の文庫が買い時

Mystery Best ??? 「この文庫が買い時」の部屋にようこそ!
このページには、1998年7月〜12月の買い時文庫が収録されています

 ここでは、ぶらぶらと歩いていて、書店で見かけた文庫本や、これから出る本を紹介します。文庫落ちまで待ったもの、名前も知らなかったけれど面白そうなものなどいろいろです。4000冊の経験に裏付けられたものばかり…とは言えませんが、ミステリで、作品としてよさそうかな、というものにしぼってあります。ですから、たくさん売れているシリーズものなどでも、質的によいものでなければ載せることはありません。月の途中でも更新していることがあるので、よかったらまたチェックしてください。

 文庫は、ハードカバーから、あるいは新書からと落ちてくる最後の形です。ですから、この時点で購入しておくことをお勧めします。わたしなどは、ハードカバーは高いし場所をとるので買うことはありませんが、文庫は見つけたらすぐに買います。文庫の命は短く、知らないうちに書店の棚から消えてしまうのです。「本は、見つけたらすぐに買う。」これが鉄則です。読み捨てにしないで、帯のついているうちに買い、大切にしてあげてくださいね。

 

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以前の『この文庫が買い時』を見る

1997年3月〜9月

1997年10月〜12月

1998年1月〜6月

1999年1月以降

 

文庫発売予定日

小学館  6日 文春  10日 講談社 15日 中公  18日
集英社 25日 角川  25日 新潮  28日
ハヤカワ、創元は月途中に分散して出版

 

12月 今年最後の『この文庫が買い時』です。あなたがよい本にめぐりあえますように。

 9日に『99年版 このミステリーがすごい!』(宝島社)が出ました。
 ランキングに入った作品が誰でも必ずおもしろく読めるというわけではありません。また、圏外の作品にもあなたに合った作品がきっとあると思います。
 しかし、多くの人にアンケートをとった結果はやはり大切にしたいもの。毎年結果を楽しみにしている方も多いでしょう。
 今年、『この文庫が買い時』で強く推した作品は、『邪馬台国はどこですか』『人狼城の恐怖』『猿来たりなば』『闇に浮かぶ絵』などなど、国内、海外ともランキングにしっかり入りました。10位以内では、唯一『囚人同盟』リーマン(光文社文庫)を見逃しておりました。ごめんなさい。
 信頼できる作品選びを目指して、来年もがんばります。このページがもっとメジャーになることを願って…。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

角川ホラー
文庫

『黒い家』貴志祐介   920円

 第4回日本ホラー小説大賞受賞作。保険金詐欺から始まる恐怖の世界。このミス98年第2位。なぜこんなに早く文庫化されるのでしょうねえ…。

角川ホラー
文庫

『二重螺旋の悪魔』梅原克文  960円

 近未来、科学の発展から、人間の潜在能力を驚異的に発揮させることが可能になった…SFアクションという感じですね。梅原克文はこの作品の後、『ソリトンの悪魔』で京極夏彦の『魍魎の匣』とともに日本推理作家協会賞を受賞。読みやすい作品なので、あっという間に読めます。

角川ホラー
文庫

『D−ブリッジ・テープ』沙藤一樹   420円

 舞台は近未来。ゴミが溢れたベイブリッジで少年の死体とカセットテープが発見される。第4回日本ホラー小説大賞短篇賞受賞作。

角川ホラー
文庫

『レフトハンド』中井拓志   760円

 製薬会社から謎のウイルスが漏洩する。致死率100%、そして研究者は実験棟を乗っ取った…。第4回日本ホラー小説大賞長篇賞受賞作。

角川ホラー
文庫

『ドッペルゲンガー奇譚集』角川書店編   620円

 収録作品は以下の通りです。
『知らない旅』阿刀田高 『ディオリッシモ』小池真理子
『チューリップ・チューリップ』筒井康隆
『分身』横田みず子 『誰……?』生島治郎
『エイプリル・シャワー』森真沙子 『待っている女』山川方夫
『桔梗合戦』皆川博子 『高所恐怖症』都筑道夫
『忘れられた姉妹』赤川次郎

ハルキ文庫

『コミケ殺人事件』小森健太朗

 『ローウェル城の密室』で驚愕の密室トリックを使った作者がコミケの世界を舞台にしました。文庫化を待っていた人も多いはず。『ミステリ・ベスト201』にランキングされております。

講談社文庫

『すべてがFになる』   714円

 先月出版の予定でしたが、ずれ込みました。犀川・萌絵と天才科学者をめぐる殺人事件。場面を想像するだけでとてつもなく怖いです。話題になった作品ですので、ご存知の方が多いと思いますが、シリーズ第1作で、これはまあおもしろい作品ではあります。

講談社文庫

『あなたが名探偵』西村京太郎他   762円

 1972年3月〜1980年4月に刊行された、『現代推理小説大系』の月報に掲載された犯人当て小説を集めたもの。単行本未収録の作品がいくつも入っています。中身は各編ごとに袋とじがついています。鮎川哲也、都筑道夫、陳舜臣、仁木悦子、佐野洋…豪華です。正しい買い方は、2冊買って1つは袋とじを開け、もう1冊はそのまま保管という方法。買いです。

光文社文庫

『悲劇の夜行列車』西村京太郎他   590円

 鉄道ミステリーの傑作集。収録作品は以下の通り。
『夜汽車は走る』有栖川有栖 『昇仙峡殺人事件』津村秀介
『遠い美少女』笹沢左保   『鉄橋』綾辻行人
『乗り合わせた客』中津文彦 『夜行列車』風間一輝
『オフェリアは誰も殺さない』山村正夫
『山手線日の丸』戸板康二  『峠』原田康子
『阿蘇で死んだ刑事』西村京太郎
 たぶん買いたくなったことでしょう。

中公文庫

『七人の中にいる』今邑彩

 ペンション経営者に届けられた謎の手紙。21年前のクリスマスに惨殺された家族の生き残りとして、復讐に行くから…。さて、ペンションに来た客のだれが脅迫者なのか…。

創元推理文庫

『五つの時計』鮎川哲也 北村薫編

 鮎川哲也の短編集のようですね。『五つの時計』は、1957年に「宝石」の8月号に載った作品。角川文庫の中島河太郎編『宝石傑作選』に収録されていたアリバイ崩しの名篇だということです。伊藤さんからお知らせをいただきました。ありがとうございます!

