| 「単純な繰り返しの作業を,間違いを指摘されながら正していく」
「ひとつの言葉から自分で想像を膨らませて,それを声にして確かめ合っていく」
この2つの練習から1つを選択するとしたら,どちらを選びますか? また,どちらの方が成果が見えて効果的だと思いますか?
これが,楽しく効果的な「発声+イメージトレーニング」のあり方への答えです。これらを別々のものとして考えるのではなく,ひとつの練習の中で行っていくと,意外に楽しくなってきます。おまけに,その方が効果的な練習ができることに気づいていただけるでしょう。Higumaがやる場合は,下のような方法からいくつかを選んで行います。
【呼吸法】
○「広〜い高原の牧場に朝がやってきました。みどり溢れる牧場の朝。朝露に緑が光っています。さあ!深呼吸をしてみましょう。」
○「朝の牧場で,力んでいる人はいませんよね。肺のすみずみまで息を吸ってみましょう。」
○「鼻から息を吸うと,ほら,新鮮な朝の空気に緑の香りが味わえますよ。」
○「真っ青なまぶしい空と,牧場の彼方に向かって,フーッと息を吐いてみましょう。」
○「木の葉を揺らすような息だったら? そして,空の雲を動かすような息だったら?」
【発声】(自然で楽にどのパートも声に出せる中音域の音を与えておきます。場合によってはパート別にハーモニーを。)
○「好きな母音でどうぞ。まず,自分で気持ちがいいと感じる程度の息の量で声を出してみましょう。」
○「同じ音を,気持ちで変化させてみてください。まず,大好きな人と偶然に出会えて喜びを表して。」
○「暑い夏の日。気温は35度。」「天上の神様に祈るように」「深い悲しみをたたえて」「小学校一年生の遠足」等々
○「今の音から二度上がってもどります。ゆったりと2拍ずつくらいで。では,1階の床に立って2階の床まで見渡すように。」
○「今度はド・レ・ミ・レ・ドで。音が変わるたびに背が伸びます。伸び続ける。町内が見渡せるくらいまで伸びましょう。」
○「このあたりは○○山がきれいですね。あの山に向かって,全員で楽しくヤッホー!」
○「ドからソまでの音階を上がって降ります。まず,軽快に階段を上るように。」
○「今度は,疲れた足を引きずるように階段を上ります。」
ここから先は,Higumaが書く必要はないように思います。要するにアイデア次第で様々な場面設定ができます。指導される方は,身につけてもらいたいと考えていることを,上記のような言葉に置き換えて指示していけばいいわけです。この練習の場合には,あまり余計な説明や解説を省いた方が良いようです。前に立って合図を出しながら団員のみなさんの声を聞いていると,シチュエーションによってずいぶん変化することが分かると思います。このような変化は,曲の練習の中で,歌詞や旋律の動きなどから感じ取ったものを音や雰囲気として表現していくことに直結していきます。初回はさすがに団員の皆さんに戸惑いが見えると思いますが,続けていくと3回目から4回目の練習あたりから,団員がとても楽しげに参加していて,しかも声の響きが自然に変化してくるのを感じられるはずです。もしもうまくいかないようでしたら,指示をするときのご自分の言葉の投げかけ方を,少し劇的にしてみたりして工夫してみてください。
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