。個人的には、作者のコントロールさえも離れて、暴走を始めているような感じさえありますが(爆)。

 

7巻 〜スウィート・メモリーズ〜 

 この巻は短編集で、「精霊の贈り物」「ごくちゃんのしあわせ日記」「無邪気な聖母」「彼らの楽園」の4編で構成されてます。

 「無邪気な聖母」が一番長くて、ダナティア殿下のお母様が出てくるお話です。そりゃあまあ凄い性格で大騒ぎ(笑)。エイザード師匠と『失楽園』な雰囲気になるし(^^;。

 その他の3つの短編もそれぞれいい雰囲気を出してました。

 

8巻 〜大泥棒になる方法〜 (1998.12.15 追加)

 いつもの、魔術師エイザードのライバル(笑)、ヨンヴィル国騎士団虹の谷支部長アシャ・ネヴィが、ファリスと共に馬術競技大会に招待されることに。だが道中の街で、アシャが招待状や財布などを一式スリにすられてしまって、立ち往生。

 その街には、昔の大怪盗<ウォルスの霧>が現れて、大騒動になっている最中でした。何故かアシャは、その<ウォルスの霧>に間違えられて、もうすぐ処刑されるという、どうしようもない展開に陥っていくのですが…。

 うーん、あとがきで作者が言っていたとおり、アシャとファリスのコンビは結構あってますね。そもそもストーリー自体、主要人物が真面目な性格でなければ、成立しないような話ですし。

 もし、ファリス以外の魔女達がこの事件に巻き込まれたら、10ページほどで話が終わりそうな気もします(笑)

 

9巻 〜課外授業のその後で〜 (1999.4.6 追加)

 生徒の全てが、問題児ばかりという全寮制男子校「リトラド学園」において、学長が何者かに襲われた上、全裸で放置される事件が発生。

 事件の調査依頼を受けたサラは、教師となって学園に赴任するが、問題児ばかりの生徒達に手を焼かせる、……なんてことはあるわけ無いです(笑)。あの強烈な個性で、荒れきっていた学園をシメて行きます。

 やがて、明らかになる驚異の真相とは?(^^;

 しかし、あとがきにも、書かれてましたが、最近、男子校を舞台にした作品ならば、もう少し”耽美”というか、ヤオイ的雰囲気というか、妙な方向に美化されて描かれることが多いのに、ここまで男性の裸が汚い作品も久しぶりのような(^^;。事件のオチもオチで、アレだし(笑)。

 あと、相変わらず、サラ、キレてますねえ。このシリーズの主役は彼女では無いかと思ってしまう私(^^;。ラストの言葉は、この作品の本質を見事に突いてますし。

 

10巻 〜不思議の国の女王様〜 (1999.10.4 追加)

 金髪の女性だけを狙って、その髪を切り落とす髪切り魔が発生、被害者は全員「肩もみ」をされて、気持ちが良くなっていた…っていう情けない事件の解決がメインかと思ったら、その捜査中に楽園の”料理番”たるナハトールが巨大な熊の人形に誘拐されるという事態が発生。

 彼をさらったのは「クイーン・フェム」と名乗る変な格好をした魔女。4人の楽園の魔女達は彼を救い出すために悪戦苦闘というか、いつものドタバタ(笑)を演じることに(^^;。

 しかし、この作品ってレギュラー登場人物増えませんね。途中で登場した登場人物も準レギュラーのかたちに留まっていますし。普通、シリーズがある程度長期間にわたってくると、いつのまにやらレギュラーが増えてきて、悪くすると話の統制が取れなくなって終わり、っていうのも珍しくないですが、少なくともこの作品に関してはそれは無さそうで安心しています。

 あと、このシリーズ、いやコバルト文庫自体に言えることかも知れませんが、こういうライトノベル系にしては挿し絵少ないかも。他のライトノベルなら、この場面で絶対、イラスト入れるだろうなって場面で入ってないことが多かったり、反対にどうしてこんなところでイラスト入れるの? というのも多々ありますし。

 

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