笑えるミステリがお好みの方に

 ミステリの中でも、心から笑ってみたいな、こわいのはきらい、という方に贈ります。

ドナルド・E・ウェストレイク 『踊る黄金像』 ミステリアス・プレス文庫

南米のある国から、踊る恰好をした黄金像が運ばれてきます。それをねらうよこしまな心を持った悪人たち。ところが、なんと模造品がたくさんあった!いったいどれがどれだかわけが分からない中、うわさを聞きつけた人たちが次々に参加して、思いもかけぬ展開に。読者は大爆笑。でも、本物がちゃんとどこかにあるのです。注意して、よ〜く読んでみると、ほら、これですよ、これ。

天藤 真 『大誘拐』 創元推理文庫

大富豪のおばあちゃんを誘拐しようとした三人組。うまく誘拐したのはいいけれど、おばあちゃんに「それじゃつかまっちゃうよ」などと注意され、いつの間にかおばあちゃんの思いのままに…。身代金を500万にしたらおばあちゃん怒ってしまうのです。そして本人が提示したのが百億円…。笑いながら、最後はほろっとさせられる、そんな楽しい作品です。

小林 信彦 『怪人オヨヨ大統領』 ちくま文庫

怪人二十面相を超えるというオヨヨ大統領。年齢不詳、国籍も、素顔も誰も知らないという謎の人物。やることはスケールが大きそうで、小さかったり、緻密なようで抜けていたり。シリーズの中には007の隠し子やらエースのジョーをモデルにしたような人物まで出てきて、笑わせてくれます。

トニー・ケンリック 『スカイジャック』 角川文庫

旅客機をハイジャックするとなるとこれはたいへんなこと。それをやろうとしたちょっと抜けてるメンバー。笑わせながら、アイディアのおもしろさに感心させられます。この作者の作品は、どれもおもしろい。『マイ・フェア・レディーズ』『バーニーよ銃を取れ』『リリアンと悪党ども』なども見つけたらぜひどうぞ。品切れなので、古書店へ。

ロバート・L・フィッシュ 『シュロック・ホームズの冒険』 ハヤカワミステリ文庫

ホームズのパロディとしては最高に笑える作品でしょう。わけのわからない推理で見事に見当違いの解決をし、迷惑そのものでいながら事件を解いてしまうという…。この作者は、他にも、死ぬまでに世のため人のために悪人を懲らしめてしまおうという「殺人同盟」シリーズ『懐かしい殺人』などもおすすめです。

 

大笑いできなくても、ユーモアに富んだミステリなら、ジョイス・ポーター『ドーヴァー4/切断』(ハヤカワ・ミステリ文庫)、クレイグ・ライス『スイートホーム殺人事件』、赤川次郎『三毛猫ホームズの推理』などがありますので、よろしかったらどうぞ。

 

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