この文庫が買い時
Mystery Best ??? 「この文庫が買い時」の部屋にようこそ!
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ここでは、ぶらぶらと歩いていて、書店で見かけた文庫本や、これから出る本を紹介します。文庫落ちまで待ったもの、名前も知らなかったけれど面白そうなものなどいろいろです。4000冊の経験に裏付けられたものばかり…とは言えませんが、ミステリで、作品としてよさそうかな、というものにしぼってあります。ですから、たくさん売れているシリーズものなどでも、質的によいものでなければ載せることはありません。月の途中でも更新していることがあるので、よかったらまたチェックしてください。
買い時の作品についてはコメント付きです。「買い」とあったら必ず買いましょう。「その他」の欄のものは、それに次ぐものと考えてください。
文庫は、ハードカバーから、あるいは新書からと落ちてくる最後の形です。ですから、この時点で購入しておくことをお勧めします。わたしなどは、ハードカバーは高いし場所をとるので買うことはありませんが、文庫は見つけたらすぐに買います。文庫の命は短く、知らないうちに書店の棚から消えてしまうのです。「本は、見つけたらすぐに買う。」これが鉄則です。読み捨てにしないで、帯のついているうちに買い、大切にしてあげてくださいね。
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1997年3月〜9月文庫発売予定日
小学館 6日 文春 10日 講談社 15日 中公 18日
集英社 25日 角川 25日 新潮 28日
ハヤカワ、創元は月途中に分散して出版
6月 今月は嬉しい復刊があるのです。
| 翔泳社 |
『サヴェッジ・ナイト』 |
| 【国内】 | |
| 光文社文庫 | 『長い長い殺人』 宮部みゆき 文庫化までの長い長い日々。宮部みゆきは『理由』の直木賞から大変な人気。『魔術はささやく』から読んでいた人にとっては、何を今さらという感じでしょうか。書店ではコーナーができているところもあるようですね。 |
| 光文社文庫 | 『招かれざる客』 笹沢左保 未読の方よかったですね。江戸川乱歩賞の候補作になり、かつて角川文庫で刊行。その後入手しにくい状態だった作品。笹沢左保はどれから読んだらよいかわからない方、この作品から読みましょう。トリック、凝ってます。これは「買い」。 |
| 光文社文庫 | 『冥界プリズン』 日本推理作家協会 光文社文庫で出ている推理作家協会のアンソロジーのシリーズですね。これと講談社のシリーズを揃えると、よい短編はだいたい読めます。 |
| 光文社文庫 | 『本格推理 14巻』 鮎川哲也編 このシリーズももう14巻になりました。今回はどんな作品が出てきているか、楽しみです。 |
| 講談社文庫 | 『アヤツジ・ユキト・1987-1995』 綾辻行人 876円 綾辻行人本ですね。先月の予定がずれ込んだようです。ハードカバーと内容が変わっていないようなので安心。 |
| 講談社文庫 | 『柳生忍法帖』(上・下) 山田風太郎 上下各714円 忍法帖シリーズも続々と刊行。これもシリーズを全部揃えましょう。『魔界転生』『柳生十兵衛死す』とあわせて三部作でどうぞ。 |
| ハルキ文庫 | 『人それを情死と呼ぶ』 鮎川哲也 かつて角川文庫でも出ていた作品。昭和37年、作者の第7長編。アリバイ崩しの名作。よくできていると思いますよ。これは「買い」。でも、ちょっと遅れたみたいですね。 |
| ハルキ文庫 | 『火神(アグニ)を盗め』 山田正紀 840円 しがないサラリーマンが、『ナバロンの要塞』をやってしまう、と言えばどんな作品かおわかりになるでしょうか(『ナバロンの要塞』自体を知らないと言われるとつらい…)。ともかくサラリーマンが何人か集められて、とある大変な任務を遂行するというもの。それがまたとんでもないスケール。企業戦士は強いというのがよくわかる快作。 |
| 創元推理文庫 | 『六の宮の姫君』 北村薫 440円 |
| 【海外】 | |
| 文春文庫 | 『フーコーの振り子』(上・下) ウンベルト・エーコ 各752円 文庫化されるんだ…。と思わず驚いてしまいました。できれば、『薔薇の名前』も文庫化してほしい、と思う人は多いはず。 |