角川文庫

『レ・ミゼラブル』ユゴー

 1,2巻が発売のようです。牧師に助けられ、正しく生きる道に気づいたジャン・バルジャン。執拗に追う警官ジャベール。数奇な運命が読者の感動を呼ぶ名作です。映画、演劇で知っている方も多いと思いますが、やはりこれくらいの作品ならば、小説できちんと読むのは社会人・学生としては常識ではないかと声を大にして言いたい!というより読まないで一生終えたら損です。でもなぜ今出るの?

光文社文庫

『ホーン・マン』ハワード   686円

 光文社の「英米短編ミステリー名人選集」の第2巻ですね。『ホーン・マン』はいい。MWA賞受賞作。買い。

集英社文庫

『赤い館の秘密』ミルン

 ミルンは、『くまのプーさん』の原作者です。でも、この名作を書いたことで、ミステリ界でも知らない人はいないほどになりました。乱歩が選んだ世界名作ミステリシリーズとして刊行されます。創元推理文庫にもあります。

創元推理文庫

『自殺の殺人』フェラーズ

 『猿来たりなば』がよかったフェラーズの作品がまた翻訳されます。未読なので、こちらは内容分かったら紹介します。でも、買った方がいいと思います。何でもポケミスの『私が見たと蠅は言う』の解説部分に、この『自殺の殺人』のネタバレがあるそうで…。危険です。

創元推理文庫

『闇からの声』フィルポッツ

 夜な夜な聞こえる、いるはずのない子どもの声。『赤毛のレドメイン家』の作者フィルポッツのミステリの傑作です。はっきり言って、『レドメイン』よりおもしろいです。創元推理文庫の復刊。出版部数が限定されているでしょうから、急いで書店に行きましょう。近所に大きな書店がない場合は、すぐに取り寄せ!

創元推理文庫

『完全殺人事件』ブッシュ

 こちらも復刊。かつて新潮文庫でも出版されていたというブッシュの名作。「完全」という題が示すとおり、見事に構築された犯罪を暴くことができるか…という作品。古典です。これは読まないといけません。

創元推理文庫

『完全犯罪大百科 上・下』クイーン

 悪党が活躍する作品ばかり集めた珍品。以下、復刊が続きます。

創元推理文庫

『13の秘密 第1号水門』シムノン

 1963年に文庫初版ですから…。多少読みづらいとは思いますが、これを機にメグレシリーズを読んでみよう、という方でもいらしたらうれしいです。

創元推理文庫

『死の館の謎』カー

 カーは最近人気なので、復刊されたのでしょう。

創元推理文庫

『血に飢えた悪鬼』カー

 こちらも復刊です。

ハヤカワ文庫

『封印の数字』ダニング

 『死の蔵書』『幻の特装本』で本好きの探偵を生みだし、ミステリファンの心をつかんだダニング。きっとこれも売れるでしょう。

文春文庫

『ドロレス・クレイボーン』キング   590円

 96年このミス19位。老嬢が語る人生の物語。キングなので、期待しています。

文春文庫

『リトル・クロウは舞いおりた』サリヴァン   695円

 ハンティング・ツアーの一行が、次々に襲われていく。インディアンの血を受け継ぐダイアナ(リトル・クロウ)は、謎の敵に敢然と立ち向かった…。ピュリッツアー賞候補、小説3作目の本書でMWA賞候補となった作家。しかも本邦初訳。新しい作家の作品には目を通すのがよいとわたしは思います。

その他

中公文庫 『プレゼント』若竹七海
 97年度このミスで8点獲得。麻耶雄嵩『あいにくの雨で』と同点です。

中公文庫 『犯罪小説集』谷崎潤一郎

講談社文庫『忍法帖シリーズ 甲賀忍法帖』山田風太郎 590円
講談社文庫『忍法帖シリーズ 忍法忠臣蔵』山田風太郎 590円
 近年復刊が多くなってきた山田風太郎。明治ものならちくま文庫、その他のミステリ系は廣済堂文庫などで入手可能ですが、やはり忍法帖シリーズは落とせません。お求め安くなって新登場。おそらく全部刊行されるので、この際揃えてはいかがでしょう。

講談社文庫『佐野洋短篇推理館』佐野洋 667円
 これまで単行本に未収録だった作品を集めた文庫オリジナル。ということは、文庫が品切れになると読めなくなる…というわけで買ってもいいでしょう。ところで、『一本の鉛』はもうお読みでしょうか。これは名作です。基本です。

小学館文庫『セラフィムの夜』花村萬月
 最近人気ですね。95年度このミスで7点獲得。香納諒一の『春になれば君は』、稲見一良の『花見川のハック』と同点と言えば読む気になるでしょう。わたしにはちょっと…。

集英社文庫『北京悠々館』陳舜臣
 え?なぜ今陳舜臣なの?という感じですがお好きな方もいらっしゃるでしょうから、お知らせします。乱歩賞『枯れ草の根』推理作家協会賞『孔雀の道』『青玉獅子香炉』はお読みになりました?

