お薦めの哲学入門書
原典を読むのがいいと思います。
しかし、取っ掛かりとして入門書を読むのもいいことだと思います。
なお、最もよく分かっている人が最も優れた入門書を書くと信じています。
まずは私の好きな5人の哲学者の入門書です。

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 ハイデガー

1 ハイデガー(存在の謎について考える) 北川東子 NHK出版
 最も簡潔でありながら、ハイデガー哲学のエッセンスを突いている。「存在」について、「自分」について、をテーマにしている。「生き方」にも結びついていく。「なぜ、いま私はここにこうしているのか」と問うている。

2 ハイデガー入門 竹田青嗣 講談社選書メチエ
 ハイデガーの主要著作である「存在と時間」を中心に、わかりやすく解説してくれる。竹田氏の現象学の立場からすれば、ハイデガーの「存在と時間」くらい(いわゆる前期ハイデガー)までが評価できるのであって、後期ハイデガーは茫洋としたものと見なされる。

3 ハイデガーの思想 木田元 岩波新書
 「存在と時間」はハイデガーの挫折の結果であり、ハイデガーは壮大な西洋哲学史を構想していたと見る見方は説得力がある。ハイデガー全体を大きく捉えるとともにわかりやすくまとめてくれている。さすがハイデガー研究の第一人者である。

4 ハイデガー=存在神秘の哲学 古東哲明 講談社現代新書
 「存在」の不思議さ、神秘さに絞って、様々な角度からきめ細かい描写をしてくれる。そして、「存在」を「味わう」ということを教えてくれる。私の好きな本である。

5 ハイデッガー「存在と時間」註解 マイケル・ゲルヴェン(長谷川西涯訳) ちくま学芸文庫
 「存在と時間」を原典に沿って理解するのには最適の本である。独自の例なども使いながら、おもしろく解説してくれるので取り組みやすい。


 ウィトゲンシュタイン

1 論理哲学論考 ウィトゲンシュタイン(野矢茂樹訳) 岩波文庫
 これは前期ウィトゲンシュタインの著作そのものである。訳もいいが、訳者解説が簡潔でよく書けている。

2 ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」を読む 野矢茂樹 哲学書房
 野矢氏は本当にウィトゲンシュタインの特に「論理哲学論考」をよく読みこんでいる。「論理哲学論考」を理解し、深めようと思ったらこれを読むのがいい。

3 ウィトゲンシュタインはこう考えた 鬼界彰夫 講談社現代新書
 ウィトゲンシュタインの全貌を知るにはこの本がよくまとまっていて理解しやすい。鬼界氏の研究成果が誠実に表現されており、奇を衒っていないので好感が持てる。

4 ウィトゲンシュタイン 論理哲学論 (山元一郎訳) 中公クラシックス
 この本の中の野家啓一氏の「二十世紀の天才哲学者」という解説がコンパクトにまとまっていて、わかりやすい。

5 ウィトゲンシュタイン入門 永井均 ちくま新書
 永井氏のウィトゲンシュタインに対する思い入れには並みならぬものがある。哲学的問いを共有するからだと思う。特に独我論についてはおもしろい。後期ウィトゲンシュタインについては理解するのが難しい。

6 ウィトゲンシュタイン(言語の限界) 飯田隆 講談社
 現代思想の冒険者たちシリーズの7巻目である。ウィトゲンシュタインを詳しく知りたい人にはいい本である。 


 ニーチェ

1 ニーチェ・賢い大人になる哲学 宮原浩二郎 PHP研究所
 ニーチェの主著「ツァラトゥストラ」を人生を鼓舞するようなトーンで翻案してある。部分的な翻訳と人生論がマッチしていて、元気付けられる。ニーチェ理解とは遠いかも知れないが、ニーチェの精神を感じるにはいい本だと思う。

2 ニーチェ 三島憲一 岩波新書
 ニーチェの概要を一応押さえたい場合は、この本がお薦めである。定番になっている。

3 ニーチェ入門 竹田青嗣 ちくま新書
 ニーチェをさらに現象学、ハイデガー的観点から読み解いていくためには、この本は発展させてくれる良い本である。


 フーコー

1 ミシェル・フーコー 内田隆三 講談社現代新書
 1990年と入門書としては早めに出版されたので売れたようである。

2 フーコー入門 中山元 ちくま新書
 フーコーの歩みを、著作を年代順に追って説明しているので理解しやすい。

3 はじめて読むフーコー 中山元 洋泉社
 フーコーの思想を4つのテーマ、「狂気、真理、権力、主体」で説明していく。中山氏は書き方が上手であり、読みやすい。


 プラトン

1 プラトンの哲学 藤沢令夫 岩波新書
 プラトン研究の第一人者が書いたものだから、権威もあるし、研究の最前線も分かる。

2 プラトン入門 竹田青嗣 ちくま新書
 ポストモダンから目の敵にされているプラトンを現象学的観点から見事に再生させている。相変わらず竹田氏の文章は明快でプラトンの核心を捉えている。

3 「饗宴」、「パイドン」、「パイドロス」 プラトン 岩波文庫
 プラトンは原典そのものが入門書になっている。すなわち、注釈なしで読めるし、おもしろく、考えさせられる。哲学全体の入門書にもなっている。この3冊はプラトンが最も脂の乗っている時に書いた著作である。


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