| ハヤカワ文庫 | 『われらのゲーム』 ル・カレ 900円 イギリス情報部を引退した男に仕掛けられた罠。濡れ衣をはらすべく立ち上がった主人公…。ル・カレはいいですよね。1997年このミス第10位。ところでル・カレをまだ読んだことがないという方、『寒い国から帰ってきたスパイ』を見かけたら、他の本をやめて読みましょう。 |
| ハヤカワ文庫 | 『汚れた守護天使』 リザ・コディ 680円 女子プロレスラーを登場させたミステリ。CWA賞受賞作。1995年度このミス第10位。 |
| 集英社文庫 | 『樽』 クロフツ 819円 貨物船の積み荷おろしの途中、葡萄酒の樽からなぜがおが屑が。不思議に思って中を見るとそこには死体が…という恐ろしいシーンから始まる名作。ここをご覧になっている方はみなさん読まれたでしょうが、もし未読の方がいらしたら、必ず読みましょう。 |
| 創元推理文庫 | 『高く孤独な道を行け』 ドン・ウィンズロウ 740円 あのニールが復活。今回は大西部での冒険。登場人物たちの温かさ、ニールの純粋さが光る名品です。 |
| その他 | 【国内】 講談社文庫 『享年0.1才 心理分析官 加山知子の事件簿』 和田はつ子 これまでのシリーズ作品が光文社、角川ホラー、徳間と各社の文庫に分かれているのが残念。 角川スニーカー文庫 『多重人格探偵サイコ3』 大塚英志 光文社文庫 『からくり東海道』 泡坂妻夫 光文社文庫 『少年探偵手帳』 串間努 中公文庫 『河童殺人事件』 斎藤栄 781円 「河童」、出るんです…。これは地味ですが、よい作品です。 廣済堂文庫 『トロピカル』 井上雅彦編 762円 異形コレクションシリーズの11巻目。真夏、熱帯をテーマに集めた書き下ろし短編ホラーの数々。 廣済堂文庫 『死の影』 倉阪鬼一郎 552円 上記「異形コレクション」のメンバーによる、長編ホラー集「異形招待席」の第一作目。ということは、今日から集め始めればリアルタイムで全部そろえられるということ。おそらく価値あるシリーズになることでしょう。 講談社ノベルス 『暁天の星』 椹野道流 800円 講談社ノベルス 『放浪探偵と七つの殺人』 歌野晶午 880円 久々に帰ってきた歌野晶午の作品。探偵はなんと信濃譲二! 講談社ノベルス 『名探偵の肖像』 二階堂黎人 820円 カー、ルブランのパスティーシュ。力入っています。 講談社ノベルス 『血食』 物集高音 1150円 薀蓄たっぷりの作品がまたひとつ。 新潮社 『そして二人だけになった』 森博嗣 2000円 著者初の単行本小説。80m四方のコンクリート空間で起こる密室連続殺人だそうです 【海外】 ハヤカワ文庫 『過ぎ去りし日々』 パーカー ハヤカワ文庫 『黒いスズメバチ』 サリス CWA賞候補作。 |
| 【国内】 | |
| ハルキ文庫 | 『喜劇悲奇劇』 泡坂妻夫 ハルキ文庫ならば出してくれるかな…と思っていたら、やっぱりですね。実はこれが最初かと思っていたのですが、それはともかく…「きげきひきげき」と書けば分かる通り、回文だらけの珍作・名作。台風とうとう吹いた!←お読みになった方には分かりますよね。なつかしい。というわけで、しばらく品切れ状態だった作品、買いましょう。 |
| 講談社文庫 | 『ブラジル蝶の謎』 有栖川有栖 552円 国名シリーズ。『妄想日記』、『彼女か彼か』、『鍵』など6編を収録しています。 |
| 講談社文庫 | 『奪取』上・下 真保裕一 各714円 紙幣偽造をテーマにした傑作。丹念な調査で読み応えのある作品を書く作者の力作。このミス1997年度第2位。上下巻に分かれています。「買い」。 |
| 講談社文庫 | 『どちらかが彼女を殺した』 東野圭吾 590円 容疑者は二人なのに、どちらが犯人なのか書かれておらず、読者が伏線を探して推理しなければならないという変わった作品。最近、『私が彼を殺した』が講談社ノベルスで刊行され、巷では推理合戦が繰り広げられました。未読の方、『どちらかが…』の犯人はわかるでしょうか?がんばってください。袋とじになっているので、解答はそこを見ればわかるはず。どうしても、何としても解答が知りたい方、気になって夜も眠れない方はメールでお答えします。 |
| 社会思想社 教養文庫 |
