エル 全日本じゃんけんトーナメント  

 著 清涼院 流水  幻冬舎ノベルス

 初版発行 1998年2月16日  定価 本体800円+税

 ISBN4-87728-926-7


 1年に1回、極楽ドームで7万人の観衆の前で開かれる「全日本じゃんけんトーナメント」。1024人の決勝トーナメント出場者達は、3回勝負のじゃんけんで勝負をして最終的に優勝者を決定するのだ。ごくごく平凡な中学3年生の木村彰一は、姉の百合子に「あんたには天恵運がある」とか何とか言われたあげくに、「じゃんけんトーナメント」への申し込みを勝手にされ、いつのまにやら決勝トーナメントに進出していた。全然勝負に乗り気じゃなくて「早く負ける」ことしか頭にない彰一の運命はどうなっていくのか・・・。

 やはり清涼院 流水やりますね(^^)。「全日本じゃんけんトーナメント」というトンデモないネタを使ってここまでの話を書けるとは。同じじゃんけんネタの話としては、あとがきにも書かれているように漫画「カイジ」がありますけど、あちらが人間の極限状態における醜さを描いているとすれば、こちらは謎解きがあるとはいえ、ほんわかほんわかした雰囲気で、かなり違いがあると思います。

 しかし清涼院 流水の文章力も進歩したものです。デビュー作の「コズミック」はアイデアはともかく、文章が付いてきてない気がして、それほど人に勧められる作品とは思わなかったのですが、一作書くごとに徐々に進歩が感じられます。元々、アイデアは極めて優れた作家ですから、文章がしっかりしてくれば、ほぼ完璧じゃないでしょうか。 

 「コズミック」はかの有名な「トンデモ本大賞」にノミネートされかかった作品であることを考えると、何だか隔世の感がありますね(笑)。

 

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