講談社文庫『業火』コーンウェル
 コーンウェルは出せば売れるという状況になりましたね。ファンが多いですから。わたしは…買ってしまいました。

宝島文庫『クーデター』楡周平 762円
 『Cの福音』が気に入った方に。

扶桑社ミステリー『二分間強盗団、奔る』リード 762円
 作者は銀行強盗の方です…というのも変ですが、服役中に書かれたものだそうです。「本の雑誌」ではよさそうなことが書かれていました。読んでもいいかも。

徳間ノベルス『黄泉津比良坂、血祭りの館』藤木稟 1000円
 陀吉尼、ハーメルンと不思議なミステリを書いてきた作者の新作。でも、これって前編なのです。後編は来年に出るので、それまで書庫入りです。

講談社ノベルス『QED』高田崇史 880円
 第9回メフィスト賞受賞作。百人一首の謎を解き、殺人事件もありのミステリ。百人一首の説明部分は楽しめます。

講談社「メフィスト」 1500円
今回は京極夏彦の『鳴釜』。榎木津が活躍する短編。そして綾辻行人『どんどん橋、落ちた』『ぼうぼう森、燃えた』。わたしは、二階堂黎人の『素人カースケ世紀の対決』で笑いました。

 

11月 静かな月です。押さえるべきところは押さえましょう。

角川文庫

『天使の牙』大沢在昌

死亡した女刑事の脳を、麻薬王の愛人に移植して組織を倒そうというSFのような設定で始まる作品。96年度このミス第10位。

ハルキ文庫

『連城三紀彦コレクション4 夜よ鼠たちのために』連城三紀彦

講談社文庫の『夜よ鼠たちのために』と『密やかな喪服』を再編集した内容になっています。品切れになった諸作をまだお読みでない方はハルキ文庫で揃えましょう。花葬シリーズとは違う味わいがある作品群です。

光文社文庫

『本格推理13巻』鮎川哲也編   705円

このシリーズも13冊目。続けて買っている人も多いでしょう。一般から公募した短編を厳選して収録するアンソロジー。今回は、鮎川哲也の短編が収録されています。

中公文庫

『今夜は眠れない』宮部みゆき 571円

いきなり五億円をもらったらどうなるか―。相場師から遺産をもらった家族の悲喜劇。ノベルズ版から落ちてきました。

河出文庫

『恐竜文学大全』東理夫   998円

『怪獣文学大全』がよかったので、これもきっと買いでしょう。星新一の『午後の恐竜』、香山滋の『水中生活者の夢』、河野典生の『トリケラトプス』等を収録。

双葉文庫

『ホック氏の異郷の冒険』加納一朗   581円

 第37回日本推理作家協会賞受賞作。以下4冊はこの受賞作全集のものです。ホームズがライヘンバッハの滝で消息を絶ったころ、日本にやってきた碧眼の名探偵ホック氏。ホームズのパスティーシュとして有名な作品。日本であの人が活躍してくれるというのが実にうれしい。角川文庫で品切れになってから久しいのですが、ようやく手軽に入手できるようになりました。これは、買い。ついでに第二作の『紫禁城…』も出るとよいのですが。

双葉文庫

『傷ついた野獣』伴野朗   581円

 第37回日本推理作家協会賞、短編及び連作短篇賞の受賞作。伴野朗は、『五十万年の死角』で北京原人の骨の行方不明事件を取り上げ、その後歴史ミステリの傑作、佳作を生み出しました。おもしろい作品たくさんありますよ。わたしは、『必殺者』がよいと思います。

双葉文庫

『金属バット殺人事件』佐瀬稔   524円

 第38回日本推理作家協会賞の評論その他の部門賞を獲得した作品。

双葉文庫

『壁―旅芝居殺人事件』皆川博子   400円

 第38回日本推理作家協会賞受賞作。以前に文春文庫にあったものの、品切れ中で入手しにくかった作品。この機会に読むのはいかがでしょう。各種ランキングでも上位に入っている作品です。

講談社文庫

『すべてがFになる』森博嗣

 これは延期になりましたね。来月出るかな。第2回メフィスト賞受賞作。犀川・萌絵のシリーズ第1作で、ここから森ミステリが始まりました。話題になっている作家なので、未読の方は要チェックです。

文春文庫

『ビッグ・ノーウェア』エルロイ 上下各629円

『ブラック・ダリア』に続くロス・シリーズ2作目。3作目の『L・Aコンフィデンシャル』は映画化に合わせてすでに文庫になっています。96年度このミス11位。

新樹社

『悪魔のひじの家』カー   2000円

 ハードカバーですが、カーなので一応紹介。
 未訳の作品が最近日の目を見るようです。晩年の傑作という売り込み。フェル博士大活躍です。翻訳が読みやすそうな感じ。

偕成社

『不思議を売る男』マコーリアン   1500円

 すみません。これ、四六判ハードカバーです。しかも児童書。ところがミステリとしても一級品。これ、買いです。骨董品屋に押しかけアルバイトに来た謎の男。お客が来るたびに品物にまつわる不思議な話を始めます。そして最後に…というプロットに凝った作品。6月に出たものですが、11月に知りました。ほわいとぼーどの友野さんのお薦め(リンクの部屋から行けます)。まだ初版が手に入ります。

その他

角川文庫『真夜中の犬』プリュソロ   700円
 先月分に入れ忘れました。フランス推理小説大賞・冒険小説大賞受賞作。超高層ビルの屋上をねぐらにする男の話。フランスのスティーヴン・キングだそうです。

角川文庫『ムーチョ・モージョ』ランズデール 840円
 『罪深き誘惑のマンボ』の作家によるシリーズです。でも、こちらは『罪…』の前作にあたるもの。シリーズで第2作だそうです。1作目は未訳ですね。

光文社カッパノベルス『クロスファイア』宮部みゆき 上下各819円
 新書です。同じカッパノベルスの『鳩笛草』の中に収録されている『燔祭』という作品の続編です。念力で対象物を発火させる能力を持つ女性が主人公。こちらもまだ文庫化されていないので、新書で揃えてください。