『新版・探偵小説の「謎」』 江戸川乱歩 教養文庫の推薦は初めてかも。国内のミステリファンならば「買い」。歴史的価値というものを侮ってはいけません。 |
| 【海外】 | |
| 角川文庫 |
『ジミー・ザ・キッド』 ウェストレイク 720円 |
| 角川文庫 | 『悪党たちのジャムセッション』 ウェストレイク 880円 こちらも待っていた方が多いはず。海外物に弱い方でもウェストレイクなら大丈夫ではないかと思います。解説は宮部みゆき。 |
| 集英社文庫 | 『僧正殺人事件』 ヴァン・ダイン 781円 乱歩が選ぶミステリーベスト10のひとつ。まだ未読で、これからこの作品に取りかかる人は実に幸せです。推理小説の醍醐味を味わえるのですから。必読。 |
| 創元推理文庫 | 『サイコ』 ロバート・ブロック 440円 ヒッチコックの『サイコ』の原作です。これまで、ハヤカワ文庫のNVに入っていました。これはよいですよ。恐怖を味わえます。新訳。 |
| 創元推理文庫 | 『氷の家』ミネット・ウォルタース 760円 古い屋敷の氷室で発見された謎の死体…。このミス1995年度第7位、仁賀克雄の『95年版海外ミステリ全カタログ』でも5つ星の最高評価を受けた作品です。 |
| 二見文庫 | 『倒錯の舞踏』 ローレンス・ブロック 867円 根強い人気のマット・スカダーシリーズ。MWA最優秀長編賞受賞作。このミス1994年度の第6位。「買い」。 |
| その他 | 【国内】 ハルキ文庫 『謀殺のチェスゲーム』 山田正紀 講談社文庫 『あいにくの雨で』 摩耶雄嵩 講談社文庫 『江戸忍法帖』 山田風太郎 中公文庫 『夢にも思わない』 宮部みゆき 中公文庫 『謎物語・あるいは物語の謎』 北村薫 中公文庫 『林檎の木の道』 樋口有介 中公文庫 『盗まれて』 今邑彩 文春文庫 『地を這う虫』 高村薫 講談社ノベルス 『黒猫の三角』 森博嗣 新シリーズの始まりですね。たくさんの方がお読みになるでしょう。 講談社ノベルス『血食』 物集高音 昭和初期を舞台にしたミステリ。おもしろいかも。 講談社ノベルス 『ペルシャ猫の謎』 有栖川有栖 短編集。国名シリーズですね。 講談社ノベルス 『法月綸太郎の新冒険』 法月綸太郎 こちらもt短編集。各雑誌に掲載された作品が収録されています。 講談社ノベルス 『QED 六歌仙の暗号』 高田崇史 メフィスト賞受賞した『QED』の第二弾。 【海外】 角川文庫 『ボビーZの気怠るく優雅な人生』ドン・ウィンズロウ 780円 角川文庫 『双生の鷲』ジャック・ヒギンズ 1000円 角川文庫 『ザ・スリー暗黒の塔II(ダークタワー)』 キング 1048円 角川文庫 『スコッチに涙を託して』 レヘイン 860円 光文社文庫 『頭痛と悪夢』 ローレンス・ブロック こちらは英米短編作家のシリーズものですね。続けて買いましょう。 新潮文庫 『ローズ・マダー』 スティーヴン・キング 創元推理文庫 『スナークはブージャム』 シャタック ハヤカワ文庫 『五百万ドルの迷宮』 ロス・トーマス 1988年度のこのミス第17位。文庫化までの長い道のり…。 |
4月 今月もお金かかりそうですね。
| ハルキ文庫 |
『妖女のねむり』 泡坂妻夫 |
| 講談社文庫 | 『どたん場で大逆転 ミステリー傑作選35』 日本推理作家協会 667円 毎年出版される短編ミステリの傑作を集めたアンソロジーです。これは過去のものからすべて読んでおきましょう。『人質カノン』宮部みゆき、『カット・アウト』法月綸太郎、『蝶々がはばたく』有栖川有栖など。 |
| 光文社文庫 | 『天使が消えていく』 夏樹静子 光文社はここのところ夏樹静子の初期の作品を続けて文庫化しています。今回の『天使が消えていく』も実に良質なミステリであり、未読の方にはぜひともお勧めしたい作品です。新作を読むだけでなく、これまでの国内のミステリで心に残る名作を読んでみようという気持ちのある方は、どうぞ手にとってみてください。 |
| 新潮文庫 | 『東亰異聞』 小野不由美 おまちどおさまでした。95年度このミス第15位。ようやく文庫化されます。 |
| 青樹社文庫 | 『積木の塔』 鮎川哲也 ハルキ文庫で『死のある風景』が出たり、創元推理文庫で『五つの時計』『下り“はつかり”』が出たりと復刊ラッシュの鮎川哲也。1966年の作品で、被害者のわずかな言葉を頼りに犯人を特定していく地道な捜査。そしてお得意の鉄道トリックで楽しませてくれます。 |
