カルト資本主義

著者 斉藤 貴男  文芸春秋

初版発行 1997年6月30日  定価 本体1,714円+税

ISBN4-16-353040-1


 これまで荒唐無稽なオカルトや疑似科学などの本は、「トンデモ本」などのジャンルに分けられ、ただその無茶苦茶な内容を笑って楽しむだけのことが多かったのですが、その内容自体が現実の社会にどのような影響を及ぼしているかをきちんと説明しているものはそれほどありませんでした。この本はその点に重点が置かれたものです。

 SONYの「エスパー研究所」と「生命情報研究所」。科学技術庁のオカルト研究の存在。実現不可能といわれている永久機関にとりつかれた人々。新興宗教の教祖としか思えない京セラの稲森和夫。全ての財産を寄進させる共同生活を信者に強制させるヤマギシ会と大企業との結びつき。微生物資材EMのルーツと世界救世教の内部抗争。そしてオカルトビジネスのドン「船井 幸雄」の実像など、オカルティックで衝撃的な事実が次々と語られていきます。

 読んでいくと、結構こういうのって人を指導する立場なはずの企業の経営者がハマるんですね。思いこんだら一直線の人が多いからかも。しかし社長が、京セラの稲森和夫が主催する「盛和塾」なんかにのめり込んだりしたら部下はたまったものじゃないでしょうな。少なくとも私はそんな会社にはいたくないです。

 船井 幸雄も著書をよく本屋で見かけますが、個人的には少し読んだだけで唖然とするか笑ってしまう内容の本が多くて、「どうしてこんな本が大量に売れるんだろう」と以前から思っていました。この本を読んで疑問が多少は氷解しましたけど、ますます胡散臭さが強まりました(-_-メ)。

 巻末の参考文献などを見ますと、疑似科学やオカルトなどの書物で代表的なものはだいたい押さえているみたいですし、索引なども充実していて労作であることを忍ばせます。この本1冊を書くのに2年かけたというのは伊達じゃないです。

 あと本の装丁がエヴァンゲリオンの影響を受けているようにしか思えないのはまあご愛敬でしょう(^^)。 

 

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