徳間文庫『殺意が見える女』新津きよみ 514円
 折原一の奥さん、新津きよみの初の短編集。日本推理作家協会賞の短篇賞候補になった作品です。文庫オリジナルです。

講談社文庫『違法弁護』中嶋博行 667円
 『検察捜査』で乱歩賞を受賞した作者の第2作。第3作『司法戦争』と併せることで、検察、弁護、司法という法曹三部作となります。ですから、全体像で作品をとらえるためにはこちらを読む必要があるのです。

講談社文庫『魔女のソナタ 伊集院大介の洞察』栗本薫 619円
 根強い人気を持つ伊集院シリーズ。ノベルス版から落ちてきました。

講談社文庫『天空の蜂』東野圭吾 838円
 爆薬を積んだヘリコプターが、テロリストに奪われた!という設定でいつもと違うアクションを見せる東野圭吾の力作。東野圭吾という作家は質の高いミステリを出しますね。しかもパターンが多彩。ファンは多いですよ。『秘密』も売れているようですしね。

講談社文庫『総門谷R 小町変妖篇』高橋克彦 638円
 平安朝の京都を舞台にした伝奇SF。総門谷の文庫はこれで4冊目になります。

 

10月 海外が弱いかな…。9月と比べると決め球に欠けるような。

ハルキ文庫

『時の森殺人事件4〜6』吉村達也

中公文庫で出ていたものの再文庫化。全6巻ということで、時間のあるときにどうぞ。評価は大きく分かれます。

幻冬舎文庫

『聴覚』山田正紀

「女囮捜査官」シリーズの第3弾。このシリーズはよいです。いかがわしい題名と思って買わないでいると損します。第1巻から読みましょう。

幻冬舎文庫

『探偵物語』小鷹信光

松田優作主演のテレビドラマ『探偵物語』の原作。文庫で読めるようになりました。幻冬舎…これに目を付けるというのはなかなか渋い選択です。掘り出し物。

廣済堂文庫

『チャイルド』井上雅彦編

ホラーのアンソロジー。このシリーズ、これまでのものをすべて買っていますが、なかなかのメンバーで唸らされる作品もいくつか入っていました。今回も期待です。

講談社文庫

『殺人喜劇の13人』芦辺拓

鮎川哲也賞の第1回受賞作。創元のハードカバーでした。このミス92年度第20位。この年の同位は、宮部みゆき『返事はいらない』、山田風太郎『室町お伽草紙』となっています。これらは既に文庫化されていますので、読み比べてみてはいかがでしょう。

講談社文庫

『琥珀の城の殺人』篠田真由美

91年、第2回鮎川哲也賞の最終候補になった作品。こちらも創元のハードカバーからの文庫化。ハンガリーの城館で起こる密室殺人。買いです。

講談社文庫

『七回死んだ男』西澤保彦

文庫化が遅れていましたが、今月は出るようですね。荒唐無稽な設定でミステリファンを楽しませてくれます。

光文社文庫

『見知らぬわが子』夏樹静子   495円

作品が多いだけにどれから読んだらよいか分からず、夏樹静子の作品にふれていないミステリファンもいるはず。新本格と古典にはさまれた時期のもので、忘れられてしまうこともありますが、これは読まなくてはいけません。この他、夏樹静子は『蒸発』をはじめ、レベルの高い作品をいくつも書いています。以前講談社文庫で出ていました。

集英社文庫

『地下街の雨』宮部みゆき   533円

ファンが多い宮部みゆき。これは早い文庫化ですね。

祥伝社文庫

『龍の契り』服部真澄

96年度このミス第16位。香港の中国返還に関わる謎。早い文庫化ですね。

文春文庫

『天皇の密使』丹羽昌一   552円

ミステリー大賞受賞作ということで。

二見文庫

『殺し屋』ブロック   790円

MWA賞を2度受賞した短編シリーズ。ケラーという殺し屋が主人公です。すでに、『現代ミステリーの収穫』で『ケラーの療法』、『馬に乗ったケラー』が訳されて紹介されていますが、今回の『殺し屋』は連作の形での出版ですので、シリーズキャラクターとしての面白さを存分に楽しめることと思います。

集英社文庫

『アクロイド殺害事件』クリスティ   686円

乱歩が選んだ海外ミステリの傑作をシリーズ化してしまうという作戦に出た集英社。シリーズ、と聞くと思わず買ってしまいますね。もしも、ですよ。これを読んでいないミステリファンがいたら…これから驚くことができるのだから幸せですよね。

集英社文庫

『黄色い部屋の謎』ルルー   724円

上のシリーズ。古典中の古典。わたしは講談社文庫で読みましたが、ハヤカワ文庫でも読めます。タイトルだけ知っているという人は、必ず読みましょう。新しい作品だけ読むのではなく、昔の作品を知ることで、ミステリの進化や変遷を理解することができるのです。

ハヤカワ文庫

『帽子屋の休暇』ラヴゼイ   620円

19世紀末のイギリスの避暑地ブライトンを舞台にした作品。クリップ部長刑事のシリーズ4作目です。

ハヤカワ文庫

『森を抜ける道』デクスター   800円

このミス94年度第5位。モース警部シリーズお得意の失踪事件。ポケミスからの文庫化です。

ハヤカワ文庫

『カムバック・ヒーロー』コーベン   780円

来ましたね。『沈黙のメッセージ』のマイロンシリーズ。これはMWA賞の受賞作。買いましょう。これ、三作目ですから、第一作から読むのもそれほどつらくないでしょう。ぜひどうぞ。