| 創元推理文庫 | 『双頭の悪魔』 有栖川有栖 1000円 1993年度このミス第6位。文春第4位。やっと文庫化です。これで、この年のベスト10すべてが文庫で読めるようになりました。『月光ゲーム』『孤島パズル』に続く作品です。これらはすでに創元推理文庫に入っていますので、未読の方はどうぞ。 |
| 徳間文庫 | 『奥の細道殺人事件』 斎藤栄 571円 斎藤栄は多作なために、新しいミステリファンの中にはどれを読んだらよいか分からない方や、読まず嫌いの方がいらっしゃるかもしれません。もし、読んだことがないのなら、これは必読と言っておきます。「奥の細道」と現代の事件を絡ませた見事な作品。推します。 |
| 徳間文庫 | 『問題小説傑作選・2巻・ミステリー篇・煌(きら)めきの殺意』 徳間文庫編集部 933円 入手しづらい作品を読むことができる点、一定の基準で集められた作品を読める点がアンソロジーの利点ですね。 |
| 徳間文庫 | 『蟹喰い猿フーガ』 船戸与一 857円 97年度このミス第15位。ボクサーや詐欺師、女子プロレスラーなどが集まって、車でアメリカを旅する物語。 |
| 集英社文庫 | 『ナイン・テイラーズ』 セイヤーズ この作品は、昨年創元推理文庫で出版されたばかりです。長らく品切れになっていたものがついに新訳として出版され、話題になったものでした。ですから、あえて集英社文庫で読む必要はありませんが、乱歩の選んだミステリーベスト10としてシリーズ化された文庫ですので、未読の方にも、既読の方にもご紹介したいと思います。 |
| 創元推理文庫 | 『鉄の絆』 ゴダード 上640円 下680円 『千尋の闇』(創元)『リオノーラの肖像』『闇に浮かぶ絵』『蒼穹のかなたへ』(文春)『さよならは言わないで』(扶桑社)に続く第6作。解説はあとから読みましょう。 |
| 文春文庫 | 『日輪の果て』 ゴダード 上543円 下543円 |
| その他 | 【国内】 ソノラマ文庫 『宇宙船艦富嶽殺人事件』 辻真先 角川ホラー文庫 『玩具修理者』 小林泰三 角川ホラー文庫 『美しき惨殺者たち』 桐生操 角川ホラー文庫 『弟切草』 長坂秀佳 角川文庫 『消える上海レディ』 島田荘司 新装版として新たに出版されるそうです。 角川文庫 『少女たちがいた街』 柴田よしき 廣済堂文庫 『時間怪談』 井上雅彦 762円 ホラー・アンソロジーのシリーズ。これは再三申し上げておりますが、すべて揃えること。 講談社文庫 『魔界転生 上・下』 山田風太郎 各752円 忍法帖シリーズですが、こちらは映画化されたこともありますので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。小説はもっとおもしろいですよ。 集英社文庫 『葦と百合』 奥泉光 743円 二見文庫 『推理クイズで頭の柔軟体操』 推理作家11人会 495円 祥伝社文庫 『不安な童話』 恩田陸 ハヤカワ文庫JA 『恋』 小池真理子 680円 文春文庫 『カノン』 篠田節子 552円 幻冬舎ノベルス 『鴉』 摩耶雄嵩 800円 本格ミステリベスト10(東京創元社)1998年度第1位。 ハルキノベルス 『悪霊館の殺人』 篠田秀幸 1619円 江戸川乱歩、横溝正史、高木彬光のミステリを現代に甦らせる本格探偵小説。謎の白マスク男、悪霊の館、鍾乳洞などお楽しみ満載の1300枚!雰囲気は楽しめます。 【海外】 扶桑社文庫 『ささやく壁』カーロン 660円 全身麻痺の老女が聞いた殺人計画。どうやって伝えるのか、どう防ぐのか。緊迫感あふれるサスペンス。本邦初紹介のオーストラリア作家。 集英社文庫 『シャーロック・ホームズの愛弟子 女たちの闇』 キング 762円 こちらはシリーズ2作目ですね。 ハヤカワ・ミステリ文庫 『悪党パーカー/エンジェル』 リチャード・スターク 640円 ひさびさの悪党パーカー! ハヤカワ・ミステリ文庫 『無法のL』 スー・グラフトン 720円 |
3月 燦然と輝くこの黄金の国内ラインナップ!!『21世紀に残したいミステリ』の投票もどうぞよろしくお願いします。
| 光文社文庫 |
『七十五羽の烏』 都筑道夫 533円 |
