LIAR GAMEという大金を賭けた騙し合いのゲームを描いた漫画です。
ヒロインの神崎直は、LIAR GAMEに参加させられ1億円を奪い取られそうになった時に、主人公で元詐欺師の秋山深一に助けを求め、それをきっかけに2人がLIAR
GAMEに巻き込まれていくとうお話。
同じヤングジャンプに掲載されている「嘘喰い」が、ギャンブルが主題でありながら、アクションシーン等も多い総合的なエンターテイメント作品のようであるのに対して、この「LIAR
GAME」は純粋に、勝負事における駆け引きの面白さを楽しむ正統派の作品になっていると思います。
また、ギャンブル漫画の代表作「カイジ」と比べると、カイジがギャンブルの内容だけでなく、それを通して語られる、魅力的なキャラ達からの、人生訓、真理とも言えるような熱く心に響くセリフの数々が魅力になっているのに対して、LIAR
GAMEのキャラはあっさりしているというか記号的にも見えますが、それがマイナスなのではなく、作者が意図的にキャラの個性を抑え、本当にゲーム内容だけを純粋に読者に楽しませようとしている感があります。
それだけに本作のメインであるゲームは、表のルールの裏にある真の意図、窮地からのどんでん返し等、勝負事の醍醐味を含みながら、矛盾なく極めて論理的に展開されていく完成度の高いものになっています。
以下ゲームごとの感想を書きます。
■1回戦
主なルール
・参加者は始めに一億円渡され、指定の対戦相手と1対1でこれを奪い合う。
・30日後にLIAR GAME事務局が回収に来た時持ち金の多いほうが勝ち。
・勝者には敗者から奪った金額が賞金として与えられ、敗者は奪われた額を借金としてLIAR GAME事務局に返済しなければならない。
この回はバカ正直なヒロイン神崎直と、心理学に精通している元詐欺師で主人公の秋山深一の紹介も兼ねた導入部分ということもあり、認知的不協和状態など、心理学的な説明が興味深かったりもしますが、ゲームとしては可もなく不可もなくといった印象。結末も読み易かった。この後に続く少数決が神懸かっていて面白い。
■2回戦 少数決ゲーム
主なルール
・参加者は始めに1億円渡される。
・その場に集まった参加者全員でYESかNOで答えられるお題に対して投票を行う。
・投票の結果多数派になった方はその場に一億円置いて敗退し、少数派の方は勝ち残る。これを少数派が1〜2人になるまで繰り返し、最終的な勝者が場にある金から自分の1億円を引いた額を得る。
・お題が出されてから投票までの時間は6時間。
このゲーム、ルールだけみれば完全に運任せの単純な勝負に見えますが、投票まで6時間も時間があることなどから示唆されるように、誰かと協力したり、またその相手を騙したりと、参加者がお互いに接触することが前提で、個人で運に任せて勝負しても絶対に勝てないという裏の意図があります。
秋山達は、ゲームの始めにこのゲームの必勝法を見つけ実行しますが、完璧に思われた必勝法が破綻し、そこから2転3転する騙し合いが繰り広げられる展開には、驚かされました。勝負を決める投票における演出と裏を掻く結末は最高の出来。
■敗者復活戦 リストラゲーム
主なルール
・参加者は始めに1億円渡される。
・その場に集まった全員で、1時間に1回、5個の記名欄がある投票用紙に3回戦に進ませてあげたい人の名前を書いて投票する。
・投票用紙には同一の人物を一度に複数回書いても良い。投票の結果はその都度中間発表として知らされる。
・開始時Mチケットというものが配られる。Mチケットに契約内容と取引額を書き込んで、ゲーム中に参加者同士なんでも売買してよい。
・10回の投票の後で最も獲得票の少ない者が敗者となり、敗者の持っていた1億を勝者で分け合う。
9人の参加者中8人までもが勝ち残り、勝者にも一億円の持ち金に対して1250万円しか入らない、ゲーム性の薄い勝負に見えますが、もちろんそんな簡単に話が運ぶはずがありません。
Mチケットでの契約を利用した騙し合いにより、どうしようもない窮状に追い込まれたり、またそれを覆したりと、波乱の展開が起こり、当初予想もしていなかった1250万円どころではない金額が動いていくことになるその展開は圧巻。
ゲーム終了後に、直が、”LIAR GAMEでは、自分ひとりが儲けようとせずにみんなが結託して最後にお金を分配すれば、誰も損はしないはずだ”という意図の、この漫画のテーマになりそうなことを口にしますが、個人的にはそんなことはどうでも良いです。テーマなんてなくても、これからも完成度の高い面白いゲームを読ませてもらえればそれで満足です。
■3回戦 密輸ゲーム
少し複雑なルールのゲームです。ヤンジャン本誌での連載を立ち読みで追っていたのですが、立ち読みだけでは内容をイマイチ理解できていません。単行本で通して読んでみれば印象も変わるかもしれませんが、単純明快なルールでありながら意表を突いた展開を見せるという、今までのパターンの方が好みです。
・コミックス感想(日記内)

