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ステリの読み方どんな順序で読もうか…と、ふと考えたあなたに。
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読み方など、人それぞれ。これがよいとは言えませんが、わたしの読書の仕方を紹介させてください。 1 波紋式読書をしよう! 2 シリーズは順序を守って 1 波紋式読書 雨のひとしずくが池に落ち、そこに波紋が広がるように、一つの作品から次々と読む作品が見つかっていくのが波紋式読書です。たとえば、三大ミステリだから、と中井英夫の『虚無への供物』を読んだとします。ここから残る二つ『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』に行くのもよいでしょう。また、この『虚無への供物』の解説を読めば、この作品の前半が乱歩賞の最終選考に残った作品だということはすぐに分かります。そこで、その年の受賞作戸川昌子『大いなる幻影』、佐賀潜『華やかな死体』、候補作の天藤真『陽気な容疑者たち』を読むのも手ですね。ここから乱歩賞の世界に入るのもよいこと。天藤真の温かなミステリの世界に入るのも楽しいことです。あるいは、『虚無への供物』を意識して書かれた竹本健治『匣の中の失楽』に行くと、さらに世界が広がりますね。『将棋』『囲碁』『トランプ』のゲーム三部作もこの後読むと楽しめるでしょう。 ところが、困るのは初めのひとしずくをどうするか、ということ。一つ見つかれば何作かは読めるでしょうが、行き止まることもあります。そんなときは、迷わずミステリのガイドブックから興味をそそられる作品を探しましょう。わたしの場合は、文春文庫の『東西ミステリーベスト100』をテキストにしました。一人の作家を読みつづけると、世界がどうしても狭くなってしまいます。一つ選んだらそこから広がる世界を楽しみ、ある程度読んだらまた新しい作品を選ぶ、そんな楽しみ方をしてみませんか。このような方法で読みつづけ、わたしはベスト100に取り上げられた作品を読むために、1作あたり数冊〜十数冊という作品を経由しました。そのために何年もかかりましたが、より楽しむことができたと思っています。 |
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2 シリーズは順序を守って シリーズのキャラクターが決まっている場合、やはり出版された順序に読まないと、十分に作品を楽しむことができませんね。前作の事件を心に引きずっている主人公、以前に主人公に助けられた脇役、思い出の地…。それぞれに意味があるのに、単発で作品を読んでいるとそのあたりの意味が分かりません。たとえばヴァクスの『フラッド』に始まるシリーズ、主人公の心の葛藤と成長も見所の一つです。ですから、シリーズものは古いものから読みましょう。
こうして1の波紋式読書と2のシリーズの順序を組み合わせて読むと、これは実におもしろい読書ができます。難点は時間がかかること。でも、読書は心の栄養。じっくり時間をかけてください。雨のひとしずくは池を作り、豊かな潤いをもたらし、その水から新しい生命が誕生していくように、あなたの心を広く、深く育ててくれるはずです。このMystery Best ???が少しでもあなたのお役に立てたら、わたしは幸せです。 |
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