| 光文社文庫 | 『鳴風荘事件』 綾辻行人 686円 『殺人方程式』シリーズ第2弾。1作目はすでに光文社文庫に入っていますので、そちらからどうぞ。しかしずいぶん待ちました。 |
| 光文社文庫 | 『哲学者の密室』上・下 笠井潔 上900円 下840円 『バイバイ、エンジェル』、『サマー・アポカリプス』(『アポカリプス殺人事件』)、『薔薇の女』に続くカケルシリーズ4作目。数十年の時を経て起こる密室殺人。読み終えて、社会の大きな流れに翻弄される個人の悲しさをひしひしと感じる名品。みすべすの太鼓判つき。ただし、前3作のネタが分かってしまったりするので、ちゃんと順序よく読みましょう。前の3作は角川文庫で品切れ。創元推理文庫で現役です。しかし光文社…今月はすごいです。 |
| 光文社文庫 | 『不連続線』 石川真介 590円 第2回鮎川哲也賞受賞作。 義母のカバン詰め死体の謎を追う女性。容疑者の鉄壁のアリバイ。久々にアリバイものを堪能できます。 |
| 講談社文庫 | 『冷たい密室と博士たち』 森博嗣 629円 来ましたね。『すべてがFになる』でファンになった人は買うこと。新書版を持っていても、しおりが特製だったら買うこと。 |
| 講談社文庫 | 『孤独なアスファルト・蟻の木の下で 江戸川乱歩賞全集』 1190円 藤村正太『孤独なアスファルト』は渋めの作品。西東登『蟻の木の下で』は井の頭公園で発見された熊に襲われたような死体が発端のミステリ。深いです。をはじめとする乱歩賞受賞作。第2期刊行です。お手軽に読めて、しかも詳しい選評つき。これは買うしかないでしょう。 |
| 講談社文庫 | 『天使の傷痕・殺人の棋譜 江戸川乱歩賞全集』 1190円 西村京太郎の泣けるミステリ。心に残るはず。『殺人の棋譜』は斉藤栄の出世作。『新・殺人の棋譜』というのもありましたね。 |
| 講談社文庫 | 『雪蛍』大沢在昌 914円 97年度このミス第9位。家出娘を捜す佐久間の前に立ちはだかる暴力団…。芯のある男の姿に心打たれる読者もいるかも。 |
| 創元推理文庫 | 『下りはつかり』 鮎川哲也 940円 ハルキ文庫で『死のある風景』が出たと思ったら今度は創元から。楽しみですね。これも未読の方は買いましょう。 |
| 創元推理文庫 | 『慟哭』貫井徳郎 720円 「人は耐えがたい悲しみに慟哭する」と帯にあります。評価の高い作品です。ようやく文庫化されるので、必ず買いましょう。 |
| 祥伝社文庫 | 『不透明な殺人』 有栖川有栖、法月綸太郎など、人気作家の短編アンソロジー。 |
| 文春文庫 | 『ホワイト・ジャズ』 エルロイ LA四部作の最終作。1997年度このミス第2位。番犬の惨殺事件から始まる不可解な出来事。『ブラック・ダリア』『ビッグ・ノーウェア』『LAコンフィデンシャル』と、これまでのものはすべて文春文庫になっておりますので、どうぞお読みください。 |
| 光文社文庫 | 『青銅の翳り』デイビス ローマ時代の密偵を主役にしたシリーズ2作目。1作目『白銀の誓い』がとてもよかったので、こちらにも期待がかかります。 |
| 集英社文庫 | 『赤毛のレドメイン家』フィルポッツ 820円 乱歩が選ぶミステリシリーズ。これは第1位として紹介されている作品ですから、未読の方はぜひともお読みください。 |
| その他 | ハルキ文庫『ブラック・スワン』山田正紀 講談社文庫で出ていましたね。本格ではありませんが、よい作品ですよ。解説はずいぶん力が入っています。バリンジャーだそうです。 ハルキ文庫『敗北への凱旋』連城三紀彦 こちらも講談社文庫からですね。地味ながら味わい深い作品。連城三紀彦がお好きな方はどうぞ。 講談社文庫『くの一忍法帖』山田風太郎 571円 忍法帖シリーズは、何も考えずに読めるところがよいですね。今回の作品に登場する忍術は…想像を絶するとんでもないものです。 ちくま文庫『半七捕物帳 江戸巡り』今井金吾 岡本綺堂の名作、『半七捕物帳』を題材に、江戸の風物を語ろうというのでしょうか。ちょっと興味がありますね。 原書房『本格ミステリーを語ろう!』芦辺択、有栖川有栖、小森健太朗、二階堂黎人 海外の古典を、対談形式で紹介しています。読みやすく、わかりやすいですね。この本で古典を読む人が増えるとよいのですが。 徳間ノベルス『黄泉津比良坂 暗夜行路』藤木稟 前作『黄泉津比良坂、血祭りの館』に続いてどうぞ。2冊で完結です。 |