新潮文庫

『罪の段階』パタースン 上781円 下743円

95年度文春傑作ミステリーベスト10第9位。茶木則雄が絶賛している作品です。『ラスコの死角』(ハヤカワ文庫)でアメリカ探偵作家クラブ賞の最優秀処女長篇賞を受賞した作家の作品。『ラスコ…』はおもしろいです。もう一つの邦訳作品『アウトサイド・マン』はまあまあ。

創元推理文庫

『ホームズとワトスン─友情の研究』トムスン   720円

ホームズファンの方は見逃すことのできない作品でしょうね。

その他

光文社文庫『女を脅した男』レンデル 495円
『追いつめられて』の題名が予定と変わったのですね。光文社は、英米の作家による短編小説集のシリーズを始めました。これは揃えることをおすすめします。

集英社文庫『新版・ミステリーを書いてみませんか』斎藤栄 571円
↑これは遅れるようです。集英社の新刊情報のページにはありませんでした。このページを見てくださった方からのご指摘をいただきました。感謝します。

徳間文庫『灰色の仮面』折原一 552円
講談社文庫と読み比べてはいかが?

文春文庫『水の眠り・灰の夢』桐野夏生   590円
96年度このミスで7点とっていますね。浅田次郎の『プリズンホテル 冬』と同位です。

 

9月 す、すごいラインナップ…。角川と講談社ががんばりますね。よい作品を多くの人が読むことができるようにするのは大切なことです。今月は出費がかさんでも仕方ないですね。来月は『殺人喜劇の13人』や『金田一少年の事件簿』の文庫版も出るそうです。

角川文庫

『見知らぬ乗客』ハイスミス

20年くらい前に、『太陽がいっぱい』『贋作』と一緒に角川のハイスミスが出ていました。わたしはそのころ買って読みました。小学校の5,6年生でした。まだ大切にとってあります。その後、この2作は他の文庫で復刊しましたが、『見知らぬ乗客』だけは幻のままでした。ですから、これは大変なことなのです。ヒッチコック映画もよかった作品。ぜひとも購入されることをお勧めいたします。

角川文庫

『リリアンと悪党ども』ケンリック   720円

抱腹絶倒のミステリ。そして名作です。この他『スカイジャック』なども出るそうです。ケンリックは笑えるミステリの代表格。古本屋でも見かけますが、新刊で手軽に買えるのはうれしいですね。未読の方は、まとめて買うこと。損はしません。

角川文庫

『スカイジャック』   720円

角川文庫

『マイ・フェア・レディース』   720円

角川文庫

『マタレーズ暗殺集団』ラドラム

名作『暗殺者』のラドラムの作品。スターリンの時代から暗殺をしていたという謎のグループに、KGBの工作員が挑みます。宿敵のアメリカのエージェントと力を合わせて立ち向かうことができるか…。復刊されるものとしては新しい部類ですが、未読の方はどうぞ。

角川文庫

『夢果つる町』トレヴェニアン   720円

トレヴェニアンは有名なので、これはお読みになった方が多いと思います。雰囲気が好きだ、という声をよく聞きます。これはいいですよ。88年度このミス第1位!文春第2位!

角川文庫

『バスク、真夏の死』トレヴェニアン   720円

もし、トレヴェニアンが気に入ったら、『アイガー・サンクション』と『シブミ』を探しましょう。

角川文庫

『ホット・ロック』ウェストレイク   720円

ケンリックもおもしろいけれど、ウェストレイクもユーモア・ミステリの作家として忘れてはなりません。最近ハヤカワからいくつか出ましたが、この『ホット・ロック』は名作です。

角川文庫

『強盗プロフェッショナル』ウェストレイク   720円

この他角川は50周年のためか強力な作品を並べています。迷ったら全部買いましょう。

双葉文庫

『プラスティック』井上夢人   667円

複数の男女の書いたワープロ原稿から構成されたミステリ。迷宮へと読者を誘う不思議な作品。95年度このミス第11位。解説は千街晶之ですが、予告してネタバレをしています。要注意。

講談社文庫

『江戸川乱歩賞全集1 探偵小説辞典』中島河太郎 1190円

乱歩賞が手軽に読めるようになりました。これまで何冊かは品切れだったものが、全集として再文庫化されます。『探偵小説辞典』は、第1回の受賞作で、ミステリに関する項目を50音順に整理したもの。また、第2回はポケットミステリの創刊に対して早川書房に贈られたので、出版リストを収録してあります。解説は権田萬治。北方謙三のエッセイを収録。

講談社文庫

『江戸川乱歩賞全集2 猫は知っていた 濡れた心』
仁木悦子 多岐川恭 1190円

このシリーズ、選考評をそのまま収録し、さらに現代の作家の解説を載せているところがミソ。既に読んだ方もこれを機会に再読というのはいかがでしょう。

仁木兄妹が活躍する傑作『猫は知っていた』。時代を経てもなぜか古さを感じない作品。根底に流れる温かさ、優しさに好感を持つ人も多い名作です。これが気に入ったら、講談社文庫(品切れ)『林の中の家』を探しましょう。『黒いリボン』は、角川文庫のリバイバルで復刊されたばかり。わたしは、仁木悦子大好きです。よいですよ。

『濡れた心』は女子高生の同性愛が事件となるミステリ。講談社の大衆文学館でも読めます。多岐川恭には、『異郷の帆』(大衆文学館で読めます)や、『ゆっくり雨太郎』に代表される時代物もあります。また、短編集『落ちる』(徳間文庫 品切れ?)や、ハードボイルド『氷柱』(講談社文庫 品切れ?)も完成度の高い作品です。

講談社文庫

『江戸川乱歩賞全集3 危険な関係 枯草の根』
陳舜臣 新章文子 1190円

死亡した父親から財産を譲るという遺言を受けた大学生。しかし命を狙われ、犯人を捜すために偽装自殺をする…というあらすじだけでおもしろそうな『危険な関係』。笹沢左保の『招かざる客』(現『招かれざる客』角川文庫 品切れ)を抑えて乱歩賞を受賞した作品。

