著者 麻生 幾 文芸春秋
初版発行 1997年1月30日 定価 本体1,748円+税
ISBN4-16-352540-8
世界を騒がした「オウム真理教」については万巻の書が出てますが、この本は自衛隊や警察などの内情を中心に描いた本です。
結構びっくりするようなことも書かれていて、松本サリン事件のとき國松孝次長官がパーティーなどで、
「犯人は、第一通報者の会社員でしか有り得ませんよ。もし違ったら、逆立ちして歩いてもいい」
などという台詞を吐いていたそうです。そりゃ狙撃されたって自業自得のような気が(^^;。トップがこんな調子じゃ実際に尋問に当たる人たちも凄く困ったんじゃないでしょうか(笑)。
事件が続く中で、警察も自衛隊も日本の官僚組織の特徴の一つである横の連絡の不充分さをこれでもかと見せつけてくれます。例えば陸上幕僚監部の化学兵器担当の「化学室」に警察庁の刑事局(いわゆる刑事警察)、警備局(いわゆる公安警察)がそれぞれ別個に同じことの説明を求めてくるので頭にきて「刑事局と警備局がバラバラにお越しになりますが、どちらか一本化してください」と申し込んだりとか、公安警察と刑事警察の捜査チームが互いに相手をオウム信者と思いこんで何日間も緊迫して監視しあっていたとかそういうエピソードばっかりです。
警察も自衛隊も、なんだかんだ言って他の省庁と同じく日本の官僚組織の一つであることがよくわかる本ですね。
ただオウム真理教強行捜査作戦が<ルート・ファイブ>という名前だったのはセンスが良いと思いました。この答えを数字に直すと「2.260679 フジサンロクニオウムナク」となるので。