クリムゾンの迷宮 (1999.5.6追加)
貴志祐介 角川ホラー文庫
発行日 1999年4月10日 定価 本体640円+税
ISBN4-04-197903-X
失業中の中年男性、藤木芳彦は目覚めたとき、この世のものとは思われない異様な光景の中で倒れていた。手に持っていたのは、水筒と少量の栄養食品、それと謎の携帯ゲーム機。
ゲーム機の指示通りに進むと、同じように気が付いたら、この地に倒れていたという8人の男女と合流する。全員、社会的落伍者の彼らは、何故この地にいるのかも分からないまま、生き残りのために凄惨な”ゲーム”を展開していく…。
「天使の囀り」「黒い家」などのホラーで知られる貴志祐介の新作です。これまでの作品よりも、個人的には怖く感じました。
作風としては、これまでよりもアクション性というか、エンターテイメント性が強くなったという感じですか。人によっては、このことから、「面白いけど、正統な作品として認めたくない」という人もいるかもしれませんね。個人的には、そんな事関係無しに「面白ければ、全てOK」という考えですから、どうでも良いのですが。
どういうストーリーかは、読んでいくうちに大体読めてしまうのですが、伏線の入れ方なども、うまく恐怖感を増加させる方向に向かわせています。
例えば、
「一番恐ろしいのは、食料を取りに行った奴らだ」
「真に危険な哺乳類は、たった2種類しか存在しない」
とか、その時点でも、大体の意味は掴めるんですが、後になって、ますます恐怖感を煽るような描写はなかなかだと思います。
あと作中で、昔、流行りましたが、コンピューターRPGなどの発展で消滅したゲームブックが効果的に使用されていますね。その昔、ゲームブックにはまり、恐怖を感じた人なら、絶対に読んで損は無いでしょう。
ちなみに完全ネタバレ編はこちらです。キャラについてのイメージを壊したくない人も読まないで下さい(笑)