『枯草の根』は、料理人陶展文が金融業者の殺人事件を解きます。陳舜臣は『青玉獅子香炉』が直木賞受賞作。その他『玉嶺よふたたび』『炎に絵を』が有名です。しかし、何といっても『方壷園』(中公文庫)が秀抜。中国を舞台にした密室殺人。地味な短編ですが、切れ味は最高です。わたしがこれまで読んだ4千冊の中でも自信を持っておすすめできる作品です。

講談社文庫

『江戸川乱歩賞全集4 大いなる幻影 華やかな死体』
戸川昌子 佐賀潜 1190円

『大いなる幻影』移動工事の始まったアパート。これまで平穏に暮らしていた老嬢たちの秘密が次第に明かされ、事件が起こっていきます。講談社大衆文学館では名作『猟人日記』も読めますので、そちらもぜひどうぞ。人間の欲望を見事なミステリに昇華させる腕前は見事。

『華やかな死体』。食品会社社長殺人事件をめぐって、検事と弁護士の戦いが始まります。日本の三大ミステリの一つ『虚無への供物』(講談社文庫、創元推理文庫中井英夫全集)、天藤真の名作『陽気な容疑者たち』(角川文庫品切れ、創元推理文庫)を抑えて受賞したというのがすごい。ご一読を。

講談社文庫

『姑獲鳥の夏』京極夏彦   800円

「うぶめのなつ」と読みます。ついに文庫化ですね。戦後間もなく、郊外の産院で起こった謎の失踪事件の顛末。京極夏彦の第一作で、見事にファンをつかんだシリーズです。このトリックは珍しい。『魍魎の匣』よりこちらの方がわたしは好きなのです。このミス95年度第7位。文春でも第7位。その後の数作もベスト10に入るという…。まさに化物シリーズですね。文庫化されて、文章の一部修正がされています。内容に変更はなし。しかし!文庫版のカラーのしおりが入っている!解説は笠井潔!!800円なら買った方がよい。

光文社文庫

『目撃者は月』都筑道夫   495円

89年から96年までに各雑誌に収録された短編をまとめたもの。散逸すると二度と読めないので、こうして文庫化されたときにすばやく買うのが吉。

文春文庫

『8』ネヴィル   上下各705円

18世紀のフランス。宇宙を動かすほどの力を持つチェスのセット「モングラン・サーヴィス」を守るために修道女が旅立つ。そして現代…この駒を巡って争奪戦が繰り広げられる。良質のエンターテイメント。このミス92年度第16位。

新潮文庫

『沸点の街』ミッチェル・スミス   895円

7年の服役の後、強盗事件を起こした男。しかし、彼の娘は殺人鬼の手にかかってしまった。復讐を誓い、犯人を追いつめていく。悪が悪を成敗するという構図がおもしろいですね。スミスは『ストーン・シティ』が大ヒット。『エヴァン・スコットの戦争』もそこそこよいできなので、これは期待できると思います。

創元推理文庫

『猿来たりなば』フェラーズ 560円

 誘拐事件の捜査にやってきた探偵。ところがチンパンジーの殺害事件に出くわしてしまう。1942年の作品。本邦初訳。

創元推理文庫

『ひとりで歩く女』マクロイ 660円

 1948年の作品。超絶のサスペンスだそうです。マクロイの作品は翻訳数が少ないので、これは貴重。

新潮文庫

『ホワイトアウト』真保裕一

96年度このミス第1位!これは買いですね。ダムを占拠したテロリスト集団に立ち向かう男。日本版「ダイ・ハード」。一気に読めます。

光文社

 紹介依頼を受けましたので、載せます。出版社からの依頼があるというのはうれしいこと。よい情報は価値があります。これから読んでみますが、風間一輝という作家は「うまい」です。はずれがないと言ってもよいでしょう。

筋金入りの不良の物語!

『片道切符』風間一輝 著
光文社刊 発売中 定価 1,680円(税込)四六版ハードカバー
ISBN4-334-92300-3
●ストーリー
 誰かが俺にくたばって欲しいと願っている。裏稼業の我が身、狙われるのは不思議ではないが、殺し屋まで雇うとなると、思いつく奴はそう多くはない。誰であろうと、きっちり落とし前をつけてやるからな。俺は知り合いの悪徳私立探偵に調査を依頼した・・・・・・。
 詐欺師、盗難車(クルマ)屋、拳銃ブローカー、探偵、故買貿易商、そして殺し屋。危険で魅力的な筋金入りのアウトローたちが跳梁する!風間流クライムノベルの最新刊、堂々登場!!

『男たちは北へ』、『地図のない街』(ともに早川書房刊)などの作品で熱狂的ファンを持つ風間一輝氏の最新作。書評家・西上心太氏は言う。「さあ、風間流クライムノベルを読め! 風間が描く危険なアウトローの世界は、平凡な日常から逃れる「片道切符」なのだ!」男なら誰もが持っているアウトローへの憧憬。この作品は非日常への誘いです。

その他

ハヤカワのポケミスでも復刊あり。
『死の月』シャーロット・ジェイはアメリカ探偵作家クラブ賞受賞作。うれしいですね。この他にもずらりとありますので、文庫でなくても許す、という方はどうぞお求めになってください。

ハルキ文庫『時の森殺人事件』
1〜3巻です。全6巻なので、次を待って揃えてから読むとよいかも。再文庫化ですね。

講談社ノベルス『人狼城の恐怖 完結編』二階堂黎人 1100円
2年間待ってとうとう完結。世界最長の本格ミステリ。(魔法陣シリーズは…分かれているからね)。どう収拾つけるのかと心配してしまうほどの驚愕の作品。これは予想以上に骨がある作品です。