2月
| いくつか目玉がある月でした。中でも『少年時代』はこの上なし。 ところで、5万人達成記念として、『21世紀に残したいミステリ』というテーマでのアンケートを行っています。みなさんで好きな本を楽しく語ってみませんか? |
| ハルキ文庫 |
『人喰いの時代』山田正紀 日本が戦争へと突き進んだあの時代…北海道へと向かう定期船で、死体が服の着脱をするという奇妙な事件が起きた…。山田正紀の連作ミステリ。奇妙な謎から不可能犯罪まで、ミステリの魅力をあますところなく伝える珠玉の名作です。徳間文庫で品切れになっていたものが、今回手軽に手にはいるようになります。時間をかけて探し回った方、一緒に泣きましょう。 |
| 文春文庫 | 『前世の記憶』高橋克彦 476円 直木賞受賞作『緋い記憶』に続く、第二弾。『緋い記憶』よかったです。なぜか懐かしくて、怖くて、不思議な世界。未読の方は、前作を必ず読みましょう。みすべすの保証つきです。 |
| 幻冬舎文庫 | 『女囮捜査官・4』山田正紀 山田正紀連発です。加害者ではなく、被害者の心理、行動パターンを分析し、「理想的な被害者」として囮捜査専門に任命された女性が活躍するシリーズ。各巻で、作品のタイプを変えるというトリッキーなところが人気です。題名を見て躊躇している人、これは優れたミステリのシリーズなので、迷ってはいけません。 |
| 集英社文庫 | 『傭兵ピエール』佐藤賢一 傭兵部隊の長、ピエールは戦いの中、不思議な少女に出会う。彼女の名はジャンヌ・ダルク…。導かれるようにオルレアンの戦いへと突き進んでいく。英軍の捕虜になったジャンヌ・ダルク。彼女を救出するという密命を受けた傭兵ピエールは、単身敵地に潜入する…。こうした歴史物、いいですね。もしかしたら、本当にあったかもしれない、あったらすてきな事件…。それを読み物にしてわたしたちを楽しませてくれる、これは素晴らしいことです。 |
| 小学館文庫 | 『柳生十兵衛死す』山田風太郎 93年度このミス17位。我孫子武丸の『殺戮にいたる病』と、法月綸太郎『ふたたび赤い悪夢』の間のランクと言えば、買いたくなるでしょう?おもしろいです。でもやっと文庫化、ではありません。すでに富士見時代小説文庫にありますね。 |
| 新潮文庫 | 『「吾輩は猫である」殺人事件』奥泉光 漱石の『吾輩は猫である』の世界を舞台にしたミステリ。話題になりました。このミス97年度で16点(21位相当)を獲得した作品。文庫化が早いですね。待っていてよかった。 |
| 創元推理文庫 | 『五つの時計』鮎川哲也 どんどん刊行が遅れるという…2月中には出るのでしょうか。期待しています。 |
| 廣済堂文庫 | 『異形コレクション グランドホテル』井上雅彦監修 ホラーアンソロジーも9冊目。今回は京極夏彦登場。恩田陸、新津きよみ、山田正紀…このシリーズは揃えることをおすすめします。 |
| 中公文庫 | 『宝島』スティヴンス(スティーヴンソン) 冒険小説の金字塔。シルバーの名はあまりにも有名。この機会に、名作を読み返してみましょう。しかしなぜ今…? |
| ハヤカワ文庫 | 『策謀と欲望 上・下』ジェイムズ 92年度このミス第1位の作品がようやく文庫化です。地味ですが堅実な作品づくりをするジェイムズ。ずいぶん待ちました。 |
| ハヤカワ文庫 | 『ロス・アラモス運命の閃光』キャノン 上760円 下800円 第二次世界大戦末期。アメリカでは原爆の研究開発が進められていた。研究所の保安部員殺人事件を究明しようとする陸軍の情報部員…。 |
| 文春文庫 | 『少年時代 上・下』マキャモン 上619円 下667円 名作ですね。郷愁に満ちあふれたミステリ。96年度このミス第2位。泣けます。笑えます。感動します。結末、いいですよ。買いです。 |
| 光文社文庫 | 『伯爵夫人の宝石』スレッサー 648円 短編小説の名手、スレッサーを取り上げたアンソロジー。英米の短編作家を取り上げたこのシリーズは貴重だと思います。収録作品は、表題作の他、 『世界一親切な男』『シェルター狂想曲』『ハローという機械』『壜』『ハーリーの運命』『目』『不法所持』『狙われたハート』『濡れ衣の報酬』『帰郷』『遅すぎた手紙』『明日は我が身』『内輪の秘密』『問題の女』『取引』『第二の評決』です。このシリーズ、買っておきましょう。 |
