陀吉尼の紡ぐ糸  

 著 藤木 稟  徳間ノベルス

 初版発行 1998年1月31日 第6刷発行 1998年1月31日 定価 本体905円+税

 ISBN4-19-850409-1


 時は、昭和九年。

 朝日新聞の記者、柏木 洋介は何故かあっというまに警察から、特高預かりになってしまった殺人事件を追っている時に陸軍将校と悶着を起こし、そのため三面記事担当から、花柳界担当に格下げされる。

 しかし、それによって、彼は稀代の宗教家、出口 王仁三郎や、吉原を牛耳る謎の男、朱雀 十五などと知り合うことになり、奇々怪々とした妖しい世界に引き込まれていくのであった・・・。

 

 この作品を一言で表すと、「京極 夏彦の亜流」

 京極が怪しげな時代設定をもたらすのに終戦直後という時代を使ってるのに対し、こちらは同じ効果をもたらすために、満州事変後が起こった昭和初期という時代と、『吉原』という舞台を使ってます。あくまでも、「亜流」であって「本家」は全く越えてません。

 なんてったって、小説の帯の宣伝文句にも、

「本作もあえて強調されるまでもなく、京極系ミステリーの一環に数えられるはずである」

なんて書かれてるし(笑)。

 まあ、詰まらなくはないですし、面白く読めますけど、やっぱり京極を読んだ後では薄っぺらく感じますね。まあ京極が登場しなかったら、この小説も世に出なかった可能性が高いと思いますが。

 

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