講談社ノベルス『塗仏の宴 宴の始末』京極夏彦 1200円
『宴の支度』で憑き物がついた方、しっかりと落としてもらいましょう。おもしろいです。感想は載せました。ネタバレないのでどうぞ。

 

8月 9月用に節約しておくのもよいかも…。

中公文庫

『影の車』松本清張   743円

改版だそうで、この機会に松本清張の作品を読み直すのもよいかもしれません。未読の方はどうぞ。

角川ホラー文庫

『爬虫館事件』横溝正史、江戸川乱歩、夢野久作 他   760円

「面影双紙」横溝正史 「七つの閨」水谷準 「血笑婦」渡辺啓助
「+・−」城昌幸 「灯台鬼」大坂圭吉 「火星の運河」江戸川乱歩
などを収録した短篇集。目次を見たら、買いたくなるはず。迷わず買うこと。

講談社文庫

『夏と冬の奏鳴曲』麻耶雄嵩   933円

94年度このミス17位。ノベルズ版で読んでしまいました。賛否両論ありますが、読めばわかります。意味不明かも。あなたは読んで感心しますか?それとも怒りますか?前作『翼ある闇』もどうぞ。

講談社文庫

『イコン』今野敏   762円

バーチャルアイドルをめぐる少年刺殺事件、ということです。『蓬莱』がよかったという方はどうぞこちらも。

講談社文庫

『白い沈黙』エークマン   1048円

スウェーデンの文学賞を各種受賞したミステリ。この作家の作品は、これで初めて英訳されたそうです。白夜の河畔で殺害された男女の謎が、18年後に解明されるという。深い。推します!

光文社文庫

『毒猿―新宿鮫II』大沢在昌   700円

買い。92年度このミス第2位。この年の1位が『行きずりの街』。3位が『ダック・コール』。わたしは、『ダック・コール』が最高だと思います。新宿鮫のシリーズは文庫になるまでに時間がかかりますね。

光文社文庫

『二重螺旋の惨劇』藤桂子   600円

密室、アリバイトリックと本格好みの方向けのミステリ。地味ですが、買いましょう。デビュー作『獅子座』(父娘合作。講談社文庫)もいいですよ。未読の方はどうぞ。

扶桑社ミステリー

『現代ミステリーの収穫III ロスト・コースト』   760円
『現代ミステリーの収穫IV 馬に乗ったケラー』   705円

ミステリー・ホラー専門誌『ミステリー・シーン』が選んだ年間ベストミステリ短篇のアンソロジー94年版の邦訳。93年版はすでに同文庫より出版されております。これは、買い。

ハヤカワ文庫

『ホログラム街の女』ウィルスン

遅くなってごめんなさい。SFの方だったので見逃していました。たぶん書店にはまだ帯びつきで残っていると思いますが、買っておいてください。これ、よさそうです。読売新聞の書評でも取り上げられていました。クローンの女性から、失踪した恋人を探してくれと依頼されるという話。

その他

新潮文庫『泡坂妻夫の怖い話』泡坂妻夫   476円
ファンの方はどうぞ。買いましたが、ショートショートなので、雰囲気がちょっともの足りないかな。

新潮文庫『大人のための残酷童話』倉橋由美子
童話をちょっと怖く解釈した短編集。今月の新潮文庫の中では一番売れているらしいです。わたしはとりあえず買いました。

河出文庫『文豪ミステリ傑作選 三島由紀夫集』   660円
「サーカス」「毒薬の社会的効用について」などを収録。

河出文庫『怪獣文学大全』東雅夫編   998円
「発光妖精とモスラ」「マタンゴ」などを含むその筋の作品集。これは十分ミステリです。そして貴重な作品を集めているので、怪獣などくだらんと思っていると大損します。

光文社文庫『白銀の誓い』デイヴィス   648円
古代ローマが舞台。そして密偵の名はファルコ。しかもハードボイルド。この設定だけで買いです。シリーズ第1作ですしね。

講談社文庫『神の狩人』アイルズ  上下各800円
コンピューターネットワークの会員が次々に殺される、という物語。サイコ・スリラー。この系統はかつてずいぶんはやりましたが、これはいいかもしれません。

講談社ノベルス『匣の中』乾くるみ   920円
ごめんなさい、新書版です。竹本健治『匣の中の失楽』を読んでから読むこと。あの作品が気に入っている人は、大丈夫でしょう。わたしは楽しめました。

講談社ノベルス『血塗られた神話』   760円
こちらも新書版。メフィスト賞受賞。

講談社ノベルス『鬼流殺生祭』
明詞(明治?)時代に起きた密室殺人。おもしろいようですね。

 

7月 暑い日は、読書に限ります。重いもの、軽いもの、お好みに合わせてどうぞ。

ちくま文庫

『シャーロック・ホームズ事典』北原尚彦   1200円

ホームズ作品の事典。事件の概要や登場人物、品物、出来事などとホームズとの関連を解説したものです。ちくま文庫版のホームズシリーズとの連携が図られており、使い勝手のよいものになっていますが、他の文庫をお持ちの方も、十分使えます。これほどの調査内容を1200円で手に入れてしまってよいのか、と思います。買い。

角川文庫

『アナスタシア』ラヴェル   1000円

買い。ロシア最後の皇帝ニコライ二世の四女、アナスタシアは生きているのか死んでいるのか。1920年に自殺未遂をした女性がはたしてアナスタシアなのか、これだけで十分ミステリー。アニメ映画も公開されるし、以前のユル・ブリナーの映画を思い出します。パット・ブーンの歌『アナスタシア』を聴きながら読むとひたれます。