| 集英社文庫 | 『トレント最後の事件』ベントリー 乱歩の選んだミステリベスト10のシリーズ。推理小説史上、恋愛小説としての要素を取り入れ、革命的なストーリー展開をもたらしたといわれる名作です。これは基本。しっかり読みましょう。 |
| その他 | 講談社ノベルス『私が彼を殺した』東野圭吾 『どちらかが彼女を殺した』に続く、読者に挑戦するミステリ第二弾!犯人わかります? 徳間ノベルス『ディオニシオスの耳』湯川薫 1989年、モントリオールの教会の尖塔に串刺しにされた日本人留学生。それから10年…。集まった当時の関係者たちに惨劇が…。村上陽一郎、竹本健治、藤木稟推薦。 角川文庫『聖殺人者・イグナシオ』花村萬月 河出文庫『犬のミステリー』鮎川哲也編 先月の『猫のミステリー』に続いて、以前の作品の復刊ですね。犬を題材にしたミステリのアンソロジーです。 幻冬舎文庫『赤き馬の使者・探偵物語』小鷹信光 600円 先日『探偵物語』が出版されたので、今回はその第二弾ですね。貴重なのでお好きな方はどうぞ。 講談社文庫『朽ちた樹々の枝の下で』真保裕一 876円 森林作業員が自衛隊演習場の側で救出した謎の女性。作業員は、その後突然逃亡した彼女を捜し、真実を追い求める。 講談社文庫『忍法八犬伝』山田風太郎 714円 八犬伝から150年後。あの八つの珠をすり替える服部半蔵と、八犬士の子孫たちとの戦い。 講談社文庫『ファンレター折原一 552円 性別、年齢が不明な謎の覆面作家「西村香」をめぐって起こる事件の数々。もう誰を取り上げたかおわかりですね。楽しく読めることでしょう。 』 講談社文庫『李歐』高村薫 714円 『わが手に拳銃を』を下敷きに、書き下ろした作品です。 光文社文庫『犬笛』西村寿行 かつて映画化されて話題になった誘拐ものの名作。題の「犬笛」は、犬にしか聞こえない高い周波数の音を出す笛のこと。この音が誘拐事件の大きなヒントになるのですが、アクション満載でよい作品です。しかしなぜ今…? 徳間文庫『秋好事件』島田荘司 徳間文庫『蒋介石の黄金』伴野朗 これはおもしろいです。歴史の影に、もしかしたらあったかもしれない事件。伴野朗の得意なジャンルです。前は角川文庫でしたね。 双葉文庫『腐食の街』我孫子武丸 近未来SFシリーズ。2024年の東京。 ハヤカワ文庫『サンドリンガム館の殺人』ベニスン これはメイド探偵の活躍するミステリですね。前作は『バッキンガム宮殿の殺人』。エリザベス女王が出てくるのにはびっくり。楽しい作品ですね。今回も期待です。 文春文庫『吸血鬼に手を出すな』カミンスキー 『虹の彼方の殺人』でハリウッドの黄金期を舞台にしたミステリを披露したカミンスキー。懐かしいですね。今回も一応買ってみました。 創元推理文庫『スキナーの追跡』 スキナーシリーズ第3弾。何の気なしに引き受けた事件から、麻薬取引を追う署長補佐の活躍。 |
1月
| 12月に、エーアイ出版『WWWイエローページ vol.6』が発売されました。文学のサイトの中で、この「Mystery Best ???」が写真入りで紹介されました。これもみなさまのおかげです。これからもがんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 |
| ハルキ文庫 |
『死のある風景』鮎川哲也 結婚目前の女性の失踪、死体の発見…。自殺であるはずがないと考える妹。そしてさらに起きる失踪、殺害事件。おもしろそうでしょう?鬼貫警部の登場する傑作ミステリです。20年ほど前に角川文庫で読みました。未読の方、これは買いです。 |
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ハルキ文庫 |
『私という名の変奏曲』連城三紀彦 モデルが毒殺され、容疑者は逮捕される。ところが、別の人物が自分が真犯人と名乗りを上げ、また別のところでは自分が犯人だと信じる人物が登場。さて、何人「真犯人」が登場するか―。連城三紀彦にしては軽く、しかしひねったミステリになっています。『ミステリ・ベスト201』ではA級作品として紹介されています。双葉文庫で出ていましたので、もうお読みの方は多いことでしょう。 |
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光文社文庫 |