宝島社文庫

『Cの福音』楡周平   600円

宝島社が文庫を作りました。記念すべき第1作。手にとって見てみましょう。本のつくりとしてはなかなかていねいに作ってあります。表紙の手触りがちょっと惜しいですね。コンピュータ・ネットワークを駆使したコカイン密輸。悪に生きる男の物語。話題になった作品です。

新潮文庫

『僕を殺した女』北川歩実   590円

ある朝目覚めると、女性になっていた…。とんでもない出だしから始まる記憶喪失もの。日本推理サスペンス大賞第六回応募作。ただしこの年の受賞作はなし。優秀作があの『孤独の歌声』です。『僕を…』の方が、おもしろいです。お手軽な作品。

新潮文庫

『蝦夷地別件』船戸与一   上667 中705 下743円

アイヌ民族の蜂起を描いた大河冒険小説。船戸与一の作品はスケールが大きくていいですね。『砂のクロニクル』はお読みになりましたか?外れの少ない作家です。なお、『蝦夷地別件』は、このミス96年度第3位に入っております。

河出文庫

『暗黒のメルヘン』渋澤龍彦   893円

坂口安吾『桜の森の満開の下』、江戸川乱歩『押絵と旅する男』、夢野久作『瓶詰の地獄』、小栗虫太郎『白蟻』、安部公房『詩人の生涯』、倉橋由美子『恋人同士』などを収めた短編集。怪奇小説を楽しむにはよいですね。

小学館文庫

『ノックは無用』アームストロング   552円

買い。シャーロット・アームストロングは『毒薬の小壜』でアメリカ探偵作家クラブ賞を受賞(これは必読。世界最高のミステリとわたしは思います)。忘れ去られた作家という感じでしたが、先月、『サムシング・ブルー』が創元から出たばかり。続けて出されるのはうれしいことです。かつて、マリリン・モンローとリチャード・ウィドマーク出演で映画化されたものの原作です。

ハルキ文庫

『宵待草夜情』連城三紀彦

これはいいですよ。買いです。ハルキ文庫で連城三紀彦が次々に刊行されるようですね。未読の方はぜひとも読まれるよう、お勧めいたします。味のある作品です。

ハルキ文庫

『怪奇探偵小説集3』鮎川哲也 編   743円

シリーズ3冊目。1,2と揃えてコレクションしておきましょう。よいアンソロジーはよい長編以上の価値があります。これは絶対に買い。

講談社文庫

『テロリストのパラソル』藤原伊織   619円

江戸川乱歩賞受賞作。毎年夏になると、講談社のミステリー・フェアでは以前の乱歩賞が文庫化されます。ことしはこの作品。直木賞受賞。文春年間ベスト・ミステリー第1位。このミス96年度の第6位です。

講談社文庫

『梟の拳』香納諒一   895円

こちらもこのミス96年度第18位に入っている作品。買いです。

講談社文庫

『ミステリーズ』山口雅也

先日『ミステリーズ/完全版』が新書になったばかり。あっという間の文庫化ですね。短編集ですが、これはレベル高いです。

講談社文庫

『ミステリーの書き方』アメリカ探偵作家クラブ   581円

レックス・スタウト、エリン、ロス・マクドナルド、ヒラリー・ウォーなどがプロットの立て方の秘訣などを伝授してくれます。これは通の人にはおもしろいはず。というかここに登場する作者の作品を読むのが楽しくなるはず。コレクションしましょう。

祥伝社文庫

『笑う山崎』花村萬月

冷酷な男、山崎。何事にも動ぜず、手段を選ばない男。それでいてなぜか愛がある。冷たさにひかれる作品。このミス95年第4位。

祥伝社文庫

『不条理な殺人』法月綸太郎 他   619円

アンソロジーです。収録作家は、法月綸太郎、山口雅也、有栖川有栖、加納朋子、西澤保彦、恩田陸、若竹七海、近藤史恵、柴田よしき。揃えてきましたね。強力です。『小説non』に掲載されたものをまとめたものです。加納朋子の作品だけは、すでに『硝子の麒麟』に収録済み。あとはnon以外では初めて読めるもののようですね。

祥伝社文庫

『舌づけ』 菊池秀行 他   590円

こちらもアンソロジー。菊池秀行、乃南アサ、小林泰三、北川歩実、山崎洋子、山田正紀、加門七海、赤江漠。ホラーです。これも揃えましたね。2作のみ他の本に収録されています。

その他

創元推理文庫『慈悲のこころ』ケラーマン   上下各920円
シェークスピアが主人公の大河冒険活劇プラスミステリ。

創元推理文庫『牧師館の死』マゴーン   740円
『パーフェクト・マッチ』に続く第2段。前作がお気に召した方はどうぞ。

講談社文庫 『七日間の身代金』岡嶋二人   552円
傑作ではありませんが、そこそこ楽しめます。以前にも文庫化されています。

講談社文庫 『黒衣の女』折原一   552円
他文庫から講談社文庫になりました。いつものひねりとちょっと違う折原一の作品です。

講談社文庫 『閉ざされた夏』若竹七海   648円
『ぼくのミステリな日常』がおもしろかった若竹七海の長編。文学記念館で起きた密室殺人の謎―という設定です。

河出文庫 『文豪ミステリ傑作選 芥川龍之介』693円
芥川龍之介の作品をある程度持っていたら、いりませんね。

ハヤカワ文庫『追跡犬ブラッドハウンド』ラニア   上下各780円
アンソニー賞受賞作。とりあえずわたしは買いました。アンソニー賞というのがこれまでちょっとふるわなかったので、ちょっと心配。だからその他に入ってます。

角川文庫『エデンの炎』シモンズ   上下各700円
シモンズは物語を作るのがうまいです。盛り上げ方を知っている。マーク・トウェインの冒険と、古代の魔物をからませたのが味噌です。

 

 

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1997年3月〜9月

1997年10月〜12月

1998年1月〜6月

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