『さかしま砂絵』都筑道夫 ひさびさの砂絵シリーズ。なめくじ長屋の面々と、砂絵の先生が江戸を舞台に事件を解決するミステリ。江戸時代だからこそ成立するトリックやストーリー。テレビの時代劇を想像して古くさいとか単調だとか思っているようではいけません。この手の捕物帖を未読の方、読まないと損です。 |
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創元推理文庫 |
『五つの時計』鮎川哲也 遅れましたね。1月中に確実に出るでしょうか?1957年の作品。短編集ですね。 |
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新潮文庫 |
『極大射程』(上・下)ハンター はじめにお詫びです。これは12月の新刊ですが、載せ忘れていました。『ダーティーホワイトボーイズ』『ブラックライト』のハンターの作品。上記の作品に登場するスナイパー、ボブの登場する第一作だそうです。翻訳の順序が違ってしまったということらしいですね。売れてから前の作品を掘り出すというのはよくあるパターン。2作が気に入った人は買ってもいいかも。わたしは『ダーティー…』はさほどよいとは思っていませんが、これは楽しめる作品です。 |
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新潮文庫 |
『魔術師の物語』ハント 895円 12月の新刊でした。遅れてすみません。何しろ手に取らないと紹介しづらい、というもことがあるので。色彩を判別できない女性写真家が、親友の死の謎を追うという話。15年前の連続殺人鬼の復活?というサスペンスがおもしろそうです。匿名の作家の第一作。新人や匿名の作家の処女作が翻訳されるときは、狙った方が吉、というのが持論です。はずれたらごめんなさい。 |
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集英社文庫 |
『帽子蒐集狂事件』カー 乱歩が選んだ世界の傑作ミステリベスト10の中の1冊。1933年の作品。題は知っていても、未読の方多いのでは?新訳なので、たぶん読みやすいと思います。この文庫のシリーズは、解説部分がていねいなので、お買い得かもしれません。 |
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角川文庫 |
『フロム・タイム・トゥ・タイム』フィニー フィニイの作品ならば買います。『ゲイルズバーグの春を愛す』(ハヤカワ文庫)内の『愛の手紙』の感動、『ふりだしに戻る』(角川文庫)のおもしろさ、たまりません。 |
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創元推理文庫 |
『惜別の賦』ゴダード これは『Borrowed Time』(1995)の訳? |
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ハヤカワ文庫 |
『王女マメーリア』ダール ロアルド・ダールの久々の文庫です。未読なのですが、「買い」としておきます。テレビのヒッチコック劇場でダールの作品に出会った方もいらっしゃるはず。『あなたに似た人』はミステリのランキングに何度も登場するほどの傑作短編集。未読の方はどうぞ。 |
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その他 |
同文書院『すごいっ!ミステリーはこんなふうにして書く』 女性文学会 1300円 講談社文庫『痾』麻耶雄嵩 629円 講談社文庫『伊賀忍法帖』山田風太郎 619円 文春文庫 『地を這う虫』高村薫 新潮文庫 『球形の季節』恩田陸 新潮文庫 『死んでも忘れない』乃南アサ 角川文庫『レ・ミゼラブル 3,4』ユゴー 講談社文庫『警視の夢』クロンビー 扶桑社ミステリー 『ドイルと、黒い塔の六人』フロスト 扶桑社ミステリー 『ポーをめぐる殺人』ヒョーツバーグ |
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1997年3月〜9月 1997年10月〜12月 1998年1月〜6月 1998年7月〜12月